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 5月16日(木)午後6時半から、北とぴあ飛鳥ホールを会場に「医療と介護を考えるつどいパート2」(党北地区委員会・区議団主催)が開かれ、悪天候にもかかわらず会場いっぱいの300名が参加し、会場は熱気に包まれました。ご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました。

 私、山崎たい子と本田正則区議が司会をつとめ、主催者を代表して、そねはじめ前都議から開会の挨拶の後、第1部として、北区ですすんでいる医療と介護の連携の現状と課題を、お二人のゲストスピーチがスライドを使ってお話しました。

 浮間さくら荘高齢者あんしんセンター相談員の関口久子さんは、病気や障害を持ち、経済的にも困難を抱えている家族に対し、地域の医療・介護の専門職やご近所の協力も得ながら、入・退院、在宅生活や金銭管理の支援などを行った実践を紹介し、医療・福祉・介護サービスの顔の見える対人ネットワーク、協同・連携のしくみづくりをすすめたいと報告しました。

 北区医師会副会長の河村雅明さんは、今後、大都市を中心に高齢化率が上昇、北区でも地域的には高齢化率が50%を越えるところもある中、区民ニーズでは住み慣れた地域や家で暮らしたいという希望が高い。病気を持ちながらの生活、看取りも含めて、地域で支えていける体制が必要として、地域包括ケアシステムの構築、他職種の協同、ご近所もまき込んでみんなですすめる体制が必要と指摘。
 そのために医師会としても、在宅医療を実施する人材育成、在宅療養支援診療所や病院の連携・ベットの確保、情報共有システムの構築、高齢者あんしんセンターとの協同、区民への啓発等に取組んでいきたいと述べました。

 お二人のお話の後、医師でもある小池あきら党副委員長が発言
 「北区では介護認定のランク下げ問題、医療ベットの確保、高齢者福祉費の改善等に取り組み、皆さんと共に政治を動かしてきている。長生きするなら北区が一番として、実態調査にも区が取組み、前向きな変化をつくってきた。カギは医療・介護がしっかり連携して基盤整備をすすめていくこと。医師会とも協力し、地域ケアの受け皿をつくり、北区でのとりくみを後押ししていきたい
 一方、現場の実態、くらしの要求は切実だ。区の調査でも経済的にゆとりのない高齢者は55.8%、介護保険の保険料段階でも本人非課税者は61%、年金収入280万円以下は73%と7割は所得が低い現状の中、高い国保料、介護保険料で滞納もある。特養ホームは938名の待機。個室やグループホームの利用料も高くて入所できない。お金の心配なく、医療や介護を受けられるような政治にしてほしいというのが皆さんの願いです。」と強調しました。

 続けて「アベノミクスはそうした願いを打ち砕く。お札だけすっても、庶民にはまわってこない。株価上昇し、恩恵はひとにぎり。ユニクロの柳井社長の資産増額は4人家族の保有株式でわずか半年で1兆円も増えた。一日8時間労働にすると7億円。私が今5分話したが5000万円だ。金融緩和で金利は上昇。一方で銀行の中小企業向け貸し出しは減っている。3本の矢というが、4本目は消費税増税、5本目は社会保障の改悪。どれも毒矢だ。」と指摘しました。

 「また直近の財務省の報告で、社会保障の充実はいらないと。今年の10月からは年金2.5%、1兆2千億円の削減。商店街デフレも心配される。医療費は70歳以上が1割から2割負担へ。風邪薬は保険給付からはずし7割負担。介護保険の利用料一割負担は引上げへ、要介護2以下は保険給付からはずして、地域支援事業(市町村の独自事業)へ移していこう。地域包括支援ケアにもお金出さない等、社会保障削減、国民負担がめじろ押しだ。」と、今後の社会保障改悪の内容を告発しました。

 更に「国民年金の未納者は4割。1000万人を越えている。74%は経済的困難。これでは将来、無年金者が大量に生まれてしまう。介護でも介護離職は14万人。介護などを苦にした心中・自殺は年間550件。今の日本の社会保障はくらしを支えるどころか、そのことを苦にして死に追いやるものだ。政府はお金を削るだけ。給付抑制と負担増だ。」として、

 「本当の改革が必要。どう解決をするか。介護保険は限界にきている。国庫負担25%で低すぎる。特養ホームも増やすと保険料に跳ね返るしくみ。全国市町村長会からも要望出ている国庫負担10%引上げる。これは8000億円必要。特養ホーム待機者42万人。年間8万人の増床で5年計画、これで4000億円。計1億2000万円あれば可能だ。憲法25条の生存権をかかげ、社会保障の改悪は許さない。安心できる政治をつくっていこう」とよびかけました。

 それぞれの発言者からのお話を受け、第2部はフロアからの発言となりました
「在宅ケアも往診、訪問看護、訪問ヘルパー等、費用負担は大変。かつては老人医療費無料化の時代あった。70歳以上が今後、2割、3割等はとんでもない。政治変えて医療よくしたい」「病院にリハビリで勤めていたが、診療報酬がとても低い。医療よりも介護はもっと待遇悪い。改善して欲しい」「後期高齢者医療は差別だ。やめてほしい」「70歳以上は医療費無料にしてほしい。国民年金で入れる特養ホームをつくってほしい。」「介護の現場は大変。若い方も安心して働ける介護職場。受けて良かったと思える介護保険に改善してほしい」等の意見・要望が次つぎと出されました。

 会場からの要望を受け、再度、スピーカーの方々から以下、発言を頂きました。

 浮間さくら荘高齢者あんしんセンターの関口さん
 「医療・介護連携の取り組みで医師会との距離が縮まった。ケアマネなど、現場の声を行政にも伝えていきたい。病院のソーシャルワーカーも現場で悩んでいる。地域の一人の方の生活支援をする時に多くの職種がかかわり、ネットワークをつくる積み重ねを続けていきたい」

 医師会副会長の河村雅明さん
 「現場の声を伝えていくこと大切。在宅ケア推進のために安心センターにサポート医をおいてほしい。人も増やして欲しいと要望して、北区で実現できた。その取り組みで、役に立っていけば、更に要望が反映してゆけると思う。医療・介護の情報共有し、連携しながら、多くの方が参加して助け合っていきましょう」

 医師会会長の野本晴夫さん
 「北区医師会は区民の幸せ、どうしたら区民を支えることができるかを考えて取組んでいる。医療・介護、病院と診療所、他職種連携、北区で先進的にすすめている
 一方で、TPPの交渉参加でアメリカ型の医療が入ってくると大変。アメリカでは公的保険がなく、私的保険に入っているが、お金がないと医療受けられない。医師も保険会社の書類に忙殺され、どんどん査定される。日本は国民皆保険で50年たったが、世界一寿命が延びた。日本医師会はTPPは国民にとって不利益であるという立場だ。
 北区で高齢化が一番というが、健康寿命をどう延ばすか大切。生活習慣を改善して、健康寿命を延ばせば。医療費も軽減できる。」

 党副委員長の小池あきらさん
 「医師会長のお話は100%賛成。TPPは事前交渉の段階からすでにアメリカに負けている。日本の郵政保険もアメリカの顔を伺い、認められなかった。入口からいうがまま。本交渉に入ったら大変なことになる。TPPは鴨がねぎをしょって自ら熱い鍋に飛び込んでいくようなもの。世界に冠たる国民皆保険制度を壊していいのか問われている。」

 「後期高齢者医療も医療の内容としての差別は抑えてきた。廃止にむけ引きつづき取組む」

 「医療・介護現場の大変さは、政府が安上がりですすめようとしていることの反映。その人にとって必要なことをすすめるという立場で在宅ケアを充実させなければならない」
 「介護保険で全てやろうというのは無理がある。自治体でも高齢者福祉の充実必要と思う」

 「大型公共事業で大幅歳出、一方、削減は年金、医療、介護、こういう動きを地域の連帯、社会の連帯で跳ね返してゆこう。社会保障は施しや代替ではない。国民の基本的人権だ。
 
それを実現するのが政治の責任。共にがんばりましょう」と呼びかけ、会場から大きな拍手が寄せられました。


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