2021年第2回定例会代表質問―本田正則
2021年6月14日 | 本田正則
質問に先立って、昼夜をわかたず業務に全力を尽くしていただいている担当職員の皆さん、協力いただいている北区医師会、コロナ病床でご奮闘いただいている多くの医療関係者のみなさんに、心から敬意を申し上げます。
日本共産党北区議員団を代表して、大きく5つの質問を行います。
1、新型コロナウイルス感染症から区民を守り抜くために
最初の質問は、新型コロナウイルス感染症から区民を守り抜くことです。
(1)五輪中止を東京都・政府に求めるべきだ
1つめに、東京五輪の中止を求めることについてです。
緊急事態宣言が延長、感染収束が見通せない状況の中で、国も東京都も、あくまで東京五輪を開催する構えです。
日本共産党は、ワクチン接種も間に合わない、医師や看護師を集めるのが困難で医療体制が保障できないうえ、世界的な感染の中でフェアな大会とならないことから、この夏の五輪は中止するよう繰り返し求めてきました。
中止または延期を求める声が6割から8割におよびました。
菅首相や小池都知事は「安心安全な大会」を繰り返しますが、政府分科会の尾身茂会長は、「何のためにやるのか」、「普通ではない」と強い意見をのべ、感染症の専門家からは全国から大会会場へ、各地のパブリックビューイングへ、さらにお盆の帰省などの人流増大がウイルス拡散を招くリスクを指摘しています。
区長、都民・区民の命を守るためにも、国、東京都、そして大会組織委員会に対し、今夏の東京五輪・パラリンピック大会の中止を求めるべきではありませんか。答弁を求めます。
次に、「学校連携観戦」についてうかがいます。
全国で128万人、東京だけでも90万人にのぼる児童・生徒に五輪競技を観戦させる計画です。コロナ感染前の計画を、公共機関を利用しての移動などコロナ感染のリスクが増大するうえ、酷暑の予報も出ている中で、保護者や学校関係者から計画の中止を求める声が相次いでいます。
そこで、国と東京都、組織委員会に、「学校連携観戦」の中止を強く求めていただきたい。区長、教育長の見解をお尋ねします。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催は、「トップアスリートのまち・北区」の魅力を発信し、夢や希望を持ち、目標に向かって挑戦することの大切さを、区民へ伝える好機ととらえていますが、新型コロナウイルスの感染防止のために万全の対策を講じることが前提と考えています。
この間、国や東京都、東京2020組織委員会などでは、海外からの観客の受け入れを断念する決定がなされ、選手等への追加的な感染症対策が議論されるなど、安全で、安心な大会に向けた準備が進められています。
大会参加にあたり、関係者や選手等が守るべきルールをまとめたプレイブックでは、マスク着用などの基本的な対策や、健康管理の徹底、外部との接触を回避する行動管理の徹底などについて定めています。
4月の改訂では、変異株に対応するため入国時の水際対策の強化やスクリーニング検査の強化などが、追加されました。
今後テストイベントや最新の知見をもとに、最終盤が策定される予定です。
また、組織委員会では、感染症学や公衆衛生学などの専門家から助言を得る会議「専門家ラウンドテーブル」を新たに設置し、助言を受けています。
区としましては、大会開催に向け、感染症対策について万全を期すよう特別区長会を通じて、国と東京都に求めているところであり、引き続き、感染状況を注視しながら、関係団体と連携を図り、感染症対策の徹底に向けた取組を進めてまいります。
なお、園児、児童、生徒が競技を観戦する「学校連携観戦プログラム」については、国や東京都教育委員会、組織委員会等の関係機関において、子どもたちの安全を前提とした適切な判断がなされると考えています。
東京オリンピック・パラリンピックの小・中学生による学校連携観戦については、東京都教育委員会から平成31年1月に調査があり、その時点ではすべての区立幼稚園・こども園、小中学校が参加を希望しています。
現時点で組織委員会から観客の上限数をどうするかの方針が示されておらず、また、東京都教育委員会からも最終的な意向確認の通知が届いておりません。
教育委員会としては、今後の感染状況や社会情勢も見ながら。「北区立学校等の新型コロナ感染症対策ガイドライン」も踏まえ、今後適切な時期に判断することといたします。
(2)安全・迅速なコロナワクチン接種の取り組みを
コロナ対策の2つめは、安全・迅速なコロナワクチン接種の取り組みについてです。
高齢者先行、5月連休明け接種開始でした。3つの接種センター、8つの基幹型病院に加え、106ヵ所以上のサテライト型医療機関へ接種場所が拡大し、高齢者9万人のうち、約70%の予約・接種状況となっています。
当初、コールセンターにつながらない、ネットの予約が難しいなど、困難もありましたが、声をかけあいながら予約を進めて頂いた区民の皆さんの尽力に頭が下がる思いです。
党北区議員団も、500人を超える区民の予約サポートに携わり、5月10日には、区長あてに、券番号の拡大表示、コールセンターやネットサーバーの増強、予約サポート窓口の開設、予約空き情報の開示と速やかな発信など、予約アクセス改善に関する10項目の要望書を提出しました。区職員の努力により日々改善していますが、いっそうの改善を求め、以下2点、質問致します。
第1に、高齢の方々の予約や接種への、きめ細かなフォローについてです。
区が、予約に至っていない約3万人の方へ勧奨ハガキを送付し、19ヵ所の地域振興室で予約サポートの臨時相談窓口の開設に踏み出したことは、区民に安心を拡げるものです。高齢者あんしんセンターの職員が担う相談窓口は十分に体制を確保し、あんしんセンターならではの対応を期待します。また、64歳以下の区民が来ても柔軟に対応して頂くよう求めます。
次に、在宅療養者への往診による個別接種について、取り組みの現状をお聞かせ下さい。
加えて、接種会場への移動を支援する無料往復タクシーは、要支援者や障害手帳所持者も利用できるようになりましたが、介護度の重い方が利用する福祉タクシー代への補助も行ってほしいとの声にも応えて頂くよう求めます。
第2に、64歳以下の区民へ接種を広げる上での課題についてです。
ネット予約は、回線がよりつながりやすくなるよう改善を求めます。また、予約の取り直しも含め、自分の希望にあった予約ができるよう、ホームページやSNSなどで予約の空き状況をタイムリーに公開・発信することを求めます。
また、ワクチンが無駄とならないよう予約のキャンセルについては、専用の電話回線を確保するとともに、キャンセルしやすいシステムに改善すること、当日キャンセルが出た場合のキャンセル待ちへの対応を求めます。
接種会場については、必要に応じて大学や公共施設などを活用して増設し、土日、夜間の予約枠拡大を求めます。
さらに、接種を優先する対象に、学校、保育関係者、区職員などエッセンシャルワーカーを加えて下さい。
以上、区長の答弁を求めます。
初めに、臨時相談窓口の開設についてです。地域振興室に設置した予約支援窓口は高齢者あんしんセンターの協力により実施していることから、日頃の相談支援と同様の寄り添い支援を行い、不安の解消に努めてまいります。会場にお越しになった、予約にお困りの区民に対して、丁寧な対応に努めてまいります。
次に、在宅療養者への往診による個別接種の取り組みの現状ですが、かかりつけの医師等が在宅療養者の自宅を訪問し、接種を行っております。
次に、ネット予約がつながりやすくするための対応についてです。現在、委託事業者とサーバー容量の改善などの検討を続けており、システムの改修を予定しております。
また区のホームページやSNSなどで空き状況を公開・発信するなど、効果的な情報発信も行ってまいります。
次に、予約のキャンセルは専用の回線を確保してすでに対応しているとともに、システムの改修も検討しております。
なお当日キャンセルとキャンセル待ちへの対応を合わせて行うことは、今後の検討課題をさせていただきます。
次に大学や公共施設を活用した接種会場の増設は、現状の接種体制で予約の申し込みに十分対応できていることから当面は予定しておりません。
次に、土日夜間の予約枠の拡大については、多忙な現役世代のワクチン接種を促進するうえで必要と考えており、既に接種を行っていただく医療機関等と協議を開始しているところです。
次に、区民を対象とする接種体制に、学校、保育関係者、区職員等を優先接種する多少として加えてほしいとのご要望については、今後の職域接種事業の動向を踏まえながら、実施の可否について検討してまいります。
次に、接種会場への移動支援にかかわる福祉タクシー代の補助についてです。
区では「災害時におけるタクシー・バス車両による緊急輸送協力に関する協定」の締結会社11社の協力を受け、接種会場への移動支援を行っています。
この事業は、要介護・要支援認定者や障がい者手帳をお持ちの方のうち、自力の異動が困難で、なおかつ、家族等による送迎が受けられない方を対象としています。
移動支援事業の対象でありながら、介護度が重く、大型の車いすを使用している方の乗車について、協力タクシー会社が所有する車両の止揚により支援が受けられない場合があります。状況を鑑みながら支援策を検討してまいります。
(3)PCR検査の拡充について
コロナ対策の3つめに、PCR検査の拡充についてうかがいます。
イギリスの感染再拡大をみると、ワクチンの接種が進んでも、コロナ感染を封じ込めるために、無症状感染者を早期に保護し、感染の拡大を抑えることは基本です。
以下、4点質問します。
第1に、北区で今年3月から実施した高齢者・障害者入所施設での週1回の定期的検査について、これまでの実施状況を検査未実施も含めうかがいます。さらに、通所施設や訪問介護従事者へも対象を拡充するよう求めます。
第2に、学校や保育園における子ども施設へのPCR検査拡大について、内閣官房が保育園に対する定期的な検査を、手上げ方式により無料で実施すると通知しました。ぜひ北区の保育園での実施を求めます。あわせて学校でも定期的に検査を行うよう求めます。
第3に、国が実施している繁華街などでのモニタリング検査についてです。北区での実施状況についてお聞かせください。
第4に、感染力が強い「変異株」への対策についてです。ある感染症の専門家は、日本においては変異株の検査・監視体制の失敗が、第4波の感染拡大を招く要因になったと指摘しています。現在、インドで広がったデルタ株は、イギリスで見つかったベータ株の1.5倍の感染力があるとされていますが、国や東京都に対し、変異株の検査・監視体制の強化を求めてください。
まず、高齢者入所施設における従事者の一斉・定期的PCR検査の実施状況です。
令和3年6月1日現在、区内58の高齢者入所施設のうち36施設で、区の取り組みによる従事者のPCR検査を毎週実施しており、16施設では、東京都などの取り組みや自主的な集中的検査が行われています。
したがって、約9割の施設で、無症状者に対する集中的検査が確保されています。
なお、残り6施設については検査の要請に応じていただけない状況で、引き続きこの検査事業の有効性や必要性をお伝えするなどして、検査実施を要請してまいります。
また、国は、改正された基本的対処方針において、都道府県は、医療・介護従事者等関係者に対し、PCR検査等による幅広い検査の実施に向けて取組を進めることとしております。
今後、施設の状況等も踏まえながら、実施方法等について検討してまいります。
次に、学校や保育園におけるPCR検査拡大について、お答えいたします。
内閣官房の通知は、新型コロナウイルス感染症モニタリング検査のモニターを募集するもので、事業者等が内閣官房のホームページから登録を行い、モニターになった場合には、検査費用の負担なく、従業員等の検査を定期的に実施できるものです。
区直営保育園におきましては、各保育園の希望を確認し、実施を検討してまいります。
私立保育園等につきましては、内閣官房から通知されたモニター募集のお知らせを区から周知してまいります。
なお、国からの通知には、幼稚園に対する募集はありますが、学校の取り扱いについては記述がありません。
次に、感染再拡大の早期探知を目的とした、モニタリングPCR検査の北区での実施状況についてです。
5月末より、内閣官房及び東京都の要請に基づき、赤羽駅東口の商店街等の店舗従業員を対象とした定期的検査が行われており、8つの商店街から80店舗、約370人が参加しています。
次に、変異株対策については、国の方針に基づき、都が変異株スクリーニング検査の実施体制を整えており、5月初旬の実施結果では、都内新規陽性者に対して、目標とされている40%程度のスクリーニング検査が実施されています。
また北区においては、積極的疫学調査により変異株流行国と関連性があると認められた患者についても、変異株スクリーニング検査を実施しているところです。
(4)困窮する区民への支援強化を
コロナ対策の4つめに、困窮する区民への支援強化を求めて3点質問します。
第1に、総合支援資金の継続を求めることです。
北区でも、ここへ来て、飲食店の休業や、テレワークの拡大などにより、接客や清掃などのアルバイト業務が縮小されたため相談が増えているとのことです。これまで、延長、再延長、再貸付などが続いていきました。
この際、総合支援資金については、期限を設けず、新型コロナの感染が収束するまで継続するよう国に求めてください。答弁を求めます。
第2に、低所得者にむけた支援制度についてです。
まず、政府が検討している新たな支援制度ですが、報道によれば総合支援資金を借りた方にしか適用されず、総合支援資金を縮小して継続するもののようにも見えます。制度の仕組みについて、今わかる範囲でご説明ください。
あわせて再度の定額給付金支給など、簡素で迅速、幅広い支援の実施を、国と東京都に求めてください。
第3に、住居確保給付金についてです。
住まいを失った方や、失う恐れのある方のために作られた給付金です。窓口での相談が、北区でも1000件を超える月が続きました。しかし、決定に至ったのは、昨年5月の419件、6月の370件がピークでした。申請、決定に至らない方も多いのです。
厚労省は、住居確保給付金の支給期限延長を繰り返していますが、申請できなかった方々は相変わらず困窮しています。
住居確保給付金を受けていても、実際の家賃には足りない方が多くいます。それは、給付上限額が生活保護の住宅扶助基準額となっており、一人暮らしだと5万3700円だからです。そのため、緊急小口資金を受けて、給付金で足りない分の家賃を補っている方がほとんどだといいます。
東京都は、2018年の調査で、東京の家賃水準が1.7倍と高いことから、中小企業への家賃支援給付金は、国の給付金の額に都として独自に上乗せしました。
住まいの給付基準である生活保護の住宅扶助基準額を、23区の家賃水準に見合った額に引き上げることを国に求めるとともに、住居確保給付金にも上乗せをすることを東京都に求めてください。区長の答弁を求めます。
昨年8月に特別区長会から、国及び東京都の施策及び予算に関する要望として、新型コロナウイルス感染症対策に対し、減収対策をはじめ、区が実施する感染予防対策や地域経済対策の充実のほか、医療体制等の整備、強化及び財政支援などを国に対して要望をしてまいりました。
今年度も、国や東京都に対して、感染症対策の充実強化について要望をしてまいりますが、一律の特別給付金の再支給を求めることについては、考えておりません。
次に、生活保護の住宅扶助基準額についてですが、区内では、1世帯当たり、単身世帯で5万3700円、2人世帯では6万4000円となっております。
区としましては、引き続き、東京都を通じて厚生労働省に対し、都内の相場に見合った住宅扶助基準額に引き上げるよう、要望してまいります。
住居確保給付金については、国において生活に困窮する方に途切れない支援を届けるため、再支給の申請期間の延長など、適切に対応していると考えていると考えており、今後の動向を注視してまいります。
(5)中小企業の営業維持のために
コロナ対策の最後に、中小企業の営業維持のための施策について質問します。
中小企業も大変な苦境に陥っています。とりわけ休業や営業短縮を求められた飲食店は深刻です。赤羽でも持続化給付金が、1月に支給決定したのに5月下旬に支給されたお店がありました。しかも、3割、4割の売り上げ落ち込みの事業所など支援対象が狭すぎ、行き届いているとはいいがたいものです。
北区の独自支援策がホームページ上で5つ並んでいます。これを強化することに絞って3点質問します。
第1に、北区の貸付資金の据置期間と利子補給期間の延長を求めます。
第2に、プレミアム商品券の発行を、昨年度を上回る規模で実施することを求めます。
第3に、板橋区が本年4月から6月に、経産省の一時支援金、東京都の協力金の支給決定を受けた事業者に個人10万円、法人20万円上乗せして給付したことなどに学び、なかなか届かない国や東京都の支援を補う、区としての独自支援を重ねて求めます。
ご答弁ください。
はじめに、北区貸付資金の据置期間と利子補給期間の延長についてです。
新型コロナウイルス感染症対策緊急資金は、令和2年3月から開始したため据置期間を経過し、既に返済が始まっている事業者の方も出てきています。
コロナ禍の長期化により、厳しい経営環境が続いている事業者の方も多く、金融機関と相談のうえ、据置期間や返済期間の延長などを行う方もいる状況です。
この場合、現状では、返済条件の変更にあたるため、北区中小企業融資要綱に基づき利子補給を停止することとなり、コロナ禍の状況の中では課題の一つであると認識しているところです。
北区としましては、返済期間の延長など返済条件を変更した場合についても利子補給を停止することなく、対応できる金融機関と協議も行い、制度の変更に向け、準備を進めてまいります。
次に、プレミアム付き商品券の発行についてです。
今年度のプレミアム付き商品券の発行については、新たにキャッシュレスポイント還元事業を実施することもあり、当初予算において、一般用はプレミアム率10%、高齢者向けと子育て世帯向けは、プレミアム率15%で実施することとしています。
本年4月に、東京都の補助事業といて「東京都生活応援事業」が公表されました。
このことから、北区としましては、当該補助事業を活用し、さらなる区民生活及び、区内事業者に対する支援の強化に向けた、検討を進めてまいりますが、詳細につきましては、本定例会所管委員会でご報告いたします。
次に、事業者に対する区としての独自支援についてです。
コロナ禍にある今、各自治体においては、地域の事業者の状況を踏まえながら、優先順位をつけ、様々な支援策に取り組んでいるものと認識しています。
北区においても、すでに、新型コロナウイルス感染症対策緊急資金の融資あっせんや新型コロナウイルス対策設備投資等支援事業、雇用調整助成金等申請支援補助などに取り組んでおり、多くの区内事業者の方々に、活用いただいています。
ご提案の国や東京都の支援策に、北区独自で、上乗せ支給する事業は、現在、予定しておりませんが、区としましては、今後も、北区の支援事業をはじめ、国や東京都の各種制度についても周知するとともに、区内中小事業者の状況を十分注視しながら、必要な対応について検討してまいります。
2、都立・公社病院の独立行政法人化の中止を東京都に求めよ
大きな2点目の質問は、都立病院・公社病院の独立行政法人化の中止を求めることについてです。
ご承知の通り、都立・公社病院は、感染症や災害、救急、精神、小児・周産期、難病など、仮に不採算な領域であっても都民にとって必要な医療を提供する行政的医療を担ってきました。災害医療や感染症医療を担う資格を持つ対応力の高いベテランの医師や看護師も多数確保されています。
コロナ感染拡大の中で、一般診療、外来診療などを閉鎖して、コロナ専用病床への転換を迅速に担い、入院ベッドを2000床まで拡大できたのも行政医療の役割が発揮されたものであり、都民の信頼が高まっています。
また、都立駒込病院では、通院する患者さんの約8人に1人の12%が、都立大塚病院では8.8%が北区民の利用です。
さらに、北区医師会との医療連携でも重要な公的医療機関で、この間、入院が必要なコロナ新規陽性者の入院調整も順調に行われてきたと認識しています。
こうした都立・公社病院ですが、現在、東京都が400億円の都費の投入を減らし、独立行政法人化をすすめようとしています。しかし、大阪府政を見ても、公的医療の縮小と、採算性強化の結果、入院ベッドの縮小や医療従事者の削減につながり、結果として、コロナ災害時の医療崩壊ともいえる状況を招いたのは教訓的ではないでしょうか。
今こそ、コロナ感染の次の波や、新たなパンデミックに備え、都立直営病院の再整備こそ必要と考えます。
そこで、東京都に対し、都立・公社病院の独立行政法人化は中止するよう求めて下さい。
東京都の新たな病院運営改革ビジョンでは、都立病院、公社病院の地方独立行政法人への移行は、地域医療構想の目的である、「効率的で不足のない医療提供体制」を構築するものとしています。
これは、都立病院、公社病院が、今後、感染症医療をはじめとした、様々な医療課題に柔軟かつ機動的に対応できる、行政的医療の提供体制の強化につながるものと認識しており、東京都の動向を注視してまいります。
3、「住まいは人権」を保障する北区政に
大きな3点目に「住まいは人権」を保障する北区政をめざし、3つ質問します。
(1)コロナ禍の下での北区の基本姿勢について
1つめに、コロナ禍での住まいに対する基本姿勢についてうかがいます。
2015年に、誰ひとり取り残さないことを掲げ、国連で採択されたSDGsには、12番目に「持続可能な都市及び人間居住の実現」があります。宣言の翌年に開かれた第3回国連人間居住会議、ハビタットⅢは、国や地方自治体が居住の権利の保障を目指すことを宣言しています。
コロナ禍の下、収入減で住まいを失ったり、失いかねない状況に陥っている方が増えていますが、今こそ、居住権を保障する住まいの確保が重要です。
寒い冬も暑い夏も、身体や心を休め、明日のための準備をする場所が、家です。収入が少なくても、貯金がなくても、社会の一員として生きるために必要なのは住まいです。区民の命を守り抜くうえで、住まいを人権として守る区政の真価が問われています。
区長、区民の住まいを守り抜き、住まいを失う区民を一人も出さないという基本的姿勢に立ち、住宅施策や居住支援制度の抜本的な拡充を図ることが、今ほど求められる時はないと考えますが、区長の決意をお聞かせ下さい。
次に、「住まいは人権」を保障する北区政についてのご質問に順次お答えします。
はじめに、コロナ禍の下での北区の基本姿勢についてです。
コロナ下における居住支援策として、東京都は、TOKYOチャレンジネットのほか、民間ホテルを借り上げた一時的な居所の提供を実施しています。
北区においても、その利用をご案内していますが、社会福祉協議会の対応も含め、令和3年度の実績は今のところございません。
引き続き、東京都と連携した対応を図ってまいります。
また、区ではこれまで、高齢者をはじめとする、住宅確保要配慮者の、民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るため、支援策の情報提供や施策の検討を行ってまいりました。
この度、新たな施策として、不動産関係団体や居住支援法人が有する、地域の居住支援に関するノウハウやネットワーク等を活用し、区と相互に連携することにより課題の解決を図る包括支援協定を締結することといております。
具体については、本定例会の所管委員会にご報告いたします。
引き続き、区としましては、北区居住支援協議会において、関係機関との情報共有と連携の強化を図り、住宅に困窮する区民の支援に、取り組んでまいります。
(2)都営住宅の空き室活用を
住まいの質問の2つめに、都営住宅の空き室の活用について質問します。
東京都は、緊急事態宣言の下、東京チャレンジネットを通じた相談活動の中で、都営住宅の空き室やビジネスホテルを活用した緊急一次宿泊を実施しました。都営住宅は70戸が活用されています。
そねはじめ都議会議員の調べでは、10年ほど前に1万3000戸、4年前には2万戸程度であった空き室が、最近ではなんと2万8000戸程度に増えています。現に最近、堀船の都営住宅を目視で確認したところ、空き室が80戸以上あったとのお話も聞いています。
都は建て替え用に一定数の空き住戸が必要としていますが、明らかに必要以上の空き室が存在しています。
そこで、新型コロナの影響で住居を失った人や失いそうな人に、都営住宅の空き室を大規模に提供するよう東京都に求めて下さい。
東京都からは、都営住宅の建て替え事業を円滑に進めるために、工事中の仮移転または本移転先として、一定数の空き室を確保していると聞いています。
また、新型コロナウイルス感染症による影響を踏まえ、都営住宅の毎月募集と、常時申込み可能な随時募集の拡充や、TOKYOチャレンジネット事業に、都営住宅を一時利用住宅として提供するなど、生活に困窮する都民への、居住支援の充実を図っていると認識しています。
これら様々な支援策を東京都が講じていることから、区としましては引き続き、東京都の取り組みを注視してまいります。
(3)民間賃貸住宅の空き室を住宅困窮者が使えるように
住まいの質問の3つめは、民間賃貸住宅の空き室を生活困窮者に提供するしくみづくりについてです。
住居を失っている方が福祉事務所に相談に来た場合、北区では多くの場合、特別区の共同事業である自立支援センターか、NPO法人などが運営する一時保護所、無料低額宿泊所をご案内しています。相部屋などでの集団生活になじまない人については、住宅扶助の基準内で提供される簡易宿泊所、いわゆる「ドヤ」という施設を勧めることもあるのとことです。
しかし、一時的にせよ、決して恵まれているとは言えない居住環境で生活せざるを得ないことは、住居を喪失した人にとってはさらなる苦痛を強いられるものに他なりません。
この間、私たちの相談の中で、すぐにアパート設定、すなわち賃貸契約にならずとも、民間賃貸住宅の空き室を住宅扶助の基準に収まるよう日割りで提供してもらい、一時的な居住施設として利用しながら生活保護の受給に至るケースも生まれています。
そこで、居住支援協議会とも連携し、住居を失った方が生活保護の申請をする際に、民間賃貸住宅の空き室を活用できるしくみを構築するよう検討を求めます。お答えください。
次に、民間賃貸住宅の空き室を住宅困窮者が使えるように とのご質問にお答えします。
生活保護開始時において、申請者個々の状況に応じた適切な保護を行うために、その確認等に要する期間、一時的な居所をご案内する場合がありますが、その後の対応として、アパート等への転居を原則とした適切な対応に努めております。
区といたしましては、住居を失った方が、生活保護の申請をする際には適切な支援が必要と考えており、居住支援協議会との連携、および、他区の事例調査など、研究してまいります。
4、少人数学級促進と子どもの意見が生きる学校づくりを
大きな4点目は、少人数学級促進と子どもの意見が生きる学校づくりを求めて、3点質問します。
(1)少人数学級の促進と教室確保について
1つめは、少人数学級の促進と教室確保についてです。
少人数学級の実現を求める世論と運動が大きく広がる中で、ついに文部科学省は、この4月から小学2年生の35人学級を実施、今後5年間で小学校全学年へと広げる計画に踏み出しました。少人数学級の実現のためには、教員と教室の確保が不可欠ですが、今回は、教室の確保に焦点をあて質問します。
第1に、確保が必要な教室数についてです。
先の第1回定例会文教子ども委員会では、人口推計を基にした児童数増加への対応策が示されましたが、今後の小学校における35人学級完全導入に向けては、各学校の諸室の利活用状況をさらに精査して、教育環境の確保に取り組むとされました。
そこで、今後5年間で35人学級を全小学校に導入するために、現時点ではどれくらいの教室を新たに確保する必要があると考えているか、教育長にお尋ねします。
第2に、教室を確保するための国庫補助の増額についてです。
私はこれまで、学校改築に関わる国庫補助の引き上げを繰り返し求めてきました。かつて2分の1あった国の負担は、現在、北区の実績で5%程度に激減しています。今後、35人学級の完全実施に向けては、必要な教室の確保に多額の経費がかかります。
そこで、35人学級の完全実施に向け、学校改築や教室の増築工事などに対する国庫補助の抜本的増額を強く国に求めて頂きたい。
第3に、小中学校での35人学級前倒し実施と、30人学級への前進についてです。
小学校のみならず、中学校での35人学級実施を求める保護者の声も強まっています。国の制度を土台としつつ、東京都として独自に少人数学級の拡充を図ることが必要です。
小中学校の35人学級を、国制度を前倒しにして全学年で実施し、さらに都独自に30人学級を推進するよう東京都に求めて頂きたい。ご答弁下さい。
はじめに、確保が必要な教室数についてです。
令和2年度の東京都教育人口推計等に基づく試算では、35人学級が完全実施される令和7年度において、児童増による影響を除いた増加分として、34学級が増加する見込みとなっており、学級数に応じた教室確保が必要になると考えています。
次に、教室を確保するための国庫補助の増額についてです。
35人学級の導入に伴う施設整備については、国から、大規模改造などの既存の補助メニューを活用するよう通知がなされており、国からの施設整備への補助は限定的となっています。
区といたしましては、学校施設整備に係る財政支援の充実・強化について、全国市長会や特別区長会を通じて、引き続き、国に要望してまいります。
次に、小中学校の35人学級を、国制度を前倒しにして全学年で実施し、さらに都独自に30人学級を推進するよう東京都に求めることについてです。
区はこれまでも、国に対して、全国市長会を通じ少人数学級の実現を求めており、東京都に対しても、特別区の教育長会を通じて、段階的な35人学級の実現を求めてまいりました。
このたびの義務標準法改正で、今年度から段階的に小学校での35人学級が導入されますので、教室数も含めまして、まずは段階的な35人学級の実現に向けて対応してまいります。
なお、中学校での少人数学級の実現についても、国や東京都に対し、他自治体と連携して、必要な対応を行ってまいります。
(2)GIGAスクールの現状とオンライン授業の課題について
学校づくりの2つめに、GIGAスクールの現状とオンライン授業の課題について3点質問します。
第1に、「1人1台端末」の整備についてです。
5月の大型連休を前後して、区内の児童・生徒に「1人1台端末」のChromebookが配られ、GIGAスクール構想が動き出しました。ところが、その直後、IT業界で仕事をしている保護者から、「子どもたちに配られた端末で、容易に有害サイトにつながってしまう」というご指摘が寄せられました。教育委員会に確認したところ、「初回の起動の後、フィルタリング機能が作動するまでのごく短い時間につながる可能性もあるが、その後はセキュリティシステムによってブロックされる」とのことでした。
こうした点をふまえ、端末の活用については、児童・生徒に配る前にフィルタリング機能を作動させること、また、子どもの利用状況を保護者が確認できるよう履歴管理機能を追加することを求めます。お答え下さい。
第2は、IT支援員の配置についてです。
オンライン授業は教員にとってもハードルの高いものです。効果的な授業を実践するためには、教員自身がIT技術を身に付けることが必要であり、専門知識を持つIT支援員による手厚い支援が求められます。
そこで、IT支援員は各学校に1人以上常駐させるなど、抜本的に配置を強化するよう求めます。
第3に、メディアリテラシー教育について問います。
子どもも、保護者や教員も、メディアからもたらされるさまざまな情報を主体的かつ批判的に受け止め、読みこなす能力を身に付けることが必要です。
電子メールやウェブサイトなどで発信する情報がもたらす影響を予測する能力、双方向コミュニケーションにおけるトラブルを回避する能力、インターネット社会における悪意や犯罪の存在,それを防ぐためのセキュリティの知識など、子ども、保護者、教員それぞれへのリテラシー強化の取り組みについてご答弁ください。
次にGIGAスクールの現状とオンライン授業の課題についてです。
はじめに、端末配布前におけるフィルタリング機能の作動と履歴管理機能の保護者による確認についてです。
学習用端末の導入にあたっては、ICTを活用した学びの幅を制限することなく、安心・安全が確保できるよう、有害サイトの閲覧を遮断するフィルタリング等の手段を適切に講じています。
この設定では、学習用端末にログインを行ったアカウントに応じて、順次クラウド上からデータが、インストールされる仕組みとなっております。
そのため、各学校には、児童・生徒が初めて学習用端末にログインするとき、必要な設定が完了してから利用を開始するなど、適切な運用方法の周知徹底を図ってまいります。
次に、保護者による履歴管理機能の確認についてです。
貸与する端末の使用者のみが使用することとしており、保護者が使用することは想定しておりません。
また、仮定における使用にあたっては、端末の目的や趣旨を踏まえ、不適切なサイトにアクセスしないなど、まずは家庭における使用にあたってルールを徹底することが重要と考えています。
情報モラル教育を含めた正しい利用方法の指導を行うとともに、児童生徒の利用状況によっては、学校を通じて指導するなど、安全・安心に利用できる環境を構築してまいります。
次に、ICT支援員を各学校に1人以上常駐させるなど、抜本的に配置を強化するよう求めることについてです。
GIGAスクール構想実現にあたっては、教員のICT技術の向上も必要と考えております。
このため、ICT担当教員の向け研修のほか、一般の教員向けにも、ソフトウエアの使い方などの研修を複数回予定しております。
また、今年度はICT支援員の配達に加え、メールや電話で問い合わせが可能なサービスデスクを用意しており、こうしたものを活用することにより、教員のICT技術の向上も図れるものと考えております。
次に、「子ども、保護者、教員のリテラシー強化」についてお答えします。
情報リテラシーは、情報活用能力と言い換えることができ、学習指導要領においても、言語能力と同様に学習の基盤となる資質・能力に位置づけられています。
本区ではこれまで、「新聞大好きプロジェクト」を実施し、アナログ情報の活用場面における情報活用能力の育成を行ってきましたが、今後は、学習用端末を活用する過程におけるデジタル情報を扱う場面で遭遇するトラブルから情報の発信や受け止め方を学ぶことも重要と考えております。
各学校では、教育委員会が示した「情報モラル教育モデルカリキュラム」や東京都教育委員会の「情報活用能力 東京モデル」などを参考に、子どもの発達段階に合わせた系統的な情報活用能力の育成を図ってまいります。
また、各校の情報教育担当教員を対象にICT教育アドバイザーを講師とした研修を実施したり、全教員を対象とした教育課題研修では、情報教育や情報モラル教育の専門家による講演を行ったりして、理解を深めてまいります。
さらに、保護者に対しては、セーフティ教室での意見交換会や保護者会にて子どもたちが授業で使用した教材や資料を紹介し、啓発してまいります。
(3)校則や学校運営の改善を
学校づくりの3つめに、校則や学校運営の改善について質問します。
この間、日本共産党都議団は、都立高校のツーブロックの髪形を禁止する校則や、「地毛証明書」を提出させるなどの問題の改善について、都議会で取り上げてきました。質問は、新聞やテレビ番組で大きく報道され、動画が650万回再生されるなどの大きな反響もありました。
こうした中で、都教育委員会が、「すべての教育活動は生徒の人権の尊重を基本として行う」、「生来の頭髪を一律に黒染めするような指導は行わない」などの「通知」を出したことは、改善への大きな前進です。
一方、小学校においても、体操着の下に下着を着てはいけないなどの不合理なルールが国会で議論され改善通知が出されました。そんな中、北区では、汗をかいた体操着を学校においたままで週末にしか持ち帰ってはいけないという、不合理なルールについて保護者の間で話題になっていると伺いました。そこで質問です。
体操着の持ち帰りは週末だけといったルールについてまず実態をお答えください。
あわせて、中学校の理不尽な校則も、実態に合わない小学校の学校運営のルールについても、こどもたちの意見をよく聞くこと、あわせて、保護者や教員がよく話し合うことが出来るようにして、改善を進めることを求めます。ご答弁ください。
はじめに「体育着の持ち帰りは週末だけというルール」ですが、各学校が定めている「学校の決まり」にはそのようなルールは規定されておらず、また、いずれの学校においても、「週末にしか持ち帰ってはいけない」という指導は行っていないことを確認しました。
また校則やルールについて、子どもの意見を聞くとともに、保護者や教員が話し合うことについては、現在も中学校の生徒会活動の中で、生徒会の設置した目安箱に寄せられた生徒の意見を参考にして「学校のきまり」の変更を行ったという事例があり、学校評価やPTA運営委員会、学校評議員会等で保護者の意見をうかがう機会もあります。
学校運営のルールや決まりについて、学校にかかわる様々な立場の方の意見をもとに改善を図っていくことは教育的にも有意義なことであり、子どもの主体性や社会への参画意識をはぐくむことも重要であると考えますので、各校の取り組み事例などを他校にも紹介するなどにより学校運営における改善につなげていければと考えております。
(4)子どもの権利条例の制定を
子どもにかかわる最後は、子どもの権利条約の制定です。
子どもの権利条約が批准されて25年以上が経ちましたが、日本社会では多くの点で、いまだ子どもの権利が守られていない現実がある中、自治体が子どもの権利について規定する条例を制定することは、きわめて重要です。
東京都でも、全会派一致で子ども基本条例が制定されました。
子どもの権利条約の定めるこどもの生きる権利、育つ権利、守られる権利及び参加する権利や、学ぶ権利などが規定、明記されました。
本区では、ぜひ、子どもの意見表明権などを明記し、子どもの声も聴きながら子どもの権利条例を作りたいものです。
北区でも、子どもの権利条約が生きる、子どもの権利条例制定を行うべきと考えますが、区長および、教育長の答弁を求めます。
令和3年第1回都議会定例会において、議員提案された「東京都子ども基本条例」が全会派一致で可決・成立し、四月1日から施行されました。
東京都からは、特別区児童主管課長会を通じて、「子どものあそび場、居場所づくり」や「子どもの権利擁護」において、条例の趣旨を踏まえて、今後とも各市区町村と連携したいとの説明があったところです。
また、子どもの権利に関する条例は、23区中3区が制定しており、現在検討中の区もあると伺っております。
北区においては、「児童の権利に関する条約」の基本的な理念を、「北区教育・子ども大綱」や「北区子ども・子育て支援計画」などに反映しており現時点では、「子どもの権利に関する条例」の検討は行っておりませんが、今後、他自治体の動向を把握しながら、条例制定の意義や効果についても調査研究を進めてまいります。
5、補助92号線事業と第二中里踏切の廃止について
大きな5点目の質問は、補助92号線事業と第二中里踏切の廃止について、住民の要望に応えることです。
この3月補助92号線の、田端6丁目部分、山手線・湘南ライナーの掘り割りを渡る跨線橋新設と、中里3丁目部分、現在放置自転車の移送場所と、遊び場などで活用している部分が事業認可されました。ほぼ100年近く前に都市計画されたものがようやく動き出す部分です。
認可申請にむけて東京都第六建設事務所が事業計画を説明する文書が配られて、跨線橋の橋台を地盤面より中里側で2.5mも高く上げることがわかり、心配の声が寄せられました。「放置自転車の移送場所より手前になる分岐点から跨線橋まで、100mを超える区間を盛り土のスロープにするので、このスロープが壁のように立ちはだかり交差する道路が使えなくなるのでは」「高齢者や障害者、ベビーカーや自転車、通学通園などのバリアフリーは大丈夫か?安全は確保出来るのか」そして「補助92号線で地域が分断されるのではないか」などです。認可の後で地元の要望に応え、第六建設事務所が住民へ説明を行いました。
そこで質問です。
まずどのような要望が出されたのかご答弁ください。
次に北区としてその要望をどう受け止めたのか。
3つに、バリアフリーの実現、居住環境の保全、地域分断を回避するために、道路をつくる東京都への働きかけを求めるものですが、どんな内容でどのような働きかけをお考えか。ご答弁下さい。
次に、第二中里踏切についてうかがいます。2030年度以後になる補助92号線の跨線橋が出来てから廃止とのことです。これまでは踏切を廃止してバリアフリーで鉄道を横断する人道跨線橋を作る方針でした。それが、昨年の第4回定例会で、このバリアフリーでの鉄道横断計画をやめ、踏切の完全廃止方針が報告されました。
鉄道を渡るには急坂を200m上り、さらに階段を2.5m登って跨線橋をわたるか、下り坂を300m下って中里第一隧道で線路をくぐってまた坂道を上がるしかなくなります。
改めて、山手線をバリアフリーで横断できるまちづくりの在り方をぜひお示しください。
以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
はじめに、補助第92号線事業について住民の要望に応えることについてです。
今回事業認可されました都市計画道路補助92号線の道路整備にあたり、東京都の説明に対して、地元の皆さまからは、お示しの事項に加え、橋梁部を含めた道路形態、今後の説明会の開催、完成後の沿道環境などへのご要望がありました。
事業主体である東京都は、今後、測量・調査、設計などを通じて詳細な検討を進めるとしております。
また、工事期間中も含めて、地域の皆様のご意見を伺いながら関係機関と調整し、丁寧に対応していくと聞いております。
区といたしましても、地元の皆さまからのご要望を貴重なものと受け止め、バリアフリー化を含めた道路構造の検討や交通処理及び周辺の居住環境の保全につきまして方針を整理し、随時、東京都と協議・調整を行い、安全性や利便性への配慮を図りつつ事業の円滑な進捗に努めてまいります。
次に、第二中里踏切廃止後のバリアフリーへの対応についてです。
第二中里踏切は、開かずの踏切として改良すべき踏切道に指定されたため、JRとともに、改良方法の検討を進めてまいりました。
その結果、地域の安全性とともに、費用対効果等、慎重かつ総合的に判断し、補助92号線完成後に踏切及び中里橋を撤去することといたしました。
区といたしましては、踏切廃止後のバリアフリーへの対応については、周辺案内の充実を図るなど、検討を行ってまいります。