2016年第4回定例会個人質問ー野口まさと
2016年11月25日 | 野口まさと
私は十条地域のまちづくり問題、区立小中学校についての諸問題について区長、教育長にお伺いいたします。
1、十条まちづくり問題を問う
はじめにお伺いするのは十条まちづくり問題です。
(1)住民追い出し、商店街こわしのまちづくり計画は見直しを
その第1は、住民追い出し、商店街こわしのまちづくり計画は見直しをすることについてです。
先月、埼京線十条駅付近の立体交差化計画の事業計画案が、高架化という形で地域に示されました。これは北区の行う事業、埼京線付属街路となる側道を線路東側に作ることが前提となっています。
この計画とあわせ、補助85号線についても、道路幅を30mに拡幅する都市計画変更案が示されました。この2つの計画については来年度には都市計画決定される見通しであるとのことです。都市計画道路では補助73号線もすでに事業認可が行われています。
問題はこれらの計画のすべてが、現在生活している住民の立退きを伴うものであること。そしてこれら影響を受ける住民に唐突に計画が示されたために、地権者の方を中心として、多くの疑問の声が出されていることです。
埼京線の連続立体交差化計画では、構造形式を総合的に考えたといいながら、立退きなどの区民負担は考えられていません。85号線についても、道路幅の拡幅が必要といいながら、その結論を出す過程で、商店街の立退きなど、住民が受ける悪影響は考慮されていません。そして素案が出されてから今に至るまで、事業用地にお住まいの方たちに対して、区が自ら事業への理解を求めるといった対応も行っていないことなどから、立退きを迫られる方からすれば、これはまちづくりではなくまち壊しであるとの意見も出されています。立退きを伴うまちづくりはひとつだけでも大きな問題となるのに、これだけ同時並行的に進められている場所は全国を見渡してみても、ここ十条以外にはないのではないでしょうか。非常に大きな負担が十条地域に集中しているのです。以下質問いたします。
1つ目に、鉄道立交にともなう附属街路、補助73号線整備、補助85号線の拡幅によって、どれだけの住民に立ち退きの影響がでるのかをお伺いします
2つ目に、85号線の拡幅によっていちょう通り商店街の多くの商店がつぶされ、商店街として存続できなくなるのではないかと考えますが、区の見通しをお示しください。
3つ目に、73号線の整備によって仲通り商店街、富士見銀座商店街ではどれくらいの店舗が立ち退かざるを得なくなるのかをお示しください。
【区の答弁】
はじめに、十条まちづくり問題を問う、とのご質問に順次お答えさせていただきます。
まず、住民追い出し、商店街こわしのまちづくり計画の見直しを、とのご質問のうち、住民の立ち退きの影響についてですが、鉄道付属街路は現況測量の調査などを実施していないため、正確な数値は把握しておりませんが、地図上から算定した建物物件として、おおむね110から120件を見込んでおります。
補助73号線は、事業主体の東京都は公表しておりませんが、区が地図上から算定した建物物件として、おおむね180件と見込んでおります。
補助85号線については、事業主体の東京都から約120件と聞いております。
次に、いちょう通り商店街についてです。
東京都は本年10月に、補助85号線の都市計画変更案の説明会をおこない、高架構造を平面構造に変更するとともに、一部区域を変更し、規定計画の幅員30mとする変更案をしめしました。
区は、都市計画マスタープランにおいて、本道路沿道の区域で商業施設と住宅との立体的共存を誘導することとしておりますが、地域に根ざした商店街は、にぎわいを形成する上でも貴重な地域資源であると認識しております。
今後とも、東京都と連携を図り、補道路整備により大きく影響を受ける商店街や町会のみなさまと積極的に意見交換をおこない、沿道のにぎわいのまちづくりについて検討してまいります。
次に、73号線の整備による商店街の立ち退きについてです。
東京都は、補助73号線整備による影響建物の件数は公表しておりませんが、区といたしましては仲通り商店街では本道路との交差区域、十条富士見銀座商店街では環状7号線との接続区域において影響があり、店舗などの用地を提供していただく必要があると考えております。
十条地区まちづくり基本構想で北区は、「にぎわいとやすらぎを奏でるまち」との将来像を示していますが、これらの事業が計画通り進められれば、今ある商店街は衰退し、これまで暮らしてきた住民が住み続けられなくなります。基本構想とは正反対のまちになってしまうように思えます。
そこで4つ目の質問として、今いる住民や商店街の多くが住み、営業し続けられなくなるまちづくりは、「にぎわいとやすらぎ」という将来像とは相容れないと考えますが、区の見解をお示しください。
【区の答弁】
次に、住み、営業し続けられなくなるまちづくりについてです。
十条地区は、木造住宅が密集し、震災時には甚大な被害が想定されるなどの課題があり、安全・安心なまちを早期に実現する必要があると考えております。
区といたしましては、道路事業等の用地提供により、住民のみなさまの生活再建に大きく影響を及ぼすと認識しておりますが、今後とも、東京都と連携し、下町の情緒あふれる既存のまちと、十条の新しい顔として再生・開発されたまちが調和する「にぎわいとやすらぎ」のあるまちづくりを進めてまいります。
私たちの会派は、庶民のまち十条を存続させるため、現在、都と区が進めている十条まちづくりについて、(1)鉄道立体交差については「地下化」とし、附属街路計画は白紙とするべきであること。(2)補助85号線は、現在の都市計画幅員30mを、現道18mにあわせる都市計画変更を行うこと。(3)補助73号線は、区内の他の特定整備路線とともに計画撤回をすること。(4)西口再開発については2/3の合意が取れればいいというのではなく、納得できない地権者を無理に計画に参加させることのないよう、8割9割の地権者が納得できる計画に見直すこと。以上4点をあらためて求めるものです。
(2)十条まちづくりに、地域住民・商店街などあらゆる住民の声を反映させよ
十条まちづくり問題の2つ目は、十条まちづくりに、地域住民・商店街などあらゆる住民の声を反映させることです。
まちづくり計画の地権者の方を中心に、地域住民が十条まちづくりを自分の問題として共有しつつある状況も十条地域の特徴的な動きとなっています。西口再開発には参加したくないという地権者の作る「西口再開発を見直す会」。それと73号線の地権者や沿線住民が中心となって作る「庶民のまち十条を守る会」は、十条銀座で定期的に、まちづくり計画は地域にどれだけ大きな負担がかかるかを訴えています。11月13日に行った宣伝では、通行人が受け取ったチラシは500部。そのうちまちづくりを考え直してもらいたいという署名に応じた方は300人を超えたとのことです。
一昨日、11月23日には東側、埼京線付属街路の地権者が中心となり、「埼京線とまちづくりを考える会」が発足しました。設立総会に参加された方は35名とのことです。この問題でも住民がまちづくり計画を自分たちの問題として声を上げていこうとする動きがでてきています。
そこで質問します。十条まちづくりの見直しを求める住民の意見について、これらは決して一部の声ではなく、多くの住民が持っている意見だと思います、北区はどのようにとらえているのでしょうか。お答えください。
【区の答弁】
次に、十条まちづくりに地域住民・商店街などあらゆる住民の声を反映させよとのご質問についてお答えします。
はじめに、十条まちづくりの見直しを求める住民意見についてです。
十条地区のまちづくりについては、ご紹介いただいた「十条駅西口再開発を見直す会」などが活動されていることは承知しておりますが、十条駅西口再開発事業では、すでに多くの方の賛同が得られ、再開発準備組合から組合設立の法定要件が充足され、今後、認可申請をおこなう旨、所管の委員会でご報告させていただいております。
区といたしましては、区民のみなさまの声は、賛成・反対などさまざまあると考えていますので、まちづくりの見直しを求める意見だけが、多くの住民のみなさまの意見とは考えておりません。
こうした住民の声が計画に反映されないばかりか、都と区が住民の声に耳を傾けないまま計画を推し進めようとしていることは問題です。十条まちづくり基本構想には、「区民とともにおこなうまちづくり」と明記されていますが、「都や区は都合のよいことを一方的に説明するだけ」、「いろいろな場で発言しても、計画は何ら変わらない」などの意見も多く出されています。
そこで質問です。「区民とともにおこなうまちづくり」をおこなうのであれば、今からでも計画区域内の地権者や、商店街の個別の店舗に対して、個別に説明をおこなう必要があるのではないかと思いますがいかがでしょうか。
【区の答弁】
次に、「区民とともにおこなうまちづくり」についてです。
都市計画道路補助73号線や補助85号線など、十条地区のまちづくり事業については、東京都と連携を図りながら、対象地区の全体説明会後に要望に応じて町会や商店街などのみなさまを対象としての説明会を開催してまいりました。
今後は、区および東京都が、事業の進ちょくに応じ、地権者や店舗のみなさまの個別のご事情をおうかがいするなど、丁寧な対応に努めてまいります。
北区は、「十条地区まちづくり全体協議会」を中心とした区民と区の協働によるまちづくりを推進していくとの姿勢です。これまでにも指摘してきましたが、住民の皆様のブロック部会での発言が、全体協議会に反映されないことへの不満も大きいものがあります。事前に町会と対話をする姿勢は必要だと思いますが、町会長の意見が会員の意見すべてを代表しているわけではありません。一般の区民が意見を出せるのはまちづくりブロック部会に限られますが、そもそも町会は区からは独立した団体で、ブロック部会開催を周知する責任もないため、ブロック部会の開催すら知らなかったといった方も多くいらっしゃいます。
質問します。まちづくり全体協議会は、ブロック部会の意見をくまなく集約していると区は考えているのでしょうか。そして全体会のみならず、ブロック部会で出た意見をどこまで計画に反映させているのかについてお答えください。
【区の答弁】
次に、まちづくり全体協議会についてです。
十条地区では、平成17年度に町会、商店街および教育機関等が中心となった「十条地区まちづくり全体協議会」が設立され、幹事会と5つの地域に分かれたブロック部会で、まちづくりの円滑な推進に資することを目的に、積極的な活動がおこなわれております。
幹事会は、各ブロック部会の部会長と副部会長等で構成されており、事務局である区といたしましては、幹事会において各ブロック部会の活動について相互に理解を深めているものと認識しております。
本協議会の会則では、地元および区が十条地区のまちづくりの早期実現に努力し、協議結果については相互に尊重することとしております。
この協議の中で出されたご意見は、参考とさせていただき、可能なものは実現に向けて検討しております。
さて、このように区民の声がなかなかまちづくりに反映されない現状のある中、区民の皆様のなかには、直接、区や区長に自分の意見を伝えようとされる方もいらっしゃいます。しかし北区はこれまで、正式な団体でなければ意見交換を行うことは難しいとの姿勢でありました。これをうけ、先ほど紹介した住民側各団体は、規約を作り総会を開催し正式な会として活動を開始しています。
そこで2点お伺いします。
1つ目は、2月のいちょう通り商店街勉強会で多数寄せられた疑問の声、6月の5商店会からの要望に、いまだ回答・説明していないのはなぜなのか。
2つ目は、まちづくり協議会や商店街の要望に応じることは当然として、これとは別に誰もが意見を言え、あらゆる住民の声を反映できる新たなしくみづくりが必要だと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお示しください。
【区の答弁】
次に、商店街の要望についてです。
いちょう通り商店街では、本年2月に補助85号線の勉強会を開催し、6月には、同商店街を含む5商店街の「十条地区商店街まちづくり連絡会」から十条まちづくり担当課長宛てに、補助73号線と補助85号線にかんする要望書が提出されています。
これまで商店街まちづくり連絡会の事務局と適宜、調整をおこなっておりますが、5商店街の意向がまとまらず、説明会等の開催には至っておりません。
今後とも、区へのご意見・ご要望につきましては、「区長へのはがき」やパブリックコメント、個別の説明会等で対応し、可能なものは実現に向けて検討してまいります。
(3)十条駅の鉄道連続立体交差化は地下化とすることを都・JRに求めよ
十条まちづくり問題の第3は、十条駅の鉄道連続立体交差化は地下化とすることを都・JRに求めることについてです。
10月14日・15日の埼京線の高架事業計画案及び環境影響評価書案。そして85号線拡幅都市計画変更案の説明会において、立退きを迫られる方などから、
・地下化なら延焼遮断機能も確保できるし避難路ともなる。西側の消火活動困難区域も解消できるのではないか。
・震災が発生した場合、高架で大丈夫なのか。
・高齢世帯が多い地域で、立退きのできない人もいることを考えているのか。
・住民の精神的なことを考えていない。
・高架案とするときに、なぜ住民の声を聞かなかったのか。
・JRが国鉄時代に地下化と約束していたではないか。
・長生きするなら北区が一番といっているが、高架はこれと正反対の計画だ。
などの意見が出されました。
立退きを伴う計画が示され、多くの方が自分の生活がどうなるのか、不安を抱えながら日々暮らしていることがよくわかる説明会であったと思います。
連続立体交差化計画の構造形式が高架として示されたことについて、区や東京都は、一昨年6月の北区議会の「適切な構造形式による立体交差化の実現」との決議があるため、高架案でもかまわないとの見解のようです。
この決議については、平成26年第2定例会の地域開発特別委員会において審議がおこなわれています。その質疑の際、私どもの会派は同意をするにあたり、「適切な構造とは地下化なのだということを重ねて申し上げておきたいと思います。」と、念を押しておきました。何よりもこの事業を行うにあたっては、大踏切の解消が主目的であるからです。今回付属街路の設置を前提とした高架計画が示され、完成までに11年との見通しも示されましたが、これは付属街路の完成が前提の計画です。付属街路の整備をおこなうだけで、この2倍以上の期間がかかることは、都市計画道路の常識といっても過言ではありません。今回の高架化計画では、解消すべき踏み切りが現状のまま20年、30年放置されてしまうことはあきらかで、本来の踏み切り解消目的を達成する観点からはとても適切とはいえない計画です。
構造形式は地下化とし、北区が必要と考える防災機能を備えた駅までの歩行者の導線としての道路も、現道拡幅を基本の考え方とすれば立退きも大幅に減らせます。そうすれば住民の理解も得やすく、少なくとも高架計画よりは早期の踏み切り解消がはかれることになるのではないでしょうか。
そこで以下4点質問します。
1つめとして、北区は旧国鉄と「地下化」での施工を約束しました。その約束はJRにも引き継がれていますが、今回、住民になんら説明をしないまま、都が示した「高架」の構造形式を是認しているのはなぜでしょうか。
2つ目として、都は、地下化は高架より事業費がかかるなどとしているが、仮線として使用する附属街路の事業費が高架の事業費には積算されていません。区として事業費の根拠の精査は行っているのでしょうか。
3つめとして、3つの構造形式を比較したというなら、騒音・振動、景観、防災などの観点からそれぞれの構造形式について環境影響評価をおこない、どの構造形式が一番住民への被害が少ないかの検証を求めるべきではないかと思いますが。お考えをお示しください。
都と区は、新年度の早い時期にも都市計画決定をおこなう予定としていますが、今こそ住民の声に耳を傾け、将来をみすえて区にとっての最善の選択となるよう構造形式を慎重に決定すべき時であると考えます。
そこで4つ目の質問ですが、鉄道立体交差化計画は、多くの住民が求める「地下化」で進めることを東京都とJRに求めていただきたいと思います。お考えをお示しください。
【区の答弁】
次に、十条駅の鉄道連続立体化は地下化とすることを都・JRに求めよ、とのご質問についてです。
はじめに、区と旧国鉄の「地下化」での施工の約束についてです。
この約束は、昭和51年に、東北新幹線建設計画および赤羽線輸送力増強計画に同意するための条件とされていましたが、昭和59年に東京都、北区、国鉄の3者による「赤羽・十条駅付近立体化検討委員会」が設置され、昭和60年に立体化形式の検討は、東京都で実施、まちづくりは北区で調査を実施するなどの検討結果を取りまとめております。
十条付近の連続立体交差事業は、国の「都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する要綱」に基づき、東京都が事業主体となり、実施する都市計画事業となります。
このため、構造形式の選定につきましては、都市計画決定件者であり、事業主体である東京都が判断すべきものと考えております。
なお区では、都市計画マスタープラン2010の策定の際、地下化の目標から鉄道の立体交差化に表現を変更し、説明会などで区民のみなさまに周知するとともに、パブリックコメントにより広くご意見をうかがっております。
次に、事業費の根拠の精査についてです。
連続立体交差事業の事業費については、区が精査する立場にないため、おこなっておりません。
また、鉄道付属街路は、駅などへのアクセスの向上や防災性の向上などを目的とした区が事業主体の都市計画道路事業のため、高架の事業費に含める必要はないと考えております。
次に、環境影響評価についてです。
十条駅付近の連続立体交差事業にかかる環境影響評価は、高架構造の鉄道改良事業として、東京都の環境影響評価条例に基づき、手続きを進めております。
現在は、環境影響評価書案に対する区長意見を東京都知事に提出するため、準備を進めているところです。
区といたしましては、高架構造以外の構造形式での環境影響評価について、東京都に求めることは考えておりません。
次に、東京都とJRに地下化を求めることについてです。
構造形式の選定につきましては、都市計画決定件者であり、事業主体である東京都が判断すべきものと考えております。
区といたしましては、東京都の検討結果を尊重し、地下化について東京都やJRに申し入れることは考えておりません。
2、区立小中学校の諸問題について
大きく2つ目に、区立小中学校の諸問題についてお伺いいたします。
(1)人口増による小中学校の教室不足についての認識を問う
はじめにお伺いするのは、区立小中学校の余裕教室がどんどんとなくなっている問題です。
この間進められている適正配置問題に加えて、放課後こども総合プランの導入や、志茂地域や王子地域での大規模マンション建設も明らかになっているように、人口の増加という要因も無視できないように思います。
適正配置を行った学校では、西が丘小学校は、放課後こども総合プラン用に新しい建物を増設しました。来年度統合新校としてスタートする滝野川もみじ小でも、決して広くない校庭に建物を増築することが決まっています。
放課後こども総合プランの導入では、今定例会でも示されていますが、滝野川第三小学校・西ヶ原小学校・十条台小学校で来年度余裕教室の転用が行われることになります。
児童・生徒数の増加としては、先ほど取り上げた西が丘小の西側の隣接学区域の梅木小学校が、昨年普通教室を6教室増築したばかり、線路をまたいで東側の隣接学区の稲田小学校も一時は100人以下の小規模校でしたが、昨年普通教室を増築しています。桐ヶ丘中学校では一昨年12クラスであったものが、昨年・今年とそれぞれ1クラス増え、今年は14クラス。サブファミリー内の小学生の人口推計を見る限りでは、来年は更に一クラス増えて、15クラスになるものと思われます。これ以上増えることになれば、せっかく6年前に新築したばかりの校舎ですが、生徒を収容しきれないということになるのではないでしょうか。
滝野川紅葉中学校では、生徒数増加により、余裕教室を普通教室に転用したものの、窓が側面でなく後ろ側にあるので教室が暗い。ロッカーの位置が使いづらい場所にある。空調が教室全体にいきわたるような設計になっておらず、吹き出し口付近が熱かったり寒かったりするなどとの生徒からの指摘もあるようです。他でもお話をお伺いするところでは、各学校の余裕教室は、一般的には、今教室として使っているところと比較し、日照・騒音・開放感などで少々問題がある場所となっているようでした。
そこで質問します。
児童生徒数の増加についての区の認識と、学校の教室が不足しないような対策が考えられているのかをお伺いします。
2つ目として、現在進められている桐ヶ丘SFBの適正配置計画は、今説明した区の状況も踏まえ、引き続き4校存続の協議を続けるべきと考えますがお考えをお示しください。
【区の答弁】
まず、「児童生徒数の増加についての認識と、学校の教室が不足しないような対策について」です。
区立小学校の児童数は、それぞれ5月現在で26年度と27年度の比較で73人、27年度と28年度の比較で125人増加しています。
また、北区の年少人口が、ここ数年増加に転じていることから、この児童数の増加傾向は少なくとも数年にわたり継続するものと考えています。
ご指摘の通り、小学校においては、放課後子ども総合プランの導入にともない、事業スペースの確保を進めているところでもあり、新年度の児童受け入れにあたっては、これまで以上に学校と緊密な連携を図りながら、普通教室の整備などに万全を期してまいります。
なお、平成29年度は、滝野川もみじ小学校以外に増築を予定している学校はありませんが、引き続き、児童生徒数の動向を注視し、万一増築が必要となる場合には、運動場への影響を最小限に抑えるなど可能な限り、よりよい教育環境が確保できる方策を検討してまいります。
次に、桐ヶ丘中学校サブファミリーブロックの適正配置についてです。
桐ヶ丘中学校サブファミリーブロックでは、学校適正配置検討協議会を本年6月に設置し、現在、協議をおこなっているところです。
協議会では、児童数や地域の開発動向などの情報提供に努め、保護者のみなさまや地域のみなさまなどと適正配置について慎重かつ十分に協議をおこなった上で、現在および未来の子どもたちの教育環境向上にとりくんでまいります。
(2)新JIS規格の机の導入を求める
次に伺いたいのは、こどもたちの学習環境改善のために、現在使われている学習机を、新JIS規格のものに入れ替えていただきたいということです。
学校で使う教科書・ノートは、私たちが子供のころはB5サイズであったものが、昭和後期から徐々にA4サイズなど大き目のものへと変わってきています。このことにより、こどもたちの使うランドセルもA4サイズ対応へと大きくなってきています。そして同じ理由からだと思いますが、学校の机のJIS規格も、従来は縦40cm×横60cmであったものが、1999年(平成11年)に縦45cm×横65cmに改められています。
先日中学校の授業を拝見する機会がありました。その中学校で使用している机は、40cm×60cmという旧JIS規格のものでした。中学生ともなれば、体格は私たちとほとんど変わりません。生徒が、自分の体よりも小さいような机で学習をしているのを見て、もう少し何とかならないものかと感じました。40cm×60cmの机では、A4サイズの教科書を開くと、ノートの半分は教科書に隠れてしまいます。小学校でも国語の時間に辞書を引く際、辞書をそのつど机の下から出し入れしている様子も見受けられました。
質問です。
こどもたちにゆとりある学習環境を提供するために、中学校への新JIS規格の机の導入を、そして小学校へも拡大を求めたいと思いますがいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
以上で私からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
【区の答弁】
次に、新JIS規格の机の導入についてお答えします。
児童・生徒用の机は、長年にわたって使用できることから、新規で購入する机の台数は各学校の児童・生徒の増加数程度となっています。
班に分かれての学習など、机を合わせて使用する場面があることから、同一規格の机をそろえることが望ましいため、新JIS規格に切り換えていくには、学級単位もしくは学年単位での切り替えが必要になります。
それらの課題も含め、他区の状況等も調査し、研究してまいります。