2018年第1回定例会個人質問ー野口まさと
2018年2月26日 | 野口まさと
私は十条地域のまちづくり問題、小学校適正配置計画、神谷小中一貫校について区長・教育長にお伺いいたします。
1、十条まちづくり問題を問う
はじめにお伺いするのは十条まちづくり問題のうち、十条駅西口再開発についてです。
(1)十条駅西口再開発について
十条地域のまちづくりについて、補助73号線とともに、西口再開発についても住民の皆様が計画の見直しを求めて提訴に踏み切りました。昨年11月8日に行われた第1回口頭弁論では、再開発組合の設立において、事業認可要件を満たすだけの事業への賛同者があったかについて審理されました。東京都が黒塗りの資料を出したことで、これで認可要件を満たしたと証明できるのかと、裁判官が東京都の代理人に何度も確認を行なう場面がありました。
これまで、毎年北区が東京都に対して出している資料では権利者を79名としていましたが、今回の事業認可に当たり、権利者が88名となっていることなど、同意書を取得する過程で正しい手続きが行なわれているかについても疑問の声が出されています。
質問です。事業計画の決定・東京都に対しての組合設立認可申請にあたり、北区のどの部門が法定要件を満たしたことを確認したのか。また、都が認可するにあたり、都も改めて法定要件を再確認しているのかについて、お答えください。
2つ目の質問です。賑わいのあるまちづくりに資する公共施設とはどのようなものを想定しているかお答えください。
【区の答弁】
十条駅西口再開発事業は、多くの地権者の賛同が得られ、平成28年12月に、再開発準備組合から組合設立認可申請書が都市再開発法に基づき、区を経由して提出されました。
区では、本事業を所管する十条・王子まちづくり推進担当部が、申請に必要な書類の確認を行い、組合設立の認可権者である東京都が定款、事業計画書、同意書など組合設立認可申請書の内容審査を行い、昨年の5月に組合設立の認可をいたしました。
十条駅西口再開発について勉強会なども開催され、商業施設をどう配置するかについての検討も進められているようです。区長は「平成30年度、北区政執行の基本方針についての所信と、平成30年度当初予算の大綱について」で、「賑わいのあるまちづくりに資する公共施設の配置の検討に取り組んでまいります」としています。
次に、公共施設についてです。
現在、再開発組合は、平成31年度の認可に向けて、商業・業務などの権利変換計画について各種調査や権利者調整を進めております。
一方、区におきましては、組合設立を受け、本再開発事業により創出される区権利床の公益施設の導入について、検討を重ねてまいりました。
このたび、公益施設の位置づけのコンセプトと導入施設および配置方針を決定しております。
コンセプトは、十条らしさをキーワードに交流を促す公益施設とし、1つは、スポーツを通じた交流促進を図る「スポーツ」、2つは、若者を中心とした多世代交流を創出する「ユニバーシティ」、3つは、来街者も巻き込む魅力的な仕掛けづくりの「アクティビティ」といたしました。
区といたしましては、このコンセプトに基づき、3大学をはじめとする関係機関との協議や情報発信など、地域の期待に応え、十条のシンボルとなる施設をめざしてまいります。
なお、公益施設の詳細につきましては、所管の委員会でご報告させていただきます。
(2)補助 85 号線について
十条まちづくり2つ目の質問は昨年11月30日に都市計画決定が行なわれた補助85号線についてです。
補助85号線の拡幅が行なわれると、沿道のいちょう通り商店街の多くは営業継続が難しくなるなど、地域の多くの方に影響が及ぶことになります。沿道の商店街がなくなれば商店街利用者も大きな影響を受けるものと思います。そういった方の意見を拾うことこそが、事業概要説明会の目的なのではないでしょうか。しかしこの説明会の周知について、東京都が直接ポスティング等で周知したのは85号線沿線のわずかな範囲にとどまっています。
質問です。補助85号線の事業概要説明会・用地測量説明会のポスティングによる周知をこの地域だけで充分と判断した理由をお伺いします。
【区の答弁】
補助85号線の事業概要および測量説明会のお知らせについては、事業主体の東京都第六建設事務所が、測量実施範囲の東西延長約700mの間で、計画線から概ね30mを基本とする街区の権利関係者を対象に、ポスティングおよび郵送したと聞いております。
区といたしましては、北区ニュースの2月10日号に掲載し、広く区民の皆さまに周知しております。
次に商店街とどう向き合うかについて伺います。この事業については、一昨年の6月に十条地域商店街まちづくり連絡会からも、環状七号線姥が橋から旧岩槻街道十条台小学校までの区間を含めた、抜本的な見直しを検討すべきであり、この見直しがなされないことについて、納得できる説明を東京都にしてもらいたいとの要望書が上げられています。
質問です、昨年の9月に、北区は東京都とともに商店街連絡会との懇談を行なったとのことですが、説明をしてほしいと求められている補助85号線事業についてどのような説明を行なったか。また、いちょう通り商店街からはどのような質問が出され、どのような回答をしたか。そして事業についての理解を得られたと考えているか。お答えください。
【区の答弁】
十条地区商店街まちづくり連絡会は、十条銀座商店街など、駅周辺5つの商店街で構成されておりますが、このたびの座談会では、補助85号線などの道路事業について、各商店街からいただいた要望、質問事項に沿って、道路事業等の必要性や商店街支援策などについて、東京都および区が説明、回答しております。
次に、いちょう通り商店街の質問、回答についてです。
「補助85号線の拡幅計画は、どうしても必要なのか」、「道路整備はヨーロッパ調に変えることは可能か」などの質問を頂き、事業主体の東京都から「安全で快適な歩行者・自転車走行空間の確保、回遊性・交流機能の向上、早期の延焼遮断帯機能の発現のため、現計画をいかして広幅員の歩道を確保した計画とした」、また、「歩道舗装や植栽に関しては、今後の地元の方の意見を伺いながら検討していく」と回答しております。
最後に、事業についての理解ですが、区といたしましては、一定の理解を得られたものと考えておりますが、補助85号線の事業主体の東京都からも同様の理解と聞いております。
先週の金曜日・土曜日に行なわれた事業概要説明会と用地測量説明会でも、道路拡幅の必要性について多くの疑問の声が出されるなど、地域住民の皆様は、この事業を納得・容認しているとはとてもいえない状況なのではないでしょうか。いちょう通り商店街独自の調査でも、大方が事業に反対しているとのことです。既存商店街を壊すようなまちづくりを今以上に十条で行なう必要があるのか。地域住民の理解を得ないまま事業化を進めれば、地域に混乱を招くだけであることは補助73号線の事業を見ても明らかなのではないでしょうか。
質問です。地域住民の生活再建や商店街の営業再建が示せず、納得の得られない今の計画は東京都に見直しを求めるべきと考えますが、お考えをお示しください。
【区の答弁】
補助85号線の計画については、平成27年に区が、「交流機能を向上させる空間の確保」や、「延焼遮断帯機能を早期に発揮できる幅員」、「景観機能を向上させる歩行空間の確保」などの観点から、現状の都市計画幅員を最大限活用するよう、東京に要望しております。
このため、東京都に計画の見直しを求めることは考えておりません。
(3)埼京線の高架構造での連続立体交差化と鉄道付属街路について
まちづくり3つ目の質問は埼京線の高架構造による連続立体交差化と鉄道付属街路についてです。
2月2日、3日に行われた説明会でも日照・騒音など環境悪化につながる高架構造は止めるべきとの意見や、110軒を越える方を立ち退かせてまで南北の生活道路を作ることの必要性があるか、さらには確保に努めると説明されながら、まったく具体的な提案がなされないままの代替地問題、残地が補償されるのかという問題、またこれまで行なわれてきた説明会などで、賛成の意見がほとんどないことなど、事業に対しての疑問の声があげられました。
地域住民の声として、鉄道付属街路がなければ、高架構造であっても自分の家には影響がないはずという方など、連続立体交差化の高架構造と鉄道付属街路について、地権者はもちろん、沿線にお住まいの皆様にはまったく納得されていないのが現状です。
質問です。区の事業である鉄道付属街路にかかる地権者の数と用地面積はどれだけなのでしょうか。また、東京都は埼京線の連続立体交差化事業を行なうにあたり、今回示された仮線高架案のほか、直上高架案と、地下案も検討しました。仮に直上高架構造であった場合、そして地下構造であった場合、それぞれ連続立体交差化による用地収用にかかる地権者、用地面積はどれだけなのかをお答えください。
【区の答弁】
鉄道付属街路の地権者数ですが、現在、測量などの調査を実施中であり、正確な数値は把握できておりませんが、地図上から算定した建物件数として、概ね110から120件を見込んでおります。
また、用地面積につきましても、用地測量などを実施しておりませんので、正確な数値を把握しておりませんが、都市計画案の計画幅員・延長からの概算面積として、8000㎡を下回る程度と見込んでいます。
次に、直上高架案と地下案の用地買収の地権者、用地面積についてです。
東京都からは、高架方式は「仮線施工」と「直上施工」、地下方式は「直下施工」の3案を比較・検討し、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、各構造形式の事業費や事業期間などの事業的条件、これら3条件を総合的に判断した結果、高架方式の仮線施工を選定したと聞いておりますが、地権者や用地面積の詳細な説明は受けておりません。
さて、都市計画素案が示されてから、都市計画決定に至るまで、そして先日の用地測量説明会でも、高架構造に対する疑問の声に対して、北区は、「東京都の決定を尊重する」との回答をしています。
2つめの質問です。「東京都の決定を尊重する」ことは、いつ、どこで、どういう検討が行われて決まったのか。このことについてお答えください。
【区の答弁】
十条駅付近の連続立体交差化計画の構造形式の選定は、平成27年1月に、東京都が都区連絡会を開催し、構造形式は高架式および地表式とする都市計画素案を作成したとの説明を受けました。
区は、この素案を受け、平成27年2月、第1回定例会の区長答弁で、東京都の検討結果を尊重する考えをお示ししております。
(4)まちづくり全体協議会・ブロック部会のあり方見直しを
まちづくり4つ目の質問はまちづくり全体協議会、ブロック部会のあり方見直しについてです。
もともとブロック部会は主要生活道路を作るためのセットバックの必要性や、地域防災公園のあり方など、町会内で完結するような事業の話題が中心に開催されていたように思います。しかし、たとえば昨年12月19日に行われた駅西ブロック部会で、再開発後の駅前広場をどのように作るかという議論が行われたことにもみられるように、十条地域住民全体にかかわる問題が、わずか3町会の住民にだけ呼びかけられて議論が行われている。このようなブロック部会のあり方もまた、地域住民が、北区の説明不足を指摘する大きな要因になっています。
1つ目の質問です。「十条地区全体に関わるまちづくりの方向性に関する事項」を協議するとしている十条まちづくり全体協議会幹事会は、周知も含め誰でも傍聴ができるよう開かれたものに仕組みを改めるべきと考えますがいかがでしょうか。
2つ目の質問は、ブロック部会への東京都の参加です。ブロック部会では、参加者から、都市計画事業主体である東京都の参加を求める声が毎回あげられています。昨年7月に行なわれた全体協議会幹事会でも東京都の参加を要請することで意見はまとまっていますが、ブロック部会への東京都の担当者の参加は実現する見通しか。お答えください。
3つ目の質問です。これだけ大規模かつ地域の住民に影響の及ぶ都市計画事業は、まちづくり協議会のみならず、都や区が独自に主催する説明会を、主体的、積極的に開催すべきと考えますがいかがでしょうか。お答えください。
【区の答弁】
はじめに、幹事会の仕組みについてです。
十条地区まちづくり全体協議会の会則では、幹事会は会長が招集し、必要に応じて参集の対象者を変えることができるとしておりますが、傍聴について定めはありません。
区といたしましては、幹事会の議事録は、区のホームページで公開されており、開かれた運営を行っているものと考えておりますが、ご提案については、事務局として幹事会にご報告いたします。
次に、ブロック部会への東京都の参加についてです。
昨年7月に開催した十条地区まちづくり全体協議会幹事会では、各ブロックで実施されている東京都の事業について担当者を呼び、説明していただくことは有益なこととし、東京都に参加を要請する結論に至りました。
事務局の区といたしましては、東京都に対し、本幹事会の結果をお伝えしております。
次に、東京都や区が主催する説明会の開催についてです。
東京都が事業主体の連続立体交差事業や、区が事業主体の鉄道付属街路事業では、東京都および区が都市計画素案説明会、都市計画案説明会、用地測量等説明会を開催し、参加された方々にご理解いただけるよう、都市計画図やスライド、パンフレット等を用いて、丁寧な説明に努めてまいりました。
また、説明会後も電話や窓口等において個別に対応を行っております。
引き続き、用地補償説明会、工事説明会等を開催し、地権者をはじめ地域の方々に対して、分かりやすい丁寧な説明に努めてまいります。
(5)住民合意のないまま、昨年 11 月に都市計画決定が行われた都市計画事業の事業化を行わないこと
まちづくり最後の質問は、高架・鉄道付属街路について住民合意のないまま事業化をおこなわないことについてです。
これまで北区で行われている都市計画事業では、道路事業を中心として、住民への充分な説明が行なわれないまま事業化されたために、住民が提訴を行なうという事態となっています。このたびの補助85号線と埼京線高架化・鉄道付属街路についても、これまでと同じ様な地域との向き合い方で事業化まで進めるというようなことがあってはなりません。
そこで質問しますが、事業への住民合意が得られるまで、事業化は行なわないことを求めますがお考えをお示しください。
また、住民合意が得られなければ、計画の根本的な見直し・撤回を行なうことを、東京都に対して求めるべきと考えますがお考えをお聞かせください。
【区の答弁】
補助85号線、十条駅付近の連続立体交差事業および鉄道付属街路の3つの事業については、東京都および区がそれぞれ、区民の皆さまや関係者等の意見をいただき、適切に都市計画の手続きを進め、昨年11月に都市計画決定しております。
区といたしましては、いずれの事業も十条まちづくりにとりまして極めて重要であると認識しており、計画の見直しや撤回を東京都に求めることは考えておりません。
2、小学校適正配置計画について
大きく2つ目として、現在Cグループとして進められている小学校適正配置計画についてお伺いいたします。
(1)桐ケ丘中学校SFB適正配置計画について―協議打ち切りの理由と、結論を出すに至った経緯について
はじめにお伺いするのは、桐ヶ丘中学校SFBについてです。
2月14日に桐ヶ丘中学校サブファミリーブロック第4回適正配置協議会が行なわれ、教育委員会は「統合協議は本日をもって打ち切ります」という方針を提案し、全会一致で了承されました。複数の委員の皆様から、「学校が残ってよかった」ということが語られたのが印象的でした。
1年8ヵ月にわたる協議では、「以前統合直後に巨大マンションができ、学区域変更まで行なって対応してきた。人口が増加しているのになぜまた統合しなければならないのか」「UR赤羽台団地も都営桐ヶ丘団地も建て替えが進んでいる。空いた土地にはマンションや都営住宅も新設されると聞いている。協議を急ぐ必要は無いのではないか」「赤羽台西小の建て替えはどうなるか」などたくさんの意見が出されました。協議の打ち切りを提案したことは、教育委員会自らが出した方針を撤回したということになります。
そこで質問します。協議を終えると教育委員会が判断した理由と、その検討経過、今回の教訓はどのようなことと受け止めているか。また協議会の結論が出たことで、赤羽台西小の改築に向けた検討はどうなるかお答えください。
【区の答弁】
北区立学校適正配置計画では、最終的には、適正規模の確保を目標としながら、少なくともすべての小学校が当面存続規模以上を確保することが必要であるとしています。
桐ヶ丘中学校サブファミリーブロックは、当面存続規模を下回る小学校が存在するため、平成28年度から協議を進めてまいりました。
小学校適正配置検討協議会では、地域開発による児童数の増加についての意見が多く、論点整理を行う幹事会を2回にわたり開催いたしましたが、協議の方向性が定まりませんでした。
こうした中、昨年秋の東京都による教育人口等推計で、八幡小学校が適正規模に至らないものの、初めて当面存続規模を確保する見込みとなりました。
さらに、協議期間の目安としている2年間が迫るにもかかわらず、整備が予定される集合住宅の詳細が明らかになっていないことなどから、昨年9月に開催された協議会では、学校適正配置の協議に対して慎重な意見が大勢を占めました。
こうした状況から、2月14日に開催された協議会において協議の終了が決定されました。
今後は、地域開発や児童数の動向に注視し、適切な対応をしてまいります。
詳細につきましては、本定例会の所管委員会でご報告させていただきます。
今回の教訓とのご質問ですが、計画期間における本協議会を含む6つの協議会でいただいたご意見などについて、本計画最終年度の平成30年度に検証し、今後の学校適正配置に生かしてまいります。
赤羽台西小学校については、必要な学校規模などの具体化を図りながら、区内の他の小中学校の状況や地域のバランスなど総合的な視点に立って、改築の時期を検討してまいります。
(2)十条富士見中学校SFB適正配置計画について
次に十条富士見中学校SFBについてお伺いします。
地域の方や、協議会メンバーの方に話を伺うと、なぜ十条のまちづくりの将来が見通せない段階で、この協議を行なわなければいけないのか、このことについての疑問をもたれている方が多くいらっしゃいます。
昨年9月の議論を聞きましたが、地域の代表者である委員の皆様のまちづくりについての理解も様々で、必ずしも正確な情報をお持ちではないのではないでしょうか。まずは議論の前提として協議会委員にまちづくり計画の正確な認識を共有していただくことが重要ではないでしょうか。
この十条富士見中学校SFB地域内では、昨年の11月に新たに埼京線の高架化と区役所通り補助85号線の拡幅計画が都市計画決定される一方、容積率や高度制限の緩和等、多くの住民を呼び込むための地区計画変更の検討も進められています。道路計画線上にかかる家屋がいつ立ち退き、そのあとにどのような建物が建設されていくか、このことも考慮する必要があるのではないでしょうか。
質問です。まちづくりの将来が見通せる時期まで、十条富士見中学校SFBの適正配置協議は延期すべきと考えますがいかがでしょうか。お考えをお示しください。
【区の答弁】
本ブロックでは、平成28年から小学校適正配置検討協議会を設置し、児童数や都市計画事業の動向などを踏まえ、協議を進めてまいりました。
現在は、統合する学校の組み合わせの協議を進めておりますが、協議期間の目安とした2年間で合意を得ることが難しいため、協議会を1年間延長し、引き続き協議を行ってまいります。
ご指摘のような協議会での都市計画事業の説明については、現在、委員からの要望はありませんが、要望が出た場合は説明の実施および質疑に対応できる職員の出席などについて、協議会に向けての論点整理等を行う幹事会において協議してまいります。
2つ目に、仮に協議を継続するのであれば、協議会において、現在十条富士見中学校SFB内で進められている都市計画事業。具体的には補助73号線、補助85号線、西口再開発事業、埼京線高架化事業、鉄道付属街路事業、また検討されている地区計画変更の中身について協議会委員の理解を深めるための説明を行なうことを求めますがいかがでしょうか。また、協議会にまちづくり計画についての質疑に応じられる職員をオブザーバーとして加えるべきと考えますが、お考えをお示しください。
【区の答弁】
本協議会へは、これまでも十条地区の様々なまちづくり事業に関連する資料を提供させていただいておりますが、説明の実施や職員のオブザーバー参加など、協議会からの求めに応じて対応してまいります。
3、 神谷小中一貫校について
大きな3つ目の質問として、神谷小中一貫校についてお伺いいたします。
(1)児童・生徒数の動向と、整備方針について
平成28年11月に出された北区小中一貫校配置検討委員会報告書では、「北区学校適正規模等審議会答申」および「北区立小・中学校整備方針」より、学級数は小中各学年3クラスを想定、これをもととして、施設の延べ床面積1万5000~1万6000㎡、運動場の最低必要面積を8500㎡。この施設及び運動場面積を満たす校地面積を1万5000㎡と算定。そしてこの条件を満たすサブファミリーとして神谷小中一貫校が選定されています。またこの報告書では神谷小中一貫校開校時、平成33年の推計児童生徒数は949人と示されています。
ところが昨年10月に行われた第3回の開校推進協議会において出された資料によると、神谷小中一貫校に通学する児童生徒数は、開校前年の平成32年時点で小学校約850人、中学校約340人の合計約1190人と250人も増加しています。小学校850人を6学年で、中学校340人を3学年で割ると、小学1・2年生で5クラス、小学3年から中学1年までが4クラス、中学2・3年が3クラスと、合計で36クラス、施設規模や運動場面積が示される基礎となった9学年各3クラスという前提を9クラスも上回ることになります。
報告書では確保可能な校地面積を1万5735㎡としています。神谷公園を今より広く取るという話もありますが、そうせずに校地として最大限活用したとしても、この校地面積は、すでに改築の終わった十条富士見中学校、桐ヶ丘中学校より狭くなります。北区で一番校地面積の広い十条富士見中学校の生徒数は374名ですから、神谷小中一貫校は、校地面積あたりで考えると、十条富士見中学校の実に4.4倍の児童生徒が通学するということになりますが問題は生じないでしょうか。
協議会でも、理科室・音楽室などの特別教室が複数必要になると思われるが大丈夫なのかという意見や、放課後子ども総合プランについて、現在運営される方から、現状でも施設の不足に対応できていないという指摘、さらには放課後屋上全面を開放する必要があるのではないかとのご意見もだされるなど、一貫校そのものへの不安も語られています。
1つ目の質問です。神谷小中一貫校に通学する児童生徒数の今後の見通しはどうなるのでしょうか。また敷地内に児童生徒が学び、生活するだけの、充分な施設・校庭の確保ができるのか。お答えください。
2つめの質問です。神谷小中一貫校設置にあたり、稲田小学校用地の活用も協議会委員から提案がされました。児童生徒数の増加という現状の下、250mほど距離は離れますが、校庭の部活動での利用や、地区体育館を兼ねた屋内運動場、さらには要望も出されている、障がいのある児童生徒の施設などとしての活用の可能性について、教育委員会のお考えをお示しください。
【区の答弁】
施設一体型小中一貫校については、平成28年11月にとりまとめた「北区小中一貫校配置検討委員会報告書」において、標準的な学校規模を9学年27学級とし、概ね1万5000から1万6000㎡の床面積が必要との考え方を整理しています。
今回、神谷中サブファミリー施設一体型小中一貫校開校推進協議会の検討にあたっては、昨年秋の東京都による教育人口等推計に基づき、新たな学区域における開校時の児童・生徒数を予測するとともに、必要な床面積を改めて調査・分析いたしました。
その結果、児童・生徒数および学級数は、標準的とした規模を上回るものの、北区立小・中学校整備方針に準じた施設・整備は、約1万6000㎡の床面積で整備可能であることが確認できています。
同協議会では、個別の施設・整備について、様々なご意見をいただいたところですが、今後、設計上あるいは学校運営上の工夫を検討することで柔軟な対応が可能であり、現時点では、充分な施設や校庭が確保できるものと考えています。
なお、次年度からの基本設計にあたっても、当該学区域の児童・生徒数の動向を踏まえて、北区初の施設一体型小中一貫校にふさわしい教育環境の確保に努めてまいります。
次に、稲田小学校用地を部活動や屋内運動場等に活用できないかとのご質問です。
開校推進協議会におきまして、一部の委員から同様のご意見をいただいております。
基本的には、施設一体型小中一貫校は同一敷地内に校舎とグラウンドを設置するのが望ましいと考えています。
なお、学校施設跡地の利活用にあたっては、北区学校施設跡地利活用指針をもとに、区政や地域の課題と照らし合わせ、区民、区議会などの意見を踏まえながら、利活用計画を検討していくこととなっています。
(2)通学区域の変更について
次にお伺いするのは学区域の変更についてです。9年間を通しての学びを実現するという目的で、協議会内での決定事項として、稲田小学校の学区域のうち、卒業後赤羽岩淵中学校へ通学する区域と、神谷小学校学区域のうち、卒業後に王子桜中学校に通学する区域が、それぞれ9年間神谷小中一貫校に通学するよう変更されることになりました。
質問です。このことについて、地域にはどのように周知されるのか。また通学が困難になるという方にはどう対応するかについてについてお答えください
【区の答弁】
開校推進協議会報告書では、小中一貫校であることを踏まえて、小中一貫校の通学区域は、現神谷中学校の通学区域に、赤羽南1丁目、赤羽南2丁目、神谷1丁目の区域を組み入れ、現神谷小学校と現稲田小学校の通学区域と一致させることとしました。
通学区域の変更を含め、協議会で確認されたことについては、協議会終了後に協議会便りを発行し、保護者への配布、町会・自治会への回覧および掲示板への掲示、ホームページへの掲載等で周知させていただいております。
教育委員会では、開校推進協議会報告書を踏まえて、今年度中に全体構想を策定し、教育広報誌「くおん」等も活用して、保護者や地域の皆さまへの周知に努めてまいります。
「通学区域、通学路の安全に関すること」につきましては、新年度に設置を予定している学校経営検討委員会での検討事項の一つでもありますので、委員の皆さまの意見も聞きながら、対応してまいります。
(3)今後の検討課題と、地域住民との協議について
5回の協議会で検討した結果を地域にどう返していくか。今後施設を具体化していくにあたり、地域住民が意見を言う機会は今後あるのかないのか。このことも最終回5回目の協議会で議論されました。
最後の質問ですが、教育委員会は、今後検討すべき課題として協議会から預かったことはどういったことと認識しているか。また今後地域住民の声をどう取り入れていくかについてお考えをお示しください。
以上で私の質問を終わります。ご清聴にご協力いただきましてありがとうございます。
【区の答弁】
開校推進協議会では、「北区立施設一体型小中一貫校設置基本方針」を踏まえて、開校に向けた推進体制、教育内容および学校経営の骨子、学校施設の概要・規模・配置、学校施設整備の進め方、学校周辺の整備などについて、幅広く協議し、報告書をとりまとめました。
これを踏まえ、教育委員会では全体構想を策定し、その後、3つの検討委員会で、学校経営に関すること、教育に関すること、施設整備に関することの具体的な検討を進めます。
北区初めてとなる施設一体型小中一貫校であり、保護者はもちろん、地域の方々のご理解、ご協力が不可欠です。
新年度に入りましても、事業の進捗にあわせて、関係する皆さまには丁寧に説明をし、地域を見すえた学校づくりを進めてまいります。