2016年第2回定例会個人質問ー野口まさと
2016年6月10日 | 野口まさと
私は十条地域のまちづくり問題、保育園の入園問題、そして地域問題として十条駅前児童遊園について区長・教育長にお伺いいたします。
1、住民参加で住み続けられる十条まちづくりを
大きく1つ目として、十条地域のまちづくり問題についてお伺いします
(1)十条地区まちづくり基本構想に関わる諸問題について
1つ目にお伺いするのは、十条まちづくりの全体像、すなわち十条地区まちづくり基本構想に関わる問題についてです。
十条駅西口再開発・補助73・85号道路・埼京線付属街路。どの事業も多くの住民の立退きを迫るもので、この4つの事業だけでも、500~550棟の建物の土地提供をお願いしなければなりません。これだけの事業ですから、地域の皆様への丁寧な説明は絶対条件となります。
十条まちづくり事業について住民の理解を得るためにブロック部会が開催されています。当初は住民も、これからも自分たちがここに住み続けるための住環境改善提案であると考えていたようでした。ところが、最近は大規模な開発計画など、自分たちが住み続けることができなくなるようなまちづくりが提案されるようになりました。
北区は事業の説明を「ブロック部会で十分説明した」と言います。しかし十条まちづくりブロック部会では参加者から「上が決めたことを説明だと言って押し付けるだけ」「計画がずいぶんと変わってしまった」など様々な不安の声が上げられています。
たとえば素案から計画案となる過程でも、住民からは多くの意見が出されますが、実際には計画案にこういったブロック部会での住民の意見が反映されることはほとんどないようです。住民の意見が地域全体で共有され、まちづくりに生かされる仕組みは出来ているのか疑問です。
そこでお伺いします。現在のまちづくりの方針に対して、直近のブロック部会でも強い反対意見や見直しを求める声が出ていることをどう認識していますか。区として住民合意獲得のための努力は尽くされているとお考えでしょうかお答えください。
十条まちづくり事業は、補助73号線の例を見ても、非常に急いで進められようとしている印象を受けます。後でも述べますが、まだ様々な問題を積み残している現時点で、事業を進めることは住民の皆様に大きな負担をかけることになります。
そこで2つめの質問です。住民合意の得られない計画であるならば、一度立ち止まって事業全体を見直すべきではないでしょうか。お答え下さい。
【区の答弁】
はじめに、住民参加で住み続けられる十条まちづくりについての質問に順次お答えさせていただきます。
まず、十条地区まちづくり基本構想にかかわる諸問題についてのご質問です。
住民合意獲得のための努力についてですが、十条地区は、木造住宅が密集し、震災時には甚大な被害が想定されており、鉄道による地域分断や、幹線道路の未整備など、多くの課題を抱えております。
このため、区では、区民とともに共通の認識を持つことが重要であると考え、平成17年度に十条地区のまちの将来像や、まちづくりの方針、それを実現するまちづくり手法を示した「十条地区まちづくり基本構想」を策定いたしました。
地域では、基本構想策定を受け、町会、商店街、及び教育機関等が中心となった「十条地区まちづくり全体協議会」が設立され、これまでで、延べ137回、ブロック部会が開催され、積極的な活動が行われております。
区といたしましては、一部の方から反対意見等が出されていることは認識しておりますが、多くの課題を抱えた十条地区では、防災性の向上など安全で、安心して暮らせるまちづくりを早期に実現していく必要があると考えております。今後とも地域の皆様の合意が得られるよう、丁寧な説明を行い、「十条地区まちづくり全体協議会」を中心とした区民と区の協働によるまちづくりを推進してまいります。
(2)補助85号線の拡幅計画の根拠を問う
十条まちづくり2つめの問題として、補助85号線・区役所通りの拡幅計画についてお伺いいたします。
平成27年の2月、埼京線の高架化計画の素案が示されたのに続き、今年の1月には現在18m幅の補助85号線を30m幅に拡幅する都市計画変更の素案も示されました。この85号線沿道に商店を構える皆様などを中心に行われた勉強会では、「埼京線が高架になるなら拡張工事は必要ない」「誰のために事業をやっているのか、少なくともここに来ている人たちのためではない」など、疑問の声が多く上げられました。
埼京線の立体交差化が実現すれば、道路は現状のままでも踏み切りはなくなり、十条まちづくり基本構想でも示されている円滑な交通の阻害は解消されることになります。ところが住民説明会では回遊性や延焼遮断、景観向上のために区が都に対して道路拡幅の要望を出したとの説明がなされました。そこで質問いたします。
1つ、補助85号線について、東京都から必要性の照会は事前にあったのかをお伺いします。
2つ、道路幅の拡幅を維持する事業計画変更素案を都にもとめることについて、いつ、どこでこの検討を行ったのか。そしていつ東京都に申し入れを行ったのかを明らかにしてください。
【区の答弁】
次に、補助85号線の拡幅計画の根拠を問う、とのご質問にお答えします。
はじめに、東京都からの照会についてです。
東京都は、昨年2月、JR埼京線十条駅付近連続立体交差化計画の都市計画素案説明会を開催し、埼京線と交差する補助85号線については、都市計画変更を検討中であると説明しました。
その後、東京都は、都市計画変更の検討を進める過程において、区と意見交換を重ね、区といたしましても本道路に求める機能について検討を行いました。
東京都からは、事前の照会はありませんが、昨年7月に、要望事項を取りまとめて、「交流機能を向上させる空間の確保」や、「延焼遮断機能を早期に発揮できる幅員」、「景観機能を向上させる歩行空間の確保」などの観点から現状の都市計画幅員を最大限活用するよう、東京都に要望いたしました。
3つ、今回の計画は、沿線いちょう通り商店街の多くの店舗に退去を求める計画となり、このまま計画を進めることは、商店街の存亡に関わるわけことになります。いちょう通り商店街の方からはどのような意見が出ているかお聞かせください。
4つ、予算特別委員会では、区内商店街の厳しい状況も議論されました。区内の商店街を元気にするのが北区のひとつの仕事です。道路拡幅で商店街を潰してしまうようなことは改めるべきです。商店街の壊滅をまねく拡幅計画をやめ、現道を道路幅18mのままとするよう都に求めるべきではないでしょうか。お答えください。
【区の答弁】
次に、いちょう通り商店街からの意見についてです。
いちょう通り商店街では、本道路計画の影響を受けるため、勉強会を開催しております。
その際に、「交通量が増えるため心配である」、「都市計画手続きで自分たちの意見が反映されるのか」、「広い幅員の道路は必要ない」、などの意見が出されました。
次に現道幅18メートルのままとするよう東京都に求めるべき、とのご質問です。
区といたしましては、引き続き、商店街や町会の皆さまと意見交換してまいりますが、東京都に要望したとおり、十条のまちづくりにとって、現行の都市計画の幅員30メートルは必要な計画幅員と考えております。
(3)埼京線高架化と付属街路について、検討の経緯と区の姿勢を問う
十条まちづくり3つ目の問題として埼京線の高架化と付属街路に関してお伺いします。
十条地区まちづくり基本構想では、「埼京線は地域の分断を招き、まちの活性化を妨げている」との考えを示し、地区全体の将来像として「鉄道立体交差化の実現で東西市街地が一体となる」としています。この基本構想発表時点では地下化方式が地域に示されていたため、付属街路建設計画はここでは示されていません。付属街路計画区域の皆様にとって、今回自分が立ち退くこの計画が示されたことは唐突で受け入れ難いとの思いは大きいと思います。
そこで1つ目の質問です。付属街路建設計画、区道としては駅へのアクセスのためなどを目的としている主要生活道路はいつから検討がなされ、どこで決定されたのか。また東京都に対してこの計画があることを伝えたのはいつか、お答えください。
2つめに、付属街路計画が、埼京線の高架化計画が東京都より示されるまで地域住民に明らかにされなかったのはなぜかお答えください。
【区の答弁】
次に埼京線高架化と、付属街路について、検討の経緯と区の姿勢を問う、とのご質問についてです。
はじめに、鉄道付属街路についてです。
十条駅付近の連続立体交差化計画は、東京都が平成20年度に、同区間を連続立体交差事業の候補区間に位置付けました。
その後、平成24年度から事業調査に着手し、事業範囲や構造形式などの検討を行ってきたと聞いております。
一方、区では、連立事業の早期事業化に向け、立体交差化に伴う周辺のまちづくりについて、東京都と平成20年度に、「沿線まちづくり検討会」を立ち上げ、調査・検討を行ってまいりました。
この中で、鉄道付属街路となる道路や広場整備の考え方をまとめた「十条駅付近沿線まちづくり基本計画」を検討しておりましたが、平成26年5月に、地元町会長等からの連立事業の「早期実現の要望」、6月に「区議会の決議」を受けたことから、12月に、十条まちづくり全体協議会の各ブロック部会で説明を行い、平成27年1月に、「基本計画」を策定いたしました。
これらの取組みを踏まえ、平成27年2月に、東京都、北区およびJR東日本の三者により、十条駅付近の連続立体交差化計画および関連する道路計画・鉄道付属街路について、都市計画素案として、お示ししたところです。
3つめの質問です。
3月17日に開催された駅東ブロック部会では、埼京線の構造形式についての住民の質問に対し、区は「最も大きい住民の声は、立体化の早期実現であると理解している。構造形式について、高架化がいいとか地下化がいいとかの要望書は受け取っていない。」と回答しました。しかし十条まちづくり基本構想のパブリックコメントでは、適切な時期に構造形式についての住民の意見を聞くと明記されているのです。高架化とされた構造形式案について、あらためて住民の意見を聞く場を設け、住民に判断を仰ぐべきではないでしょうか。お答えください。
埼京線の立体交差化は進めるべきですが、問題は高架化をすすめれば側道の整備が必要となることや、大踏切が解消されても85号線の拡幅が行われるなど、地域住民にとってのデメリットが次々と明らかになっていることです。地下化であればこのような心配がなくなるだけでなく、騒音・振動・日照に関しての問題も発生しません。また空いた鉄道敷地面積の15%は区が使用できるとのことした。これを活用すれば、区が目指す東西地域分断解消は大きく前進することになるではありませんか。
そこで4つめの質問として、構造形式については地下化を東京都に申し入れるよう改めて求めます。お答えください。
【区の答弁】
次に、埼京線の構造形式についてです。
連続立体交差事業の構造形式の選定につきましては、都市計画決定権者であり、事業主体である東京都が、判断すべきものと考えております。
東京都は、高架方式と地下方式を比較・検討しており、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏み切りの数などの計画的条件、各構造形式の事業費や事業期間などの事業的条件などをもとに、総合的に判断した結果、高架方式を採用したと聞いております。
今後は都市計画の手続きにより、区民の皆さまのご意見をいただく予定とのことです。
区といたしましては、東京都の検討結果を尊重し、地下化を申し入れることは考えておりません。
(4)85号線・高架化などの都市計画決定は住民合意のないまま行わないこと
十条まちづくり4つ目の質問は、85号線拡幅の都市計画変更と埼京線高架化、そして付属街路の都市計画決定についてです。2点お伺いします。
1つ目は、都が近々にも85号線の拡幅と鉄道高架化を一体にして都市計画決定しようとしていると聞いていますが、本当でしょうか。あわせて、そのスケジュールをお伺いします。
2つめは、地権者を中心とした地元住民から異論があいついでいる状態のまま計画決定することは許されません。住民合意が得られるまで、都市計画審議会は開くべきでないと考えますが、区の考えをお伺いします。
【区の答弁】
次に、補助85号線と埼京線高架化などの都市計画決定についての質問です。
東京都は、本年1月末に、補助85号線の都市計画変更素案の説明会を行い、今後、十条駅付近の連続立体交差化計画および、関連する鉄道付属街路の都市計画の手続きに合わせて進めるとの説明をしておりますが、現在東京都からは、明確なスケジュールは示されておりません。
補助85号線および連続立体交差化計画は、東京都都市計画審議会に諮って都市計画決定されますが、区といたしましては、都市計画変更の告示・縦覧による住民等の意見を参考に、十分な審議がなされるものと考えております。
(5)西口再開発に関わる諸問題を問う
十条まちづくり5つめとして西口再開発に関して2点お伺いいたします。
はじめにお伺いするのは、事業の進捗状況です。準備組合に加入している方、及び同意書を提出された方はそれぞれ何人か、率にすると何%になるか。そしてここ一年間で組合に加入した方、脱退した方があるかをお答えください。
【区の答弁】
次に、西口再開発にかかわる諸問題を問う、とのご質問についてです。
はじめに、事業の進捗状況です。
十条駅西口再開発は、再開発準備組合が、組合設立を目指して、昨年6月に、事業計画と定款を作成し、各権利者の皆さまから書面による同意取得を行っております。
現在、準備組合の加入者は、56名、加入率は約7割で、ここ1年間で加入した方はおりませんが、脱退した方は1名と聞いております。
同意書の提出状況につきましては、口頭での報告は受けておりますが、準備組合からは、権利者個人の特定につながる問題であるため、お答えは控えていただきたいとのことです。
次にお伺いするのは、再開発ビルが、十条のまちに本当に必要かという問題です。
今ここで生活をしている人を追い出し、超高層マンションを購入出来るような人たちと入れ替えることがまちづくりといえるのか非常に疑問です。十条まちづくり基本構想では、商店街との共存を謳っていますが、商業区画も2フロア設けられる計画となっており、既存商店街が守られるのかということについても疑問が残ります。景観の面からも、東京タワー第一展望台に相当する高さ147mの建物は十条のまちにふさわしくないとの意見も出されています。
そこで、地権者以外からも異論の出ているこの計画をいったん白紙に戻した上で、地権者や地域住民の合意が得られる計画となるよう再検討することを求めますが、お考えをお示しください。
【区の答弁】
次に西口再開発計画の再検討についてです。
区では、十条地区まちづくり基本構想に基づき、「にぎわいの拠点」のシンボルとなる高層タワー型の施設建築物を民間活力により建設し、駅前広場や道路、駐輪場を整備することとしております。
一方、区は事業予定区域内に多くの面積を有する地権者の一員でもありますので、準備組合への積極的関与と、出来る限りの支援をする役割があると認識しております。
今後も賛同が得られない地権者に対しましては、準備組合と連携を図りながら、また、区も独自で、十条地区のまちづくりにおける再開発事業の重要性や必要性を粘り強く説明し、より多くの地権者皆さまへの理解と協力を求めてまいります。
(6)補助73号線に関しての諸問題を問う
十条まちづくり問題の最後に、補助73号線に関して4点お伺いします。
1つ目に幹線道路を作れば交通事故は減少するのかという問題です。
東京都は幹線道路を作ることで、生活道路における交通事故が減少すると説明していました、しかし第4次優先整備路線の検討過程で専門家がこの根拠を確認したところ、「道路整備と事故件数についての因果関係を示すものはない、事故が減るという前提とした」と答弁しています。それでは実際にはどうか。警視庁の資料を見ると、交通事故はむしろ幹線道路で多く発生していることがわかっていますので、幹線道路を作ることで、むしろ交通事故が増加することが懸念されています。
そこで質問ですが、幹線道路を作ることで、地域内で交通事故が減ったという実例があればお示しください。
【区の答弁】
次に、交通事故が減った実例についてです。
区としては、実例について把握しておりませんが、国土交通省によれば、幹線道路においては、交通事故が特定の箇所に集中して発生しているとのことですので、事故原因を科学的に分析して、事前の対策を講じることが大切であると認識しております。
2つめに生活再建という観点でお伺いします。
都市計画法74条及び土地収用法68条にも定められている通り、地権者に対する補償・生活再建は、都市計画事業を行う大前提となります。十条地域の不動産業者にお話をお伺いしたところ、十条地域、特に今回73号線が計画されている環七南側は、非常に人気の高い地域で、たとえば土地であれば、公示地価の1.2倍程度でもすぐに取引が成立してしまうとのお話でした、別の業者からは、(公示地価の)1.5倍ぐらいが(取引の)基準になるんじゃないかな、ともお話しいただきました。実際十条台の家政大学テニスコート跡地、ここは73号道路の南端部分に当たるところになりますが、ここで40戸の住宅が分譲されましたが、ここの土地部分は公示地価の1.7倍を越える価格で取引がなされています。
では実際、現在補償がどのように進められているか、一例ですが路線価程度の価格提示しかなされなかったため、事業への協力をお断りしたとの事例もあるそうです。路線価というのは、一般的には公示地価の80%になりますので、売るときは公示地価の80%、買うときには120%ということでは、生活再建はとても出来ないということになるのです。
こういったことが起こる原因として、73号線計画区域内は住宅密集地域のため、主要な道路に接していない住宅も多く、任意買収で提示される価格は地権者が考えているよりもかなり低くなることがあると思われます。たとえば「私道」にあたる部分は、国税庁の「財産評価基本通達」では30%で評価するのが適当とされていることなど、普通の住民は、提示された補償額が妥当なのかの判断もつきません。
そこで質問します。十条地域において、路線価・公示地価と比較して、評価が大きく下がる土地は、どのようなところかお示しください。
【区の答弁】
次に、評価が大きく下がる土地についてです。
補助73号線は、事業者である東京都の第6建設事務所が用地取得交渉を行っております。
現在、用地価格で問題になった関係者は特にいないとのことですが、一般的な土地評価の減価原因としては、ご紹介の私道のほか、不整形、間口の狭小などがあると、聞いております。
3つめは現在検討されている補助73号線周辺の用途地域変更についてです。
今回の地区計画案は、73号線道路を建設することを前提としたものです。73号線道路計画は、地権者の大半が反対しているため事業の推進が遅れ、完成目標を2020年としていますが、現在まったく完成の目処がたっておりません。見通しのない事業の完成を前提にした地区計画等の策定は急ぐべきではありません。住民と合意形成に努め、時間をかけて計画作成すべきです。用途地域の変更が行われると、道路計画線内の地価は変わらない一方、周辺の地価は値上がる傾向にあります。このこともまた地権者が近隣で生活再建の出来ない一因となるのです。
そこで質問です。用途地域変更は、事業の進捗がはっきりするまで行うべきではないと考えますがいかがでしょうか。
【区の答弁】
次に用途地域変更についてです。
現在、区では補助73号線の整備に併せ、にぎわいの拠点として、既存商店街を中心とした地域活力の維持向上と、後背地の木造住宅密集地域の改善を図るため、地区計画の策定を進めております。また、区と東京都で、本道路沿道両側を中心に、用途地域や防火地域などの都市計画変更手続きを進めており、地区計画と併せて、本年秋頃に都市計画決定を行う予定です。
東京都からは、道路の用地取得交渉が始まり、鋭意、取り組んでいると聞いておりますので、区といたしましては、引き続き、都市計画決定の手続きを進めてまいります。
4つ目の質問です。
十条まちづくり基本構想では、鉄道による地域分断の解消を謳っています。しかしこの道路はコミュニティを形成していた住民を立ち退かせて、新たな東西の地域分断を引き起こすことになります。くわえて73号線は十条中通り商店街を分断し、十条富士見銀座商店街の北側部分をつぶしてしまうことになるので、商店街のお得意さんを多数追い出し、なおかつ商圏を分断することになるのです。補助73号線は、十条まちづくり基本構想で示されている商店街との調和に配慮した整備という趣旨には沿わない道路であると考えます。
改めて北区がこの道路計画の撤回を東京都に要望することを求めるべきです。お考えをお示しください。
【区の答弁】
次に、道路計画の撤回についてです。
補助73号線の整備は、首都直下地震の切迫性などを踏まえると、延焼遮断機能の向上のほか、災害時の緊急避難路や救援活動のための空間確保など、木造密集地域の防災性を向上させるうえで、極めて重要な取り組みと認識しております。
昨年度、区と東京都は、不燃化特区の特別の支援策として、都区共同相談窓口を開設し、補助73号線関係権利者のご相談を受けております。
区といたしましては、今後とも、商店街や地域の皆様の理解が得られるよう、ていねいな対応に努めてまいりますが、道路計画の撤回を東京都に要望することは考えておりません。
2、保育所入所判定時の保育指数の認定について
大きく2つ目として、保育園入所判定時の保育指数認定方法についてお伺いいたします。
保育園入園を申し込む方が自営業者の場合、夫婦間で労働対価としていくら払っているかの申告をさせ、申告された金額を基準に労働時間の算定を行うという運用がなされているようです。そこでお伺いしますが、
1つ、いつからこの基準は作られたのか、そして23区内で他にこのような基準を設けている自治体はあるかお答え下さい。
2つ目に、自営業者が実際に夫婦間で金銭のやり取りをすることはありえないのですが、どう書けばよいかわからないという方にはどのように対応・指導しているのかお答え下さい。
3つめ、いずれにしろこの方式は労働時間の実態を正しく表すものではないと考えます。なんらかの改善を求めたいと思いますが、お考えをお聞かせ下さい。
【区の答弁】
保育園入所時の保育指数の認定について順次お答えさせていただきます。
はじめに自営業を営まれている方の勤務時間の算定にかんする運用についてです。
北区では、平成19年4月期の入所から、利用案内に勤務実績を勤務日数や支払い金額で確認し、選考指数を決めることを明記し、利用申請及び審査を行ってきました。
次に他区の取り扱いですが、勤務実績の指数の決定に当たり、支払い金額等を考慮している区が7区、居宅外就労に比べ、居宅内で仕事をされている方の指数を低く設定している区が5区、自営業や自営業を手伝っている方について、指数を低く設定している区が2区、指数が同点の場合の優先順位の判定項目に盛り込んでいる区が2区となっております。
次に記入方法への問い合わせの対応についてです。
申込書等につきましては、労働類型での選考指数の説明をしたうえで、労働の実態の基づき記入していただくこと、また、就労形態や勤務実績が変わった場合には手続きが必要であることをご案内しております。
次に時間算定にかんする運用の改善についてです。
保育所の入所は、入所希望者相互を保育を必要とする程度により利用調整するもので、同じ労働類型の中での選考指数の中で指数の整合性を図るため、自営業者についても提出された資料や東京都の最低賃金に基づき対価を得て就労していると見做すことができる範囲を時間に換算し、選考指数を認定しているところです。
現時点では、この方法が公平性が高いと考えておりますが、保育の利用基準につきましては、適宜見直しを行っておりますので、今後の研究課題とさせていただきます。
次に、たとえば申し込み者が裁量労働制の職種の方であれば、労働時間は個人の管理に任されるため、本来会社が勤務時間の証明を行うことは出来ません。労働形態の多様化により、現在の勤務証明書では、労働の実態を把握することが難しい場面もあるのではないかと思います。
そこで質問します。
申請者自身の労働時間の認識と、北区の判定のずれが原因と思われる苦情をいただくこともあると聞きます。このような認識の相違が起こらない工夫をしていただくことと、申請者の求めがあれば選考指数及び優先順位をきちんと伝えていただくことをお願いいたします。お答えください。
【区の答弁】
次に労働時間について、申請者の認識と区の判定が異なることのないような工夫や対応についてです。
ご指摘のとおり、現行の利用基準表は、勤務日数や時間が定まっている方にはわかりやすいものの、裁量労働制で働いている方の指数の判断基準までは明確になっておりません。
今後、保育利用案内への記載方法の見直しや、窓口での丁寧な説明により、申請者の認識に相違が生じないよう努めてまいります。
なお、選考指数及び優先順位につきましては、入所調整の結果公表日以降、お問い合わせのあった申請者に対し審査時の選考指数等をご案内しているところです。
3、十条駅前児童遊園における喫煙について
最後に地域問題として、十条駅前児童遊園についてお伺いします。
十条駅北口改札を出たところに十条駅前児童遊園がありますが、子どもが遊ぶ姿はあまり見られず、休憩所や喫煙場所として利用される大人の方が多いように思います。このため吸い殻をはじめとしたゴミも多く散乱している状態で、まちの景観からみても改善が必要ですし、煙による苦情も多いと聞きます。少なくとも児童遊園であれば禁煙は徹底させる必要があると思います。
ここでの喫煙は行わないような対策をお願いしたいと思いますがいかがでしょうか。
以上で私の質問を行います。ご清聴ありがとうございました。
【区の答弁】
最後に、十条駅前自動遊園の喫煙防止対策について、お答えします。
たばこの煙が子どもに与える影響を防止するため、健康増進法の施行を契機に、区内児童遊園及び公園の児童コーナーから灰皿を撤去いたしました。
しかしながら、十条駅前児童遊園において、朝夕の通勤通学時間帯に喫煙者が集中し、ごみの散乱や、煙が周囲に広がることに、区民から多くの苦情が寄せられております。
十条駅前児童遊園での喫煙やポイ捨てを防止するため、十条駅西口再開発相談事務所の南側に、試行的に、区が喫煙設備を設置し、管理を地域の皆さまにお願いすることについて話し合いを進めているところです。
準備が整い次第、喫煙設備の設置及び管理を実施したいと考えております。
あわせて、十条駅前児童遊園については、禁煙やポイ捨て禁止の周知をより一層強めてまいります。