TOP>2012年7月3日区長に申し入れ


平成24年度北区震災訓練に関わる申し入れ
2012年7月3日
北区長 花川 與惣太様
日本共産党北区議員団
幹事長 八巻  直人
                      
 自衛隊が自然災害発生時に、災害派遣の一翼を担い、被災住民、被災地の救助、救援の任に当たることは当然です。しかし、国民保護法による「保護計画」に基づいて、防災訓練を利用しての、保護計画の実行訓練が行われようとしていることは看過できません。
 また、防災訓練への関わりを通じて、自衛隊が、自衛隊法にある「災害訓練」としながら、自治体主権の防災訓練に何らかの形で「参画」しようとしており、そのことへの注意を喚起するものです。
自衛隊の側では、災害訓練と、いわゆる軍事訓練とを区別するつもりはなく、それは先般おこなわれた「レンジャー部隊」の街頭示威行動を見ても明らかです。自衛隊が、自然災害時に派遣されて、諸活動をおこなうことは当然ではあっても、地方自治体が、日常からの防災訓練時に、自衛隊による「軍事訓練」の場を、提供するようなことはあってはならないことです。

 そもそも国民保護法は、各種「事態法」が設定する、国内外における戦争状態に際して、地方自治体や、広く町会、自治会、消防団、病院等を「国家総動員体制」のもとに置こうとするものであり、その憲法違反が各界から指摘され続けているものです。
 しかも、自治体による「保護計画」は、防災訓練等を利用し、日常から、住民意識を戦争に直結させようという考えに立つもので、とうてい受け入れがたいものといえます。

 7月16日〜17日にかけて、行うとする陸上自衛隊第一普通科連隊災害対処訓練は、北区並びに北区議会もその被害を受けたところの、「情報保全隊」の参加も予想されます。情報保全隊とは、平和、民主団体の、あるいは市民団体の諸活動を、日常的に監視し、かつ、「一朝有事・事態発生」の際には、「治安維持」を名目にして、諸団体の「活動家」と目する人物を、警察にかわり、自衛隊の監視下に置くことを目的とした「活動部隊」です。
 2012年3月には、仙台地裁で、イラクへの自衛隊派遣の際の活動が、人格権を侵害するものとして違法であるとの判決が出されています。
 この「情報保全隊」に、防災訓練等の場を提供してはならないことは当然であり、ましてやそうした「情報保全隊」の軍事訓練に地方自治体が、協力することはもちろん、参加を要請することなどあってはならないことです。

 石原知事の下で、十条駐屯地の「避難広場」指定が撤廃されており、同地域住民の避難に重大な支障が生じています。また、同駐屯地グランドや広場の開放の約束も反故にされたまま、今日に至っています。ヘリコプターの離発着陸訓練も、「月一回程度」という約束が守られていません。アメリカのアフガン侵攻からイラク戦争突入と、その戦争政策の拡大により、自衛隊の戦争協力態勢は、とうとう戦地派遣にまで及んでしまいました。そのたびに、十条駐屯地は、周辺への緊張感を広げています。
 こうした事情に鑑みれば、現在の自衛隊の災害訓練等に対して、無条件に協力することは、妥当な判断とはいえません。
よって、日本共産党北区議員団は、以下3点について、申し入れるものです。



  一、 平成24年7月16日〜17日にかけて行われる、陸上自衛隊第一普通科連隊災害対処訓練にさいしては、北区として庁舎の利用等はさせることなく、隣地十条駐屯地の利用をすすめること。
  一、 平成24年度北区震災訓練にあたっては、自衛隊に、訓練参加等の要請は行わないこと。また、各訓練会場への自衛隊としての参加は、いっさい行わないように、自衛隊に申し入れること。
  一、 Jアラートについては、ミサイル情報等の内閣官房発信情報について、地方自治体が、おこなうべき責務はいっさいなく、この発信については遮断すること。また、内閣官房情報としての「軍事情報」を、地方自治体の防災無線を使うことによりおこなうことは、地方自治権侵害であり、憲法違反を指摘する声もあるところで、これを拒否する旨、内閣官房長官宛てに厳重に申し入れること。
以上