2020年第3回定例会個人質問―野口まさと
2020年9月15日 | 野口まさと
私は大きく2点、まちづくりにおける市街地再開発計画の問題点と、区立小・中学校における少人数教育の実現についてお伺いします。
1、まちづくりにおける市街地再開発の課題について
はじめに市街地再開発についてです。
北区では、都市計画マスタープラン2020において、赤羽・十条を「都市中心拠点」として位置付け、「市街地再開発事業を促進・市街地再開発計画を契機としたまちづくり」を行うとしています。
この間十条駅西口と赤羽一丁目第一地区において、市街地再開発の都市計画決定が行われ、十条ではすでに事業が始められています。赤羽では第一地区のほか、第二地区・第三地区においても市街地再開発計画が検討されているとのことです。
この間、十条では、事業主体となる十条駅西口地区市街地再開発組合の設立認可を取り消すことを求めて住民訴訟が起こされましたが、市街地再開発には様々な課題があることも明らかになりつつあるように思います。今回はまちづくりの手法としての市街地再開発の問題点について、いくつかの角度から質問いたします。
(1)超高層マンションの建設について
問題の1つ目は、市街地再開発により、地域にとって必要以上の超高層マンションの建設が行われることです。
このところ国内では人口減のもと、マンションの供給量が減少し続けています。また最近の水害などで、超高層マンションの災害への脆弱性があらわとなりました。このような中で、超高層マンションを建設する必要性はどこにあるのでしょうか。高層化が進めば、日影やビル風など、周囲で生活を営む住民に対しての悪影響も心配されます。
赤羽一丁目第一地区の市街地再開発では、都市計画審議会において、建設されるマンションの売り出し価格は8000万円程度と想定されるとの説明がありました。高齢者や低所得者層、そしてこのコロナ禍のもとで収入が大きく減少した給与所得者などから強い要望が出されている都営住宅・区営住宅など公営住宅の新規建設はここ数十年全く行われていません。それなのに、様々な規制緩和や税金の投入まで行われ、これまでに北区で行われた赤羽北・赤羽西の再開発ビルと比較にならないほど高層化した高額所得者層向けの超高層マンションが十条・赤羽で作られようとしていること。これが市街地再開発計画の大きな問題点の第1です。
質問します。赤羽一丁目市街地再開発では、第二・第三地区にも超高層マンションが建設されれば小学校や近隣商店街にも影響が出ることが心配されています。第一地区だけで300戸のマンションが建設される計画ですが、この上さらに第2地区・第3地区での高層マンション建設が必要なのか、お考えをお聞かせください。
仮に再開発ビルが必要だとしても、もともと容積率が高く定められている駅周辺に、さらなる容積率の緩和は必要なのでしょうか。中央区では平成31年に住宅についての容積率の緩和は廃止されています。同様に北区でも、容積率の緩和には制限をかける必要があるのではないかと思いますがいかがでしょうか。
以上2点お答えください。
まず、第一地区だけでなく、さらに第二地区・第三地区での高層マンション建設が必要なのか、についてです。
市街地再開発事業では、市街地の防災性の向上等を図ることを目的に、限られた敷地で、一定のオープンスペースの確保や、壁面後退等の実施により、建ぺい率が抑えられます。
これにより、建設される再開発ビルは、緩和された容積を活用するため、高層化する仕組みになっています。
区としましては、今後事業化が検討されている第二地区、第三地区についても、住みやすい街・住みたい街として評価が上がる赤羽駅前の好立地を考慮すると、集合住宅を中心とした計画になるものと認識しています。
また、第一地区でも実施したように、検討段階から、周辺生活環境に配慮した計画となるよう、準備組合に求めていきます。
なお、区立赤羽小学校の教育環境については、まちづくりの推進とともに、同校の教育環境を確保・充実できるよう、庁内の横断的な検討を進めています。
次に、容積率の緩和の制限についてです。
容積率の緩和は、空地や緑地、子育て支援施設の確保など、まちづくりへの貢献の程度に応じ、東京都の統一基準により、容積率の緩和の最高限度が定められています。
区としましては、市街地再開発事業の事業化にあたっては、駅前にあって希少なオープンスペースの確保など、まちづくりへの貢献を導き出す観点から、一定の容積率の緩和は必要と認識しており、引き続き、東京都の基準に基づき対応していきます。
(2)地権者や住民の合意について
問題の2つ目は、事業に対する合意のありかたについてです。
第一種市街地再開発事業では、権利者の3分の2の賛成があれば、残りの3分の1の人が事業に反対であっても、この方の意向は顧みられることなく事業が進められることになります。十条では、事業に同意しないまま区域内に住み続けている権利者に対し、再開発組合は、事業を計画通り進めなければ、多額の金銭的損失を被る等の理由で、裁判所に明け渡しの仮処分命令申立までして解体工事を進めました。このような強権的なやり方が平気で行われるのも、少数を切り捨てる市街地再開発のあり方をよく表しています。
さらに権利者以外に対しても、事業についての説明すらきちんとおこなわれない中で、事業が認可されれば法的強制力を持つことが問題です。赤羽では、現在再開発予定地域で事業を営み、再開発が行われれば、事業の拠点を失うことになるテナントに対して、十分な説明が行われないまま都市計画決定が行われました。また、再開発が行われれば少なくない影響を受けると思われる、近隣商店街や学校関係者には、ごく一部の人たちからグループインタビューで話を聞いただけでした。都市計画審議会には私も委員として参加をしました。十条での経験を踏まえ、権利者以外への説明も十分に行うことが、再開発事業が地域に理解されるために必要であると考えていましたが、それがないまま事業計画が決定されたことは、地域のまち作りを進めるうえで問題であると思います。
十条については、地域住民への十分な説明がされていないことから、今なお新たに事業に対する要望等が出されていますが、これは後程触れることにします。
質問します。赤羽一丁目市街地再開発の第二地区・第三地区については、権利者以外の地域の皆様に対して十分な情報開示を行うとともに、住民が繰り返し議論する場を保障することが必要だと思います。地域全体で再開発というまちづくりの手法をとるかどうかを含めて議論し、合意形成を図ることを求めたいと思います。お考えをお聞かせください。
また、赤羽第二地区・第三地区については、市街地再開発の手法によらず、住民が参加し、まちの良さを残しつつ時間をかけて防災面を強化するという「修復型まちづくり」、の手法も検討することを求めたいと思いますがいかがでしょうか。お考えをお示しください。
区では、この間、両地区の準備組合に対して、事業実現のための権利者の一層の合意形成や、円滑な事業実施のための地域への積極的な情報提供を求めてきています。
一方、両地区では準備組合は設立されたものの、事業認可の際に必要となる合意状況には達しておらず、地域の多様な声を受け止めるには、もう少し時間を要すると考えています。
区としましては、両地区の準備組合の事業化に向けた動きにあわせ、地元で長年、住民主体のまちづくりを進めている「赤羽駅東口地区まちづくり全体協議会」の活動と連携を図りながら、地域住民のまちづくりへの参画機会を創出できるよう努めていきます。
また、市街地再開発事業によらない修復型のまちづくりのご提案については、まずは、今回の事業化検討が地区内の権利者の方々の意向により、発意されている点を尊重することが大切であると認識しています。
その上で、ひっ迫する首都直下地震への備えをはじめ、賑わいのある魅力的なまちづくりを計画的・効果的に推進するためには、駅前立地のポテンシャルを最大限に生かし、土地を有効に活用することが大変重要になると考えており、引き続き、権利者の一層の合意形成を求めながら、市街地再開発事業を促進していきます。
(3)税金の投入について
問題の3つ目は巨額の税金が投入されることについてです。
市街地再開発事業を行うにあたり、巨額の税金が投じられることも問題としなければなりません。
市街地再開発には公共性があるとの理由で、ビルの事業計画作成費用・権利変換計画の作成費用・既存建物の除却費用や権利者への補償、さらには施設の共用部分に対する工事費に至るまで、国や東京都、北区の税金で賄われることになっています。また、再開発ビルの建設に合わせ、道路や駅前広場などを整備する際には、公共施設管理者負担金という名目で、これは全額税金から支出されることになります。数十億、数百億円の公金を投入して新たに始める事業は、都市計画事業を除けば北区ではあまり例がないのではないかと思いますが、このような巨額の税金も、都市計画決定をすることで簡単に執行できてしまうことになります。
北区ではこれまでに、赤羽北、赤羽西において市街地再開発事業が行われましたが、赤羽北では施工者である東京都の欠損額は200億円にのぼりました。赤羽西においても、施工者の住宅都市整備公団は、保留床の処分ができず、このうちの一部を北区が40億円で購入し、赤羽会館にあった赤羽文化センターを移転。さらに北区まちづくり公社が39億円で駐車場を購入。これはのちに北区がまちづくり公社への債権を放棄したうえで引き取ったという経緯もあります。
再開発事業は、このようなバブル期の事業破綻の経験を踏まえて、大きな制度変更がありました。不動産デベロッパーが再開発組合員として加わり、利益を確保したうえで投資をできる仕組みを導入したことです。参加組合員制度です。そして財界からの要望もあり、空地を確保すれば容積率が緩和されたり、マンションの共有部分や廊下などの共有部分は容積率の算定から場外されるなどの規制緩和が進められました。さらに、多くの税金を投入して建築費を軽減させることで、保留床の売却によりデベロッパーが利益を容易に確保できるような仕組みが作られてきました。
質問です。十条および赤羽第一地区の再開発において支出される、また支出される予定の税金は、それぞれいくらになるかをお答えください。
十条駅西口再開発事業と、赤羽駅東口第一地区再開発事業について、参加企業がどれだけの利益を上げると想定されるかお答えください。
十条駅西口地区における補助交付金の支出については、昨年12月に東京都知事から認可された新たな事業計画では、駅前広場等の公共施設整備に関わる負担金と合わせ、約230億円を見込んでいます。
また、赤羽一丁目第一地区における補助交付金の支出については、本年3月に策定しました北区基本計画2020でお示しの通り、約57億円を見込んでいます。
見込み額には、国費・都費などの財源が充てられる予定です。
なお、区では、事業に参加する企業の利益については、把握しておりません。
(4)自然環境への影響について
問題の4つ目は、自然環境へ大きな影響を及ぼすことです。
平成31年3月に示された「北区緑の実態調査報告書」によると、王子西地区に分類される地域のうち、十条地域だけでも、平成25年度から平成30年度の5年間に約2ヘクタールの樹木が失われたことがみてとれます。これは北区役所のすべての庁舎と滝野川分庁舎を合わせた敷地面積に匹敵します。
そして昨年平成31年には、中十条都営住宅跡地の樹木と、十条富士塚前の街路樹であるイチョウの木が伐採されました。続いて今年は旧上十条児童遊園内の樹木と、十条富士塚本体の樹木が伐採され、これに続いて、十条駅西口再開発区域内の民有地にあった樹木も伐採されてしまいました。そして間もなく、旧十条駅前児童遊園にあったケヤキの木と、今後補助85号線沿線の街路樹であるイチョウの木も伐採される計画です。このようなことが身の回りで続けて行われるようであれば、だれだってまちづくりをいったい誰のために行っているのかと疑問に感じるのではないでしょうか。
これまでも議論を行って来ましたが、十条駅西口再開発においては、開発予定地域について平成24年10月に地区計画が定められ、現存する緑の維持・保全に努めることが、方針として定められています。にもかかわらず再開発事業でも樹木がどんどんと伐採されている様子をみると、市街地再開発事業とは、北区自らが定めたまちづくりのルールに縛られずに行えるという、ある意味で聖域が設けられた事業とされているように思えます。
今十条地域では、再開発事業が始まり、ようやくケヤキの木が伐採されることを知った住民が、区域外の方も巻き込んで、多少地下自転車駐車場が小さくなってもケヤキの木を残してほしいという署名活動を行い、北区に対しての申し入れも行われたと聞いています。
私も、住民の皆さんの言い分はもっともだと思います。以下十条駅西口再開発に関して質問いたします。
再開発事業を行うにあたり、再開発組合が地区計画を考慮することなく事業を進める権限があるとも思えません。地区内の樹木を伐採するなど、地区計画に反する再開発事業は認められないと考えますが、このことについて北区のお考えをおきかせください。
次にこのことに関連して、樹木について具体的にお伺いします。
現在計画されているオートリターン方式の地下自転車駐車場の建設に、樹木が支障するために、伐採が必要だとの説明がされていますが、駐輪場の構造形式を決める際に、なぜ広い用地が必要ないと思われる機械式とせず、オートリターン方式をとることになったのでしょうか。
関連して、機械式であった場合、ケヤキの木を残すような配置が検討できたのではないかと思うが、そのような検討がなされているでしょうか。
現在計画されているオートリターン方式であっても、ケヤキの木を残す工夫ができたのではないかと思いますがそのような検討がされたか
今からでも、地区計画に少しでも沿うよう、ケヤキの木を残すよう設計変更を行うことを求めたいと思います。お考えをお聞かせください。
6月に行われた十条まちづくり特別委員会の質疑の中で、再開発区域内の補助85号線沿道の街路樹であるイチョウの木は移植することになるので、地区計画には反しないと考えているとの見解を北区は示されました。その後私は再開発の計画図を確認しましたが、再開発区域内にイチョウの木が植えられる予定がないことがわかりました、地区計画内の街路樹であるイチョウの木はどこに移植される予定なのかお答えください。
はじめに、再開発事業と地区計画についてです。
十条地区は、防災性の向上と、「にぎわいの拠点」を形成するため、都市計画道路の整備に加え、特に駅前は、広場や地下自転車駐車場の整備により、オープンスペースを確保するとともに、商業・業務機能と住宅が共存するバランスの取れた市街地をめざしており、区では、十条駅西口の再開発事業を推進しております。
再開発事業では、敷地内の空地や、建築物の屋上等を活用した緑化により、緑豊かな街並みが形成される計画であることから、地区計画に沿った事業であると考えております。
次に、自転車駐車場についてです。
自転車駐車場は、建設費用や維持管理等を考慮し、利用者が地下の駐車スペースを行き来して利用する形式で、オートリターン方式の二段式ラックを一部に採用することとしています。
機械式の自転車駐車場は、入出庫の設置場所が増えることにより、オープンスペースが十分に確保できないこと等から、採用を見合わせたため、ケヤキへの影響については検討しておりません。
また、地下自転車駐車場は、商店街への買い物利用者や店舗の皆さまへ配慮し、商店街の出入り口付近が、工事の影響を受けない配置としております。
そのため、工事の影響を受けるケヤキについては移植も検討しましたが、多くの課題があり、残すことはできないと判断しました。
なお、地下自転車駐車場の設計変更につきましては、再開発事業のスケジュール等に大きく影響することから考えておりません。
次に、補助第85号線のイチョウについてです。
再開発事業では、区域内の大部分が地下を掘る工事となるため、イチョウについては、区域外での移植となりました。
移植の候補地として、現在、北区立中央公園などを含め調整をしております。
本来まちづくりは、住民が主人公であるべきです。
しかし先に述べたように、いま市街地再開発は、企業が利益を追求することが目的とされ、利益を最大化するために、事業を最短の期間で行うことが最優先とされます。このことは、初めに紹介した、十条での明け渡し請求の理由として、事業期間が延びれば金銭的負担が増えることがあげられていることからもあきらかです。
そして住民との合意を時間をかけて作り上げていくことは、事業期間が延び、参加企業の利益が減ることにつながるため、省略されてしまう。このような参加企業の利益優先の市街地再開発の仕組みとなっていることが、市街地再開発を進めるにあたり、地域との軋轢を生む原因になっているのではないでしょうか。
まちづくりは、持続可能な地域経済社会の基盤づくりでもあります。そのためには地域住民の参加と合意形成が必要です。企業の利潤追求を優先の今の仕組みを改め、区民が主人公の街づくりに立ち戻ることを改めて求めるものです。
2、区内小・中学校における少人数教育の推進を求めて
次に大きく2点目として少人数教育の実現を求めて質問します。
(1)教室数の確保と教室面積の拡大について
初めに教室数の確保・教室面積の拡大についてです。
先日子供を区立小学校に通わせるあるお母さんから、せめてコロナが収束するまでのあいだだけでもクラスを2つに分けるなどして、少人数での指導をしてほしいとのご要望をいただきました。このお子さんのクラスは39人とのことです。
OECD(経済協力開発機構)加盟国の小学校1クラス当たりの平均児童数は21人、中学校では23人に対して、日本では小学校27人、中学校32人と、比較可能な加盟国38国中の2番目に多い数値となっています。
6月22日の日本経済新聞では、全国連合小学校会長の、「20人から30人学級が適当ではないか」との発言が紹介されていますが、先進諸外国並みの教育環境実現と、教員の負担軽減を目指すためにも重要な指標と考えます。
北区ではここのところの人口増と、適正配置の進行により、現在、小学校ではおよそ42%(183/434)、中学校ではおよそ89%(112/126)が31人以上のクラス編成となっています。
代表質問では福島宏紀区議が、国や東京都に対して、少人数教育実現のために必要な、様々な手当を行うことについての質疑を行いましたが、私からは国や東京都の動きを待たず、区立小・中学校の児童・生徒の学習・生活環境向上のために、区として今できることの実現を求めて以下質問・提案します
少人数学級の実施、少人数指導をさらに推進する場合、北区が現時点で課題と考えていることは何か、お答えください。
今後改築校や、児童生徒数増により新しく教室の増築を行う場合には、余裕のある教室数の確保とともに、教室の面積を今よりも広くとるなど、密を避けるゆとりのある設計とすることを求めますがいかがですか。
現在多くの小・中学校では少人数教育を行うための場所が不足しているのが現状です。教室を整備する際に面積を広くとることとあわせ、可動式の間仕切りをつけるなどして、少人数学習を行いやすくなるような教室整備を行うことも検討すべきと考えますがいかがでしょうか。
教室面積増と可動式間仕切りの設置について、すでにブロックプランで示された西が丘小学校と、神谷小中一貫校でも可能な限り対応していただくことを求めたいと思いますがいかがでしょうか。
まず、少人数学級の実施、少人数指導をさらに推進する場合の課題についてです。
少人数教育の推進については、現在、国の教育再生実行会議において、「少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備、ICTや関連する施設・設備等の環境整備や、そのための財源の在り方」について議論されており、区としての課題も、同様のものととらえています。
国の議論の最終的なとりまとめは、来年の5月頃をめざすと聞いており、教育委員会といたしましては、国における議論の動向を注視するとともに、施設整備と教育環境の確保の課題などについて、整理、研究してまいります。
次に、教室整備の検討についてです。
令和元年6月に改定した「区立小・中学校整備方針」では、少人数学習、習熟度別学習への対応を、施設構成の基本的な考え方の柱の一つとするとともに、少人数教室をはじめ、教室前のオープンスペースや廊下と教室を連続・一体的に使用できるオープン型教室や、普通教室への転用を考慮し、可変性の高い配置と設えをした多目的スペースなどの整備を行うこととしており、これらの取り組みが密を和らげることにも資するものであると考えています。
なお、西が丘小学校と(仮称)都の北学園への対応についても、整備方針と概ね同様の考えで設計、検討を進めています。
(2)学校跡地及び跡地予定地の活用を
次に学校跡地、および学校跡地予定地の活用についてです。
不足する施設不足を補い、密を避ける教育環境実現のために、現在ある学校跡地、および今後跡地となることが想定されている用地についても、学校施設としての活用を図ることを検討すべきと考えますがお考えをお聞かせください。
最後に神谷小中一貫校について、コロナの状況を踏まえ、ゆとりある学習環境を提供ことが重要と考えます。改めて稲田小学校用地の活用も含めた施設整備を求めるものですが、お考えをお聞かせください。
以上で私からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
学校跡地が発生した際には、学校施設跡地利活用計画を策定し、地域や区民の皆さまの理解を得ながら、区政の課題解決に資する、有効な活用に取り組むこととしています。
学校跡地等の活用にあたっては、今後の少人数教育の動向も含めた、行政需要も十分に考慮しながら、引き続き、有効な活用を図ってまいります。
次に、施設一体型小中一貫校に関するご質問についてです。
平成26年度に取りまとめた北区小中一貫教育検証委員会の結論を受け、その後の検討委員会における検討を経て、平成29年に、神谷中サブファミリーに、施設一体型小中一貫校を設置する基本方針を取りまとめました。
施設一体型小中一貫校は、施設分離型に比べ、教職員の意思疎通、情報の共有化が図りやすく、小学校と中学校の義務教育9年間について、一貫した教育目標の設定や、一貫した学校マネジメントを行うことができます。
また、施設一体型としての利点を生かし、学校教育における新たな取り組みに積極的にチャレンジすることで、区の教育が抱える諸課題の解決に資する学校となることや、区における小中一貫教育の推進役となることが期待されるなど、メリットが大きいと考えています。
そのため、神谷中サブファミリーに設置する小中一貫校、(仮称)都の北学園については、施設一体型である「学校教育法第一条に定める義務教育学校」として、設置してまいります。
なお、稲田小学校用地の将来的な活用については、北区学校施設跡地利活用指針による、近隣校の改築等の計画がある際は、学校への活用を最優先課題と位置づけるという規定に基づき、改築改修の計画等を勘案しながら、教育委員会として、適宜、区長部局と協議、連携を図ってまいります。