2021年第2回定例会個人質問―せいの恵子
2021年6月15日 | せいの恵子
私は大きく3点、区長、教育長に質問します。
1、生理の貧困と性教育の充実について
大きく1つめの質問は、生理の貧困と性教育の充実についてです。
(1)北区の防災備蓄生理用品無料配布の実績と今後の取り組みについて
コロナ禍では女性の経済的困窮や自殺の増加など女性の貧困が浮き彫りになり、生理用品が買えずに学校を欠席したり、生理用品を買うために食費を切り詰めたりするなど、「生理の貧困」が深刻になっています。
今年の予算委員会で私は、コロナ禍で一層顕在化した女性の「生理の貧困」について、区はどのように認識しているか。また、生理用品の保障について取り組みを検討していただきたいと問いました。
そして北区でも希望する女性を対象に防災備蓄生理用品2500セットを区内7ヵ所で配布することが実現しました。生理用品を受け取った女性からは「しばらく生理用品を買わなくていい。本当に助かった」「生理用品を買うお金を他に回せる。生活が苦しい中でうれしい」などの声を聞きました。
この間、女性を中心に「生理用品はぜいたく品ではなく必需品だ」と訴え、ジェンダー平等の課題としてかかげ、「生理は人権」の声が政治を動かしてきました。
政府の男女共同参画会議は6月1日、新型コロナ感染拡大で顕在化した「生理の貧困」への支援を盛り込んだ「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」を了承し、自治体が行う生理用品の提供を、「地域女性活躍交付金」により支援、「生理の貧困」にある女性や子どもに寄り添った相談支援を行うとしています。東京都でも災害用備蓄の生理用品27万枚を区市町村を通じて都民に配布することが決まりました。
中野区では4月の定例会見で、民間業者と協力し、生理用品を永続的に無償配布する取り組みを進め、区の負担なく生理用品を提供できるスキームを検討、8月にも開始予定と発表しました。
そこで伺います。1つ目に、今回の防災備蓄生理用品の無料配布実績をお知らせください。
2つ目に、中野区では貧困という視点だけではなく、「女性だけが生理用品を買わないといけないのはジェンダーギャップではないか」という社会の流れにも敏感に目を向けたとしています。リプロダクティブ・ヘルス&ライツの観点からも女性が抱える生殖機能の負担を社会が少しでも支えるという考え方のもと今後も継続した取り組みを求めます。
お答えください。
【答弁】
コロナ禍の中、経済的な理由で生理用品を購入できない女性を支援するため、緊急対応として3月25日から4月9日までに実施した防災備蓄生理用品の配布数は、2500セット中1289セットでした。
残りの1211セットについては、緊急事態宣言解除後に、社会福祉協議会を通じ、こども食堂、母子生活支援施設・児童養護施設に配布するとともに、「くらしとしごと相談センター」の窓口等でも配布を行うこととしております。
今後の取り組みにつきましては、東京都や先行自治体を参考としながら、調査・検討してまいります。
(2)学校のトイレに生理用品を
2つめに、学校のトイレへの生理用品について伺います。
4月16日、全ての人の生理に関するニーズが満たされ、どんな人も自分らしく暮らせる社会を目指して活動する「#みんなの生理」共同代表の谷口さん、メンバーの北田さんと共に、出産議員ネットワーク、子育て議員連盟 の北区メンバー、こまざき美紀区議、山崎たい子区議、私せいの恵子で区長に「学校のトイレに生理用品を無償設置することについて」要望書を提出しました。
「#みんなの生理」が行ったオンライン調査では、過去1年間で生理用品を入手するために他のものを我慢するなど、金銭的理由で生理用品の入手に苦労したことがある若者は20.1%、5人に1人という結果でした。児童・生徒の中には、虐待やネグレクト、親に生理用品を買ってと言えないなどの状況もあり、学校を休んでしまう事例もありました。
現在、品川区や豊島区などをはじめ全国で255の自治体が学校などで生理用品の配布を実施、または検討しています。また、東京都でも先日行われた本会議において、日本共産党そねはじめ都議が代表質問で生理の貧困をとりあげ、現在都立高校7校のトイレで生理用品を配備、9月からの全校実施に向けて段階的な配備を進めていると答弁がありました。
4月26日から設置が開始された神奈川県大和市のホームページでは、”生理用品が手に入らない”聞き逃してはいけない子どもたちの声として市立小中学校の女子トイレに生理用品を設置したことが紹介されています。私はすばらしい取り組みだと感じ、大和市に直接お話しを伺いました。
「生理の貧困が社会問題として取り上げられる中、様々なアンケートの結果からも『恥ずかしくて保健室に取りにいけない』、『急に生理になった時に、保健室に取りに行くまでに嫌な思いをする』などの声があること、養護教諭からも『生理用品を取りに来れない子もいる』という声もあった。『困っている子どもに手を差し伸べていくことが大切』と市長の決断で設置を決め、今後、学校や子どもたちの意見を聞き改善をしながら継続的に取り組んでいきたい」とのお話でした。
生理用品のトイレへの設置にあたっては、管理や補充など教職員の負担、子ども達への生理を含めた性教育の促進、困難を抱える子どもたちの把握と相談の機会を確保することなどの課題もあると認識しています。
しかし、生理用品の学校無償設置は、子どもたちが安心して学べる環境をつくることにつながり、トイレットペーパーがトイレにあるのが当たり前のように、誰もが必要な時に利用できることは、生理のある児童・生徒のプライバシーや尊厳を保障し教育機会の損失を防ぐことにもなります。
そこで北区でも、公立小・中学校のトイレに生理用品を無償設置することを求めます。
お答えください。
【答弁】
現在、区立小・中学校では、予備の生理用品を保健室に備え、児童・生徒が忘れた場合や急に必要となった場合に個別に配布し、必要に応じて児童・生徒の体調等の確認を行っています。
新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、経済的な理由などで生理用品を購入できない女性を支援するための一環として、学校のトイレに生理用品を設置する自治体もあり、東京都立高校においても同様の取り組みを実施することは認識しておりますが、区立小・中学校でのトイレへの設置については、設置場所の確保、補充や在庫管理の方法などの様々な課題があると考えますので、東京都や先行自治体の取り組みを調査、把握するとともに、校長会とも意見交換しながら、これらの課題解決に向けて検討してまいります。
(3)生命の安全教育について
3つめに、生命の安全教育について伺います。
子どもたちが、自分の身体や健康、そして性について自ら考え行動するために性教育は欠かせません。
昨年、文科省は幼児から発達段階に応じて「生命の安全教育」を推進することを決定し、プライベートゾーン、性暴力、SNSのリスクなどの啓発を行うこととしました。これは、性犯罪・性暴力の根絶に向けて、誰もが、加害者にも、被害者にも、傍観者にもならないよう、教育・啓発の強化等の実効性ある取り組みを速やかに進めていくものであり、具体的には、生命の尊さを学び、性暴力の根底にある誤った認識や行動、また、性暴力が及ぼす影響などを正しく理解した上で、生命を大切にする考えや、自分や相手、一人一人を尊重する態度等を、発達段階に応じて身に付けることを目指すものです。
そこで伺います。北区として幼児期からの「生命の安全教育」をどのように具体化し、取り組んでいくのかについてお聞かせください。
今年の予算委員会で私は、デートDVの啓発への取り組みを質問し、教育委員会は2月にも北区作成のパンフレットが区内の区立・私立中学校22校の3年生全員と、都立・私立高校14校に配布されたこと。デートDV講座も2021年度北区では350人が受講し、生徒からは「自分はしていないが考えさせられた。DVは自分に関係ないと思っていたが、これからは自分も気をつけ、悩んでいる人にも声をかけていければと思う」との感想もあったとお答えがありました。
コロナ禍で授業時間確保も厳しい中での取り組みに感謝するとともに、子ども達も先生も保護者もリーフレットの内容を共に学び・活用し、人と人のより良い関係を拡げていけるきっかけになればと思っています。
性差別とDVのない社会を目指して活動している市民活動団体アウェアでは、コロナ下で対面講座を行いにくい状況を鑑み都内の全自治体に対して、学校用にデートDV防止プログラムを映像にした教材の活用を案内しています。
そこで伺います。生命の安全教育では、DVやデートDVの防止が教育の1つの柱となっています。北区として、こうした映像教材も活用しながら、今後もデートDV講座の受講を中学校全校で推進することを求めます。お答えください。
【答弁】
はじめに、幼児期からの「生命の安全教育」の具体化についてです。
性犯罪や性暴力は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、その心身に長期にわたる重大な悪影響を及ぼすため、その根絶に向けた取り組みを強化していく必要があると考えます。
「生命の安全教育」に関する手引きや教材については、本年4月に各学校に通知しましたが、今後、人権教育研修会や生活指導主任会等の教員研修において活用するとともに、幼稚園・こども園から小学校、中学校へとつながる子どもの発達段階に応じた啓発・指導や、学校・園の状況を踏まえた取り組みの推進に生かしてまいります。
次に、デートDV口座の中学校全校での推進についてです。
現在、中学校ではセーフティ教室を実施して、デートDVについての正しい知識を身に付けるよう指導するとともに、一部の中学校では、区長部局が実施しているデートDV講座に生徒が参加して、さらなる知識と意識の向上に努めています。
文部科学省が中学校向けに作成している「生命の安全教育」の教材には、性暴力としての「デートDV」や「SNS等を通じた被害」についての例示、性暴力被害に遭った場合の対応等について示されておりますので、今後はこのような教材も活用しながら、DVやデートDV防止の取り組みを各学校の教育活動の中で展開できるよう周知してまいります。
なお、ご紹介いただいた映像教材については、今後内容等を確認させていただいた上で、必要に応じて中学校に情報提供してまいります。
2、学校以外の子どもたちの学習支援と居場所について
大きく2つめの質問は、学校以外の子どもたちの学習支援と居場所についてです。
北区では、生活困窮者自立支援法にもとづく子どもの学習支援として、委託を受けた社会福祉協議会が、7ヵ所の学習支援教室を区民ボランティア主体で実施しています。そこでは、複雑な家庭環境や障害、不登校など様々な困難を抱える子どもたちが、ボランティア講師とのかかわりの中で学ぶ意欲を持ち、学習支援だけではなく一人ひとりの状況に合わせた関わりや継続的なサポートが行われています。また、保護者から寄せられる相談にも寄り添い学校や関係機関との連携も行っています。
私は、学習支援教室を実施しているボランティア団体の皆さんから、運営にかかわる改善について要望をうかがいました。以下2点質問します。
(1)学習支援教室の運営費について
まず、1点目は、運営にかかわる補助についてです。現在、社会福祉協議会から教材などは一括して支給されていますが、ボランティア講師についてはクオカード500円分が交通費として渡されているだけです。
ボランティア講師の確保についてはかねてから課題となっており、地域の方たちだけでは不足するため大学生の登録を行っています。志があり、子どもたちにとって年齢も近い大学生講師は、身近なロールモデルとして欠かせない存在ですが、経済的な余裕がない中でアルバイトを調整しボランティアに参加していること、卒業後の継続は困難なため、常に新規のボランティアを募集しなければならないことなど課題です。
そこで伺います。
子ども達と継続した関係性のなかで信頼関係を築いている学生ボランティアが継続して関わる体制が必要です。講師謝礼が支払えるよう運営費などの予算措置を区として行うように求めます。お答え下さい。
【答弁】
この事業は、北区社会福祉協議会が地域と緊密に連携できる体制があり、地域団体を活用することが、地域のおける絆づくりなどの波及効果も期待できることから、区が北区社会福祉協議会に委託しています。
委託内容は、各地域の学習支援団体が円滑に稼働できるよう、社会資源の活用やスタッフへの研修を行うなどのコーディネート業務であり、各学習支援教室の取り組み内容については、各団体が、過去の活動経緯なども踏まえ決めています。
また、取り組みを担うスタッフの年齢や職種も様々な状況です。
学生ボランティアへの講師謝礼の支払いについては、必ずしも同一とは言えない各学習支援教室の取り組み状況などを、どのように整理するかといった課題もあることから、現状では難しいと考えています。
なお、区としては、今年度から学生ボランティアに対し、交通費相当額としてお渡ししているクオカードの増額を図ったところです。
(2)学習支援教室からみらいきたへの移行が困難な子どもの支援について
2点目に学習支援教室から、みらいきたへの移行が困難な子どもの支援についてです。
平成29年10月から、中学生の学習支援教室については、高校進学を重視し、子ども未来課の単独事業として株式会社に委託、令和2年度は区内7教室で170名の生徒が利用し、進学につながる成果となっています。
しかし一方で、学習支援教室を利用している小学生の中には、新しい環境が苦手である、発達障害や家庭環境から他者への不信感があるなど個別なサポートを必要とし、みらいきたへ応募できない子ども達もおり、地域の学習支援教室がその受け皿となっています。移行に不安を抱える子どもたちが継続して学習指導を受け、居場所を確保できるようにしていく体制が北区として問われています。
そこで伺います。困難を抱える中学生に対しての学習支援や居場所づくりを北区が責任を持ち行っていく体制づくりを求めます。お答えください。
また、様々な困難を抱える子ども達への対応について、専門家からのアドバイスも時には必要となります。北区として学習支援教室から相談があった場合、どのような対応がとられているのかお聞かせください。
【答弁】
みらいきたは、特別支援学級やことばの教室に通う生徒、自閉症、ひきこもり、不登校などの生徒も受講しており、発達障害などの理由で受講をお断りした事例はありません。
みらいきたは、基本的に個別指導を行っており、集団指導より、様々なケースに対応できていると考えているところですが、ご家族の状況や発達障害などの理由で、申し込みをちゅうちょする場合もあるため、学習支援団体から個別のご相談があった時は、みらいきたへの勧奨に限らず、そのケースに応じて、子ども家庭支援センターや教育総合相談センターなどの専門的な窓口において連携した対応を行っています。
なお、児童相談所等複合施設基本構想では、子ども家庭支援センターと教育総合相談センターの複合化を計画しており、今後さらにハードとソフトの両面から、様々な状況に置かれている子どもの相談窓口機能について検討を進めてまいります。
(3)子どもの居場所の拡充を
3つめに子どもの居場所の拡充について伺います。
学習支援教室をはじめ、地域の子どもにとって学校や家庭以外の居場所があり、親以外の大人と関わることや新しい友達ができることは、子どもの個々の成長にとって大きな意味を持ちます。
滝野川に昨年開設された一般社団法人ピノッキオは子どもの居場所、更に家庭・地域・学校を巻き込んで多世代が共存する居場所となっています。特に平日の16時から18時は地域の小学生が利用できる放課後クラブの時間として設定され、ボランティア3名が見守る中、平均30名程度のこどもたちが室内や近くの公園で自由に遊び元気な声が聞こえてきます。
放課後クラブは当初、ピノッキオで行う予定はありませんでした。しかし、自然に子ども達が集まるようになったことや、小学生だけでなく中学生からも通いたいという意向もあり、今では「子どもボランティア制度」もつくり、登録した小学1年生から中学生が赤ちゃんのお世話やおやつを出すお手伝い、花への水やりなど、子ども達でルールを作りながら自分のできること、やりたいことを行っています。
今、北区内にはこうした居場所が地域の皆さんの活動から生まれていることはすばらしいことではないでしょうか。
このような子どもの居場所、豊かな育ちを支える民間の活動に対し、区が積極的に支援してほしいと要望しますが、区の考えをお聞かせください。
【答弁】
北区では、放課後の安全な居場所として、全ての小学校施設で、「放課後子ども教室」と「学童クラブ」からなる放課後子ども総合プランを展開しています。
また、NPO等の団体が運営する学習支援教室や子ども食堂は、地域が子どもを育てる活動であるとともに、様々な状況や個性を持つ子どもを孤立させない大切な居場所であると認識しています。
ご紹介のあったピノッキオをはじめ、区内17の団体の皆さまとは、子ども食堂の活動を通じて連携しているところですが、今後、意見交換、交流の場を設けるなど、さらに協働関係を深めながら、国の補助制度活用の可否などについて、検討してまいります。
(4)子どもの権利条例制定に向け、区民と協働の取り組みを
4つめに子どもの権利条例制定に向け、区民と協働の取り組について伺います。
コロナ禍で、大きな影響を受けた子どもたちの権利を守ることも欠かせません。今年4月、都議会が全会派一致で可決した東京都子どもの基本条例が施行となりました。先に述べた、一般社団法人ピノッキオには、子どもの権利条約普及啓発のプロジェクト事業、スウェーデンの画家チャーリー・ノーマン氏のイラストが壁一面に飾られています。代表理事の川名はつ子さんは、「どの子も幸せに育つために、子育てを各家庭に任せきりにするのではなく、地域の皆で子どもの成長を見守っていくことが必要。そのために、子どもの権利条約を基盤に据えて取り組んでいく必要がある」と話されています。
コロナ禍の今だからこそ、すべての子どもが生まれながらに持っている「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」「意見を表明する権利」などが保障されるよう、北区でも子どもの権利条例の制定に向けて、今こそ区民と協働で学び、取り組むようを求めます。お答えください。
【答弁】
北区においては、「児童の権利に関する条約」の基本的な理念を、「北区教育・子ども大綱」や「北区子ども・子育て支援計画」などに反映しており、現時点では、「子どもの権利に関する条例」の検討は行っておりませんが、子ども・子育て会議の場や、「北区教育ビジョン」、「北区子ども・子育て支援計画」改定などの時期をとらえて、区民の皆さまにもご意見を伺いながら、その意義や効果について調査研究を進めてまいります。
3、コロナ禍の下でのひきこもり支援について
大きく3つめの質問は、コロナ禍の下でのひきこもり支援についてです。
(1)第 1 回ひきこもり合同相談会の実績と今後の取り組みについて
昨年度から「ひきこもり関係課連絡会」が立ち上がりました。そして、今年3月18日には、当事者やご家族が、より良い支援をみつけるきっかけづくりとして、第1回目のひきこもり合同相談会が行われました。当日は、健康推進課・障害福祉課・北区くらしとしごと相談センターのほか、協力アドバイザーとして不登校・ひきこもりの自主家族懇談会「赤羽会」のメンバーが対応されたとお聞きしています。
私もこの間、ひきこもり相談の体制充実を求めてきましたので、このような取り組みが行われたことを大変うれしく思っています。
そこで4点伺います。
1つ目に、今回の合同相談会の問い合わせ数と利用者数、相談に至ったケースのその後のフォローアップの状況についてお知らせください。
2つ目に、「関係課連絡会」の今年度の取り組み予定と今後の方向性についてお示しください。
3つ目に、家族会赤羽会にも協力を頂きながら、引き続き合同相談会を開催することを求めます。
4つ目に、相談会の開催や支援などの情報が、必要な方に届くような広報やホームページのへの掲載についての取り組みを求めます。以上お答えください。
【答弁】
最初に第1回ひきこもり合同相談会の実績と今後の取り組みについてのうち、合同相談会の実績とその後のフォローアップの状況についてです。
3月18日に開催した「ひきこもり相談会」では、9件の問い合わせがあり、うち5件の相談を受け付けました。
相談内容は、くらし、自立、就労など多岐にわたり、くらしとしごと相談センターなど、関係機関を紹介し、今後の相談につなげる対応をしています。
今回、相談に至らなかった4件についても、お話を伺い、必要な機関を紹介しています。
さらに、継続的な支援が必要なケースについては、電話や面接による相談を継続しています。
ひきこもり相談会の実績については、所管委員会でご報告いたします。
次に、庁内連絡会の今年度の予定と今後の方向性についてです。
ひきこもり関係課連絡会は、令和2年度は5回実施し、各課の現状や課題の共有、ひきこもり相談会の開催について検討するなど、庁内関係課の連携を強化してまいりました。
今年度の連絡会についても、5回の開催を予定しています。
今後、連絡会では、国が示す区市町村のプラットフォームの設置など、ひきこもり支援に関する課題について検討してまいります。
次に、引き続き合同相談会を開催することと、広報やホームページでの周知についてお答えします。
ひきこもり相談会は、複数の関係課が、家族会と連携して、合同で相談に応じることで、相談者を適宜、必要な窓口につなぐことができる場所と考えています。
2回目の相談会については、家族会のメンバーの協力も得ながら、7月8日の開催を予定しており、秋ごろにも開催する予定です。
また、相談会の開催については、北区ニュースで周知するとともに、ホームページでの掲載を予定しています。
(2)オンラインでの居場所づくり・相談について
2つめにオンラインでの居場所づくり・相談について伺います。
先日私が参加したNPO法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会の勉強会では、コロナ禍の下、支援の縮小・延期・中止で外出を控えたり、来所する場が無くなり、再びひきこもり状態に戻る、ひきこもり加速が進んでいること、同様に家族も孤立感を募らせていると伺いました。
家族と当事者の支援機関の利用状況では、家族は66%、当事者は27%となっており、家族や当事者が孤立せずエネルギーを回復できる環境づくりが必要です。
兵庫県では、ひきこもり状態にある方を対象としたオンライン会議アプリを活用した居場所を、県内10ヵ所に開設しています。これは、対面でのコミュニケーションや外出することが苦手な方など、実際に居場所に行くことが困難な場合にも参加できる、「中間的・過渡的な居場所」として、現実の居場所に加えて、ひきこもり支援の方策のひとつとして実施され、注目されています。
そこで伺います。ひきこもり支援を行う家族会などと協同し、オンラインでの居場所づくりやオンライン相談などの検討をして頂きたいと考えますがいかかでしょうか。
また合わせて、オンラインが使用できない当事者や家族に向けて居場所を確保できるよう、居場所活動をしている家族会への支援を求めます。お答え下さい。
以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
【答弁】
今年度の夏以降に、東京都ひきこもりに係る支援協議会の提言が予定されていますが、オンラインを活用した居場所づくりについては、居場所づくりの活動をしている家族会への支援を含めて、協議会の提言や、他の自治体の取り組みを参考にしながら、今後の検討課題としてまいります。