2020年第4回定例会代表質問―宇都宮章
2020年11月24日 | 宇都宮章
- 核兵器禁止条約の来年1月発効に際して
- コロナ禍のもと、区民のいのちとくらしを守るために
- PCR検査体制の拡充などコロナ対策のさらなる強化を求める
- 誰もが安心して年を越すための緊急対策を
ア、国・都の助成金、給付金、協力金など経済支援策について
イ、くらしとしごと相談センター、福祉事務所の相談体制について
ウ、地域密着の公共事業の前倒し、仕事・雇用の創出について
エ、住宅困窮者、ひとり親家庭の支援について
オ、プレミアム20%付き北区内共通商品券の追加発行について
- 少人数学級の推進・実現をめざし、子どもたちに豊かな学校生活を
- 重度障がい、医療的ケア児への支援について
- コロナ禍のもとでの文化・芸術・スポーツなど地域活動への支援について
私は、日本共産党北区議員団を代表して、大きく5点、区長・教育長に質問します。
現在、人類と地球の生存に立ちはだかる二大脅威である核兵器と気候変動、そして世界的なコロナ危機のもと、平和で公正な社会をめざすSDGs(持続可能な開発目標)を達成するためにも、自己責任を押し付ける経済効率偏重の格差社会ではなく、税金の集め方・使い方を根本から見直し、人間らしく支えあう社会を目指すときではないでしょうか。
1、核兵器禁止条約の来年1月発効に際して
はじめに、核兵器禁止条約の来年1月発効に際して伺います。
2017年7月、国連で採択された核兵器禁止条約は、先月25日、批准国が50ヵ国に達し、ついに来年2021年1月22日、人類史上初めて国際条約として発効されることになりました。
同条約は、核兵器の非人道性を厳しく告発し、その開発、生産、実験、取得、保有、貯蔵、使用、威嚇に至るまで、核兵器に関わるあらゆる活動を禁止し、違法化するものであります。
カナダ在住の被爆者、サーロー節子さんのメッセージの一部を紹介します。
「知らせを聞いた時、私は立ち上がれないまま、広島と長崎で命を落とした数十万の人々の魂に話しかけていました。妹、おいをはじめとした家族、級友、何の罪もなく死んでいった人たち。真っ先に死者にこの素晴らしいニュースを知らせていました。(中略)たたかいの新たな一章が始まります。核兵器の『終わりの始まり』へたどりつきました。さあ、扉へ踏み出しましょう」と呼びかけました。
一方、日本政府が、この条約に背を向けていることは、唯一の戦争被爆国として、大変恥ずべきことではないでしょうか。各種の世論調査では6~7割の国民が日本はこの禁止条約に参加すべきと答えています。3年前、国連でこの禁止条約が採択された直後、私は区長に所感を伺いました。再び質問します。
核兵器廃絶を唯一の目標とする平和首長会議に参加する区長として、核兵器禁止条約が国際条約として発効することについての所感をお聞かせください。
また、国に対し、唯一の戦争被爆国として条約に署名・批准をするよう求めてください。
区長の核兵器廃絶にむけた決意ある答弁を求めます。
このたびの条約発効につきましては、被爆者をはじめとした多くの人々の核兵器廃絶に向けた強い願いと努力が実を結んだものと受け止めております。
北区においては、世界の恒久平和をめざして設立された平和首長会議の加盟都市として、都市間相互の理解と連携に努めております。
今後も、北区平和都市宣言に基づき、区民とともに、平和で自由な共同社会の実現に向けて、努力してまいります。
次に、国に対し、条約に署名・批准するよう求めることについてです。
国では、立場の異なる国々の橋渡しに努め、核軍縮に向けた国際的な議論に積極的に貢献する、という考え方を示しており、引き続き、国会における議論や、他自治体の動向などに注視してまいります。
2、コロナ禍のもと、区民のいのちとくらしを守るために
大きく2つめの質問は、コロナ禍のもと、区民のいのちとくらしを守るために、以下2点、質問します。
(1)PCR検査体制の拡充などコロナ対策のさらなる強化を求める
1点目はPCR検査体制の拡充などコロナ対策のさらなる強化についてです。
11月に入り、全国で新型コロナウイルスの感染者が急増し、「第3波」到来と言われています。東京都では先週21日まで3日連続500人を超え、このペースが続けば、一日1000人を超える感染の可能性も指摘されています。
北区では13日に感染者が700人を超え、20日現在743人となり、一部、保育園、学童クラブ、学校など、一定の期間、施設を休園、休校などを余儀なくされています。
さらに、若い世代だけでなく、高齢者にも感染が拡がる傾向です。
北区は、感染防止の観点から、先の第3回定例会で、濃厚接触者の範囲を幅広く捉えての行政検査の拡大、および高齢者施設や入院患者に対するPCRの社会的検査の実施、かかりつけ医の検査体制拡充のための財政支援など、独自予算も組み体制を確保しました。
並行して東京都では、通所施設を含む行政検査以外のPCR検査の実施や保健所の体制強化など、区と共同して取り組む感染拡大防止策に対する補助事業を50億円の総額で示しています。こうした補助も活用しながら、「第3波」到来の爆発的感染拡大を抑えるための対策の強化について以下、質問します。
1つめに、北区の感染状況の傾向や特徴、2ヵ所のPCR検査センターやかかりつけ医での検査の実績と、今後の検査数受け入れ可能な見通しをお示しください。また、区が独自予算で拡充した検査の中で、都の補助が活用できる内容と予算額についてお答えください。
さらに、東京都の補助も活用し、クラスターが発生すれば多大な影響が出る、高齢・障害の通所施設、保育園、学校などの「社会的検査」にもふみだすよう求めます。
北区民の感染者は、11月20日までの速報値で757人です。
一週間当たりの新規感染者で見ると、8月初旬に50人を超えてピークとなり、その後は、いったんは毎週20人程度まで減少しましたが、9月以降は下げ止まり、10月初旬から上昇に転じて、11月第3週は49人となっています。
9月以降の状況として、20代から50代の働く世代が多く、社会経済活動の活性化にともなって増加していると考えられます。
感染の場としては、飲食の機会や家庭での感染が増加しています。
次に、PCR検査の実績についてです。
11月12日現在、2ヵ所のPCR検査センター、および3ヵ所の新型コロナ外来を含め、区内52ヵ所の医療機関が東京都と契約を締結し、PCR検査を実施できる体制となっています。
まず、PCR検査センターの検査実績は、11月13日現在、2144件です。
感染が拡大した7月には、一日に約60件の検査を実施した日もありましたが、現在は、一日十数件で推移しています。
また、東京都と契約を締結する区内医療機関では、現在、一日に100件程度の検査が実施されていることを把握しております。
次に、今後の検査受け入れ可能数についてです。
PCR検査センターでは、最大で一日100件程度の検査を実施できる体制が整っていますが、今後、第二PCR検査センターの検査体制の強化を図ることなどにより、さらに検査可能数を拡充できる見込みです。
次に、検査事業にかかわる東京都の補助金の活用についてです。
区が拡充した独自の検査事業のうち、「重症化リスクの高い高齢者等の感染防止のためのPCR検査実施事業」における新規入所者PCR検査費用については、東京都の「区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業」の活用を予定しております。
次に、高齢・障害者通所施設、保育園、学校などの一斉定期検査についてです。
区では、先ほど述べた検査事業において、医師会の協力により、ショートステイを含めた新規入所者に対するPCR検査を実施する体制を整備しており、重症化リスクの高い高齢者・障害者施設の感染防止対策を、最優先して取り組んでいるところです。
ご提案の施設に対する一斉定期的検査については、検査頻度の有効性や、行政検査への影響を十分に踏まえつつ、他自治体の取り組みの方策や効果を注視し、知見を深めてまいります。
2つめに、感染追跡など保健所の体制についてうかがいます。
欧米の感染再拡大の要因の1つに、陽性者の追跡が十分にできていないことが指摘されています。現状の急激な感染拡大に対し、陽性者を着実に把握、保護するためには、感染経路の追跡作業を担う専門家、トレーサーが不可欠です。
この間の北区の追跡調査は、保健師をはじめとした庁内の応援体制と増員、帝京大学との連携などにより対応頂いていると聞いておりますが、今後の感染増大を考慮し、トレーサーの確保、保健所の体制強化をすすめるよう求めます。お答えください。
現在、感染者や職場・施設への積極的疫学調査につきましては、保健所の医師、保健師に加えて、健康支援センター等からの保健師や、平時は食中毒等の調査を行っている衛生監視員の応援により、感染者の行動や施設等での接触状況を調査しております。
現在、冬に向けての感染拡大が懸念されており、保健師をはじめとした保健所職員の体制整備が重要となるため、現在実施している緊急対応の継続も含め、必要な体制を確保してまいります。
3つめに、感染者の療養、保護体制についてです。
今議会の補正予算では、高齢者などを介護する人が陽性になった時に、在宅要介護者を受け入れる体制の確保や、患者の医療費2000万円の追加予算が計上されました。その他、心配なこととして、陽性者がさらに増えてきた際の宿泊療養施設の確保、および自宅療養を余儀なくされる場合の生活支援の対応など必要と考えますが、区の見解と取り組みをお聞かせください。
軽症や無症状の方が療養する宿泊施設については、東京都が確保しており、今後、感染者がさらに増えてきた際にも、必要な量の宿泊施設を確保すると聞いております。
現在北区では、感染が確認された場合に、大多数の方は、陽性と判断された当日から二日以内には入院や宿泊療養が開始されております。
今後、感染者の急激な増加等により、自宅療養患者が増加する事態に備え、東京都が実施する予定の自宅療養者配食事業とも連携し、北区においても体制整備を進めております。
(2)誰もが安心して年を越すための緊急対策を
いのちとくらしを守る質問の2点目は、誰もが安心して年を越すための緊急対策です。
新型コロナの感染が長期化するなかで、事業と雇用、暮らしの危機は日増しに深刻化しています。東京商工リサーチによれば、上場企業60社が、1万人を超える早期・希望退職を募集。地域経済では、店舗の休廃業は年間5万3000件を超すペースであり、「廃業を検討する可能性がある」と答えた国内の中小企業は、優に30万社を超える状況と言われています。
すでに非正規100万人の雇用が失われたと言われ、なかでも女性の雇用が影響を受け、ひとり親世帯など厳しい状況が続いています。
「北区の景況」によると、今年4~6月期は製造、小売、サービス、建設の4業種全てで「不調」の大幅悪化、10~12月期の見通しもほぼ全てが最悪の「不調」となっています。特にサービス業ではリーマンショックを上回り「厳しさが一気に加速し、苦しさを強めた」とあります。
私自身の相談でも、「二回の消費税増税と、このコロナで、この12月で店を閉じることにした」という戦後開店して60年のパン屋さん。区内の街頭で毎月「何でも相談会」を実施している市民団体からは「このところ、生活福祉課や社協につなげる相談が増えている」とのことでした。
年末に向け、区民の誰ひとり路頭に迷わさない。どの事業所も商店もつぶさないとの強い決意で北区が緊急の対策を講じるよう、以下、5点、要請します。
ア、国・都の助成金、給付金、協力金など経済支援策について
アとして、雇用調整助成金、持続化給付金や協力金、休業支援金など、経済支援策の期間延長や必要な方に速やかに届く実効性ある制度改善を国・都に求めること。中でも家賃支援金については、10月中旬から、個人事業主やフリーランスへ適用拡大となったのを受け、積極的活用をはかる広報を求めます。
現在、「雇用調整助成金」の特例措置(緊急対応期間)は、令和2年12月31日まで、「持続化給付金」、「家賃支援給付金」については、ともに令和3年1月15日までが申請期間となっています。
区としましては、こうした制度についてホームページやメールマガジンを通し、周知を図っているところですが、申請期限が迫っている制度もあることから、各種支援制度等の活用を促進するため、年末に向け、チラシを作成し、さらなる周知に取り組んでまいります。
また、国に対しては、特別区長会として、「令和三年度国の施策及び予算に関する要望書」の中で、持続化給付金等の支援の継続および拡充について要望しているところですが、今後も、区内事業者の動向を引き続き注視しながら、国や東京都に対し、必要に応じて支援策の拡充などについて要望をしてまいる考えです。
イ、くらしとしごと相談センター、福祉事務所の相談体制について
イとして、くらしとしごと相談センター、福祉事務所の相談体制についてです。
担当窓口によると、10月末時点で、緊急小口資金は相談件数が6200件、総合支援資金は相談5100件、住居確保給付金は相談7700件とのことで、相談件数を合計すると実に1万9000件を超えています。一時は相談者の行列が出来たり、電話が鳴りっ放しだったと伺っています。
生活保護に至る前の段階で、区民のセーフティネットとして機能している重要な施策ですが、いずれも12月が申込締め切りとなります。
例えば、住居確保給付金は支給期間が「最長9ヵ月」となっており、仮に4月から給付を受けている人の場合は、今年の12月で支給が打ち切られることになります。
一方で、休業などによる収入減の状況が改善されなければ、家賃が払えなくなり、住まいを失う深刻な現実が予想されます。そこで伺います。
緊急小口資金や総合資金貸付金、および住居確保給付金の期間延長を国に強く働きかけてください。あわせて、貸付資金や住居確保給付金の期限が切れる受給者の方の個別の状況に応じて、福祉事務所と連携して、ためらわず生活保護など適切な対応を行うよう求めます。
次に、年末年始の相談体制についてです。
2008年のリーマンショックでは年末年始にかけて派遣切りされた多くの方が行き場を失いました。労働組合、市民運動団体は日比谷公園にテントを張り「年越し派遣村」立ち上げ、食事、寝泊まり、医療を提供、その後、行政に繋げていく実態がありました。
その教訓をもとに、現状では先に述べた、くらしとしごと相談センターや生活保護による対応が実施されているものの、厳しい雇用状況をみると、年末年始にかけて相談が増えていくことも予想されます。北区として、あらゆる事態を想定した対応が必要だと考えます。
そこで、年末年始にかけて、土日の窓口を開設するなど、くらしとしごと相談センターや福祉事務所などの臨時体制を検討するよう求めます。
まず、住居確保給付金等の期間延長についてと、受給者の個別状況を把握し、生活保護など適切な対応を求めることについてです。
住居確保給付金の申請状況は、5月をピークに減少傾向が続いており、10月の申請件数は34件です。社会福祉協議会が実施する各貸付についても、7月以降、減少傾向がみられ、10月の申請件数は、緊急小口資金貸付の特例貸付は264件、総合支援資金の特例貸付は217件となっています。
今後とも、国等の動向を注視し、感染状況等に応じて、国や東京都に対し、必要な事項について要望してまいります。
また、住居確保給付金等の受給者については、生活状況に応じて、生活保護申請等につなぐなどの対応をしており、引き続き、北区社会福祉協議会と連携をとりながら丁寧な対応をしてまいります。
次に、くらしとしごと相談センターおよび福祉事務所の窓口対応についてです。
北区における生活保護の世帯数および申請件数は、現在も横ばい状態が続いております。
相談体制については、本年3月から4月にかけ、各種申請が急増した際に、くらしとしごと相談センター等の受付体制を強化したことから、現時点で土曜日、日曜日の窓口開設を行う予定はありませんが、状況を注視しながら、必要な体制を検討してまいります。
また、年末年始の福祉事務所内の連絡体制を整え、個別具体的な対応が必要な際には、個々の状況に応じた適切な対応を図れるよう努めてまいります。
なお、新型コロナウイルス対策の一貫として、東京都が民間ホテルを借り上げ、失業者に向けた年末年始期間の一時的な居所の提供を行う予定です。
東京都とも連携し、必要な方に、必要な支援・制度を結びつけられるよう、引き続き、丁寧な相談対応を行ってまいります。
ウ、地域密着の公共事業の前倒し、仕事・雇用の創出について
ウとして、地域密着型の公共事業の前倒し、仕事・雇用の創出についてです。
現状の、住まい改修支援事業や私道私下水改修補助事業はじめ、保育園、ふれあい館などの区有施設の小規模修繕工事などは、地域密着型の公共工事であり、地元の中小業者の雇用と地域経済活性化につながる施策です。年度の予算も大方使い切っている事業でもあり、積極的に前倒し実施を行い、地元業者や中小企業の仕事と雇用を確保するよう求めます。
区はこれまでも、公正性、経済性の確保を前提に、「区内業者」の保護・育成の視点を持って、発注を行っているところです。
また、一件の予定金額が、130万円未満の維持、修繕など簡易工事の受注を希望する区内業者を対象に、申請により登録を受け付け、工事を発注しています。
区では、コロナ禍の厳しい社会情勢においても、現場での対策を求めたうえで、中止をすることなく、当初の予定通りに工事発注を進めており、一定の事業量が確保されている、と考えております。
今後も、施設、設備の補修、修繕については、必要な予算を確保し、優先順位を付けつつ、計画的に進めてまいります。
エ、住宅困窮者、ひとり親家庭の支援について
エとして、住宅困窮者や、ひとり親家庭などへの支援についてです。
年末から年明けにかけて、雇い止めなどで住宅を失うケースが増加する恐れがあります。住まいの困窮者に対応できるよう区内ビジネスホテルなどを確保するよう求めます。
北区独自の特別給付金支給は、経済的困難を抱えているひとり親家庭を大きく支えるものでした。しかしながら、長引くコロナ禍での雇用状況の悪化により、ひとり親世帯の厳しさは引き続き深刻です。
国が児童扶養手当の増額や特別定額給付金の再支給を実施する必要があることは論をまちませんが、それを待つことなく、区内のひとり親家庭が安心して年を越せるよう、北区独自の特別給付金の再支給を行うよう求めます。
区ではこれまで、子育て世帯への区独自の支援策として、国や東京都の支援に加えて、特に影響の大きい、ひとり親の約1600世帯に対して、ひとり親家庭等臨時特別給付金5万円を支給するとともに、現在は、国の特別定額給付金の対象とならない4月28日以降に生まれた新生児一人あたりに新生児臨時特別給付金10万円の支給を行っています。
コロナ禍において、子育て中のご家庭が、引き続き、厳しく、不安な環境に置かれていることは、十分認識しているところですが、厳しい財政環境の中で、子ども、子育てに対して、どのような施策を優先的に講ずるべきかについては、総合的な判断を要する状況にあると考えています。
今後の対応については、第三波と言われている感染拡大の状況や、国、東京都の動向を十分注視してまいります。
オ、プレミアム20%付き北区内共通商品券の追加発行について
オとして、プレミアム20%付き北区内共通商品券の追加発行についてです。
北区商店街連合会などがコロナ経済対策として実施した、区内共通商品券は、ネットや郵送申請を取り入れ、区外も含め全区民に対象を広げたこともあり、4万5000名を超える申込みで抽選となりました。これは予算額の2倍を超えるものです。
結果として、応募した方の半分は購入することができなかったということになります。応募数から見ても、区民ニーズの高い事業であり、区内商店街の支援にもつながる重要な施策と考えます。
そこで、プレミアム20%付き北区内共通商品券を、抽選に外れた方へも追加支給するよう求めます。
以上、区民のいのちとくらしを守る、区長の積極的な答弁を求めます。
今回発行したプレミアム付き北区内共通商品券は、コロナ禍における区民生活および商店街への支援強化を目的に、発行規模を4億円、プレミアム率20%とし、初めて抽選方式を導入し販売したものです。
4万5000人を超える方からお申し込みを頂き、約2万2000人の方が一時抽選、二次抽選ともに落選する結果となりましたが、抽選に外れた方への追加支給は予定しておりません。
まずは、今回の結果について、検証してまいります。
3、少人数学級の推進・実現をめざし、子どもたちに豊かな学校生活を
大きく3つめの質問は、少人数学級の推進・実現をめざし、子どもたちの豊かな学校生活を保障することについてです。
少人数学級の早期実現に向けては、第2回、第3回定例会で福島議員の代表質問・野口議員の個人質問でも、繰り返し取り上げてまいりましたが、この間、世論はさらに広がりました。
少人数学級の実現を求める教育研究者有志が呼びかけた署名は今月9日で18万人分になり、また、国に求める意見書は今年に入り少なくとも16道県を含む534議会で採択されています。
今月13日の衆議院文部科学委員会では日本共産党の畑野君枝議員が「新型コロナで強いストレスを感じている子どもたちの願いに応えるためにも来年度からの実施」を迫りました。これに対し萩生田文科相は「不退転の決意で臨む。勇気をもらった」、「30人が望ましいと私は思う。みなさんと協力しながら頑張りたい」と答弁。財務省の主計局次長は、「われわれおとなが、児童・生徒の声にしっかり耳を傾けていくことは大変重要」と応じました。
この実現のためには、1つに国の学級編成の法律改正が必要であること、2つに、都道府県においては、国の法改正を待たずとも、独自に実施することができるため、東京都が踏みだせば現実的には可能であること。3つに、北区においては、子どもの人口が増え続け、現状でも教室不足への対応が求められる中、ハードの施設整備や教職員の確保が課題であることと承知しています。
(1)教育先進区として少人数学級の早期実現を国・都に求めよ
そこで1点目に、改めて、教育先進区として国や東京都に対し、少人数学級の実現を強く要請するよう求めます。
区はこれまでも、学級編成について、少人数学級による児童・生徒へのきめ細やかな指導が必要と考え、国に対して、全国市長会を通じ、少人数学級の実現を求めており、東京都に対しても、特別区の教育長会を通じて、35人学級の実現を求めてまいりました。
また、先月行われました区長と東京都知事との意見交換においても、少人数学級を可能とする教員の確保と施設整備への支援を要望したところです。
今後につきましても、国における議論の動向を注視するとともに、少人数学級の実現について、引き続き、国や東京都に、他自治体との連携を図って働きかけをしてまいります。
(2)仮称「都の北学園」など可能な学校から少人数学級を実施することについて
2点目に、北区としての対応です。
私は北区が、国や都の様子見にとどまることなく、区としても一日も早く少人数学級を実施する構えで今から準備していくことが重要だと考えます。
例えば、神谷に建設予定の小中一貫校、仮称「都の北学園」は、開設時1071人の児童生徒数を見込んでおりますが、学校全体の受け入れとしては、1.5倍の1630人程度までの増加にも対応できる施設整備をしていると伺いました。
さらに、小規模校においては、教職員を確保すれば、現状でも十分少人数学級をすすめることができる学校もあります。
このように、施設面で実現が可能な学校などから少人数学級を着実に進めていくのだという決意で臨んでいくことが必要ではないかと考えます。そこで質問します。
仮称「都の北学園」を少人数学級のモデル的な学校と位置づけ開校をめざすこと、また教室の余裕のある学校から少人数学級を実施する体制を整えることを求めます。お答えください。
少人数学級の実現に向けては、教員の確保と教室の確保が大きな課題であり、教員の確保については、国における新年度予算編成過程の中で、検討が進められるものと認識しております。
また、教室の確保については、現在、区立小・中学校に対して、転用可能な諸室の実態把握調査を実施して、現状分析や課題整理を行っているところです。
少人数学級については、実施方法やスケジュールなどの具体的内容が、今後、国から示されることになるものと考えておりますので、その動向を注視しつつ、指針が示された際には、区として的確な対応が図れるよう、様々な対策を検討してまいります。
4、重度障がい、医療的ケア児への支援について
大きく4つめの質問は、重度障がい、医療的ケア児への支援についてです。
今年度改定作業が行われている北区障害者計画では、重度障がい、医療的ケア児・者に対する緊急一時保護、ショートステイ、生活介護、グループホームなどの増設が計画化される方向と伺っておりますが、そうした施設整備を待つ間も、保護者・介護者の日常の負担を少しでも軽減するレスパイトケアを充実することは重要です。
(1)重症心身障がい児・者等在宅レスパイトケアについて
1点目に、レスパイトケアについてです。
北区は昨年度から、重症心身障害児(者)等在宅レスパイト事業を実施していますが、コロナ禍の下、その取り組み状況や実績について、はじめにお聞かせください。
さらに、同事業について中野区では、今年に入り、年間利用時間96時間を120時間に拡充する方向が示され、関係者から大変喜ばれています。
そこで、北区でも、重症心身障害児・者等在宅レスパイトケアの利用時間を拡充するよう求めます。
区の在宅レスパイト事業は、在宅生活を送っている医療的ケアが必要な重症心身障害児等に対し、介護者の一時休息を図ることを目的として、訪問看護師が自宅等に出向き、一定時間、家族の代わりに見守りを行っています。
現在、新型コロナウイルス感染症対策を行いながら、支援を行っています。
令和元年度の支給決定者数は12人、派遣件数は59件、令和2年度は11月現在ですが、支給決定者数は17人、派遣件数は57件となっており、昨年度実績を上回る見込みとなっています。
また、利用時間の拡充については、委託先となる訪問看護事業所の受け入れ態勢などの課題があることが想定されるため、利用状況やニーズを注視するとともに、訪問看護事業所などの意見も聞きながら、現行制度の中で柔軟な対応を検討してまいります。
(2)保育園での医療的ケア児を受け入れるための取組みについて
2点目の質問は、保育園で医療的ケア児を受け入れるための取組みについてです。
私は3年前、認可保育園に通っている医療的ケアが必要な子どもさんの相談を受け、早急に対応するよう北区に要望してまいりました。
現在、他区でも様々な手法で取り組みをスタートしています。例えば、世田谷区では、2015年度から医療的ケア児を受け入れる要綱を整備し、集団保育が可能な場合には、看護師研修により各区立保育園での受け入れ、集団保育が難しい場合は、重症心身障害児施設への登園と居宅訪問型保育サービスと組み合わせた対応をしています。
大田区では、2018年度から2019年度にかけて、3つの区立保育園における医療的ケア児受け入れモデル実施を行い、導尿ケアや経管栄養についての環境整備もすすめています。
港区では、新設の区立指定管理保育園が、20名定員の専用スペースを設け、保育士の他、看護師体制をとって対応しています。
現在、北区では、自立支援協議会に、医療的ケア児・者支援部会も設置して、協議を開始したところと伺っておりますが、子どもの成長は早く、スピード感を持って取り組んでいただくことを重ねて要望します。
前に述べた相談者の方と今年再びお会いしました。以前は保育園登園前と帰宅後に導尿処置をしていたのですが、その後昼間の導尿が必要になり、悩んだ末10年以上勤めた会社を退職せざるを得ませんでした。以下質問します。
今年度改定中の北区障害者計画において、保育園での医療的ケア児の受け入れを計画化し、当事者の声をしっかりと伺いながら実施して頂きたいと思いますが、区の取り組みをお聞かせください。
以上2点、医療的ケアが必要な子どもと保護者を励ます区長の温かい答弁を求めます。
医療的ケアが必要なお子さんにつきましては、障がいや疾病等の程度を考慮して、集団保育が著しく困難であると認められる場合、居宅訪問型保育事業を利用して頂いています。
また、児童発達支援事業所への通所とあわせて利用することで、保育が必要な方への長時間保育を実施しています。
なお、現在、改定作業を進めている北区障害者計画では、「保育園の障害児受け入れ体制の整備」を位置づけ、保育園における医療的ケア児の受け入れについて検討することとしています。
保育園において医療的ケア児を受け入れる場合には、職員体制の確保とともに、研修等による人材の育成、嘱託医や医療機関との連携などが課題となります。
今後、先行自治体への調査を通して課題の整理を行うとともに、自立支援協議会などでのご意見をふまえながら、民間の活用も含めた検討を進めてまいります。
5、コロナ禍のもとでの文化・芸術・スポーツなど地域活動への支援について
大きく5つめ、最後の質問は、コロナ禍のもとでの文化・芸術・スポーツなど地域活動への支援についてです。
コロナ感染拡大により、3月以降、北とぴあをはじめ区内施設などでのイベントが軒並み中止となり、区内の文化、芸術活動を日常的にすすめてきた個人や諸団体、サークルはじめ伝統工芸、郷土芸能の専門家など施設の利用や活動の制限で、活動の継続、存廃の危機に追い込まれているところも少なくありません。
今年で40周年を迎えた北区合唱連盟には45団体が加盟していますが、コロナ禍の下、11月1日に北とぴあ・さくらホールで、関係者の必死の努力により、今年も北区合唱祭が行われました。当日のプログラムから北区合唱連盟理事長、名島啓太氏の挨拶の一部を紹介します。
「今年はコロナ禍という未曽有の事態を経験しました。合唱を愛する人間にとって一番つらかったのは『場』の喪失だったと思います。まだ活動を再開出来ていない合唱団もあり、今年の合唱祭は加盟団体の約半分の参加となり、開催を迷う部分もありました。しかし、合唱文化の灯を次につなぐため、何とかして発表の『場』を残したいと考え、感染予防対策を常に念頭に置きながら準備を進めてまいりました」。そして、最後に文化振興財団と北区教育委員会に開催に当たっての御礼が述べられています。
今回は無観客となりましたが、出演した方々は久々の舞台演奏に満面の笑みから涙をこぼしました。
本年7月に策定された「北区文化芸術ビジョン2020」では北区の将来像に「一人ひとりがいきいきと活動する文化の香り高いまち」を掲げています。
また、スポーツの分野も深刻です。6月からスポーツ施設の利用が再開されたものの、区内スポーツ関係諸団体の活動、競技大会は大幅に制限、中止を余儀なくされ、活動の維持、継続が危ぶまれおり、「持続化給付金」を申請した団体もあると聞いています。
そこで4点、質問します。
1つに、コロナ対応で区内施設を利用する際、参加人数制限を余儀なくされた場合は、利用料・使用料を半額にするなど減額すること。
2つに、区内で活動する各種サークル、諸団体と懇談や相談をすすめ実情を把握し、活動を維持、継続するための支援を行うこと。
3つに、北とぴあ通り商店街で開催中の「王子みんなのテラス」のように、ストリートピアノ、シンガーソングライター、音楽やお笑いライブ、ダンスやパフォーマーなど、商店街や街を舞台にしたアーティストの地域文化交流の場に、積極的な支援を行うこと。
最後に、北区の文化・芸術、スポーツ関連予算についてです。
北区の文化・芸術関係費は約3億円で、一般会計の僅か0.2%、スポーツ推進費は約9億6000万円で、僅か0.6%です。
以上の課題を実現するため、文化、芸術、スポーツにかかわる予算の大幅な拡充を求めます。
以上、人間が人間らしく生きるために不可欠な文化、芸術、スポーツ活動の存続、発展に向けて、区長のあたたかい答弁を求め、私の質問を終わります。
ご清聴、ありがとうございました。
まず、区内施設を利用する際、参加人数制限を余儀なくされた場合の施設使用料につきましては、コロナ禍において、万全な感染症対策を講じたうえで施設の管理運営を行っており、引き続き、維持管理費の負担が伴っていることなどから、使用料を半額とすることは考えておりません。
また、区内で活動する団体の維持・継続への支援については、懇談や相談に随時応じ施設運営などに活かしてまいりましたので、引き続き、ご意見などを伺ってまいる所存です。
次に、アーティストの地域文化交流の場に対し、積極的な支援を行うことについてです。
北区ではココキタで活躍中の若手アーティストを商店街などに有償で派遣する「北区版アーティストバンク」制度などを運用しております。
今後も、区主催行事や地域イベントなどにおいて、アーティストの活動や交流などが数多く展開されるよう努めてまいります。
次に、文化・芸術、スポーツ関連予算についてです。
区民の豊かな心と健康を育む文化・芸術、スポーツ活動を推進・支援していくため、コロナ禍にあっても、必要な関連予算の確保に努めてまいります。