日本共産党北区議員 山崎たい子
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 2006年9月13日, 日本共産党の山崎たい子議員が行った代表質問及び答弁概要を紹介します。

  1. 平和の取り組みの一層の拡充について

    (答弁要旨)

  2. 連続する庶民増税や様々な負担増から苦しめられている区民のくらしを守ること

    (答弁要旨)

  3. 安心して受けられる介護制度を求めてです

    (答弁要旨)
  4. 10月に本格実施を迎える障害者自立支援法の下で、これまでの実績、サービスを後退させないための対策について

    (答弁要旨)

  5. 本気の子育て支援、子どもの権利を大切にする施策への転換を求めて

    (答弁要旨)

  6. 堀船地域の仮設護岸「偽装」による被害について、北区の責任と今後の対応について

    (答弁要旨)


区議会議員の山崎たい子です。私は日本共産党北区議員団を代表して花川区長、高橋教育長に大きく6点にわたり質問いたします。

その第一は平和の取り組みの一層の拡充についてです。

 北区は戦後60周年と区政60周年を記念して「戦後60年写真で語り継ぐ平和の願い」と、「北区平和マップ」を作成しました。これらは、大変良いことです。

 「北区議会・憲法9条を守る会」は、去る8月3日に、この「北区平和マップ」にある「軍都北区・戦災跡地」めぐりを行い、午前は飛鳥山公園の中にある「平和の女神像」をはじめ、自衛隊基地開放跡地につくられた「旧稲荷公園」や「平和の森」など13カ所を訪ね歩きました。
午後は北区が主催した海老名香葉子さんの記念講演と映画会に参加し、区民の平和の願いは共通のもの、北区の平和の取り組みを更に前進させるため、会派がそれぞれ積極的に提案してゆこうと話し合いました。

そこで、日本共産党からは、以下5点、提案致します。

  1. 北区の戦跡の保存と公開をすすめること。
  2. 平和マップにある戦跡などには、現地にも、わかりやすい表示をすること。
  3. 北村西望氏の「平和の女神像」を区の財産とし、平和のシンボルとして位置づけ、 区内外へ発信すること。
  4. 平和マップの活用とあわせ、平和ツアーや平和ガイドなど、区民と協同で取り組むこと。
  5. 次代を担う子どもたちに、こうした北区の戦争における影響、平和を守ることを伝えて ゆくことです。
私どもは、(仮称)北区平和条例の制定を念じつつ、区長、教育長の熱意ある答弁を求めます。

(答弁要旨)
1-(1)~(4)
はじめに、平和の取り組みについてのご提案にお答えさせていただきます。
今年は、北区が、世界の恒久平和を願い、1986年に、平和都市宣言を行ってから、20年の節目であります。
お陰様で、今年、北区が発行いたしました戦後60年誌や平和マップは、区民の皆さまから、ご好評をいただき、マスコミの報道にも大きく取り上げられました。
戦後60年誌は、広島平和記念資料館からも資料の送付依頼があり、平和マップは、NHKのラジオ番組であした、紹介される予定になっております。
北区としては、戦争の記録と記憶を風化させることなく、戦争の悲惨さと平和の大切さを未来に語り継いでいくことが大きな責務であると考えております。
今回、平和の取り組みの充実につきまして、多岐にわたるご提案をいただきました。
区内にあります貴重な戦跡の保存、戦跡の説明板の設置、「平和の女神像」などのピーアールにつきましては、今後、十分、意を用いてまいりたいと存じます。
また、平和ツアーや平和ガイドなどにつきましても今後、更なる平和施策を進めるなかで、検討してまいりたいと存じます。

1-(5)
私からは、次代を担う子どもたちに北区の戦争における影響、 平和を守ることを伝えることについてお答えします。
学校においては、学習指導要領の目標及び内容に沿って地域の歴史について学習を進めているところでございます。
その際教科書だけではなく、副読本の小学生用「わたしたちの北区」、中学生用「ふるさと北区」を活用し、戦争の時代における郷土の歴史についても学習しております。
今後も、「北区平和マップ」や地域の教育資源の有効活用をすすめ、指導の充実を図ってまいります。

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大きく二つ目の質問は、連続する庶民増税や様々な負担増から苦しめられている区民のくらしを守ることです。

日本共産党北区議員団は、今年5月の連休明けから、このような「北区民アンケート」を全区民対象に行っております。

 現在までに、2300をこえる回答が寄せられました。ご協力をいただきました区民の皆様に、心より感謝申し上げます。本日はそのアンケートに寄せられた声、要望の一端をご紹介しながら、質問します。はじめに、くらしにかかわる声をお聞き下さい。

「17年度の住民税は59000円。18年度の住民税は102200円と、約2倍になった。収入はほぼ同じなのに、都民税、区民税がハネ上がる。これ間違いではないのか、老年者控除の廃止と公的年金控除の見直しというが、こんなに税が増えるものなのか。しかも、区からの通知には<平成18年度の老年者(65歳以上)に係わる税制改正のお知らせ>とある。なにが税制改正だ。」との怒りの声であります。

 このように、税金や社会保険料の負担増についての問いかけには「反対」は84、7%、「賛成」はわずか0.3%であり、消費税率のアップについても「反対」が75、6%「賛成」はわずか1,2%でした。また、この2~3年でくらし向きが悪くなったと答えた方は70,8%にものぼっています。

 日本共産党は、大企業や高額所得者には減税、庶民へは大増税という「逆立ち税制」をあらためるべきと考えます。

 北区の財政状況は、「財政健全化の足取りは確かなものになりつつある」と評されるとおり回復し、現在いわゆる積立金は300億円とバブル時に届く勢いです。更に今年度は小泉増税の結果で、北区には18億円の区税収入が増え、東京都からの財政調整交付金も5億円増えました。

 そこで、二つ目の大きな質問です。北区はこうした財源の一部を活用し、増税に苦しんでいる区民のくらしを支援するべきと考えます。以下4点お尋ね致します。

  1. 高齢者の増税を中止するとともに、今後の増税の凍結を国に求めること。
  2. 各種控除の活用、例えば障害者手帳がなくても認知症や要介護者などに障害者認定証が発行されて、障害者控除が適応できるということ。また、申告しないことによる社会保険料控除の付け落ちがあったり、寡婦(寡夫)控除、医療費控除などの税負担軽減ができることなどを積極的に周知徹底すること。
  3. 北区は65歳以上の非課税措置の段階的廃止による影響は、国民健康保険料やシルバーパスなど24事業に及ぶことを明らかにしました。都のシルバーパスと同様、関連の福祉施策を使えるようにすること。
  4. 合わせて、配偶者特別控除の廃止、定率減税の半減などによる影響もあります。北区としても激変緩和策を講じること。
  5. 以上、4点について、区長の前向きな答弁を求めます。

(答弁要旨)
2-(1)
次に、高齢者の増税を中止するとともに、増税の凍結を国に求めることについてお答えいたします。
このたびの一連の税制改正は、少子高齢化が急速に進む中、年齢にかかわらず、能力に応じた公平な負担を図るという観点から見直しが行われたものと認識しております。
また、年金・医療・介護等の需要が急速に拡大しており、その財源を誰がどのように負担すべきかが、大きな課題となっています。
今後、国において、財政再建に向けた歳出削減とともに、さらなる税制の見直しについても検討がなされておりますので、その動向を見守ってまいりたいと考えています。

2-(2)
次に、各種控除の活用による税負担軽減の周知についてお答えいたします。
住民税を算定するにあたっては、収入から必要経費を差し引いたのち、さらに一定の金額を控除する所得控除の制度がございます。
この所得控除には、様々な種類や適用要件があり、税に馴染みのない方が申告をされる際には、分かりにくい部分もあるかと存じます。
窓口での説明の徹底、北区ニュース等の広報への掲載内容、申告書等の送付時の案内文など、今後も、さらに分かりやすいものとなるように工夫を加え、区民の皆さまへの積極的な周知に努めてまいります。

2-(3)
続いて、税法改正により、今年度新たに住民税が課税された方に対して、福祉サービスを従前通り対応せよ、とのご質問にお答えします。
福祉電話サービスについては、その利用者のほとんどが生活保護受給者です。
また、それ以外の高齢及び障害サービスについても、今年度の税制改正の影響は、あまり大きくない、と考えられるため、現在、特段の対応は考えておりません。

2-(4)
次に、定率減税の引き下げなどによる影響緩和策についてお答えいたします。
定率減税は、平成11年度に、当時の著しく停滞した経済状況の回復のため、特例措置として導入されました。
その後、17年度の税制改正において、導入時に比べ、経済状況が好転してきたことや厳しい財政事情などを考慮して、18年度に二分の一に縮小し、19年度には廃止することが決定されています。
本年度から適用となりましたこの他の一連の税制改正は、少子高齢化社会において、社会保障等の需要を踏まえながら、あらゆる世代が、広く公平に負担を分かち合うという趣旨のものでございます。
また、税負担の変動が大きいものにつきましては、経過措置も図られています。
住民税額を基礎に、対象者や負担額等を決定している施策については、現行の制度に沿って対応することが基本であると考えます。
特定の階層に著しく影響が生じているものについては法令に基づき緩和策が講じられております。
財源問題も含め、国等の動向を注視してまいります。
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大きく三つ目の質問は、安心して受けられる介護制度を求めてです。

私は、昨年9月の決算委員会で介護予防と自立支援という名の下に、介護の給付抑制が進んでいるという観点から、介護認定のランクが下げられ、それまでの生活が成り立たなくなってしまった方の事例をとりあげ、北区の対応を質しました。
その後も多くの区民から、「介護認定が下がり必要な介護が受けられない」という悲痛な相談をいただいています。

その背景には、認定調査における北区独自の判断基準、例えば麻痺等の有無に関して、厚生労働省の認定調査テキストや東京都の認定調査ハンドブックにもない「左右両下肢麻痺に関わる判断基準」等という独自の文書をつくり調査員を指導し、その内容が、介護度のランクを下げている要因のひとつであることをつきとめ、その後全ての定例会で、その北区独自基準の撤回を求めてきました。

今議会に提案された平成17年度の介護保険会計でも、給付費が当初の予算より12億円も執行残となりました。北区はこれを「認定の精度が上がったため」と述べましたが、介護が受けられなくなったのだという区民の痛みを感じていただきたいと私は思います。

北区は6月議会で、区のこうした認定の基準は、東京都の研修会における説明をふまえたものと答弁しました。私どもは、その後、東京都の介護保険課を訪ね、改めて確認をいたしました。
東京都は「両下肢麻痺が多いのは要介護4,5との説明はしたが、要介護4,5でなければ麻痺がつけられないという説明はしていない。私どもからするとまちがった表現だ。結果からみて、逆算するものではない。あくまでも、国のテキストに従って、日常生活に支障があるかないかで調査していただきたい」との説明でした。そこでお尋ねいたします。

(1)私は改めて、こうした北区独自の基準を撤回し、認定調査員やケアマネジャーへ、  麻痺の項目は日常生活に支障があるかないかで判断するよう徹底することを求めます。

(2)二つ目の質問は、認定結果はおおむね30日以内とする期限を守ることについてです。

 現状で介護認定にかかる日数が1ヵ月半から2ヶ月にもなっています。認定結果の期限を守るのは、法の下の区の責任です。早急に現状の分析と改善策を示していただくよう求めます。お答えください。

(3)三つめの質問は、4月からの介護保険の改悪で、要介護1、要支援1、2と認定され、介護サービスの利用が制限された方々の対策についてです。

今議会の補正予算では、9月までの国の経過措置後も介護ベットが使えるよう北区が、レンタル料の補助を所得制限なしで実施することが示され、本当に良かったと思います。
しかし、介護ベット以外にも、特にヘルパーの利用が大幅に制限され、一人暮らしの高齢者の中には、夏の暑さの中、体調をくずし入院となってしまった方もいらっしゃいます。何よりも高齢者の方々が、安心して介護を受けられるようにするための早急な改善が必要です。以下3点お尋ねします。

1)国に対し、ヘルパーの生活援助の長時間加算復活を含め、要支援1,2の方の利用限度額の引き上げ、予防プラン作成に関する介護報酬や基準の改善を求めること。

2)区として、必要なヘルパー派遣などの対応を行うこと。

3)地域包括支援センターの拡充のために、在宅介護支援センターをブランチとして、活用するための研修や指導を強化するなど、区の方針を明らかにすること。

以上3点、お答えください。

(答弁要旨)
3-(1)
次に、安心して受けられる介護制度についてのご質問です。
まず、認定調査における麻痺の判断についてです。
厚生労働省の認定調査員テキストに記載のある麻痺等の定義を要約すると、「神経または筋肉組織の損傷、疾病等により、筋肉の随意的な運動機能が低下または消失したために、可能な限り努力をして動かそうとしても動かない、あるいは動きがあっても『日常生活に支障』がある場合をいう」とあります。
また、同じテキストの「調査上の留意点」では、「傷病名、疾病の程度にかかわらず、『日常生活への明らかな支障』のある筋力低下がある場合を麻痺等とする」ように留意すべきこととされています。
つまり、加齢による筋力低下など傷病や疾病によらない筋力低下を麻痺等と判断するには、『日常生活への明らかな支障』のあることが必要です。
東京都が主催した研修会においても「加齢による筋力低下という高齢者にありがちな理由で左右の下肢に麻痺ありとするのは適切ではない」旨の説明がなされています。
このように、北区の判断は、認定調査員テキストに基づくものであり、独自の基準ではないことがご理解いただけるものと存じます。
また、調査員等に「要介護4や5でなければ麻痺はつけられない」と指導したり書類を書き直させたりしたことはありません
本年6月の第2回定例区議会における相楽淑子議員のご質問に対する答弁で申し上げたように、結果として要介護4や5が多いという傾向を説明したもので、東京都と同じ趣旨です。
北区といたしましては、今後もこうしたことを踏まえながら、公平で公正な認定調査を実施するよう努めてまいります。

3-(2)
次に、認定結果を申請から30日以内にご本人に通知することにつきましては、保険者である区の責任として重く受け止めております。
30日を超えてしまうことが少なくない現状に対しましては、主治医意見書の迅速な確保に向け事務処理体制を見直すなど、今後とも利用者の立場に立った改善に取り組んでまいります。

3-(3) -ア、イ、ウ
三点目の、軽度に認定された方々への対応のうち、はじめに、国へ改善を求めることについてです。
お示しのいくつかの点については、高齢者の自立支援という介護保険制度の基本理念の観点から、制度の持続可能性をふまえながら、今回の制度改正の中で見直しがなされたものと理解しています。
例えば、訪問介護における生活援助の報酬算定の考え方などは、これまでの介護サービス提供の実態をふまえて所要の改善を図ったと厚生労働省は説明しております。
したがいまして、北区といたしましては、今後の介護保険制度の運営実績と効果等を慎重に見極めながら、必要があれば、国や東京都などに要望してまいりたいと存じます。
次に、ヘルパーの派遣については、利用者やご家族と十分に話し合いながら介護予防プランを作成し、認定区分に応じてサービスを提供しております。
また、現在、地域包括支援センターのブランチとして委託している在宅介護支援センターにつきましては、委託費の問題、適正な地域割り、法人の意向などを踏まえ、委託型の地域包括支援センターとして機能を再編できるよう検討してまいります。
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大きく4つ目の質問は、10月に本格実施を迎える障害者自立支援法の下で、これまでの実績、サービスを後退させないための対策についてです。

障害者自立支援法は、心配されていたとおり、深刻な事態が、障害者と家族、障害者施設におきています。
日本共産党都議団が実施した「影響アンケート」によりますと、都内410ヶ所の通所施設から111ヶ所の回答があり、大多数が「これほどの負担になるとは思っていなかった」と答えています。また、施設運営では減収によって「存廃にかかわる大変な事態」など、切実な声がびっしりとよせられています。

 このことは厚生労働省の実施した自治体アンケートでも、利用者負担増による退所者、利用抑制の事態が生まれていることを認めています。
さらに、10月からの法の全面施行を前に、新たに導入される障害程度区分認定や、区市町村による地域生活支援事業、施設の自立支援法にもとずく新体系への移行などに対し、大きな不安が拡がっています。
共産党北区議員団も区内の障害者施設などを訪問し、その影響を聞かせていただきました。その声をご紹介しながら、以下5点にわたり、質問します。

一つ目は利用者負担の軽減策についてです。

「工賃が1万円なのに利用料が2万円にもなった。何のために働いているのかわからない」また別の人は、「お金を払うのなら作業所は行かないよと言っている人もいる。ひきこもりにつながるのではないか。これでは社会参加や自立に逆行している」などの声です。
在宅サービスも同様です。「ヘルパーへの支払いが月1万円近くかかるようになり、働けないのにとっても苦痛です」との声です。
荒川区に続き、各区でも負担軽減策が拡がっています。私は北区の独自軽減策が経過措置的な食事代の補助だけではあまりに不十分と思います。そこで、以下3点お聞きします。

1)応益負担導入による区への収入はどれくらいになるのか。

2)新しい法体系の下で、区の財政負担割合が2分の1から4分の1に軽減された額はどれくらいになるのか。

3)これらの財源も活用し、利用者負担の軽減策を拡充するよう求めるものです。

 お答えください。

(2)2つめ質問は施設運営への支援についてです。

 これまでも多くの施設が、職員の献身的な努力によって支えられてきました。ところが自立支援法によって、施設運営費の単価が下がり、その上、利用者が休んだ日は運営費から減額される、いわゆる「日払い方式」に変えられ、多くの施設が減収となっています。
区内の民間の事業所では「実績にもとづく後払い方式」により、報酬が入ってくる数ヶ月間は、役員が100万円単位で、自前でお金を用意し対応しているという切実な実情も語られました。
また、10月からの新体系への移行に伴い、更に減収がみこまれ、「国の報酬単価、職員配置基準では、今までの福祉事業が成り立たなくなる」との声が寄せられています。
中でも小規模作業所は、市町村事業である「地域生活支援センター」への移行となりましたが、現行の補助水準を大幅に下回る内容です。区内のある施設では「想定している施設類型の補助は年間300万円しかなく、これでは職員を一人しかおけない」と大きな憤りの声が寄せられました。そこで4点、お尋ねいたします。

1)国に対し「報酬単価の引き上げ」と共に「日払い方式」を再検討するよう求めること。

2)区として公的つなぎ資金や独自補助など、実績後払いや「日払い方式」に対する、何らかの対応をとること。

3)区が実施する地域生活支援事業については、小規模作業所、地域生活支援センター、 ガイドヘルパー、手話通訳など現行のサービス水準が低下しないよう対応すること。

4)新事業体系に移行するまでは、区が従来施策を継続するよう求めます。お答え下さい。

(3)3つ目の質問は障害程度区分認定やサービス支給決定に関してうかがいます。

 この問題では、介護保険と同様に実情が十分反映されず、サービスが削られるのではないかという心配や、「知的、及び精神障害者の認定が低くなる恐れがある」との危惧の声があがっています。「障害程度区分」は支給決定を行う際の「勘案事項の一つ」であり、区は障害者の実態や意向を充分に反映させて、サービスの支給決定を行う責任があります。
そこで、障害程度区分が事実上のサービスの上限にならないよう対応し、必要なサービスが受けられるようにすることを求めるものです。お答え下さい。

(4)4つ目の質問は、こうした自立支援法施行後の負担増の影響や施設運営への影響など、区として実態把握を行うよう求めるものです。

(5)最後の質問は、障害者施設の民営化についてです。

今、述べてきたとおり、社会福祉法人をふくむ民間団体のみなさんは、大変な困難を強いられています。こんな時だからこそ、北区が障害者施策の水準、処遇を守る責任を果たすべきです。若葉福祉園の民営化は見直すよう求めます。以上5点にわたり、区内全ての障害者の不安解消に応える区長の答弁を求めます。お答え下さい。


(答弁要旨)
4-(1)-ア・イ・ウ
次に、障害者自立支援法の全面施行における、利用者負担軽減策についてのご質問にお答えいたします。
はじめに、区立障害着通所施設の利用者負担金は、4月から7月までの平均で、月額約3百10万円となっています。
区立の障害者施設運営につきましては、国から運営経費の基準額の二分の一が交付されています。
しかし、実際は基準以外の経費が大きく、平成17年度でみると、国の負担額は総経費の二割程度で、区の負担額が大きな状況にあります。
お示しのように、18年度下期から新たに都から国の負担額.の半分の額が交付されることになりましたが、区の負担額が大きい状況は、大きくは変わらないものと考えます。
さらに、国の負担額は、「日割り計算」になることなどにより大きく減少することも予測されています。

4-(2)-ア・イ・ウ
次に、現行サービスを後退させない施設運営への支援についてのご質問についてお答えいたします。
国の制度変更の影響につきましては、実態を十分に確認し、必要があれば、23区の課長会などを通じて、国へ要望してまいりたいと存じます。
施設を運営する事業者の資金繰りへの対応につきましては、事業者から実情を伺って、必要であれば、可能な対応策を検討してまいります。
区が実施する地域生活支援事業につきましては、現行のサービス水準を確保するように努めてまいります。
民間作業所など事業者に対しましては、運営を継続しながら障害者自立支援法の新しい事業体系へ円滑に移行できるように、適切に対応してまいります。

4-(3)
次に、障害福祉サービス支給についてのご質問にお答えします。
支給の決定に当たりましては、障害程度区分だけでなく、障害者の方の生活状況や利用意向なども、十分に勘案してまいります。

4-(4)
次に、障害者自立支援法施行後の、障害者の方の負担やサービス受給の状況、施設運営の状況の把握につきましては、継続して実施してまいります。

4-(5)
次に、障害者施設についてのご質問にお答えします。
障害者施設につきましても、他の施設と同様に、利用者へのサービスの向上と効率化を進めるためには、民間の活力やノウハウを活用していくことが有効と考えております。
今後も、関係者と協議を重ねながら取り組んでまいります。
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大きく五つ目の質問は、本気の子育て支援、子どもの権利を大切にする施策への転換を求めてです。

 再びアンケートの声を紹介します。20代女性の方から「国民の負担を増やす前に、お金のムダ使いをなくせばいい。子どもをもっと産みたいから、もっと優しい環境にしてほしい。早く。待っていたら産めなくなる。同年代の女性、かなりの人数、同意見を耳にします。少子化を考えるのなら、なぜ動きが遅い」との声をいただきました。
子どもを生み育ててゆくための安心できる環境を早くつくってほしいという願いが率直に現れていると私は思います。
しかしながら、今年6月に発表された日本の合計特殊出生率は、全国1.25、東京都は0、98と戦後最低を記録し、北区は更に低い、0.97となっています。
各種の世論調査の結果やマスコミ各誌も、少子化に歯止めがかからないのは、政府の対応の遅れだと指摘しています。
このような中で、平成17年度、全国で唯一、出生率がプラスに転じた福井県の取り組みが注目されています。その主なものは
(1)不妊治療費の助成
(2)乳幼児医療費の無料化
(3)平成18年度から、ふくい3人っ子応援プロジェクトとして、3人目以降の子どもについて、生まれる前の妊婦検診費は無料④保育料も3歳まで無料にする等です。その他にも子育てを支える職場環境の整備にも力を入れています。私はこうした先進事例も参考に、少子化、子育て支援に対する区長の本気の取り組みを求めるものです。

そこで以下2点お尋ねいたします。

(1)つ目は
1)子ども医療費をはじめ、妊婦検診や出産費用の無料化、不妊治療の助成制度の創設、児童手当の拡充、保育料の無料化、教育費にかかる保護者負担軽減、奨学金や就学援助の拡充など、子育てにかかる経済的負担の軽減策を強化するよう国、東京都に求めること。

2)北区としても、子ども医療費助成に続き、更なる経済的支援の拡充を求めるものです。

(2)二つ目は
1)300人以下の中小企業訪問などによる「次世代育成支援行動計画」策定の相談や支援の実施。
2)中小企業への助成金、奨励金制度の実施や、融資や公契約の優遇措置などを行うよう求めます。お答え下さい。

(3)質問の三つ目は公立保育園、学童クラブ、児童館等の民営化を見直し、整備を拡充することについてです。

 北区でも「区政改革プラン」の下、コストの削減と多様な保育サービスに対応するとの理由により、平成21年度までに合計で公立保育園6園の民営化を実施する計画となっています。
この公立保育園等の廃止、民営化は、保育における公的責任を後退させ、子どもの施策についても市場化していこうという構造改革の流れの中で出ている問題です。
そこには、保育の質をどう維持し、向上させるのか。子どもの権利にとってどうなのかという視点が置き去りにされていると、私は思います。

そのことは、今年春、二つの「公立保育園民営化に関する裁判」の結果でも示されました。
大阪、大東市での裁判では、こどもや保護者の犠牲を認め、損害賠償金の支払いを大東市に命じるものでした。
続く、横浜市の場合は、大阪の判決を更にふみこみ、児童福祉法第24条の「保護者の保育所を選択する権利」を認め、それは入所時だけでなく、就学前までの保育の実施期間継続されるとし、かつ「早急な民営化は、その裁量権の範囲を逸脱し、乱用したもので違法である」としました。

また、横浜の判決では、「横浜市立保育園のままでも、制度的には、多様な保育ニーズに応えることは不可能ではないと思われる。その意味では、多様な保育ニーズに応えるということと、保育園を民営化するということは、論理必然の関係にはない」とも断じました。そこで、以下4点、お尋ねいたします。

  1. 保育の質の低下、こどもや保護者への影響など、あえてリスクをおかしてまで公立保育園、学童クラブ、児童館の民営化を行うべきではないと考えます。経営改革プランの方針を保育の質、子どもの権利の視点から再検討すべきと考えますがいかがですか。
  2. 病後児保育、延長保育など多様な保育の拡充を公立保育園として、実施すべきです。
  3. 団塊世代の保育士の退職などにより、新規の保育士を採用し、公立保育園、学童クラブ、児童館など、北区としての雇用の創出もはかるよう求めます。
  4. 保育園整備の拡充について、認可保育園の増設により、0,1,2歳児の低年齢児の待機児解消を図るよう求めます。

    以上4点お答えください。

(4)質問の4つ目は「認定子ども園」についてです。

政府は「認定子ども園」についての法案を今年6月に成立させ、この秋にも実施の予定です。国の説明では保育園と幼稚園を一体化して地域ニーズにこたえるというものですが、次のような問題点が指摘されています。

(1)児童福祉施設の最低基準を更に下回る施設基準、職員配置基準での運用が認められていること。(2)自治体が関与しない直接契約による入所で、自治体の保育園入所義務が曖昧にされかねない事。(3)施設側の裁量で入所や保育料が決められ、保育の営利化、市場化が促進されかねないこと等です。そこで2点、お尋ねいたします。

  1. 北区において、このような「認定子ども園」の導入はすべきでないこと。
  2. 今後、東京都での設置運営基準の条例案策定に向けて、施設整備、職員配置など、認可幼稚園と認可保育園の双方の現行水準を堅持し、高い方の基準を義務づけることや、保育にかける子どもの入所や保育料について、区市町村が行うこと。また、関係者、都民参加による充分な検討やパブリックコメントの実施などを行うよう、東京都に求めてください。

 以上、本気の子育て支援、子どの権利を大切にする施策の転換をもとめ、区長の前向きな答弁を求めます。


(答弁要旨)
5-(1)-ア、イ
次に、子育てに関するご質問にお答えいたします。
初めに経済的支援の強化についてです。
児童手当の拡充をはじめ、経済的支援につきましては、従前より、全国市長会、特別区長会を通じて国及び東京都に要望しているところです。
今後とも、他自治体との連携を図りながら、さらなる充実を要望してまいりたいと考えております。
また、国は、本年6月にまとめた、新たな少子化対策をこの秋から順次実施するとしており、10月には、出産育児一時金の増額と支給方法の変更が実施される予定と聞いております。
北区では、本年4月から子ども医療費助成の拡充を図り、中学生までの医療費無料化を実施したところであり、多額の財源を必要とする新たな経済的支援につきましては、国、東京都の動向を把握しながら慎重に対応すべきものと考えております。

5-(2)ア、イ
次に、働きながら子育てしやすい職場環境の整備についてお答えいたします。
300人以下の労働者を雇用する中小企業につきましては、 「次世代育成支援行動計画」の策定が努力義務となっております。
計画の策定は事業主の新たな負担増となりますが企業としてイメージアップが図られ、優秀な人材の確保につながるとともに、社会的にも少子化対策としての効果が期待されると考えます。
北区男女共同参画条例では、事業者の責務として「区民が家庭生活と社会活動との均衡と調和のとれた生活を営むことができるように努めること」が求められており、この啓発と併せて、計画の策定も支援・促進したいと考えます。
また、中小企業への支援につきましては、国が今年度から創設した「中小企業子育て支援助成金」制度の活用を促すなど、公的な各種助成金制度についての情報を事業主に対し積極的に発信したいと考えます。
なお、公契約の優遇措置につきましては、有意義な面もあると存じますが、東京都電子自治体共同運営において、次世代育成支援行動計画の策定状況に関しては、業者登録に必要な項目外であるなど事業者の新たな負担につながりかねない面もあり、現時点での導入は難しいと考えます。

5(3)ア、イ
次に、保育園などの民営化に関するご質問です。
「北区経営改革プラン」では、効率的な行財政運営を推進していくために、外部化を基軸とした事務事業の見直しを進めています。
横浜市や大東市の判決をはじめ、他自治体の様々な事例から学び、保護者との良好な信頼関係の構築や、「保育の質」の万全を期して、努力を重ねることが肝要であると考えております。
その中で、区立の直営保育園だけではなく、区立の指定管理者保育園、私立保育園が病後児保育をはじめ、多様な保育の拡充に努めることが、全体として、子育て世帯の支援につながると考えています。

5(3)ウ、エ
次に、雇用創出についてです。
指定管理者による施設運営は、公務員の増加にはつながりませんが、民間部門において雇用創出が図られるものと考えております。
また、低年齢児を中心とした待機児解消は、重要な課題と認識しており、改定中の中期計画の中で、検討を進めてまいります。

5(4)ア
次に、認定こども園についてのご質問です。
本年十月一日に施行される「就学前(しゅうがくまえ)の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」は、幼保一元化という長年の課題について、文部科学省と厚生労働省という省の壁を超えて、成立したものであると考えております。
法案の提案理由で述べられている、「小学校就学前の子どもに対する教育及び保育、並びに保護者に対する子育て支援の総合的な提供を推進する」ことは大変重要な課題であります。
現在、子ども家庭部と教育委員会事務局を中心に、プロジェクトチームを設置し、情報の把握と課題の整理を進めています。
就学前の、北区の全ての子どもたちへの教育及び保育の充実と、子育て支援機能の充実に向けて、この制度をどのように活用するかにつきまして、今後、充分検討してまいりたいと考えております。

5(4)イ
次に、東京都への働きかけについてです。
現在、東京都は、関係各局からなる検討組織を立ち上げ、12月の東京都議会定例会に条例案を提出するため、認定基準等の策定作業を進めているとのことです。
検討の状況等は示されておりませんが、適宜、情報の収集に努めるとともに、関係課長会などを通じて、意見交換を行ってまいりたいと考えます。

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大きく6点目の質問は堀船地域の仮設護岸「偽装」による被害について、北区の責任と今後の対応についてお尋ねいたします。

 ご案内のとおり、昨年9月4日の水害被害は、(1)首都高速道路株式会社が河川法第20条により、当初、東京都と協議していた仮設護岸の工法をとらず、コスト削減のために、都に無断で勝手に工事内容を変更していた協議違反のものであったこと。(2)に、その手抜き工事のため、9月4日の水害被害の時点では、仮設護岸を接続していたアンカーボルトの大半が、破断していたという、きわめてずさんな管理状況であったことが、被害から半年も過ぎた、今年3月の首都高の最終報告でも明らかとなりました。これに対し、河川管理者の東京都は8月8日に「行政処分としての現地調査」を行いました。

こうした結論に至り、私は改めて、北区のこの間の原因究明に対する姿勢はどうだったのか。区民の被害を解決する立場に立ちきっていたかが問われると思います。

首都高は当初、「水害被害は50ミリをこえた雨量であった」と全面的な責任を認めようとしませんでした。こうした中、日本共産党北区議員団は「仮設護岸決壊による水害被害は人災だ」と指摘したのに対し、北区は「0か100かとは言えない」また、区として独自に調査するよう求めても、「首都高の検証を待ってから」と、結果として首都高をかばい続けてきました。本来であれば、首都高に対し、区民の立場から毅然とものをいうべきだったのではありませんか。私は改めて、北区の責任を問うものです。

そして、この教訓に学び、二度と再び、このような水害被害がおこらぬよう区として、強力に首都高や東京都へも申し入れ、仮設護岸の延伸も含めて、必要な対策をとらせることを求めます。更に、北区が水害被害の対応のために、手当てしてきた総額はどれくらいになるのか。また、その費用等について、首都高速道路株式会社に賠償請求を行うべきと考えますが、区の見解をうかがいます。区長の責任ある答弁を求めて、私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

(答弁要旨)
6-(1)
次に、堀船地域の水害についてです。
区は、これまで、仮設護岸が落下した原因の究明と、被災者への誠意ある対応、さらに再発防止対策について、首都高速道路株式会社に対して、強く申し入れを行ってまいりました。
水害の原因については、すでに、同社のずさんな工事が原因であることが明らかにされましたが、区としましては、引き続き、首都高速道路株式会社に対し、被災者への誠意ある対応を求めるとともに、再発防止対策については、東京都および首都高速道路株式会社に強く申し入れてまいります。
なお、この度の水害に要した区の費用については、精査した上で、今後対応してまいります。
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