2022年第3回定例会代表質問―野口まさと
2022年9月9日 | 野口まさと
私からは、日本共産党北区議員団を代表して、区長並びに教育長に、大きく5点質問いたします。
1 北区基本構想について問う
大きく1つ目は、北区基本構想に関する質問です。
来年度の策定をめざす基本構想は、現在、中間まとめが発表され、先ごろ区民意見交換会が開かれたところです。この間の議論をふまえ、以下3点お尋ねします。
(1)人口の見通しと区民施設の拡充について
第1に、人口の見通しと区民施設の拡充についてです。
中間まとめでは、将来の人口見通しについて、2036年をピークに減少に転じるものの、2040年時点では現在と同程度になると述べています。
ところが、「(1)新しい基本構想策定の背景と目的」では、人口減少による経済規模の縮小や地域コミュニティの低下などへの懸念に言及し、「(6)区政運営」では、区が保有する財産の管理運営及び活用にあたり、長期的な人口構造の変化も見据え、より経営的な視点をもって取り組むとしています。
「経営的な視点」といえば、これまでも学校の統廃合や区民事務所分室の全廃、さらには北区公共施設再配置方針による施設面積15%削減など、区民施設の削減が進められてきました。しかし、これらの方針は、人口が減少し20万人台後半になるとした現在の基本構想に基づくものであり、喫緊ではむしろ、教室や学童クラブなど学校施設が足りないという現実に直面しているのが実態です。質問します。
今後20年間、人口は増加し現在の水準を維持するというなら、施設削減から区民ニーズにふさわしく施設を充実させる方針への転換が必要であり、そのことを基本構想にも明記すべきではありませんか。区長の見解を問います。
将来人口の見通しでは、令和18年を人口増のピークとして、その後減少に転じるものの、令和22年時点では、現在の人口規模と同程度となるとしています。
一方、「区有施設保全計画」等において、目標使用年数を80年としているように、公共施設のマネジメントでは、基本構想とは時間軸が異なる、より長期的な取り組みが必要となります。
公共施設の整備や管理運営が、将来的に北区の財政を圧迫する要因とならないよう、施設総量の抑制という視点も踏まえ、施設のあり方を見直し、有効活用するなど、限られた資源を最大限活用した取り組みが今後も必要なため、基本構想へ施設拡充について記載することは考えておりません。
(2)貧困・格差の是正とジェンダー平等の位置づけについて
第2に、貧困・格差の是正とジェンダー平等の位置づけについてです。
中間まとめの「(1)新しい基本構想策定の背景と目的」では、なぜ新たな基本構想が必要かを述べていますが、その理由として、先ほど取り上げた人口問題のほか、地球温暖化に伴う気候変動、首都直下地震など防災・減災対策の緊急性、新型コロナウイルス感染症の流行を挙げています。
一方、世界と日本で、この20年での顕著な変化といえば、貧困・格差の拡大とジェンダー平等への意識と行動の高まりが挙げられます。
「貧困をなくそう」というのは、SDGsの第1に掲げられている目標でもありますが、日本においては相対的貧困率が15.4%、子どもの貧困率は13.5%でOECD加盟国平均を上回り、先進国でワーストレベルです。特に、ひとり親家庭の貧困率は50.4%と断トツの高さとなっています。
また、多様な性のあり方を認め合い、差別や分断をなくし、誰もが自分らしく生きられるジェンダー平等社会を求める運動が国境を越えて広がっていますが、日本ではジェンダーギャップ指数が世界146ヵ国中116位と大きく立ち遅れており、取り組みの強化が急務です。
そこで、質問します。
基本構想策定の背景として、貧困、ジェンダーの問題を位置づけるとともに、構想の理念の中に、貧困・格差の是正とジェンダー平等社会の実現を明記すべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせ下さい。
北区は、「貧困」や「ジェンダー平等」の課題解決に向け、「北区子どもの未来応援プラン」や、「北区男女共同参画行動計画」などに基づき、取り組みを進めてきたところです。
ご提案の「貧困・格差の是正とジェンダー平等社会の実現」については、基本構想中間まとめの「理念」の「すべての区民の人権が守られ、年齢や差別などにかかわらず、さまざまな個性が尊重され、いかなる差別を受けることなく、だれもが持てる能力を十分に発揮できる」や、「経済、社会、環境のすべての面をバランスよく一体的に推進することで、だれもが暮らしやすく、だれ一人取り残さない持続的な発展」へ含んで記載をしております。
なお、多岐にわたる約20年の社会情勢の変化について、新基本構想の「背景」へ、どの変化やどの事象をどこまで記載するかは、今後も審議会で意見をいただきながら、検討してまいります。
(3)「軍都から平和都市北区」への歴史をふまえて
第3に、軍都から平和都市北区への変遷の歴史をふまえることについてです。
中間まとめでは、現構想を引き継ぎ、「平和と人権・多様性を尊重するまちづくり」が理念として掲げられています。ロシアによるウクライナ侵略という事態を目の当たりにし、平和こそ根源的な理念であり、平和を願い、守ることは、北区民の尊い使命であると痛感しています。
同時に、戦前の北区は近衛工兵隊・第一師団や被服廠などが置かれた「軍都」であったこと、戦後は区内の軍事基地を解放し、住宅や学校、公園、図書館などの建設を進め、「軍都から平和都市北区」への歴史を歩んできたことを改めて胸に刻むことは、区民の平和への想いを具現化する上で、大きな力になるのではないでしょうか。
そこで区長にお聞きします。
新たな基本構想に「軍都から平和都市北区」への歴史を書き入れ、平和を北区ならではの、より強固な理念として示すよう提案いたしますが、いかがですか。お答え下さい。
北区は、戦時中、都内で最も多くの軍用地や軍需工場が集中的に立地する軍都でありましたが、戦後、区内各所で目覚ましい発展を遂げ、今日まで至っております。
区では、こうした歴史も含め、平和祈念事業等の取り組みを通じて、恒久平和の理念や尊さを伝えているところです。
基本構想中間まとめの「理念」では、平和への願いを現基本構想から踏襲し「すべての区民は、平和な社会の中で、自由に自分らしく、いきいきと暮らし続けることができる権利が保障されなければならない」と記載していますが、基本構想の理念は、基本構想を貫く根本的な考え方を端的に示すものであることから、北区の歴史を記載することは考えておりません。
2 貧困と格差の是正に向けた取り組みを
大きく2つめは、貧困と格差の是正に向けた取り組みについてです。
今回の補正予算においては、私たちが予算組み替え動議で提案をさせていただいた、住民税均等割のみ課税世帯に対しての給付金支給が提案されました。生活が困難な世帯に対して、北区独自の支援に踏み切ったことは高く評価するものです。そのうえで、今回はさらに踏み込んだ支援を求めて、3点質問をいたします。
(1)新型コロナウイルス感染症関連給付金にかかわる課題について
1つ目はコロナ関連給付金に関わっての課題です。
昨年度、新型コロナ対策として、事業者向けの給付金・協力金の支給が行われました。年度が替わり、支給を受けた事業者が今年度支払うべき所得税、住民税、社会保険料等の負担が非常に重くなり、支払が困難であるという声が出されています。
こういった方は、受け取った給付金・協力金を、店の運転資金や設備投資、また従業員への補償として使ってしまい、今年度になって課せられる税金・社会保険料のことまでは頭が回らなかったことが主な原因のようですが、給付金・協力金支給の際には、翌年度の税、社会保険料の負担についての説明はされていませんので、一概に自己責任で片づけることも気の毒であるように思います。そこで質問します。
コロナ関連給付金、協力金等を受け取ったことによる、今年度の区民税・社会保険料の支払い困難者を北区はどのように把握していますか。そのような方からの相談事例と、納付相談にはどのような対応を行っているのかをお聞かせください。
区民税や国民健康保険料などについては、前年の所得金額を基に計算し、賦課しています。
給付金や協力金を受け取ったことに伴い、区民税などの納付が困難となった方の具体的な相談事例は把握しておりませんが、個々の生活実態を踏まえ、平素から、丁寧な納付相談を行っています。
また、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料、介護保険料では、コロナの影響で収入が減少した方に対し、保険料の減免を案内するなど、適切に対応しています。
2つめは、都営住宅・区営住宅等の家賃への影響についてです。
公営住宅については、収入に応じて家賃が決まるため、給付金・協力金を受け取ったことにより、翌年度の家賃は高くなります。都営住宅では、所得が2年連続で基準を超えると、入居者は住宅を明け渡すよう努めなければならないと定められており、このことも入居者が不安を感じているところです。
日本共産党の山添拓参議院議員が国会で、所得金額は、給付金・協力金を除外することが可能かをただしたところ、公営住宅の家賃算定にあたっては、事業主体の判断で、一時的な収入として除外することは可能であるとの判断がありました。そこでお伺いします。
北区においても区営住宅条例において、収入超過者には明け渡し努力義務と、近傍同種を基準とした家賃の設定がされることが定められていますが、区営住宅入居者で、コロナ関連給付金、協力金によって収入超過となった方があるのか。またこのような方に対しては、コロナ関連の給付金・協力金は収入から除外することを求めたいと思いますが、お考えをお示しください。併せて都営住宅についても、同様の措置をとるよう東京都に求めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
はじめに、区営住宅入居者に対し、新型コロナウイルス感染症関連の給金・協力金は、収入から除外することを求める、とのご質問です。
給付金については、新型コロナウイルスの影響を受けた事業者を対象に、事業の継続を支えるために、前年度の事業収支との差額を基準として給付をされ、協力金については、営業時間の短縮等に応じた事業者に対し、売上高または売上高などの減少に応じて支給されるものと認識をしています。
このことから、東京都では、都営住宅の収入認定にあたり、給付金等を事業収益として算定しており、北区においても、区営住宅の収入認定については、東京都と同様の取り扱いをしているところです。
次に区営住宅入居者で、コロナ関連給付金・協力金によって、収入超過となった方があるのか、とのご質問です。
給付金等については、東京都と同様に、事業収益として捉えていることから、給付金等により収入超過となった方を個別に把握はしていないところです。
なお、北区としましては、現時点で、東京都に対し、給付金等を収入から除外するよう求めることは考えておりませんが、今後も、収入認定にあたっては、東京都をはじめ、他自治体の動向も注視しながら、法令等に基づく、適切な対応に努めてまいります。
3つめは緊急小口資金・総合支援資金についてです。
この制度を利用した世帯のうち、住民税非課税世帯は返済が免除されますが、それ以外の世帯は返済が必要で、すでに返済の案内が来ている世帯もあります。今回の補正予算では、住民税均等割のみ課税世帯に対して給付金が支給されることになりますが、給付金がそのまま、緊急小口資金・総合支援資金の返済に回ってしまうという方も多くいらっしゃるのではないかと思います。そこで質問します。
8月24日、アメリカではバイデン大統領が学生向けローンの返済を免除する発表を行いましたが、日本でも同様に徳政令のような政策を実施し、借入金の返済に苦しむ方の負担を軽減していくべきではないかと思います。北区として国に対して緊急小口資金・総合支援資金の返済免除対象を拡大することを求めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
緊急小口資金・総合支援資金貸付制度は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、緊急かつ一時的な生計の維持や日常生活の維持が困難な世帯に対する貸付制度です。
緊急小口資金と総合支援資金の初回分については、令和5年1月より償還開始となりますが、償還については、国はこれまでも、コロナ禍における厳しい家計の状況を踏まえ、複数回、据え置き期間の延長などの措置を講じており、今後の経済状況などを踏まえ、適切に判断されるものと認識しています。
引き続き、本制度にかかる国の動向を注視し、東京都社会福祉協議会より受付・相談業務等を受託している北区社会福祉協議会と連携しながら、貸し付けを受けた世帯への情報提供に努めてまいります。
(2)新型コロナウイルス感染症第7波への対応について
貧困と格差解消の2つめは、コロナ第7波への対応についてです。
新型コロナウイルス感染症「第7波」で、日本の新規感染者数は世界最多を続け、死者数は過去最悪となっています。
その中で、2つの歯科医師会のご協力を得て、高齢者の無料PCR検査会場を臨時で増設するなど、迅速に対応して頂いたことに大変感謝しています。
8月中旬以降、新規感染者が減ってきているとはいえ、未だ予断を許しません。感染力の強い変異株の特性をふまえた第7波への対策について、以下、5点質問します。
1つめは、感染者の「全数把握」についてです。
国は保健所・医療がひっ迫しているため、「重症化リスク」のある人に限定し、「全数把握」は自治体の判断とする方針を表明しましたが、感染状況の正確な把握や、早期発見・治療の原則からみても本末転倒との指摘があります。北区は、「全数把握」を継続すべきと考えますが、区の対応をお聞かせください。
国は、これまでに集積された科学的知見に基づき、感染防止と社会経済活動を両立させる新たな社会に向けた検討を進めているところです。
そうした中で、8月下旬に厚生労働省は、第7波による医療のひっ迫状況を踏まえて、医療機関や保健所等への負担を軽減する観点から、都道府県の判断で発生届の対象を限定できる枠組みを、緊急避難措置として提示しました。
これまでに4県がこの措置を実施しましたが、東京都は、「発生届には感染動向の把握に加えて、一人ひとりの健康状態を把握して必要な医療につなげる機能もある」として、現行の全数届出の制度を維持すると判断しました。
その後、政府は、届出システムの改修に加えて、報告の対象外となる自宅療養者の健康観察などの支援体制や、全数把握にかわって感染動向を把握する「定点把握」の仕組みを整え、その準備状況を見極めて、全国一律の措置に移行する方針を示しております。
区といたしましては、新たな国の方針に基づき、関係する機関や団体と連携しながら、区民に、適切に保健医療サービスが提供できるよう努めるとともに、若い世代や重症化リスクを有しない方を含め、全ての区民に対して、ホームページや北区ニュースの活用等を通じた情報提供を図り、対策へのご理解とご協力を求めてまいります。
2つめは保健所体制についてです
医師、保健師をはじめ、職員の超過勤務の現状はどうか。次年度に向けても、保健師や事務職員の増員を行うよう求めます。
第7波における新型コロナウイルス感染症対策には、感染症対策の本務職員に加えて、全庁及び東京都からの応援と民間会社からの派遣等により業務体制の強化を図ったうえで、陽性者への支援、法定事務、および関係機関との連絡調整などの業務にあたっています。
超過勤務につきまして、応援職員の従事形態がさまざまであるため、本務職員について申し上げます。
一人あたりのおよその平均時間数は、保健師は7月が62時間、8月が49時間、事務職は7月が85時間、8月が49時間でした。
いずれも全体職員の平均を大きく上回るものの、今年より陽性者数が少なかった昨年の感染拡大期より減少しており、業務体制の見直しに一定の効果があったと考えているところです。
今後とも、感染拡大期等の臨時的な業務量の増大に対しては、派遣職員、会計年度任用職員等の活用や業務委託の推進とともに、職員応援体制の再構築を図り、超過勤務のさらなる縮減に努めながら、迅速かつ適正に対応できる業務体制の整備を図ってまいります。
なお、次年度に向けた保健師や事務職の増員については、今後の行政需要や感染症などの業務量を把握したうえで、必要な人員を確保してまいります。
3つめはPCR検査の拡充についてです。
都の無料PCR検査会場の設置や高齢者施設などへの定期検査を継続するとともに、医療機関で実施するPCR検査の診療報酬が4割以下へと減額となっていることから、他区で実施している一部補助など区として支援するよう求めます。
東京都では、新型インフルエンザ等対策特別措置法の知事要請に基づき、感染リスクが高い環境にあるなどのため、感染の不安を感じる無症状の都民を対象として、無料のPCR検査を実施しています。
これを受け、区では、東京都の事業に登録した検査会社と連携し、区内に4ヵ所の会場を確保・提供し、検査を希望する区民の需要に対応しています。
また、高齢者入所施設等の従事者に対し実施している、一斉・定期的なPCR検査については、国の基本的対処方針に則り、週に1回のPCR検査に加え、週に1回以上のこう限定性検査の実施を要請しています。
今後も、国の示す方針等を踏まえ、東京都が行う検査事業などを活用しながら、より効果的、効率的な検査体制を確保してまいります。
一方、医療機関が実施するPCR検査にかかる診療報酬については、当初は、1800点であった診療報酬が、昨年12月以降、段階的に引き下げられ、7月1日から700点となりました。
これは、医療機関が検査を発注している民間試験検査機関における検査料等の市場実勢価格を踏まえての改定であり、医療機関の収支に直接影響するものではないと認識しており、今後も国の動向を注視してまいります。
4つめは医療体制への支援についてです。
重症化リスクの高い高齢者の方などが、すみやかに外来に受診でき、抗ウイルス薬の投与など、早期治療につながるためにも、若い世代などウェブ対応が可能な発熱者のオンライン診療に特化した外来や、処方薬の配達などの医療連携のしくみを拡充するよう求めます。
東京都では、感染急拡大に伴う検査・受診の集中を緩和するため、有症状の都民を対象に、抗原定性検査キットを配布する取り組みを開始しました。
自主検査の結果、陽性が判明した20代から40代の都民の方については、東京都王政者登録センターへ、WEB登録することにより、医療機関を受診せずに保健所へ発生届が提出され、必要な支援が受けられるしくみが整備されたところです。
区においても、区内2病院の協力を得て、東京都の事業を活用した抗原定性検査キットの配布を行っています。
保健所に発生届が提出された後は、必要に応じて、医師会の協力医師によるオンライン診療や、薬剤師会協力による配薬により医療支援が可能となるよう、調整しております。
引き続き、重症化リスクの高い高齢者などに、迅速に医療支援が行き届くよう、医師会をはじめ、医療関係機関と協力・連携し、検査・診療体制の確保に努めてまいります。
5つめは教育現場への支援についてです。
修学旅行など宿泊を伴う校外学習の実施について、行事前のPCR検査など積極的な感染防止対策をとり、実施するよう求めます。
以上お答えください。
昨年度、小学校第6学年の日光高原学園及び中学校第3学年の修学旅行の実施に際しては、最高学年であることを鑑み、参加予定者へのPCR検査の実施や、学校から新幹線発着駅までの貸し切りバス利用など、感染拡大防止対策を講じたうえで可能な限り実施できるよう支援を行いました。
今年度においても、北区立学校等における「新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」では、教育委員会が所管する宿泊行事の実施について、感染状況を十分考慮したうえで実施することを基本としています。
8月までの宿泊行事は、東京都が実施する教育活動継続のためのPCR検査を活用するなど、感染拡大防止対策を行ったうえで実施しており、中学校第1学年の岩井臨海学園において、学級閉鎖に準じた措置として中止した1校を除き、予定通り実施できているところです。
これから実施を予定している宿泊行事についても、児童・生徒の貴重な体験と学びの機会を確保するため、学校とも連携して感染予防対策を徹底し、可能な限り実施できるよう、教育委員会として支援を行ってまいります。
(3)熱中症対策について
貧困と格差解消の3つめは、熱中症対策についてです。
9月になり、ようやく暑さも少し落ち着いてきましたが、今年も7月から8月にかけての猛暑は、エアコンのない世帯には耐えがたいものがあったように思います。
初めに、猛暑から命を守るための施策として、低所得世帯層へのエアコン購入・修理費助成制度の創設と、生活保護世帯への夏季加算の実施、低所得世帯への光熱費補助の実施を求めるものですがいかがでしょうか。
先日西が丘の区営住宅に住んでいる方から、エアコンがなく、窓を開けて風を入れて過ごしているが、網戸がないため虫が入って大変であるとの話を伺いました。網戸の設置は、区の決まりでは建物の構造を変更することになるため難しいと聞いていますが、猛暑の中で窓も開けずに過ごすことや、窓を開けても蚊などの害虫にさらされることは、健康で文化的な生活とは言えません。エアコンがあっても網戸がなければ、夜など少し窓を開けて風を入れればいいような時でも、結局高い電気代を払ってエアコンを使うしかありません。そこで質問です。
最近はレールがなくても取り付け可能な簡易防虫ネットなどもあるようです。区営住宅の希望する世帯に防虫ネットの取り付けをすることはできないでしょうか。お答えください。
生活保護世帯への夏季加算や、エアコンの修理代等の支給につきましては、東京都を通じて、国へ「生活保護の実施要領の改正にかんする意見」を提出しており、引き続き、要望してまいります。
一方、現時点において区単独での低所得世帯に対するエアコン購入等の助成制度の創設や光熱費補助の実施は考えておりませんが、北区ニュースや防災行政無線、チラシや掲示などを通じて、熱中症予防に関する注意喚起などに、引き続き、取り組んでまいります。
次に、区営住宅への防虫ネットの取り付けについては、居住者が自ら取り付ける場合において、サッシの改修など躯体に影響のない工事に限り、撤去時の現状復旧を条件に、設置を認めています。
(4)公契約条例について
貧困と格差解消の4つ目は公契約条例についてです。
第2定例会で制定された北区公契約条例は、来年の7月から本格施行となりますが、10月より開催される東京都北区公契約審議会で、労働報酬下限額が審議されることになります。区の仕事を担う労働者に、質の高い仕事をしてもらうためには、きちんとした待遇を保証することが欠かせません。全労連などの調査では、憲法25条で定められた健康で文化的な生活を営むためには、最低時給1500円が必要との試算もありますが、北区もぜひこの水準を目指して頂きたいと思います。
以下質問します。
東京都北区公契約審議会を傍聴可能な形で開催していただくことを求めますがいかがでしょうか。
条例は、労働報酬下限額を守ることを義務付けていますが、労働者側からの申し出がなければ、違反があってもなかなかわからないというのが現状ではないでしょうか。弱い立場にある労働者が、違反の申し立てを行うこともなかなか難しいのではないかと思います。労働報酬下限額を守らせるための仕組みづくりや、賃金について気軽に相談できる窓口を設置することが必要ではないでしょうか。お答えください。
まず、審議会の開催についてです。
公契約条例では、審議会は公開とし、審議会の議決があったときは、非公開とすることができると定めております。
会場や新型コロナウイルス感染症の状況により制約がある場合もありますが、審議会は原則公開となるものと考えております。
次に、労働報酬下限額を守るための仕組みづくりについてです。
条例では、受注者に対し、賃金等の支払い状況などを報告させることとしており、受注者の事務的な負担を増やさないよう配慮しつつ、労働報酬下限額以上の賃金支払いについて確認する仕組みとしています。
また、賃金についての相談は、区民相談室で社会保険労務士による相談を行っており、新たな相談窓口を設置することは考えておりません。
3 区立小・中学校における諸課題について
大きく3つ目は、区立小中学校における諸課題についてです。
(1)学校給食費無償化の拡大を
初めにお伺いするのは、学校給食無償化対象の拡大についてです。
葛飾区ではおととい7日に、来年度から区立小中学校の給食費完全無償化に踏み切ることを区長が表明しました。北区でも、子どもに対する支援である見方に立って、すべての子どもに平等に支援を行っていただきたいと思います。質問です。
来年度に向けて、給食費補助のさらなる拡充とともに、国や東京都に対して、完全無償化実現に向けての予算措置を求めていただきたいと思います。
学校給食費については、本区は他区に先駆けて、令和2年10月から第二子は半額、第三子以降は全額を補助する制度を実施しています。
さらに、本年度は、食材費の高騰による給食用食材費への影響などを踏まえ、一部公費による負担も実施しています。
このように、多子世帯の保護者負担軽減を図りつつ、食材費高騰の中でも、保護者負担を増加することなく、質を確保した給食の提供に努めています。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢などを背景とした物価高騰が続いていることもあり、現在の給食費では、これまでと同程度の質を確保した給食提供が困難になることが予想されることから、次年度の給食実施にかかる必要な給食費について、今月の校園長役員会において情報共有したところです。
給食費については、私会計であることから、今後、本年中をめどに、教育委員会と校長会で検討を進めることになりますが、区としては、合わせて、次年度の給食費の保護者負担と公費負担のあり方について検討することとしておりますので、学校給食費の補助制度については、引き続き、現行制度の取り組みを推進してまいります。
なお、物価高騰を受けた学校給食費の現状については、本定例会の所管委員会でご報告申し上げます。
また、国に対しては、これまでも、全国市長会を通じて、保護者の教育費負担の軽減と、学校給食実施基準を満たした給食提供に資する財政措置を求めておりますが、本年度はさらに、食材費高騰に伴う給食への財政支援措置についても、全国市長会と特別区教育長会を通じて国や東京都に要望しており、今後とも他自治体と連携して対応してまいります。
(2)教員の配置と働き方改革について
学校の課題の2つめは、区立小中学校における教員等の配置と働き方改革についてです。
全国的に教員の確保には多くのご苦労があると聞いています。今後もしばらくは児童生徒の増加や、35人学級の進行とで、北区でもますます教員の確保は大変になってくるのではないでしょうか。そこで以下質問します。
初めに、区内の小・中学校において、今年度当初および夏休み明けの現在における教員未配置の状況をお尋ねします。その中で、担任が配置できていないクラスはいくつあるのか、お答えください。
本区の小中学校において、今年度当初の教員の未配置校はありませんでしたが、夏季休業日終了後の9月1日時点においては、退職や病気休職、産休・育休等による教員の未配置が小学校9校で発生しております。
なお、当該校では、算数等の加配教員を担任とするなどの指導体制を工夫して授業等を進めており、授業の遅れなどの影響は出ておりません。
日本共産党が6月にインターネットを通して現役教師に対して行ったアンケートに寄せられた声では、教員不足解決のために望む政策として、教員定数増、子どもと向き合う以外の業務削減、給与休暇などの処遇改善、残業代支給が必要などの声が出されています。そこで質問します。
国や都に対して、抜本的な職員定数増と、教員の働き方改革の断行を求める必要があるのではと考えますが、北区の見解をお示しください。
併せて、教員の給与に関する特別措置法を改正し、教員に対して残業代の支給を可能とするよう求めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
教職員の定数増については、教職員の働き方改革にもつながることと捉えており、引き続き、全国市長会や特別区教育長会を通じて、国や東京都に要望してまいります。
教員の給与に関する特別措置法の改正については、文部科学省が、給特法の法制的な枠組みを含めた教員の処遇のあり方などを検討する動きがあるとともに、教員の時間外勤務をめぐる係争中の訴訟案件もあるものと認識しておりますので、そのような動向を注視してまいります。
そうは言っても教育現場では、児童生徒への対応は待ったなしで、東京都や国の対応を待っている余裕はありません。教員定数を充足していない学校に対しては、迅速な対応が求められます。質問です。
教員定数を充足していない学校に対して、教育委員会では現在どのような対応をしているのか。お答えください。
他自治体では、自治体が主体となって教員の募集を行い、自治体職員として教員を採用し配置しているところもあると聞いています。北区でもそのような教員を増やすための独自の取り組みを求めるものですがいかがでしょうか。
これまで、学校の教員に欠員が生じた際には、東京都教育委員会に報告し、新たな教員の配置を求めるとともに、地域の教員資格のある人材を特別に任用するなど、早期に教員の充足ができるよう努めております。
次に、区独自に教員を採用することについては、区独自の人事制度を構築するなど長期的な視点で検討しなければならない課題があり、容易に実施することは困難であると考えており、引き続き、区のホームページ等を活用して東京都教員募集案内を広く情報提供するとともに、東京都教育委員会には、計画的な人材の採用や時間講師の登録者数の確保などを求めてまいります
加えて、教員の負荷軽減を図り、無理なく働ける環境を作るための支援策として、(1)部活指導員、(2)教員事務補助員、(3)困難な保護者に対応できるスクールロイヤー、(4)学力パワーアップ教員、(5)地元保護者などによるスクールコーディネーターを、教育委員会の責任で配置、増員することを求めたいと思いますがいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
学校からは、本区が実施している部活動指導員や教員事務補助員等の配置については、教員の負担軽減につながっていると聞いておりますので、各校での活用状況等を精査したうえで、今後の必要な対応について検討してまいります。
(3)学校施設の有効活用を求めて
学校の課題3つ目は、学校施設の有効活用についてです。
北区はこれまでの児童数の増加などに対応して、教室については施設の転用や拡充などで対応してきていますが、教室は増える一方で、トイレの室数は変わらないので、女子トイレでは休み時間にトイレに行けず、次の休みまで我慢をしてしまう子どももいるのだという話も伺いました。そこで質問です。
学校のトイレについても、児童生徒の増加に合わせて増やすことを求めますがいかがでしょうか。
児童・生徒の増加に伴い、普通教室の確保とともに、トイレの不足も懸念されることから、増築校舎の整備の際には、増築校舎の各フロアに児童・生徒用のトイレを設置しています。
また、既存校舎において、普通教室化工事を実施する際には、学校長の意見などを聞きながら、課題がある場合には、対応可能な対策を検討しており、今年度実施予定の王子小学校の普通教室化工事では、トイレの増設も併せて行うこととしています。
引き続き、児童・生徒の教育環境の向上に資する、適時、適切な学校施設の整備に努めてまいります。
また、今後も35人学級が進むことなどを考えると、将来、場合によって放課後関連施設などを、学校からすこし離れた位置に整備することも必要になってくるのではないでしょうか。そこで質問です。
将来遊休地となることが決まっている稲田小学校敷地、現西が丘小学校敷地については売却せず、教育財産としての活用することを改めて求めるものですが、お考えをお聞かせください。
稲田小学校及び、現在、西が丘小学校が仮移転している旧清水小学校の敷地の将来的な活用については、北区学校施設跡地利活用指針による近隣校の改築等の計画がある際は、学校への活用を最優先課題と位置づけるという規定に基づき、改築・改修の計画等を勘案しながら、教育委員会として、適宜、区長部局と協議、連携を図ってまいります。
最後にパノラマプール十条台について質問します。
パノラマプール十条台の利用可能期間の延長と、堀船中学校等複合施設における温水プールの前倒し開設で、空白期間をなくすことができないでしょうか。利用者の不安解消にためにも、ぜひ実現をお願いしたいと思います。見通しをお示しください。
現在の計画では、令和9年4月の堀船中学校等複合施設の開設より前に、十条小学校の新校舎整備に向けた旧十条台小学校校舎の解体工事に着手する見込みとなっていることから、最大で1年間の区民向け温水プールの休止期間が発生する可能性があると考えています。
一方で、十条小学校の新校舎整備については、今年度から、崖地や擁壁の詳細調査を実施しており、今後、調査結果を踏まえた崖地対策の施工方法の検討などを行う予定としていることから、今後のスケジュールにおいては、流動的な要素があるものと考えています。
そのため、教育委員会といたしましては、区民向け温水プールの休止の有無について、今後の様々な検討状況を踏まえて、適切な時期に判断してまいります。
4 ジェンダー平等の区政実現を
大きく4つ目は、ジェンダー平等の区政実現に向けての質問です。
(1)総合評価方式に男女賃金格差解消の加点を
初めは北区内における男女賃金格差の是正に向けての提案になります。
今年の7月より、男女の賃金格差公表が、従業員301人以上の企業において義務付けとなりました。北区においても、積極的に賃金格差の解消に向けての取り組みを推進していただきたいと思います。そこで質問です。
北区の発注する工事において、「東京都北区施工能力審査型総合評価方式試行要綱」が定められていますが、男女賃金格差の解消を図る取り組みを行う事業者に対しての加点を行うことで、区内における男女賃金格差の後押しをすることを求めたいと思います。
厚生労働省の資料によれば、男女別賃金の差異については、女性活躍推進法に基づく行動計画策定等による取り組みの結果、特に女性の登用や継続就業の進捗を測る観点から有効な指標となりうる、としています。
一方で、今回の省令改正では、男女別賃金の差異そのものを数値目標として定めてはおりませんので、現時点では、これを総合評価方式による入札の際の加点項目とすることは考えておりません。
(2)北区役所における男性の育児休暇取得の推進に向けて
次に男性育休の取得についてです。北区役所においても男性が育児休業を積極的に取得するための環境づくりが必要です。質問します。
昨年度、配偶者の出産に伴っての育児休業の取得率を教えてください。
区として、配偶者の出産に伴う育児休業を取得しやすくするために、どのような工夫をしているのかを伺います。
会計年度任用職員など、非正規職員もこの制度を使うことは可能なのでしょうか。取得した場合の正規職員との待遇の差があるのかについてもお答えください。
令和3年度の配偶者の出産に伴う男性の育児休業取得者数は、対象となる44人中17人で、取得率は38.7%になります。
育児休業を取得しやすくするための工夫については、庁内のお知らせ機能を活用し、全職員に育児にかかる各種休暇・休業制度を紹介するとともに、該当する職員以外においても、制度の取得理解を促しています。
会計年度任用職員の育児休業については、勤務する日数や時間数などの条件がありますが、正規職員と同様に育児休業の取得が可能です。
なお、正規職員は、子が3歳に達する日まで育児休業の取得が可能ですが、会計年度任用職員は、原則として子が1歳に達する日までなど制度上の違いはあります。
(3)北とぴあ等への生理用品の設置を
ジェンダー平等の最後の質問は、区有施設への生理用品の設置についてです。
先日、青森県内のある自治体の観光協会が運営する物産館の女性トイレが、きれいだったことに加えて、生理用品が配置されていて驚いたという話を伺いました。一般利用者が利用できる施設への生理用品の設置がこのように驚きをもって語られたということは、自治体の努力によって、その自治体に住む住民のみならず、区域外の多くの人たちにジェンダー平等を広げるきっかけになっているのだと思います。そこで質問します。
区外利用者の多いと思われる、赤羽会館・北とぴあ・滝野川会館などに、生理用品の設置を求めたいと思いますがいかがでしょうか。お答えください。
区では、生理に伴う様々な負担を軽減するため、民間事業者と連携して庁舎内の個室トイレに、無料ナプキンディスペンサーを設置したところです。
区としましては、引き続き、民間事業者と連携を図りながら、生理用品の設置について取り組みを進めてまいりますが、現在、ディスペンサーの調達が困難であることから、庁舎以外の公共施設への設置については、今後の検討課題とさせていただきます。
5 十条まちづくりについて
大きく5つ目は、十条のまちづくりについてです。
(1)再開発ビルに、区民事務所機能を持つ施設の導入を
十条駅西口再開発ビル内において、北区の持つ権利床1500㎡についての活用の検討が行われています。現在コンサルタントも入れて、「賑わいのための施設」をどうつくるかについて検討がされていますが、外部専門家の意見だけでなく、区民要望も取り入れた区民施設の設置を求めるものです。
そこで提案しますが、十条駅西口再開発ビル内に区民事務所機能を持つ施設の誘致を求めたいと思いますがいかがでしょうか。
現在北区にある3つの区民事務所は、程度の差こそあれ駅からは距離があり、決して利便性が良い場所にあるとは言えません。職員の対応が必要な相談業務も担える施設が、駅前に一つあることは、北区にとっても必要なことではないでしょうか。加えて十条駅周辺には商店街があり、施設利用と合わせて、ついでの買い物もできますので商店街の活性化にもつながると考えます。お考えをお聞かせください。
区では、十条駅西口市街地再開発事業の事業化に際し、計画区域内で保有していた区有財産を、再開発ビル内の権利床に権利変換等したところです。
本年4月に改定した「十条地区まちづくり基本構想」では、再開発ビルを含む地区を「にぎわい中心エリア」とし、まちづくり方針を「まちの新しい顔のシンボル」としてふさわしい、賑わいの中心拠点を形成すると定めています。
区としましては、再開発ビルの権利床の活用にあたっては、この方針に基づき、本年第1回定例会の所管委員会で報告しました通り、「図書の力を最大限活用した」施設として、図書機能と多世代交流スペース等を配置することで、新たな駅前のシンボルにふさわしい賑わいを創出する施設として整備してまいります。
十条駅周辺では、再開発により、新しいまちが作られつつある一方で、既存の商店街の存続を危ぶむ声も出されています。ある商店主は、人は戻っても売り上げはコロナ前のようには戻らないと語り、また別の飲食店主は、すっかり人の動きが変わってしまい、夜間の営業は考え直さなければならないと話していました。このように、現状でも商店街への支援が必要なところに加え、再開発ビルが完成すれば、新規店舗との競合で、既存商店街の存続に致命的な影響をあたえることにもなりかねません。
十条まちづくり基本構想においても、まちの将来像として、「下町の情緒あふれる既存のまちと十条の新しい顔として再生・開発されたまちが調和」することが掲げられています。再開発ビルと既存商店街の共存共栄を図るのであれば、全庁的に商店街存続に向けての対策を打ち出すことが必要です。
商店街を活性化させるには、なによりも利用者を増やすことです。以前にも紹介しましたが、再開発の成功例として挙げられている香川県の高松丸亀商店街では、バブルでの地価高騰が元で一般住民が郊外へ転出せざるを得なくなり、これが商店街の衰退につながったとお話しされていました。そのため商店街の再開発に合わせ、定期借地方式の活用で、商店街の上層階に、格安で入居できる住宅を大量に建設して、郊外から中心部に住民、つまりは商店街利用者を誘導した、このことが商店街活性化の一つの要因であると話されていました。以下商店街振興の観点で、3点質問します。
(2)十条地域振興室を地域住民の集う場として活用し、商店街の活性化を
1つめは十条地域振興室跡地の活用についてです。
現在の地域振興室が上十条ふれあい館に移った後に、この施設の有効活用として、外国籍の方どうし、また日本人と外国籍の方が交流できる場としてや、日本語学習施設の誘致など、多文化交流型の施設として整備することを求めたいと思いますがいかがでしょうか。このような施設が十条にできれば、区内全域、また区外からも人を呼ぶことができ、場所的に駅から商店街を通ることになり、商店街活性化にもつながると考えます。
ご質問いただきました十条地域振興室は、近隣の商店街から離れた場所にあること、また、十分な耐震性が確保されていない建築物であり、使用にあたっては制約があるため、商店街の活性化のために、地域住民が集う施設としての利用は考えておりません。
なお、跡地の具体的な利活用については、全庁的な視点から、今後、遊休施設利活用等検討会において検討してまいります。
(3)補助73号線の計画廃止で、商店街利用者の確保を
2つめは、補助73号線についてです。
住民を郊外に移転させ、商店街利用者を減らすことになる、再開発区域以外の補助73号線については、改めて廃止を求めるものですがいかがでしょうか。
補助73号線は、延焼遮断機能の向上のほか、災害時の緊急避難路や救急活動のための空間確保など、木造住宅密集地域の防災性を向上させる上で、極めて重要な都市計画道路であり、首都直下地震の切迫性などを踏まえると、早急に整備が必要であると認識しています。
現在、事業者である東京都において用地買収を進めているところであり、区といたしましては、早期の整備に向け、引き続き、連携を図りながら事業推進に努めるとともに、商店街に対しましても、賑わい創出や個店の魅力発信、連携強化などに向け、できる限りの支援に取り組んでまいります。
(4)鉄道付属街路における代替地について
3つ目は鉄道付属街路における代替地についてです。
第2定例会十条まちづくり特別委員会では、借地権者は上十条都営住宅跡地の代替地取得ができないなど、様々な制約があることが報告されました。当然のことですが、代替地がなければ十条以外の地域に移転せざるを得ないこととなり、事業への影響はもちろん、権利者の方の生活再建、また商店街の利用者減につながります。そこで質問です。
鉄道付属街路で影響を受ける住民が、近隣で生活再建を進めるために、北区としての対策を求めるものですが、現在考えていることをご紹介ください。
最後の質問です。
鉄道付属街路の建設により、十条富士見中学校の駐車場、テニスコートを移設させる計画については、現在の校庭が狭められることなく、上十条都営住宅跡地など、きちんと代替地を取得して移転させることを求めるものです。区のお考えをお示しください。
以上で質問を終わります。ご清聴にご協力いただきましてありがとうございました。
まず、近隣で生活再建を進めるための対策についてです。
鉄道付属街路事業では、権利者の皆さまのご意見やご要望をお伺いし、それぞれのご事情に合わせて不安や悩みを解消するためのきめ細やかな対応に努めており、生活再建を進めるための不動産情報の提供や、残地の調整などの対策を行っております。
また、地域に住み続けるための有効な方策の一つである代替地については、引き続き、権利者の皆さまのご意向を確認し、確保に努めてまいります。
次に、十条富士見中学校の駐車場、テニスコートの移転についてです。
仮線用地として使用する期間中の各施設の移転にあたりましては、校庭への影響や生徒の安全確保などの学校運営上の課題も含め、教育委員会や中学校と連携して、必要な対応を検討してまいります。