日本共産党北区議員 本田正則
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北区の27年度予算への本会議反対討論と、日本共産党の度予算の組み替え動議の賛成討論 


 ただいま上程されました、第29号議案、2015年度一般会計予算、並びに、第30号議案国民健康保険会計予算、第32号議案介護保険会計予算に反対、また、第29号議案一般会計予算の組み替え動議に賛成する討論を行います。
 安倍政権の「アベノミクス」のもとで、実質賃金が19ヶ月連続減少、GDPはマイナス0.5%と、リーマンショック後の2009年度以来5年ぶりのマイナスとなり、日本経済は悪化の一途をたどっています。2400通の回答があった日本共産党北区議員団のアンケートでも「くらし向きが悪くなった」が7割を超えました。加えて、これから強行しようとしている消費税10%増税や社会保障削減などで、年収500万円で二人の子育てをする世帯の可処分所得は、2010年と比べ年間19万円も下がるという民間シンクタンクの試算もあります。この試算には、介護保険や国民健康保険制度、労働法制、外形標準課税の改悪などは含まれません。今年の春闘では2年連続のベースアップとなったものの組合側の要求にはほど遠い数千円程度のものでした。仮に平均で賃金毎月1万円の上昇があったとしても可処分所得の回復は困難です。
 いま区政に求められているのは、こうした実態にある区民の暮らしを応援し、貧困の解消と格差の是正に正面からとりくむことです。

 そうした状況の下、新年度予算に盛り込まれた、多床室を含む特養ホームの整備誘導。待機児解消に向け27年度233人、28年度377人増となる認可保育園の整備。養育支援訪問などの育児支援策の充実や、北区くらしとしごと相談センターの開設、さらに木造民間住宅耐震改修助成制度の充実等は住民要望に応えたものとして評価いたします。
 しかしながら以下に述べる4点の理由から、三つの予算原案に反対します。

 反対理由の第一は、消費税増税や社会保障改悪等で、くらしや平和をおびやかす安倍内閣の暴走を容認する姿勢です。
 消費税を「社会保障の手段としてふさわしい税金」としたことはその典型であり、代表質問では重ねて国や都の横暴極まりない行いには「キッパリ」ものを言うことを求めました。
 介護保険料が、基準額で月額710円、年額で8520円上がります。国民健康保険料もあがり、北区が示したモデルでは1人子育ての3人世帯で、年収400万円で3568円、同じく年収500万円で、3248円の引き上げになります。
 また、3年間で2.5%の年金削減の北区民への影響総額は、共済年金等も加味すると、30億円以上になることが、予算審議で明らかになりました。さらに子どもの貧困が指摘される中、子育て世帯には扶養控除の廃止に続き子ども手当まで縮減です。非正規労働者の正社員化こそ必要なのに、逆に非正規を拡大する方向へとまっしぐらです。
 これほどまでに区民の暮らしを脅かす安倍政権の増税と社会保障制度改悪に、口をつぐんでいる姿勢は容認できません。

 反対理由の第二は、北区の最も重要な仕事の一つである区民の貧困解消、格差是正への対策が、十分に取り組まれていない点です。
 区はこれまでも「財政が厳しい」「このままでは基金が枯渇する」などといって、区民に負担を押しつけ、サービスを削減してきました。新年度予算でも最高齢をのぞく101歳以上の敬老祝い金を削減、必要な予算はわずかに432万円なのにであります。さらに、260万円の放射線測定費までカットしました。
 その一方で、主要5基金の積立金残高は、過去最高の465億円に達しています。
 この間、私たちは、財政計画と実際の区財政との巨額な乖離を指摘し続けてきました。主要5基金残高の推移について、この4年間を見てみると、平成23年度は、当初344億円の予測が、決算で416億円、24年度は279億円の予測が438億円、25年度は378億円の予測が445億円でした。26年度は当初409億円が現在465億円。決算でさらに膨らみます。当初予算と実際の乖離は、23年度72億、24年度141億、25年度67億、26年度は今でも56億あります。財政調整基金だけ取り出しても、59億、138億、51億、54億と乖離が50億円を下回ったことはありません。
 北区基本計画2015(案)、および北区経営改革プラン2015(案)の策定過程でも、財政計画と実際の区財政の乖離がこれほどあることについての説明は一切ありませんでした。 それでも「財政危機」をあおり、さらに、福祉・教育分野等での事業の廃止・縮減、児童館・ふれあい館など公共施設の15%削減、窓口業務の委託、そして指定管理施設のさらなる拡大「計画」を誘導したことは認められせん。

 反対理由の第三は、住民合意のないまま、強引に進める、まちづくりや道路整備の姿勢です。
十条駅西口の再開発事業は、いまだに地元説明会の理解を得られていません。区は理解を得られるようわかりやすい説明をするとしていますが、説明をしても、脱退表明者が増え、組合設立に不可欠の2/3の賛成確保が危ぶまれる状況です。予算審議では「岐路に立っている」との評価も出されました。こうした事態に立ち至ったのは、元々計画に無理があったからです。建築費高騰がおき、それを捻出するデベロッパーの利益確保のため、保留床拡大を検討中です。しかし、オリンピック前後の不動産価格の乱高下などは考慮に入れていません。十条にふさわしくない高層ビル建設というだけでなく、赤羽西口や北赤羽の再開発の教訓に学び、権利者の資産を守る姿勢にもかけています。
 十条駅付近立体交差化事業についても、住民不在の姿勢が際立っています。元々地元も、区議会もあげて地下化が一致点でした。いわば、東京都・JRの対案が高架化です。それならばまず、現状と、地下化、高架化について、取得が必要な用地、工法など、技術的レベルにも踏み込んだ比較検討を公開で実施すべきです。環境アセスメントでも、何通りかの代替案を示して、その影響の比較検討を東京都に求めるのが、国際的な常識です。こうした常識的な検証すら東京都に求めず、問答無用で高架化を急ぐ区長の姿勢も認められません。
 特定整備路線は、説明会開催から、合意形成の暇もない短時日の間に事業着手となりました。このこと自体住民無視の暴挙そのものです。都市計画決定手続きも、幣原内閣が総辞職し、吉田内閣が成立するまでの間になされており、法的正当性をめぐる係争が発生しています。一番の問題は、都市計画決定過程だけでなく、70年を経た今日まで、その計画の効果や必要性、そして関係権利者や周辺住民への影響などの一切を、科学的に検証し、合意を得ることもなく、計画がごり押しされていることです。それどころか、都市計画線を、新たな地形図に載せ替えるたびに、自宅や所有地と、道路境界線との関係が何mもずれていることが、住民の調査で明らかにされました。建築の制限を受けたり、はずれたり、立ち退きが必要になったりということが、事の是非を問うこともなく繰り返されれば、財産権の侵害と言われてしまうのも当然です。このような計画をごり押しする東京都に黙って追随する姿勢もまた認められません。
今は、住民の頭ごなしに計画を押しつけようとする東京都ですが、かつて、住民の声に応えて、6つの対案を出して議論を深め、計画変更をしたこともありました。板橋区、練馬区を通る、放射36号線です。板橋区の小竹向原駅近くにある道路碑には「生活の利便さと引替えにもたらされる環境の悪化を憂えた地域の人々は、良好な環境と生活を守るために立ち上り団体を結成し、悩み、考え、学び、行動し苦渋の選択を行った。行政と住民団体との十数年に及ぶ相克と合意づくりへの情熱により「校庭部分の地下化」、「歩道の拡幅」、「緑豊かな堤と遊歩道」、「無電柱化」、「自転車置場」等を実現し」等と書かれ「都と住民との英知と努力の結晶として生まれたこの道路が、今後の道路建設のひとつの方向を示す道しるべとして、末永く健全に守られることを希い、ひたむきに取りくんだ多くの人々の熱意と行動の証しとしてこの碑を置く。」と結ばれています。まさに時間をかけてでも合意を作るべきであり、問答無用でごり押しする東京都と、それに追随する北区の姿勢は認められません。

 反対理由の第四は、国民健康保険と介護保険の保険料値上げと、制度改悪です。
 政府はこの3月3日、昨年の医療法改悪に続き、国保の都道府県化を進める改悪案を閣議決定しました。その中で、市町村の一般会計からの繰り入れ中止など、保険料を引き上げ、保険外治療を拡大することなどを盛り込んでいます。
 今回の国保料の値上げは、この都道府県化に備え23区国保が行ってきた、所得による保険料算定方式の切り替えによる大きな値上げへの激変緩和措置を全廃するものです。これにより、低所得者層に、より大きな影響を及ぼすことも明らかになりました。その結果、払いたくても払えない方を増やします。4月以降、手元に保険証が渡らない恐れのある方も9000人近くに及んでいます。
 介護保険では保険料滞納のため、サービス利用料の3割負担を余儀なくされ、経済的理由で介護サービスが制限される事態まで生じています。
 特養ホームの入所条件を介護3以上に、介護軽度者を保険から外すとするなど、3年ごと5回の改悪で制度そのものの崩壊が心配されます。
 まさに、負担増と、国民皆保険制度、介護保険制度の破壊につながる制度改悪を盛り込んでいる点で認める事はできません。

 加えて3点、要望をいたします。
 一つ目は岩江クリニックの「制度外ホーム」問題についてです。北区が虐待を認定し、東京都が「有料老人ホーム」に認定しました。まず何よりも、身体拘束と虐待のゼロをめざし、東京都との連携を強化し、事態改善に向け、迅速に取り組む事を求めます。あわせて、こうした制度の狭間で苦しむ高齢者や障がい者とその家族の救済のために努力している事業者を支援する制度の整備と、虐待するような事業者を取り締まる法整備を国や東京都に求めて下さい。
 二つ目は、公契約条例の制定、三つ目は、コミュニティバスが黒字化に近づいたことをふまえ、ネットワークを目指し、当面時期開設路線の選定に踏み込む事を求めます。

 そのほかの特別会計予算には賛成であることを申し添え、予算原案に対する反対討論とします。

 次に、予算組み替え動議についての賛成討論を行います。

 今回の組み替え動議の意義について3点述べます。
 第一は何よりも、やる気になればすぐにも実現可能な、区民の切実なくらしの要望を盛り込んだことです。高すぎる国保料、介護保険料の負担軽減、まだまだ足りない特養ホームと認可保育園の更なる増設など、すぐにでも実現してほしいと言う要望の強い施策を提案しました。「長生きするなら北区」「子育てするなら北区」とスローガンを掲げる北区が、この提案に正面から答えることを求めるものです。
 第二は、これらすべての組み替えは30億円の財源があれば実現できることです。
先ほども指摘したとおり、23年度以後の北区の5基金総額の当初予算と決算の乖離は、65億円以上、財政調整基金を取り出しても50億円以上でした。この中から30億円を活用することは十分に可能です。
 第三は、今回の提案が北区が新しい基本計画で示している「地域のきずなづくり」「子育てファミリー・若年層の定住化」という方向と合致したものだということです。
 高齢者見守り支え合い活動への支援拡充や、子育てファミリー、若年層への家賃補助、保育料・育成料の第二子以降の無料化などは、まさに北区がめざしている方針を具体化したものです。
 基本計画の初年度でこれらを実施すれば、その波及効果は計り知れないと考えるものです。

 以上で、すべての討論を終結します。ご静聴ありがとうございました。。
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