2020年第3回定例会代表質問―福島宏紀
2020年9月14日 | 福島宏紀
質問に先立ち、コロナ感染で入院、療養中のみなさまの一日も早い回復と、すべての医療関係者に心からの感謝を申し上げます。また、台風、風水害等で被災されたみなさまに、心からのお見舞いを申し上げます。
私は日本共産党北区議員団を代表し区長、教育長に大きく4点の質問を行います。
1、PCR等検査の抜本的拡充、区内の感染状況、医療支援の拡充等について
大きく第一の質問は、PCR等検査の抜本的拡充、区内の新型コロナ感染状況、さらに医療支援の拡充等について伺います。
5月25日、緊急事態宣言は解除されたものの7月以降、東京を中心に全国的に新型コロナ感染が急拡大し、東京都は9月10日までの2ヵ月間、「感染の拡大が続いている」との最高レベルの評価でした。北区においても緊急事態解除後のPCR検査陽性者数は100名程度でしたが9月12日現在、陽性者は442名と急増しています。
この事態に、7月28日、日本共産党志位和夫委員長は政府に対して「緊急申し入れ」を行いました。
申し入れは、(1)感染震源地・エピセンターを明確にし、その地域の住民や事業所の在勤者の全体に対して、網羅的で大規模な「面」でのPCR検査等を実施する。
(2)医療機関、介護・福祉施設、保育園、幼稚園、学校など集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員等への定期的な検査を行うこと。
(3)検査によって明らかになった陽性者を保護・治療する体制を緊急に作り上げる等の申し入れです。
さらに、日本医師会の有識者会議や超党派の「医師国会議員の会」等が政府に対して感染震源地でのPCR検査の抜本的拡充をそれぞれ提言・要請しています。また、検査の拡充を求める市民の署名運動や関係団体の運動も政府の姿勢を変えさせる力になっています。
北区においても党議員団は7月30日、区長に「新型コロナ感染急拡大対策に関する申し入れ」を行いました。
さらに8月18日、議長・各会派・議員各位に対し、「新型コロナ対策について」、北区議会としても、北区における更なる検査・医療体制の拡充に力を合わせて取り組むことを心から呼びかけさせていただき、ご対応いただきありがとうございました。
厚生労働省も感染拡大防止等を求める様々動きに応えて、新たな方針を相次いで発出しました。
8月18日の事務連絡では新型コロナウイルス感染症対策のPCR検査などの行政検査についての新たな考え方を示しました。感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域の医療施設、高齢者施設などに勤務する人や入院患者・入所者についてはその施設に感染者がいない場合でも、行政検査の対象に出来るとの見解を示しました。
また、8月28日には政府の新型コロナウイルス本部が感染流行地域での「医療・高齢者施設などへの一斉・定期的な検査」「地域の関係者の幅広い検査」について、政府として都道府県などに「実施を要請する」とし、23区でも世田谷区、千代田区等の先進自治体での取り組みが始まっています。
世田谷区の検査拡大は、従来型の発熱等症状がある方や濃厚接触者については現在一日300件程度を600件に拡大しました。これに新たに社会的検査を導入し、介護職員約1万人を先行実施しながら、保育園約1万人・幼稚園約1千人、特養等の施設入所予定の方を想定し、一日1000人程度からスタートします。経費は12億6000万円になります。
千代田区は介護7施設全職員430人に概ね3ヵ月ごとにPCR検査を実施します。また、7月からは区内の介護施設に新しく入居する方を医師や看護師が自宅を訪問してPCR検査を実施しています。
東京都は高齢者・障害者施設の利用者と職員約15万人のPCR検査の予算として30億円を見込みました。
北区も今議会、約3億1000万円の新型コロナ対策費が補正予算に計上され、医療機関への支援、PCR検査等の体制拡充、保健所機能の強化等で区民要望に応えたものになっています。
こうしたこともふまえて以下具体的に質問いたします。
(1)政府は感染流行地域や医療・高齢者施設などでの幅広いPCR検査等の実施を都道府県に要請しましたが、政府が全面的な財政措置をとることを国に強くはたらきかけてください。
国は、検査が必要な方が、より迅速かつ円滑に検査が受けられるよう、検査体制の一層の強化を図るとしています。
保健所等が行う行政検査費用については、国と東京都が負担するとともに、PCR検査機器等の整備についても国の補助金が活用できるなど、検査能力の増強を図るための措置が講じられています。
より一層の検査体制強化に向けては、今後も引き続き、特別区長会を通じて国や東京都に対し要請してまいります。
(2)国および東京都に対して、感染震源地(エピセンター)を明確にした集中的なPCR検査等の実施をはたらきかけてください。
感染拡大の中心、いわゆる「感染震源地」など、特別な対策が必要な地域については、国が地元都道府県等と連携して対策を推進し、また、今後さらなる対策の強化も検討していると聞いているため、その推移を注視してまいります。
(3)東京都は、この2ヵ月間、「感染の拡大が続いている」との評価を続けてきたことを先に指摘しましたが、区内の感染拡大についてどのように分析していますかお答えください。
あわせて区内の高齢、障害、保育、学校等各施設の感染状況についてもお示しください。
8月以降に新たに感染が確認された区民は、8月第1週の53人をピークにゆるやかに減少しており、現在は週20名程度の報告が続いています。
感染者数の推移だけで判断することはできませんが、現状は、感染のスピードが減速している局面と考えられます。
今後とも注意深く感染の動向を監視し、再拡大に備えてまいります。
また、区内の各施設における9月9日現在の感染者数の状況は、介護保険サービスでは、利用者・職員で計7名、保育園では、公私立あわせて、児童・職員で計3名、区立小・中学校、幼稚園等では、6月の再開以降、児童・生徒・教職員で計3名となっており、障害者施設については、報告がありません。
(4)すでに、千代田区や世田谷区が踏み出しているように医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校の職員等を対象にした社会的検査を実施することです。
また、今議会に、区がPCR検査の拡充方針を示しています。加えてこのほど東京都がPCR検査拡充の方針を打ち出しましたが、これらの施策によって、どの分野・施設に、どこまで無料のPCR検査が広がることになるのかお示しください。
また、区や都の施策に入っていない保育園や幼稚園、学校の職員の検査にも踏み込むことが必要ではないでしょうか。区の見解をお聞かせください。
まず、今般、東京都の第3回定例会補正予算案に計上された、高齢者および障害者支援施設等における新型コロナウイルス感染症対策強化事業においては、対象施設における職員や入所者のスクリーニングを含む行政検査以外のPCR検査等の経費を支援するとされています。
一方、今定例会補正予算案における「重症化リスクの高い高齢者等の感染防止のためのPCR検査」については、介護・障害サービス事業者の新規入所者や、感染者が発生した事業所において、当該感染者と接触した従事者等を濃厚接触者に加えて行政検査として検査するというものです。
当該事業につきましては、8月7日付で国が発出した、高齢者施設等における感染者発生時等の検査体制にかかわる通知を受けて、特に重症化リスクの高い高齢者等に対する検査についてご提案いたしました。
おたずねの施設を含め、区内他の事業所については、国の通知等をふまえ対応してまいります。
(5)北区PCR検査センターを増設し、合わせて北区医師会、開業医、大学・研究所とも連携して、検査体制を強化し、無症状の方や濃厚接触者と判断されなくとも希望する区民がかかりつけ医を通して公費でPCR検査を受けられるようにすること。
感染症疑い患者等が、行政検査でPCR検査を受けるには、東京都と契約を結ぶ医療機関で検査を行う必要があります。
9月7日現在、北区では12の医療機関が東京都と契約を結んでおり、また区内2つのPCR検査センターにおいても検査を実施しております。
さらには、今般、北区医師会が東京都と集合契約を結ぶことにより、区内11の診療所で唾液によるPCR検査が実施できるようになり、検査が必要な方は、当日あるいは翌日にはPCR検査を受けられております。
以上のことから、現在、PCR検査センターを増設する予定はありませんが、PCR検査センターの検査体制強化のために、施設整備等の支援を行うとともに、医師会や東京都と連携して、検査実施医療機関の拡充を図るなど、検査が必要な方が、より迅速かつ円滑に検査が受けられるよう、検査体制強化に取り組んでまいります。
(6)北区医師会や国・東京都などと連携し検査等で明らかになった陽性者を隔離保護するための宿泊療養施設を早急に確保すること。
また、自宅待機を余儀なくされる方への必要な物資の提供や支援は区として万全な対策を取ること。
軽症や無症状の方が療養する宿泊施設については、東京都が確保し、療養されている患者への支援についても、施設所在地の自治体や近隣の地区医師会の協力を得て東京都が実施しております。
また、自宅療養する患者への支援についてですが、現在北区では、感染が確認された患者は、陽性と診断された当日か翌日には入院や宿泊療養が開始されており、自宅待機となる方はほとんど生じておりませんが、今後国の方針等により、自宅療養患者が増加する事態に備え、必要な物資の提供や自宅での経過観察のための体制整備を進めております。
(7)感染症対策の中枢をになう北区保健所ではこの間、帝京大学から支援を受け、地区担当保健師を派遣するなどして体制強化を図ってきたと聞いています。現在の支援体制の状況と、秋冬の感染拡大に備える、体制の拡充、専門職の確保など一層の充実をはかることについてお答えください。
4月当初の医師・保健師6名、事務3名に加えて、庁内および東京都からの応援、派遣職員採用等により、保健師10名、事務職9名を増員した体制となっています。
また、帝京大学からは、区との協定に基づき、ほぼ毎日、4名程度の専門家が派遣され、疫学データの分析等の支援を頂いております。
今後、秋冬の感染拡大が懸念されておりますが、専門職の確保を含め、必要な体制を確保してまいります。
(8)最後に医療分野への支援について伺います。
この夏、4分の1を超える病院が夏季の賞与を減額しました。直ちに国費を投入し、医療機関に対する減収補填を実施するように国に強くはたらきかけてください。
区としても医療用マスク等の物資補給等を。さらに今定例会に続く更なる財政的支援で区内医療関係者の労に応えていただきたいと思います。
以上8点、区長、教育長の決意ある答弁を求めます。
国では、第2次補正予算において、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金医療分が抜本的に拡充され、新型コロナウイルス対応を行う医療機関に対する支援が、東京都を通じて行われています。
区内医療機関の経営基盤安定化への支援については、引き続き特別区長会を通じて国に要請してまいります。
次に、区として医療用マスク等の物資補給やさらなる財政支援を行うことについてです。
まず、感染防護具等の支援については、国の緊急包括支援事業に基づき、東京都が実施する医療機関等における感染拡大防止等支援事業の補助対象となることから、区内医療機関に対し当事業の積極的な活用を促してまいります。
また、今定例会補正予算案において、重症・中等症患者を受け入れた区内医療機関に対し、受け入れ患者数に応じた区独自の補助事業を計上させて頂きましたが、今後とも感染症地域医療体制協議会などを通じて、医療機関の状況を把握し、国や東京都の動向を注視しながら、必要な支援を検討してまいります。
2、いのち、暮らし、営業を守るため、一人の区民も取り残さない安心の支援策を
大きく2つ目の質問は コロナ禍のもと、いのち、くらし、営業を守るため、一人の区民も取り残さない安心の支援策を拡充することについてです。
ひとり親家庭、非正規労働者・フリーランス等の不安定雇用の方、学校休業等が続いた子育て世帯等の切実な相談が増えてきています。
8月17日に内閣府が発表した4月~6月のGDP速報値を9月8日には、年率換算で28.1%マイナスになったと下方修正しました。リーマンショック時17.8%をはじめ,東日本大震災時、消費税8%増税時、さらに消費税10%増税時のマイナスの影響と比べても戦後最悪の下落となりました。
加えて、コロナ解雇は5万人を超えたと厚労省調査は9月1日公表しました。
この間、新型コロナの影響からいのち、くらし、営業を守るための施策が、合わせて、北区独自のひとり親家庭支援、そして新生児臨時特別給付金事業の予算化等、様々な施策が講じられてきました。
しかし感染の広がりと長期化は年末に向かう中で一層深刻化すると思われます。特に制度の狭間で支援が受けられない方。支援がまだ不足している方も多くいます。生活再建に向けた国や都における新たな救済制度等をはたらきかけるとともに、今こそ財政調整基金を積極的に活用した、制度の狭間にも着目をする等の区の独自施策も積極的に展開することを求め、以下、具体的な課題を質問します。
(1)生活保護について
1点目は生活保護の活用についてです。
6月15日、田村智子参議院議員がコロナ禍のもと広がる解雇・雇い止めや生活困窮への政府の対応を質し、「生活保護はあなたの権利ですと、この場で呼びかけてほしい」安倍首相に迫りました。生活困窮に陥った方たちが様々な理由で躊躇して申請を諦めることが無いようにと、安倍首相に求めたのです。首相は「文化的生活を送る権利がある。ためらわずに申請いただきたい。」と答弁し、与党席からも握手が起きました。翌日、私は早速この質疑を生活福祉課長に伝え、「ためらわず申請を」に応える体制の確保を要請しました。
そこでまず、相談の現状についてお答えください。3月、4月は増加したが、5月、6月、7月については、相談件数も新規開始数も昨年比、減少しているそうですがその理由の分析と今後の見通しについてお答えください。
次に、仕事と住宅を喪失した方に対し、無料低額宿泊所でなく生活保護法の原則通りアパート設定すること。特に感染防止に徹した住宅確保施策についてお答えください。
さらに、都は感染拡大防止対策のためのネットカフェ休業にともない退出する方にホテル等を用意しましたが具体的な対応は各区が行いました。
その際、北区の行った相談件数、住宅確保等の対応についてお答えください。
はじめに、生活保護の相談件数についてです。
今年の3月、4月は増加傾向にありましたが、現在は横ばいとなっています。
今後、各種給付金等の利用期間が終了する年末以降、新型コロナウイルスの影響による生活保護相談件数の増加が見込まれます。
今後の状況を注視しながら、適切な対応を図っていきます。
次に、仕事と住宅を喪失した方への生活保護開始に伴う住居の確保についてお答えいたします。
生活保護開始時において、申請者個々の状況に応じた適切な保護を行うために、無料低額宿泊所等の利用が必要と判断する場合もありますが、基本的には一時的な場所であり、アパート等への転居を原則とした、適切な対応に努めております。
速やかなアパート設定が可能となるよう、くらしとしごと相談センターを案内するなど、申請者への情報提供に努めてまいります。
次に、ネットカフェ等の休業により、東京都が用意したホテル等を利用した方々への北区の対応についてお答えいたします。
生活福祉課および、くらしとしごと相談センターにて相談を受け付け、緊急一時宿泊所として東京都が用意したホテルを利用した方は21件です。
ホテル利用者の利用期間終了後の対応については、個別に相談を行い、生活保護の開始となった5件を含め、それぞれの状況に応じた居所の確保等を行いました。
(2)「北区くらしとしごと相談センター」等の拡充について
2点目は、「くらしとしごと相談センター」の拡充等、今後の新たな利用者増に備える北区社会福祉協議会の体制強化をはかることについてです。
この間、北社協を各種相談で訪れた多くの区民から「本当に助かった」の声が多数届いています。
私からも感謝を申し上げながら、今後増えていく生活困窮に陥る方に対する更なる対策を求め、以下質問します。
この間の緊急小口、総合支援資金の窓口業務における北社協の体制拡充と今後の拡充策について。合わせて外国人の相談対応についてもお答えください。
次に全国的にも急増し、区でも補正予算が計上されている、住宅確保給付金支援について伺います。
まず実績等現状についておよび今後の見通しをお答えください。
また、この制度が、本人の責任によらない収入減少の方も対象に広がる。さらに申請者の収入如何で減額された給付金が生保基準家賃まで支給すると改善されました。
そこで、これまでの相談で対象外になった方で再申請できる方、改善に合わせ遡及措置をとることが出来る方等を救済すべきと思いますがいかがでしょうか。
最後に、緊急小口貸し付事業の実績と今後の見通し、総合支援資金への緊急小口からの連携と実績について、および今後の見通しについてもお答えください。
国の緊急事態宣言後、緊急小口資金等への相談・申請件数が急増し、区は、北区社会福祉協議会からの要望により、10名の職員を派遣するとともに、窓口業務を強化するため、補正予算で支援してまいりました。
今後についても、北区社会福祉協議会と連携を密にし、体制強化を支援してまいります。
次に、増加している外国籍の方への相談対応については、モバイル翻訳機を活用しながら、ご案内や申請書の記入を対面相談で丁寧に対応しています。
次に、住居確保給付金についてです。
はじめに、本年4月から7月までの実績ですが、申請件数は796件、支給決定件数は693件となっています。
申請件数は、6月以降減少傾向にありますが、延長申請をされる方も半数程度いることから、今後の動向を注視し、必要な対応をしてまいります。
4月の支給対象の拡大については、もれなくご案内ができるよう、広く周知を図っています。
また、7月の給付金の算定方法の変更につきましては、施行日以後に申請された方には、速やかに新たな算定方法を適用したほか、一定の要件で遡及して、追加支給の対象となる受給者の方を、現在抽出しており、作業確定次第、順次、追加支給のご案内の通知をする予定です。
今後とも、相談者の方が、必要な支援につながるよう、丁寧に対応してまいります。
次に、緊急小口資金・特別貸付等の実績などについてです。
本年8月現在の貸付申請件数は、緊急小口資金・特例貸付は4367件、総合支援資金・特定貸付は2267件です。
また、北区社会福祉協議会では、総合支援資金を利用する際は、先に、緊急小口資金を利用することを勧めており、これまでの実績からすると緊急小口資金・特例貸付を受けた約6割の方が、総合支援資金・特例貸付の申請を行っているものと見込んでいます。
緊急小口資金・特例貸付等の今後の見通しについては、申請期間について、当初7月末でしたが、9月末まで延長されたことから、今後とも国などの動向を注視して必要な支援を行ってまいります。
(3)国民健康保険について
3点目の質問は国民健康保険についてです。
新型コロナの影響により今年の収入が3割以上減少すると見込まれる世帯の方が対象となる新たな保険料減免制度が発足し、喜ばれています。
厚生労働省は「結果として3割に減収に至らない場合であっても、明らかな不正があった場合を除き国は財政支援を行い減免を取り消すことはない」としています。この制度の申請にあたり、親身であたたかな対応と積極的な周知徹底についてお答えください。
また、従来の区の条例による減免制度を「災害減免」に特化することなく積極的に活用すること。合わせてこの間の実績についてお答えください。
さらに、生活保護基準程度の世帯にも30万円以上もかかる高すぎる保険料の引き下げとこの間求め続けている子ども均等割の軽減の実施についても答弁ください。
まず、新型コロナウイルス感染症の影響による新たな減免制度に関する質問についてです。
新たな減免制度の周知については、国保だよりや区ホームページでご案内するとともに、申請漏れがないよう、対象となる世帯へあらかじめ申請書を郵送いたしました。
また、審査にあたっては、制度の趣旨を十分に組んだ対応をしており、減免の決定件数は、8月末時点で320件となっています。
国保における従来の減免の適用については、様々な事情を抱える中でも、保険料を納付頂いている方がいることをふまえ、まずは、納付方法を考えることになりますが、相談には丁寧に応じています。
そのほか、従来からの制度として、非自発的失業による保険料軽減制度がありますが、この6月、7月の決定件数は、それぞれ100件を超え、これまでに400件の決定を行っています。
次に、保険料の軽減に関する質問についてです。
国民健康保険料が上昇する要因としては、制度の加入者に高齢者が多く、一人当たりの医療費が高くなるといった構造的な課題があると認識しています。
区としては、国民健康保険の制度設計は、国の責任において適切に行われるべきと考えており、特別区長会を通し、保険料負担軽減策の拡充を図るよう、国へ求めています。
また、子どもにかかる均等割の軽減を区独自で行うことは考えていませんが、子育て世代や多子世帯への支援として、子どもの均等割の軽減措置も含めた制度の見直しを特別区長会を通し、国に要望しています。
なお、国において、これに関連する見直しを向けた動きがあると伺っていますので、今後の動向を注視してまいります。
(4)住民税、後期高齢、介護保険等各種保険料の減免施策活用への周知及び支援策について
4点目の質問は、住民税、後期高齢、介護保険等各種保険料の減免施策活用への周知等、および支援策について伺います。
まず住民税ですが。コロナ影響による減免、猶予等の相談件数や実績についてお答えください。
次に滞納者に対して強硬な差押え、特に学資保険の差押えは行わないこと。減免制度や、財産調査等で必要となった方には国税徴収法に基づく執行停止等を行うこと。
あわせて、後期高齢医療保険、介護保険の保険料の減免周知等について、以上温かい答弁を求めます。
まず、住民税における新型コロナウイルス感染症による減免、猶予等についてです。
住民税の減免については、生活保護受給や災害等による損失を前提としており、感染症にかかわる適用はありません。
一方、国からは感染症にかかわる徴収猶予の特例制度の活用が通知されています。これを受けて区では、令和2年度普通徴収納税通知書にチラシを同封するなど、周知に努めたところです。
特例制度による徴収猶予の実績は、7月末現在、受付件数は214件で、全件、猶予の決定をしています。
次に、滞納処分についてです。
区では、滞納となっている住民税や保険料の自主的な納付を進めるため、電話や訪問による案内や、休日・夜間の納付相談の機会を数多く設けています。
相談では、個々の事情を考慮した丁寧な相談を重ねることで、分割納付など自主納付につなげています。
しかし、納付相談に応じない、納付の約束を守らない、納付が可能であるにもかかわらず、納付の意思を示さない場合などは、公平性を担保するため、財産の差し押さえを行っています。
お尋ねの学資保険については、差押禁止財産に該当しないことから、財産調査の結果、差し押さえとなる場合もありますが、催告の際に事前の予告を行っているほか、差し押さえた後も、すぐには解約せず納付相談の期間を設けるなど、できる限り、相談による解決を促しています。
なお、執行停止につきましては、滞納者の生活状況を見極めたうえで行っており、今後も、納付相談や財産調査で把握した事実に基づき、適正に行ってまいります。
次に、新型コロナウイルス感染症の影響による後期高齢者医療保険料および介護保険料の減免についてです。
介護保険料については、北区ニュースや区のホームページなどにより周知に努めています。
また、国民健康保険と減免申請書を共有化し、申請者の負担軽減を図りました。
介護保険料の減免実績ですが、8月15日現在、申請処理中の件数は、505件となっています。
後期高齢者医療保険については、北区ニュース等で周知に努めるとともに、申請漏れの低減を図るため、国保・介護の減免申請書に、同じ世帯に後期高齢の減免申請を希望する方がいる旨を記載する欄を設けました。
なお、後期高齢者医療保険料の減免については、区において、約150件の申請を受けていますが、減免の決定は、被保険者である広域連合が行うこととなります。
(5)区内の中小・零細企業向け施策の充実について
5点目の質問は区内の零細・中小企業向け施策の充実についてです。
まず始めに、新型コロナ感染症対策支援制度相談会が6月から7月末まで延べ平日の29日間のみ開催されました。実績および常時開設に充実して再開すべきでないかについてお答えください。
次に、北区中小企業融資斡旋事業の実績を報告ください。また、返済期間の延長や借り換えも認めるなど制度改善を図るべきでないかお答えください。
さらに、国の持続化給付金・家賃助成等。また都の休業補償・家賃助成等、制度の狭間を補う、設備改善資金に続く区独自の制度を創設すること。
以上、暮らしと営業をまもる北区の制度充実を求めます。答弁ください。
はじめに、新型コロナウイルス感染症対策支援制度相談会についてです。
当該相談会につきましては、令和2年6月10日から7月31日まで、区内士業団体にご協力を頂き開催しました。
実績は、23件で、想定よりは少なかったものの、専門的見地からのきめ細かな対応であったこともあり、相談者の満足度は非常に高いものでした。
現在、相談会は終了しておりますが、コロナ禍における区内中小企業の支援策についてホームページやメールマガジン等で周知するほか、経営アドバイザーをはじめ専門職による相談を引き続き実施しているところです。
今後の相談会の再開については、現在は予定しておりませんが、コロナ禍における区内中小企業の動向を見ながら、相談体制の充実について引き続き検討してまいります。
次に、新型コロナウイルス感染症対策緊急資金融資あっせん事業についてお答えします。
新型コロナウイルス感染症対策緊急資金融資あっせん事業については、8月末現在で、あっせん申し込み1322件、実行件数1067件、実行金額75億円余となっています。
新型コロナウイルスの収束まではまだ時間を要し、中小企業者への影響も業種によっては、長引く場合もあると見込んでおり、当該融資制度の受付期間については、現在、9月30日までとしておりますが、令和3年3月31日まで延長する予定です。
また、新たな借り換え制度につきましては、国や東京都の制度をふまえ、区内中小企業の経営実態の把握に努めながら、検討してまいります。
次に、区独自の支援制度の創設についてのご質問にお答えします。
北区では、コロナ禍における中小企業への支援として「新型コロナウイルス感染症対策緊急資金あっせん」や、相談会の開催、「雇用調整助成金等申請支援事業」、「新型コロナウイルス対策設備投資支援事業」などに取り組んでまいりました。
さらに発行規模4億円、プレミアム率20%の区内共通商品券の販売を開始するところです。
こうした独自の支援策に取り組んでおりますが、中でも「新型コロナウイルス対策設備投資支援事業」については、時宜に応じたものであり、申請手続きも簡易で利用しやすいといったお声も頂いており、すでに120件を超える申請があります。
このように、区内中小企業者の皆さまのお声に耳を傾けながら、求められている支援について、引き続き検討し、国や東京都の支援制度の活用を勧めながら必要な対応を図ってまいる考えです。
3、少人数学級の早期実現を国及び都に求めること
大きく3つ目の質問は、少人数学級についてです。
新型コロナウイルスの感染拡大が子供らの学校活動に深刻な影響を与るなか、親たちもかつて無い大きな不安を抱えています。学びの格差拡大も深刻になる中、豊かな学校生活を保障するために、感染拡大を防止するためにも急務となっている少人数学級の早期実現です。
今、首相と文科大臣宛に、教育研究者有志12氏が呼びかける、少人数学級等を求める署名が取り組まれ、大きな反響を呼んでいますのでそのメッセージを少し長くなりますが紹介します。
コロナは私たちにいろいろなことを教えてくれた。学校がないと、こんなにも大変だということ。学校は勉強も大事だけれど、友達と遊んだり、話したり、食べたりの全部が大事だったこと。
先生やみんなと、ああでもないこうでもないと考えるのが面白かったこと。
コロナで学校が休みだったとき、子どもは一人で宿題をやるのはつまらなかった。親はやらせるのがつらかった。先生たちもとまどった。
久しぶりの学校はうれしかった。分散登校でクラスの人数が半分になったとき先生は少しゆったりして、子どもは授業がいつもより分かる気がした。
以上ですが、この声に応えるかのように、少人数学級の実現を求める声が、教育者、自治体の長、PTA関係者等からも寄せられ、全国で空前の広がりを見せています。
これは1980年に小・中学校の学級編成が45人から40人に引き下げられて以来、40年間変わっていない小中学校の40人学級編成を見直す大きな転機です。
さて、全国の学校が緊急事態宣言の解除後、6月1日から3ヵ月ぶりに再開しました。
この再開にあたって、日本共産党は、長期の休校による子どもの学習の遅れ、新型コロナ感染から子どもと教職員の健康といのちを守ることは重要な課題とし、「子どもたちの学び、心身のケア、安全を保障するために」との緊急提言を発表しました。
提言は、学校の新型コロナ感染症対策は「40人学級」では解決は出来ないこと、根本的な解決をはかるために教員10万人増などの教育条件の抜本的整備で、20人程度での授業をめざす等の内容です。
また、7月3日には全国知事会・全国市長会・全国町村会の三会長が政府・与党に少人数学級実現を求める提言を要請しました。
全国知事会文教環境常任委員長の阿部守一(しゅいち)長野県知事は「私は2010年知事に就任しましたが、県民から少人数学級充実をの要請を頂き段階的に小学校から30人規模学級を導入し、2013年には県内全小・中学校で35人以下学級を達成しました」と述べています。
また、「子どもが困難に置かれているときにこそ、教職員も含め、我々大人が最大限サポートしていくことが必要です。子どもたちにきめ細かな指導を行えるよう少人数学級の推進、そのための要員の確保に国はしっかり取り組んでもらいたい」と力強く語っています。
さらに7月17日には「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる骨太方針2020が閣議決定され、「少人数による指導の検討」が盛り込まれました。
この間、十数年にわたりここで出される方針が、少人数学級実現の壁になっていただけに象徴的な出来事でした。
この骨太方針に関し、衆院文部科学委員会で、萩生田文科大臣は、「40人学級の環境で感染症に耐えられるのか考えなければならない」「少人数の有効性も深掘りしたい」と答弁しました。また、「教育再生会議」では、普通教室は平均64平方メートル、身体的距離を確保し40台の机を並べることは出来ないと発言、「少人数学級を、私はめざすべきだと個人的には思っている」と語っています。
こうした答弁や発言は文科大臣として学校編成の見直しの必要性に踏み込んだものだと思います。
そこで、以下質問いたします。
(1)子どもたちへの感染防止、学びと豊かな学校生活を保障するために少人数学級の早期実現を国に強くはたらきかけてください。
(2)東京都に対しても少人数学級編成に着手するようはたらきかけてください。
「教育先進都市北区」にふさわしい教育長の熱意ある答弁を求めます。
少人数学級については、現在、国の教育再生実行会議において、「少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備、ICTや関連する施設・設備等の環境整備や、そのための財源の在り方」について議論されており、国の議論の最終的なとりまとめは、来年の5月頃をめざすと聞いております。
区としましては、学級編成について、少人数学級による児童・生徒へのきめ細やかな指導が必要と考え、これまでも国に対して、全国市長会を通じ、少人数学級の実現を求めており、東京都に対しても、特別区の教育長会を通じて、35人学級の実現を求めてまいりました。
今後につきましても、国における議論の動向を注視するとともに、少人数学級の実現について、引き続き国や東京都に、他自治体との連携を図って、働きかけをしてまいります。
4、新型コロナ感染拡大にともなう今後の区財政の動向と北区基本計画 2020、北区経営改革プラン 2020 等への影響について
大きく4つ目の質問は、コロナ感染拡大にともなう区財政の今後の動向ならびに北区基本計画2020および北区経営改革プラン2020等の影響についてです。
政府は新型コロナウイルスの世界的感染拡大の現下の経済財政状況について、これまで経験したことのない国難とも言うべき局面に直面したとしています。
また、東京都も感染症対策への多額の財政出動により、令和元年度末に約9000億円あった財政調整基金の残高が約800億円にまで減少しています。
こうした国や東京都の財政状況の中、北区も来年度予算編成に向けて6月15日と8月24日、副区長依命通達を発出したと伺っています。
8月24日、都区財政調整交付金の北区の当初算定が決定し企画総務委員会に報告されました。都政新報は「税制改正で市町村民税法人分が28.2%の大幅減となり普通交付金が3年ぶりに減」になったことを報じ、北区も昨年比29億円の減、487億円余となりました。このように「不合理な税制改正」に加え、新型コロナ感染症の影響を見据えると特別区交付金や特別区民税に大きな減収が出ることは必至な情勢です。
しかし今大切なことは、どんな厳しい財政環境になっても、いのちやくらしを守るための区民福祉の維持・向上、地震・風水害対策等の安心・安全のまちづくりに取り組んでいただくことを強くもとめ、以下4点の質問をいたします。
まず最初の質問です。8月の当初算定に続き、12月には財源241億円の都区財政調整交付金の再算定が行われ、本来、大きな景気の変動が無ければ、10億円程度の上積みが期待されます。しかし今回はリーマンショック時を超える影響を受けて大きくマイナスになることは明らかだと思いますが、現時点での見通しはどうか伺います。あわせて2021年度の見通しもお示しください。
2点目の質問は2019年度末で主要5基金残高620億円。とりわけ残高183億円になった財政調整基金はこうした時にこその基金です。それを第1波、第2波に続く今後の感染拡大防止対策やさらに増えていく生活困窮者対策に積極的に活用すべきですがお答えください。
新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大により、社会経済活動が大きく停滞し、直近の実質GDP成長率は、過去最大の落ち込みとなっています。
今後、北区の特別区交付金や各種交付金に、さらに、翌年度には特別区税における税収にも影響が生じてくるものととらえています。
現段階において、特別区交付金等の減収額を把握することは困難でありますが、リーマンショック時をふまえるならば、30億円から40億円程度の減収となることも想定しておく必要があります。
さらに、翌年度の見通しについては、今後の感染症や経済動向の大きく左右されることから、現段階において、歳入の見通しを立てることは困難であります。
感染症対策や、区民への必要な支援について、引き続き、財政調整基金等を活用し、積極的な対策を講じてまいりますが、一方で、財政調整基金の活用は、税収減への備えや、今後の歳出需要の増大なども勘案しなければならず、柔軟かつ慎重に行うべきものとも考えています。
3点目は、見直しが必要とされる北区基本計画2020についてです。見直しにあたっては、自治体の本旨を貫き、区民のいのち、くらしを守る施策を最優先に進め、住民合意のないまちづくり等、不要不急の事業については中止を含め大胆に見直すことについて答弁ください。
今後、極めて厳しい財政状況が見込まれる中、すべての計画事業を従来通り継続することは困難であることが想定されます。
昨年度策定した、基本計画2020および中期計画に掲げる事業の実施に当たっては、コロナ禍においても、住民福祉の維持・向上に努めながら、区民の生命・財産を守るための、地震・風水害対策をはじめとする災害に強いまちづくりを進めて行くとともに、今、まさに動き出している「駅周辺のまちづくり」についても、機を逃すことなく取り組む必要があると考えています。
このため、事業の見直しにあたっては、区民生活への影響や、事業の優先度、緊急度、さらに、財源の有無などを十分に勘案し、優先順位を定めたうえで、休止、縮小または繰り延べするなどの対応を検討しています。
4点目は、北区経営改革プラン2020の目的は北区基本計画2020の「資源調達」としています。区民にとって必要な公共施設の統廃合、区立保育園民営化や子どもセンター等の指定管理者導入検討、料金値上げ等住民負担増はあってはなりません。また、改革項目の前倒しやプランに新たな項目の追加を行うべきではありません。ご答弁ください。
以上で質問終わります。ご清聴ありがとうございました。
基本計画等の見直しが必要な状況の中、確実に資源調達を図り、健全で安定的な行財政運営を確保していくためには、経営改革プランの着実な推進が不可欠です。
あわせて、財源の確保はもとより、「新しい生活様式」への適用など、新たな時代の要請などもふまえ、改革項目の前倒し実施や新たな項目の追加実施についても、検討してまいります。