2018年第4回定例会個人質問―さがらとしこ
2018年11月26日 | さがらとしこ
おはようございます。私は、北区の子ども・子育て施策が、子どもの権利条約の立場でつひとつ実現されること、また保育園増設につづく学童クラブ待機児解消と施設改善、さらに学校改築について、大きく3つの質問をします。
1、北区子どもの権利条例の制定を求めて
はじめに、(仮称)北区子どもの権利条例の制定について質問します。
日本共産党北区議員団は、先日区長に提出した新年度予算要望など、毎年、子どもの権利条約に基づく「北区子どもの権利条例」を制定するよう求めてきました。
豊かな人間性を育む子育て・教育の実現のためには、日本政府が批准した条約の実行は、政府はもとより、自治体にも求められています。
旧児童福祉法では、子どもは大人によって保護され、愛護される「対象者」であり、実質的な主語はあくまで大人におかれていました。
子どもの権利条約が批准されたあとの1997年、児童福祉法が改正され、その第1条では、「すべて児童は、児童の権利に関する条約の精神に則り、適切に養育されること、その生活を保障されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られること、その他の福祉を等しく保障される権利を有する」とし、子どもは権利を持つ主体であるということが明確にされたのです。
そこで1点目、「子育て一番」を掲げる北区として、早期に「北区子どもの権利条例」を制定することを求めます。教育長、明確にお答えください。
【区の答弁】
児童の権利に関する条約は、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約で、区では、この条約も踏まえ「子ども・子育て支援計画2015」の基本的視点において、子どもの人権を尊重し、「子どもの最善の利益」の実現を目指すとしています。
そして、この基本的視点に基づき、すべての子ども・子育て施策を推進しているところです。
ご提案の条例制定については、他自治体の状況の把握に努め、今後の研究課題とさせていただきます。
子どもの権利条約の中でも大変重要とされているのが第12条の、子どもの意見表明権です。ここでは、子どもが自分に影響のある事柄について、意見を自由に表明できること、行政の手続きの中で意見を聞いてもらえること、代理人のサポートも得られることを保障されるとしています。子どもの意見をしっかりと受け止め、その意向を尊重しようと日々の努力が重ねられているのかどうか。子どもの意見よりも、組織や大人たちの都合が優先されてしまってはいないかが問われています。
新年度からは改築中の王子第一小学校を残して、区立小学校では放課後子ども総合プランが導入されます。また、待機児解消めざして新たに8つの学童が新設されるなど、子どもたちにとっては大きな影響を与える変化です。
そこで2点目の質問は、北区が現場の職員の方々と、新たな施策について子どもたちにきちんと説明し、子どもの意見を聞く機会をつくることです。子どもの意見表明権を保障するための北区の姿勢について、お答えください。
【区の答弁】
「子ども・子育て支援計画2015」の基本的視点においては、子どもの人権を尊重し、「子どもの最善の利益」の実現を目指すとしており、これまでも、この視点に基づき施策を推進しています。
環境の変化に対する説明については、これまでも子どもたちに一番身近な現場職員が、子どもたちの発達段階に応じた説明を行っています。
また、保護者説明会の開催や学校、地域への説明を通じ、学校、地域、家庭における子どもたちへの説明・理解を図っています。
引き続き、子ども、保護者、学校、地域への丁寧な説明に努めてまいります。
2、学童クラブの待機児童解消と子どもたちの豊かな育ちの場をめざして
大きく2つ目の質問は、学童クラブの待機児解消と子どもたちの豊かな育ちの場をめざして、教育長に質問します。
保育園の待機児解消で北区は、区立保育園増設と区職員の定数増など、認可保育園を中心に積極的な拡充をおこないました。日本共産党北区議員団も、都有地や区有地活用の提案など、区民の切実な願いにこたえたいと、共に施策の推進に取り組んできました。
加えて、北区における人口はすでに35万人を突破し、最新の北区人口推計では、総人口で今後10年間、年少人口で今後15年間増加してゆくことが明らかになりました。
こうした中で、放課後の遊びの場であり、生活の場である学童クラブの社会的役割が一層大きくなり、学童クラブの待機児解消は喫緊の課題となっています。
今議会には、すでに基本計画の数値を上回り、来年4月からの定員を新たに295人増やすこと。そのための新設場所や規模について提案されており、積極的な姿勢として評価します。
代表質問でわが会派の本田正則議員が指摘したように、学童クラブへの期待の高まり、需要増加は長期的な傾向とみられ、潜在的な需要も念頭に置きながら、今後も計画的な施策推進が必要です。
2012年の8月、「子ども・子育て関連3法」で、学童クラブの基準は児童福祉法第34条8の2項によって定められ、国はその「運営指針」で、一学童クラブの規模は「概ね40人以下とする」としました。その理由として、(1)子ども相互の関係性の構築、(2)一つの集団としてのまとまり、(3)共に生活する支援員つまり指導員と個々の子どもとの信頼関係のためと説明しました。
北区の条例もこの基準が踏襲され、「規則」では、児童一人あたりの専用区画面積は1.65㎡と定められ、現在ある64学童クラブのうち、その多くは定員40人となっています。
一方、今議案にもあるように新年度からは8つの学童が新設され、過去最高の72学童クラブとなりますが、定員40名を超える学童クラブは10ヵ所にのぼります。
いま、学校施設の中には、さまざまな子育て支援策が導入、展開される中で、、学童クラブの施設確保一つをとっても大変です。学校側の協力で、ランチルームや生活科室を活用したり、プレハブで別棟を建てて放課後プランの部屋とともに学童の部屋を増設したり。また、いったん閉館した児童館の中の育成室を復活させて活用をはかるなど、待機児解消の手立てをつくすためには、少なくとも、現在の既存施設である児童館や育成室などを残しておくことはますます大事になっています。
一人あたりの専用面積基準は守られているとはいえ、1年生から3年生までの異年齢の子どもが通う学童クラブですから、少なくても「運営指針」のおおむね40人以下とするよう、よりよい環境改善への努力が求められます。
指導員のお話では、「40人を超えると、大声で話さなければ、声が届きません。怒鳴り声になってしまい、子どもたちも落ち着かなくなります。とくに今年の夏は暑くて暑くて、朝からイライラしています。すると、いままで仲良く勉強していたのに、隣の子と肘がぶつかったり、肌と肌とが触れただけでもけんかが起きてしまう状態でした」と。
とりわけ、夏休みは、朝8時15分から夕方7時までの長時間になります。学校の教室を活用した学童クラブの場合は、一教室分の63㎡に40人定員が基本です。これは何十年来も変わらない施設規模で、遊びと生活の場が運営されています。もちろん、外遊びやさまざまな行事もありますが、熱が出たり、ケガをして病院にゆくまでとか、保護者の方のお迎えがくるまでの間は、畳の部屋の隅っこで寝ていることになりますが、この状態の改善は急がれます。
そこで質問の1つめは.学童クラブの定員は40名以下を基本とすること、静養室の確保など施設の改善を求めるものです。そのためにも、たとえば、今回再開された赤羽西五丁目児童館や、新年度から学校内に移設される桐ヶ丘児童館の育成室など、既存の施設を今後も活用できるようにしておくことを求めます。
【区の答弁】
学童クラブについては国の運営指針において、概ね40人以下という支援単位が示されており、区においてもこれを一つの目安として、定員を定めています。
現在40名を超える人数を定員としている学童クラブがありますが、区においては、概ね40人を基本としながらも、部屋の規模などの各施設の状況や指導員の配置等により円滑に運営できる学童クラブについては、40名を超える定員を設定しています。
なお、喫緊の課題である、学童クラブの待機児童解消については、遊休施設等を活用することを含め、様々な手法を工夫しながら対策を推進してまいります。
質問の2つめは.夏休みなどの長時間にわたる学童クラブの環境改善をすすめることです。さらなる学童クラブの施設整備として、静養室にも活用できる補助室と指導員の更衣室の確保。酷暑対策として、室内エアコンは実情に合わせて室温管理ができるようにすること。体育館へのエアコン設置、また、近くにある児童館や子どもセンターなどの活用も必要になってくるのではないでしょうか。災害級といわれる「酷暑災害」への備えも求めるものです。
さらに、職員の処遇改善、職員配置の拡充も求めます。お答えください。
【区の答弁】
現在、学童クラブでは、学校により状況は異なりますが、専用室のほかに、校庭、体育館、図書館、ランチルーム、多目的室など様々な諸室を、放課後子ども教室とともに、共用・活用しています。
本定例会の条例改正案でご提案しました、新たに放課後棟を建設した学童クラブにおいては、スタッフルームや子どもたちの活動場所の確保など環境改善に努めています。
ご指摘の夏季の猛暑対策については、適切な冷暖房設備の室温設定や、学童クラブ専用室以外に冷暖房設備が設置された諸室を活動場所として使用するなどの運営上の工夫により、猛暑対策を行なっています。
また、職員の更衣室の確保についても、放課後子ども教室の職員更衣室とともに、学校施設の共用・活用などにより改善に努めています。
あわせて、職員の処遇改善、職員配置についても、学童クラブの現場の実情を踏まえ、引き続き、適切に対応してまいります。
なお、今後区立小・中学校体育館への冷暖房設備の設置を進めていく予定であり、学校とも協議をしながら、活用を検討してまいります。
質問の3つめは、地域のなかでの子どもたちの育ちの場を保障するため、これまでに培われてきた子どもを真ん中にした異年齢集団が、企画や運営をしてきた地域の恒例行事、たとえば、こどもまつりやフェスティバルなどの行事を継続できるよう、積極的に支援してゆくことについてです。放課後の豊かな育ちに携わる職員も、自治体職員、民間事業者、そして地域の方とさまざまになっていますが、こうした中で、何十年も継続されてきた子どもたちの発表の場でもある地域行事が継続されるよう求めます。
【区の答弁】
地域行事などにおいて、異年齢の子どもたちが集い、行事を企画し、そして運営することは、子どもたちの健やかな育ちのためにも、大変有益なことであると考えます。
今後も、子どもたちの育ちの場・成長の場となる地域行事については、引き続き、積極的に支援してまいります。
質問の4つめは、学童クラブ指導員などのスキルアップについてです。
指導員は「聞き上手でなければ…」といわれます。「ただいまあ」と学童に帰ってくる子どもを丸ごと受けとめる指導員。ストレスをかかえている子がいたり、発達のおくれが心配される子がいたり。時には、保護者が抱える生活面での困難や家族関係の悩みを相談されたり。いま、指導員には、放課後の遊びと生活を通したケアという役割も大きく求められています。職員のスキルアップへの支援や、本年、相談機能が拡充された教育総合相談センターとの連携をふくめた研修の実施を求めるものです。
【区の答弁】
学童クラブの職員は、様々な子どもの発達過程や家庭環境などを理解したうえで、一人ひとりの子どもに合った育成支援を行なうことができる能力が必要です。
また、保護者が抱える悩みやの対応などについても、必要な能力であると考えます。
そのため、職員のスキルアップのために、年間を通して研修を実施するとともに、東京都等による研修への参加などを推進しています。
また、定期的に臨床心理士による、学童クラブの巡回指導も行ない、専門的見地から職員に対し、指導・助言を行なっています。
また、学童クラブにおける相談機能を充実するため、学童クラブと学校、教育総合相談センターなど関係部署との連携をさらに進めてまいります。
質問の5つめは、「子ども・子育て支援交付金」や学童クラブへの補助金の大幅引き上げを都に求めながら、施策の推進を求めるものです。
以上お答えください。
【区の答弁】
区では、これまでも、国および東京都に対して、特別区長会を通じて子育て施策の充実について、財政負担が大きい特別区ならではの事情を踏まえて財政支援などを要望しており、引き続き、強く求めてまいります。
3、学校改築と教育環境の整備について
大きく3点目の質問は、学校統合問題と学校改築に関する問題についてです。
(1)西が丘小学校の3年間にわたる通学状況の検証を
はじめに、西が丘小学校の3年間にわたる通学状況の検証についてうかがいます。
三岩小と清水小の統合による西が丘小学校の誕生から、2年8ヵ月がたちました。現在、旧清水小学校での学校生活が続けられています。一方、旧第三岩淵小学校を改築時の仮校舎としてきた稲付中学校では、来春には新校舎がオープンすることになっています。
西が丘小学校の改築については、旧三岩小学校の場所で、平成34年9月の開設に向けて、新校舎の基本設計が報告されました。「基本設計検討会を終えて」という記述の中に、「子どもたちが安全・快適に学習・生活でき、地域に親しめる学校をつくってほしい」「木をふんだんに使い、自然を感じながら感性を育てる環境としてほしい」と、地域の方々の期待とあたたかい眼差し、願いがよせられています。
西が丘小では、通学距離が一番長い児童は1キロを超えるとのことですが、先日、次のようなご意見をいただきましたのでご紹介します。
「1年生の孫は、朝7時半に家を出て、友だちと誘い合って、西が丘小学校までは歩いて25分ほどかかっています。登校の様子を見ていると、近くに住む子どもたちの帽子がそれぞれ違うんです。学区域変更されたかたもおられますからね。孫は西が丘小の学童クラブにも通ってますが、今はもう夕方5時過ぎには暗くなってくるし、坂や路地もたくさんあって、迷路のようですから帰りがとても心配です。シルバーの方に送っていただいていますが、つぎに帰宅するこどものたちへの時間の制約がありますから、途中までです」と、心配されていました。
西が丘小の新校舎が完成するまでの改築工事期間を含め、これからの通学の安全と教育環境の充実を願って、教育長にうかがいます。
質問の1つめは、通学中の安全対策の現状についてです。現在、バスの運行や交通指導員の配置など、どのような通学の安全対策がとられていますか。また、学童クラブや放課後子どもプランを利用している場合はどのような対応となっていますか。現状について、お答えください。
【区の答弁】
西が丘小学校では、統合新校の設置にあたり、地域・PTA・学校と連携し、通学路を実際に歩いて安全点検を行ない、交通指導員の配置、横断歩道や標識の設置、指定校変更の弾力化など、通学の安全の確保に努めてまいりました。
マイクロバスにつきましては、朝の登校時に限り稲付中学校の部活動送迎用バスを、平成31年3月までの3年間限定で活用しています。
また、学童クラブについては、他の学童クラブと同様に、4月および10月から2月までの期間、シルバー人材センターへ委託して、児童の帰宅時間に合わせた学童クラブ周辺のパトロールを実施しています。
なお、放課後子ども教室を利用している児童については、他の学校と同様、自由参加、自由帰宅となっております。
質問の2つめは、新年度からの通学路の安全対策についてです。学校改築が終了するまで、さらに3年半は旧清水小学校への通学になります。起伏の多い土地柄ですから、通学路におけるブロック塀や擁壁の安全点検と対策も課題です。
さらに、旧岩槻街道の拡幅にともなう歩道の整備もこれからで、新たに信号機などが設置されます。こうしたことから、あらためて通学路の点検とともに、学校統合に伴って実施されてきた対策が、権利の主体である児童の視点からみてどうだったのか。その検証を行い、新年度以降も、さらに通学路の安全対策を強めていただくことを求めます。お答えください。
【区の答弁】
教育委員会では、児童の通学路の安全は、優先的に取り組むべきものと考えています。
西が丘小学校では、安全指導のほか、教員と保護者による年2回の通学路点検および児童による安全点検マップづくりなど、安全対策を実施しており、安全に通学できているものと認識しています。
今後も必要に応じて通学路の安全点検を行ない、児童の目線に立った、適切な対応をしてまいります。
(2)赤羽台西小学校の改築用地の確保について
次に、大規模な建て替えと再生事業が進行中のUR赤羽台団地と都営桐ヶ丘団地の中にある2つの小学校における、今後の学校改築の課題についてです。
私は、これまで、この2つの小学校改築にあたっては、他の地域と違う条件や、これまでの経過があることを指摘してきました。さらに、それぞれ事業主体が異なるとはいえ、公的な役割を担って公的住宅を建て替え、住環境の水準を引き上げてゆく役割を担っていること。さらに、まちを再生してゆく役割を担っていること。つまり、地域における保育園や学校、医療や介護、福祉などの欠くことができない施策を推進してゆくためにも、その公的な責任を担っていることを指摘し、北区や教育委員会が事業主体であるUR都市機構と、そして東京都とともに地域住民の願いに応える責任があること。そのためには、機を逸することなく課題を共有し合い、協議のテーブルにつくことを求めてきました。
そこで、UR赤羽台団地内の区立赤羽台西小学校の改築用地確保を求めて質問します。
この秋、建て替え事業が完了し、スターハウスなどの保存活用と既存建物の除却、遺跡調査のうえ、ここでは新たなUR賃貸住宅の建設が予定されています。この場所に隣接しているのが赤羽台西小学校です。第3定例会における私の質問に対して教育委員会は、「旧赤羽台東小学校の利活用に関して、地域代表の方をはじめ区民からも、赤羽台西小学校改築の際の移転先として活用するご意見を頂きました」。そして、「今後、赤羽台西小学校の改築計画を具体化するにあたっては、検討委員会を通じて頂いたご意見を十分考慮したうえで、総合教育会議の場に限定せず、区長部局と教育委員会で連携をはかりながら検討を進めてまいります」と答弁されましたが、赤羽台東小跡には児童相談所などの複合施設をつくる方針が示されています。
そこで質問します。赤羽台西小学校改築については、計画の具体的検討の時期を迎えています。区長部局と教育委員会が連携を図り、事業主体であるUR都市機構に対して、隣接地にある区立赤羽台西小学校は、昭和36年に建設された校舎であり、今後優先して改築すべき学校のひとつであるということをきちんと伝え、協議の場を持っていただくことです。
権利の主体である子どもたちの安全と負担軽減、教育環境への配慮、そのために学校改築用地確保に向けての道を、切り拓いていただくことを求めるものです。お答えください。
【区の答弁】
同校は、昭和30年代に建設され、今後優先して改築を検討すべき学校の一つであると認識しています。
改築計画を作成するためには、適正配置の協議でも懸案となっていた児童数の推移を見極めたうえで、学校規模を算定する必要があります。
また、その改築時期は、他の小中学校の状況や地域バランスなど、総合的な判断を要するため、現時点で着手していない学校の事業化については、新たな「北区立小中学校長寿命化・改築改修計画」と「北区基本計画」の中で、検討、整理していくことになると考えています。
今後、改築計画を具体化していく中で、UR都市機構との調整が必要となる場合には、教育委員会としても、区長部局とともに、積極的な働きかけを行なってまいります。
(3)統合から16年となる桐ヶ丘郷小学校改築の課題について
学校改築にかかわる最後の質問です。
都営桐ヶ丘団地内の桐ヶ丘小と桐ヶ丘北小の統合問題では、団地の建て替えはすすむが、将来、学校を建て替える時にはどうするのかが大きな課題でした。この中で、東京都から、現在地に近い場所に用地が確保できるという説明を受けて、区有地にある桐ヶ丘小を残し、統合校の名前は桐ヶ丘郷小となってから、16年が経ちました。
私は、子どもたちの教育環境を守り、安全に改築をすすめるためには、改築の際の用地を確保することが必要であり、東京都との協議が大事であると繰り返し求めてきました。
平成11年の第4定例会での私の質問に、当時の久野教育長は「桐ヶ丘小学校は桐ヶ丘団地再生計画の区域内に位置しております。そして平成8年から32年までの6期に分けられる桐ヶ丘団地再生計画のうち、第4期の平成20年から24年に、現在の北西の隣接地に移転することになっております。その際には、当然建て替えが必要になることでございますが、具体化にあたりましては、今後東京都と協議してまいります」と答弁されました。
その後の平成22年、ちょうど東京都から後期計画案が示された時期になりますが、私の本会議質問に対して、当時の内田教育委員会事務局次長は、「再生計画後期計画の策定にあたり、東京都において、区道の配置、桐ヶ丘中央公園の拡充と再配置等を検討した結果、桐ヶ丘郷小学校の位置を変更する必要はないとの判断を行ったものであり、そのため、東京都から、桐ヶ丘郷小学校の移転に関しての協議の申し入れはありませんでした」と答弁されました。
学校改築にあたっては、それぞれ、一校一校、十分な調査や検討が必要であることは当然です。しかし、後期の建て替え事業で学校改築の予定地には、すでに新しい住宅が建ち、北区は再生事業の最後となる第6期計画に区民センターや区道の新設を予定していますが、いまだに学校改築の際の用地をどうするのか、見通しが示されていません。
最後の質問です。桐ヶ丘郷小学校の改築についてどう考え、改築用地の確保はどうするか。子どもたちにとって、安全に、そして教育環境を守るためにどうすればいいか。子どもの権利を守る立場で、北区から東京都に対して、課題を共有し、協議の場をつくることが大事ではありませんか。桐ヶ丘団地では、建て替えから再生へと大きく事業計画が移ってゆく時期をむかえています。くれぐれも時機を逸することなく、今後必要となる小学校改築用地の確保について、東京都に協議を申し入れ、真剣な協議をおこなっていただくことを求めます。お答えください。
以上で、私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。
【区の答弁】
今年度から検討を開始した「北区立小中学校長寿命化・改築改修計画」では、昭和40年以降に建設した学校の長寿命化が大きな課題の一つとなっており、桐ヶ丘郷小学校についても、今後、その計画に沿って具体化を図ることになると考えています。