2023年第2回定例会代表質問―ながいともこ
2023年6月20日 | ながいともこ
日本共産党北区議員団を代表して、山田区長および、清正教育長に大きく5つの質問をいたします。
1、物価高騰などから、区民のくらしを守る区政を
大きな質問の1つ目は、物価高騰などから、区民のくらしを守る区政について5点うかがいます。
(1)エネルギー・食料品等価格高騰支援給付金事業について
その1点目は、エネルギー・食料品等価格高騰支援給付金事業についてです。
日本共産党北区議員団は、5月22日、山田区長に対し、長引くコロナ禍、光熱費や物価高騰は依然深刻な状況が続いており、国が行う非課税世帯への物価対策給付金の対象を北区独自に拡大し、課税世帯まで拡げて支給するなど区民要望の申し入れをさせていただきました。
今議会には補正予算案として、会派でも要望した住民税均等割のみ課税世帯や住民税課税者の扶養親族および家計急変世帯にも対象を拡大し、1世帯3万円を支給することが示され、区民生活の支えとなると意を強くしています。
しかし、さらに一歩踏み込んで支援して頂きたい区民がまだいらっしゃいます。例えば、私に光熱費が払えないと相談された方は、年金額が年間170万6000円余り、そこから介護保険料、後期高齢医療保険料の計約13万円が差し引かれ、月の家賃は6万7000円、年間にすれば80万4000円です。これだけで100万円近くになります。食費を削り、夜は食事や入浴のときだけ電気をつけ節約し、光熱費の支払いを遅らせながらなんとかしのいでます。住民税の通知によると課税標準額は10万円、年額1万2500円の住民税がかかっており、昨年度、区が対象者を拡げてくれた、くらし応援臨時給付金と同様の今回の物価対策給付金では救済されません。年金なので、家計急変の対象にもなりません。
また、一人暮らしで手取り20万円もいかない働き方をしている方なども同様に苦しいくらしを余儀なくされております。こうした中、新年度新宿区では、課税所得が300万円未満の世帯にまで物価高騰の影響が大きいととらえ対象を拡げています。私は今こそ求められている施策だと感じました。
そこでうかがいます。北区に追加交付される4億7000万円の地方創生臨時交付金や2022年度末200億円となる財政調整基金などを活用し、更なる課税世帯への対象を拡大するお考えはありませんか。お答えください。
同趣旨の給付金事業が各区においても実施されますが、現在把握している中では、対象世帯は非,課税世帯や均等割のみ世帯とする区が大半となっています。
一方、北区においては、これらに加え、課税者の扶養親族等のみの世帯や、家計急変世帯も対象とするほか、各自治体が設定する基準日の違いにより、給付金を受給できない転入・転出世帯にも配慮したものとしています。
区としましては、まずは、これらの世帯へ漏れなく、迅速に給付を行うことが重要と考えており、給付対象の拡大は、現時点では考えておりません。
(2)エネルギー価格高騰および、熱中症対策などについて
2点目は、エネルギー高騰および、熱中症対策などについてです。
先にご紹介した区長への物価高騰対策の申し入れの中で、保育園や高齢者、障がい者施設などに対する補助も要望し、今回の補正予算案には保育を除いた部分が盛り込まれました。
そこではじめに、今回対象となっていない保育園など子育て施設にも、エネルギー高騰対策支援を実施してほしいがいかがでしょうか。お答えください。
次に、熱中症対策にもかかわってお聞きします。
ある高齢者の方は「電気代が値上がりしていて、来月どのくらい請求がくるか不安で電気もつけられない」また、ある生活保護を利用されている方は、夜薬を付けるときの30分しか電気をつけず、夕飯も懐中電灯で食べています。冬は、着込むことができるけど、夏は、命に係わるので、エアコンを付けないわけにいかない本当に不安ですと言っています。「熱中症を防ぐにはエアコンを使いましょう」と厚労省や消防庁は呼びかけをしていますが、使いたくても使えない方がいます。そこでお伺いいたします。
電気代の高騰を気にして、エアコンを付けるのを躊躇っている高齢者や、在宅で酸素濃縮器や人工呼吸器を必要とする在宅療養者などへ電気代補助を行うこと。さらに、エアコンが無い、故障して使えない方に、エアコンの購入・設置、修理等の助成を実施すること。その際に、生活保護利用者で、一時扶助による支給の対象にならない方も含めること。
以上、お答えください。
今回補正予算に計上した福祉施設等への給付の考え方については、特にエネルギーや、食材費高騰の影響を大きく受ける、特別養護老人ホームなど,福祉施設や医療機関、いわゆる24時間稼働型の、一定の施設を対象としています。
なお、東京都の第2回定例会の補正予算案において、福祉施設などへの同様の給付が見込まれ、その中には保育所も対象とされていることから、今後北区でも東京都補助金を活用した給付を検討してまいります。
次に、電気代の高騰を気にして、エアコンの使用をためらっている高齢者や、エアコンがない方への購入などへの助成についてです。
区では、エネルギー・食料品価格等の物価高騰による負担感が大きい住民税非課税世帯に加え、均等割のみ課税世帯、また物価高騰による家計急変世帯への支援を実施することから、エアコンの電気代や、購入費などへの助成は、現時点で考えておりません。なお、区では猛暑対策として、公共施設のロビーを活用した「涼みどころ」を7月から開設します。
次に、在宅で酸素濃縮器や人工呼吸器を必要とする在宅療養者などへの電気代補助についてです。
在宅で酸素濃縮器などの医療機器を使用する方がいることは承知していますが、障害者手帳をお持ちでない方も、電気で稼働する機器を使用している場合が考えられるほか、在宅の長期療養高齢者も、電気料金などの高騰の影響を受けており、補助の実施にあたっては、対象者や対象機器の整理などの課題があると認識しています。
(3)生活保護基準の引上げを求め、区独自に法外援護を拡充することについて
3点目は、生活保護基準の引上げを求め、区独自に法外援護を拡充することについてです。
2013年からの生活保護基準の引き下げを取り消す判決は、静岡地裁を含め11件目となっています。現在の生活保護基準は、生存権を保障する憲法にも違反していると断じた判決です。
先ほどご紹介した方のことをさらに続けますが、「生活のすべてが値上がりしていて、食費と光熱費の工面が大変で、それ以外はなにも買うことができなくなってしまった。食事も健康や食べたいものより安いものに合わせた食事をしています。また、贅沢といわれるかもしれないけど、美容院も行けなくなってしまった」さらに「物価が高騰しているのに、生活保護基準は下がったままはおかしい」と言っています。その通りだと私も思います。とても健康で文化的な生活を保障しているとは言えません。そこでお伺いいたします。
国に対し生活保護費の引上げを求めて下さい。また、被保護世帯に対する修学旅行支度金支給を実施しているように、生活保護利用者に対し区独自に8000円までの支給が認められる法外援護を拡充し暮らしを支援すること。
以上、お答えください。
生活保護基準は、全国消費実態調査の結果などを、専門的・科学的見地から検証を行いながら、非受給世帯との均衡なども考慮し、国において適切に決定されていると認識しており、今後もその動向を注視してまいります。
なお、大都市の生活実態を反映した基準が必要と思われるものについては、引き続き、東京都を通じて国へ要望してまいります。
また、物価高騰の影響を受けた方への支援としては、他施策において生活保護世帯も対象に含め給付が行われていることから、生活保護世帯のみを対象とした、法外援護の拡充は考えておりません。
(4)補聴器購入費用助成事業の実施に向けて
4点目は、補聴器購入費用助成事業の実施についてです。
今議会の補正予算案には、区民から切実に陳情され、会派でも繰り返し求め続けてきた補聴器購入費用助成事業がいよいよ来年度実施となり、準備経費が盛り込まれました。待ちに待った制度ですので、他区に劣らぬ内容で準備して頂きたいと思います。
例えば、港区では13万7000円の助成、足立区では2021年に、非課税の方に2万5000円上限で始めた制度を新年度、課税世帯にも拡大し、助成金額も5万円に引き上げました。
効果をあげるには、購入後の調整やアフターケアも必要とされております。また難聴は、高齢者に限ったものではなく、医師から補聴器が必要とされた方についても助成できるようにするべきではないでしょうか。
助成金額、対象者、アフターケアを充実させるなど、23区の中でも区民が使いやすく、より良い補聴器購入費助成事業として実施することを求めます。お答えください。
耳の聴こえの問題は、高齢者の社会参加の低下や認知症の要因になると言われており、ヒアリングフレイル対策の取り組みが重要と考えています。
今年度は、補聴器購入費用助成事業の実施に向けたシステム改修や医師会等との調整を進めるとともに、ヒアリングフレイルの啓発のための講演会の開催や、主に高齢者が利用する区の窓口への補助機器の設置を検討しています。
補聴器の購入費助成については、先行区では制度の見直しを進めている区もありますので、こうした動きも参考にしてまいります。
(5)軍拡のための財源確保法案について
物価高騰などから、区民のくらしを支える区政についての最後5点目は、軍拡のための財源確保法について伺います。
岸田政権の軍拡財源確保法は、2023年度から、5年間かけて敵基地攻撃能力保有のための軍事費を43兆円も確保するものです。そのなかには、医療や年金に回す積立金や東日本大震災の復興税も軍拡財源にするものです。もうすでに国の新年度予算で軍事費は6兆円を超え過去最高となっています。その一方で、社会保障費の自然増分は、1500億も圧縮されています。
社会保障費を抑制してまでも軍拡を進めていく国の方針に賛成していたのでは、自治体にもその影響が及び、先ほど来述べてきたような、区民生活を守る要望の実現までも抑制されるのではないでしょうか、区の考えをお聞かせ下さい。
防衛財源確保法案につきましては、令和5年度以降における我が国の防衛力の抜本的な強化と維持に必要な財源を確保するため、国会において審議のうえ、可決・成立したものと認識しております。
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2、子ども医療費や給食費に続けて、教育の無償化を目指す区政を
大きな質問の2つ目は、子ども医療費拡充、給食費無償化に続けて、教育の無償化を目指す区政について3点おうかがいします。
(1)給食費無償化について
1点目は、給食費無償化についてです。
北区では区立小中学校の給食無償化にとどまらず、私立幼稚園や公立幼稚園、認定こども園などへも広げ、さらには恒久的事業として位置づけました。憲法26条の「義務教育は無償」を進めていく大きな第一歩と考えその決断を高く評価いたします。
そこでおうかがいいたします。
給食費無償化については、私立小中学校、都立特別支援学校などまで、対象を拡大することについてどのようにお考えでしょうか。また本来、東京都および国の責任で無償化がはかられるよう区から意見をあげることを求めます。お答えください。
都立特別支援学校の児童生徒については、今後、各学校の給食費の状況や支援制度の実態調査を行った上で、無償化の実施に向けて検討してまいります。
また、給食費のあり方については、特別区長会などを通じ、国や東京都に様々な機会を捉え、必要な意見等を伝え、あわせて財政支援を求めてまいります。
なお、区立小・中学校以外の私立学校に通学する児童生徒への給食費補助は考えておりません。
(2)就学援助の拡充について
2点目は、就学援助の拡充についてです。
給食費は無償となったものの、制服、カバンやランドセル、上履き、体育着、実習材料費など実際、義務教育には費用負担があります。就学援助は、子どもたちがお金の心配をしないように、世帯の所得に応じてこうした負担を軽減する制度です。物価高騰やコロナ禍のなかで、世帯の所得により、子どもにかけられる教育費の格差が一段と拡大しています。都区財政調整の仕組みから区財政に大きな影響が及ばないと思います、就学援助制度を拡大して、教育の無償化をさらに進めるべきです。そこでお伺いいたします。
1つ目に、認定基準額を引き上げ、対象拡大を図ること。お答えください。
2つ目は、本来受けられるすべての方の申請漏れが生じないようにすることです。
例えば、世田谷区では、就学援助のお知らせに、給与収入等の換算目安を明記しています。また、入学時や進級時と9月にも就学援助費のお知らせを全児童、生徒に配布し、申請漏れがないよう丁寧な対応をしています。北区においても所得とともに、給与収入の目安を明記するなど、記載内容や周知方法をさらに工夫すること。さらに他制度でも採用されているプッシュ型の支給についても検討を求めますがいかがでしょうか。
以上お答えください。
はじめに、認定基準を引き上げ、対象拡大を図ることについてです。
就学援助は、学校教育法第19条の趣旨に則り、経済的理由で就学が困難な児童生徒の保護者に対し、就学に必要な経費を支給する制度であり、対象者は、「生活保護法に規定する要保護者」及び「それに準ずる程度に困窮していると認める者」とされています。
準要保護者に対する就学援助は、平成17年度より国の補助が廃止され、自治体が単独で実施しており、認定基準も各自治体が定めています。北区は、平成6年度以降、生活保護基準の1.2倍未満を基準とし、国が平成25年8月から3か年で行った生活保護基準の段階的引下げ後も不利益を被る世帯が生じないよう、見直し前の生活保護基準を用いて実施しており、法の趣旨に沿った適切な制度運用を行っているため、認定基準を引き上げて対象者拡大を図ることは、考えておりません。
次に、本来、就学援助を受けられるすべての方の申請漏れが生じないようにすることについてです。
就学援助の申請書については、毎年4月に学校を通じて全児童生徒へ配付・回収を行っており、全員の希望の有無を確認することとしています。また、申請書に同封するお知らせの中では、当初認定の際に所得超過で否認定となった場合でも、その後に世帯状況や前年中の所得額に変更があった場合は、再申請が可能であることをご案内しています。所得基準額の目安の記載方法や、申請漏れを防ぐためのさらなる周知方法の工夫については、他自治体の取組み事例などを研究してまいります。
また、就学援助の認定にあたっては、税情報を利用するため、地方税法の規定により、保護者の同意が必要となります。税情報を利用してプッシュ型で支給を行っている他の給付金は、法令に基づく「特定公的給付」の指定を受けていますが、就学援助はこの指定要件に該当しないため、難しいと考えています。
(3)給付型奨学金制度や高校・大学生などへの応援支援金制度の創設について
3点目は、給付型奨学金制度や高校・大学生などへの応援支援金制度を創設することについてです。
国の総務省、文科省の調査では、世帯年収と教育格差の拡大が、また、全国私立学校教職員組合連合の調査でも、経済的理由による高校中退者の増加が明らかとなっています。こうした実態があるなかで、日本共産党は6月5日に「高等教育(大学・短大・専門学校)の無償化へ、ただちに学費・奨学金返済を半額にし、計画的に無償化をすすめていく」政策を発表させていただきました。負担能力を超えた高学費と貸与中心の奨学金制度のもと学生の3人に1人が平均300万円の借金(奨学金の返済)を背負っており、その総額は10兆円近くと国会での答弁もありました。若者の希望に影を落としていることは極めて深刻です。高等教育の無償化は国際社会の流れであり、政治にその転換が迫られています。そのような中で足立区では新年度、返済不要の給付型奨学金や高校生応援支援金を新設しました。足立区に伺ったところ、40人の枠に311人の応募があり、また、報道では、私立大学の医学部なら最大3600万円給付する奨学金への反響は大きかったとし、その財源は特別区競馬組合からの分配金や区内外の寄付を募りながら、安定した給付制度で実施していくとしています。貸付型から給付型へと制度を見直したことは、極めて画期的なことだと思いました。また、都の高校生等奨学給付金の対象は非課税世帯が対象ですが、足立区では課税世帯にも拡げで、おおむね所得300万円以下の世帯の高校生に部活動や課外活動費を助成する「高校生応援支援金」も開始します。担当課にお話しを伺ったところ、中間層と低所得層など家庭の所得によって子どもに体験させてあげる支出などに差が生じており、より多く子どもたちが様々な経験や体験ができる機会を増やすことによりコミュニケーション能力などが養われ、就職などの面接の場面でも役立っていけば、子どもたちの将来につながっていくとお話しされていました。
そこでおうかがいいたします。
こうした考えを参考に、北区の給付型奨学金制度や高校・大学生などへの応援支援金制度創設し、子どもや若者を応援することを求めます。お答えください。
国の高等教育の就学支援新制度では、授業料等減免と給付型奨学金を合わせて実施しており、令和6年度からは、多子世帯や理工農系の所得要件の拡大などの制度拡充を図るとしています。
北区の現状としては、令和4年度の学校基本調査における大学等の進学率は73.1%となっており、区部平均の72.3%を若干上回っている一方で、区民の教育費の負担感は、特別区民税額等から判断すると、他区と比べて、大きいものと考えています。
区といたしましては、若い世代の方が、北区に住み続けていただく仕組みの一つとして、区独自の給付型奨学金制度は、有効な施策と考えていますので、対象要件、給付条件、財源確保策などの具体的な制度設計について、国の動向も注視しながら、引き続き、研究、検討を進めてまいります。
また、高校生・大学生などを対象とした応援金支援制度については、他自治体等の取組みを調査、研究してまいります。
3、コロナ5類への移行後も感染拡大を防ぎ、区民の命を守る取り組みを
大きな質問の3つ目は、コロナ5類への移行後も感染拡大を防ぎ、区民の命を守る取り組みについてです。
本年5月8日から、新型コロナウイルスは5類感染症に移行していますが、新型コロナウイルスはそれとは関係なく進化を続け、日本国内でもオミクロン株の亜系統であるXBB系統の占める割合が増加し、都内ではすでに5割を超えています。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会長を務めた尾身茂氏は、14日、都内で開かれた病院団体の会合で「第9波の入り口に入ったのではないか」と語っています。私の周りでも、5月の連休明け頃から、「調子が悪く受診をしたら、コロナ陽性だった」との声が聞こえ始めました。今月6日の定点観測によれば東京都の新規陽性者は、前週に比べ1.3倍と増加していると報告されています。第9波へ備える対策が引き続き必要と考えます。
そこでお聞きします。
1、高齢者施設などでの感染拡大させない取り組みの継続、感染者については施設内で留め置くことのないよう入院先を確保すること。
2、無料PCR検査の再構築で感染拡大を防ぐよう求めます。
以上お答えください。
区といたしましては類型変更後も、高齢者等ハイリスク層を守る取り組みは、重要な課題と認識しておりますので、高齢者等入所施設におけるワクチンの円滑な施設内接種体制の確保と共に施設従事者の一斉・定期的なPCR検査の継続や、マスク着用の推奨・換気・手洗いの徹底など、ウイルスを持ち込まない対策について、引き続き、実施してまいります。
また、感染者の発生時には、保健所による積極的疫学調査の実施と施設内感染対策指導を徹底していくなど、今後とも感染拡大防止に努めてまいります。
次に、施設入所者感染時の入院先の確保についてお答えいたします。
現在、東京都で確保された入院病床は、約3000床のうち、3分の2は空いている状況であり、さらに東京都の臨時医療施設である、高齢者等医療支援型施設も、都内で8ケ所、うち、区内でも2か所が稼働しているため、医師が必要と判断すれば、入院や入所が可能な状況です。
次に無料PCR検査の再構築で感染拡大を、防ぐよう求めるについて、お答えいたします。
PCR検査の無償化は、新型インフルエンザ等対策特別措置法の知事要請に基づき、感染リスクが高い環境にあるなどのため、感染不安を感じる無症状の方を対象として実施されたことから、北区ではこれまで区有施設の提供など誘致を行い、検査体制を構築してきましたが、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の5類への類型変更に伴い、終了しました。
区といたしましては、今後の感染状況等により、さらなる類型変更がなされ、従前の状況下となった際は、速やかに区民施設への誘致を行うなど、無料PCR検査の再構築をしてまいります。
4、あらゆる女性が個人として尊重される相談支援の充実を
大きな質問の4つ目は、あらゆる女性が個人として尊重される相談支援の充実についてお伺いします。
(1)来年4月から施行される、「困難を抱える女性支援法」について
40歳以上の単身女性の生活状況について、当事者でつくる団体「わくわくシニアシングルス」は昨年調査結果をまとめ公表しました。その内容は、暮しが苦しいと答えた人が7割となり、新型コロナウイルスと物価高騰が女性の貧困に追い打ちをかけていること、働き方については非正規職員・自営業では、年収200万円未満が53%、非正規を選んだ理由は正規職に就けなかったなど本人の意思に反するという答えが半数を超え、また、住居費支払い後の家計に余裕がない人は40代、50代で6割以上、居住費負担が重いことも明らかになりました。
私に相談があった、50代のシングルマザーは、仕事のために、国家資格まで取得しましたが契約が打ち切られ、子どもの学費もあるので、正社員の仕事を探していますが「50歳を過ぎると正社員では雇ってはくれない、次の就職が決まらず先の見えない毎日が不安で眠れませんと」言っています。冒頭に、ご紹介した方も一人暮らしの女性で、年金を補うために、80歳近くまで働き続けてきましたが、働けなくなったとたん家賃の負担や光熱費の支払いが重くなり、さらに生活が苦しくなりました。女性の非正規雇用割合の高さや男女間の賃金、年金の格差、「男は仕事、女は家庭」という性別役割分担観がいまだ続いており、女性は働いていても収入が低く、単身者への公的な住宅支援制度も乏しく、女性が1人で自立して暮らすことが難しい社会となっています。
来年4月から施行される、「困難を抱える女性支援法」は「人権の確立、回復支援、ジェンダー平等へ」と女性支援の理念を大きく転換し、女性支援のための施策を推進し、人権が尊重され、女性が安心して、自立して暮らせる社会の実現に寄与することを目的としています。婚姻の有無や年齢を問わず、困難を抱えるすべての女性を支援する仕組みになることを期待し、以下お伺いいたします。
1、新法施行にあたり、婦人相談や支援がどのように変わり、充実させていくのかお聞かせ下さい。また、支援充実に向けて関係機関、民間団体などとの連携強化や準備の進捗はいかがでしょうか。
2、いままでの相談内容の分析や女性に向けたアンケート調査を行うなど、必要とされている支援のニーズを把握し、区レベルでも基本計画を策定すること。
以上2点についてお答え下さい。
困難な問題を抱える女性からの相談には、現在も区の婦人相談員が丁寧な対応に努める中、来年4月に施行される「困難を抱える女性支援法」に向け、東京都などが実施する研修や情報交換会などに積極的に参加し、法施行後の具体的な支援策についての情報収集を図っています。
現時点では、具体的な内容は定まっておりませんが、国や東京都の動向を注視し、必要な対応を検討してまいります。
なお、支援充実に向けた関係機関、民間団体との連携については、他自治体とも情報交換を行いながら、協議会等の設置に向けた準備を進めてまいります。
次に、区における基本計画の策定を図ることについてです。
区の計画策定に向けては、現在運用している男女共同参画推進計画「アゼリアプラン」との整合性や、計画策定に必要な情報分析などが必要と考えています。今後、令和5年度に計画策定を予定している東京都や、他自治体の動向を注視しながら、検討を進めてまいります。
5、交通安全対策や地域の諸課題について
大きな質問の5つ目は、交通安全対策や地域の諸課題について5点うかがいます。
(1)浮間地域のコミュニティバス試験運行について
その1点目は、浮間地域のコミュニティバス試験運行についてです。
浮間地域では、「12月にコミュニティバス運行と聞いていたのに、いつ動くのですか」との声のように、このバスを利用して、買い物や病院に行くことを楽しみにして、来年の春頃のコミュニティバス運行を指折り数えて待っています。
そこでお伺いいたします。
浮間地域のコミュニティバス試験運行に向けた、バス購入契約やバス停の設置など具体的なスケジュールお示し下さい、また、1日も早い運行実施を求めます。お答えください。
試験運行開始に向けたスケジュールにつきましては、まず、7月中を目途にバス車両の契約に向けた手続きを進めてまいります。
その後、北区地域公共交通会議において運行計画の承認を受け、10月以降からバス停の設置工事を進めてまいります。
試験運行の開始につきましては、来年の春先を予定しておりますが、1日も早い運行開始に向け、取り組んでまいります。
(2)北赤羽駅など、区内埼京線のホームドアを早期に整備することについて
2点目は、北赤羽駅など、区内埼京線のホームドアを早期に整備することについてです。
私は1月に住民の皆さんと東日本旅客鉄道株式会社に1日も早く区内の埼京線駅にホームドアを設置するよう申し入れをしました。昨年末に、埼京線北戸田駅にて親子が電車に飛び込む、痛ましい事故が起こっています。また私が調べた限りでは、北赤羽駅でも、昨年は2件の人身事故が起っています。
北赤羽駅は快速が通過する区内唯一の駅で、朝のラッシュ時もホームの駅員配置はなく、浮間口の改札も無人です。申し入れ時点では、埼京線については、2031年までに整備するとうかがいました。「危険があるのなら直ちに安全にするのは当然で、8年後では遅すぎる」と住民から意見が出ています。
そこでお伺いいたします。
北赤羽駅など、区内埼京線のホームドア整備の前倒しを北区からJRに求めてください。
現在、JR東日本では、山手線及び京浜東北線の北区内全ての駅において、ホームドアの整備を終えています。
今後、埼京線の各駅を含む東京圏においては、令和13年度末頃までに、順次整備していく計画が示されていますが、区といたしましては、各駅の状況を踏まえ、駅利用者の安全確保を最優先する観点から、ホームドアの早期整備について、様々な機会を捉えながら、JR東日本に求めてまいります。
(3)特定整備路線補助86号線(赤羽西地域)について
3点目は、特定整備路線補助86号線(赤羽西地域)についてです。
この道路計画の現道部分では昨年、東京都の下水管新設シールド工事の際に、泥水が道路に湧き出る事態になりました。その際にも「この道路は昔、河川だった、道路沿線は盛土をして住宅が建てられている」、「地中の中は、なにが起こっているのか見えない、今後も同じことや地盤沈下が起こるのでは」と住民から不安の声がでています。赤羽西都道86号線計画に対する事業認可取り消しを求める裁判の意見陳述で、この沿線にお住まいの方からは、「家を建てるときに、自宅付近の地下水が1.5~3.8メートルであることや、地下7メートルあたりまで柔らかい地盤であることが判明した」と述べています。
折しも、東京都は、この道路事業について施工時と完成時の地下水調査で、擁壁部とトンネル部の地下水位に影響が及ぶことが判明したとし、このことを受けて地下水流シミュレーションを実施し、地下水流の動きを解析して客観的評価をする必要性が生じたと業界紙でも述べています。
そこでお伺いいたします。
擁壁部とトンネル部の地下水位にどのような影響が及ぶことが判明したのでしょうか、またこの地下水流シミュレーションの結果や分析からどのようなことがわかったのかお答えください。また、分析結果などについて住民説明を行うよう東京都に求めて下さい。
さらに、特定整備路線補助86号線(赤羽西地域)は、赤羽西地域の台地をトンネルでくり抜き、赤羽自然観察公園とスポーツの森公園を20メートル幅の道路で分断する計画です。2013の事業計画住民説明会で、住環境や自然環境が壊される、必要性に疑問があるなど反対の声があり、地域住民からは計画の中止や廃止が求められていた路線です。東京都は、こうした声がありながらも一方的に計画を押し進め、北区もその計画を容認してきました。
そのような経過の中で住民は、2014年に計画の中止、廃止を求める2740筆もの署名を東京都及び北区に提出し、2015年4月には1279名が行政不服審査請求を国交省に提出、2017年11月には、事業認可取り消しを求め東京地裁に提訴、2022年高裁に提訴し、先日不当判決が下されました。しかし、住民は今後最高裁へ提訴の準備をしています。
区長は就任の挨拶の中で、これまでどおり地域に足を運び、現場を自分の目で確かめる「現場主義」、若者から高齢者まで直接意見交換を行う「双方向主義」で、区民の皆様の声を区政に反映させてまいりますと語っています。まちづくりに関してもその姿勢を貫いてほしいと考えております。こうまでして、区民がこの事業の取り消しを求めているのかに思いを寄せていただきたいと思います。そこでお伺いいたします。
特定整備路線補助86号線赤羽西地域の計画地に区長は足を運び、こうした区民の声に耳を傾け、直接意見交換を行うべきと考えますがいかがでしょうか。
以上お答えください。
はじめに、地下水位の調査結果について、住民説明を行うよう東京都に求めることなどについて、です。
東京都からは、地下水位への影響を評価するためのデータを収集する等の地下水調査委託を昨年度契約し、「現在も引き続き、調査中である」と、聞いています。
道路の設計にあたっては、これまでも東京都は北区と協議しながら計画を進めてきたところであり、区としても、周辺への影響に配慮するとともに、地元に対して丁寧に対応するよう、引き続き、東京都へ求めてまいります。
次に、区長が足を運び、区民の声に耳を傾け、直接意見交換を行うべき、についてです。
特定整備路線都市計画道路補助第86号線(赤羽西)は、延焼遮断帯の形成、震災時の安全な避難路の確保、緊急車両の通行の確保による円滑な救助・救援活動を担う道路など、地域の防災性向上を図る上で不可欠な道路です。
整備にあたり、様々な意見があることは承知していますが、区としては、事業者である東京都と連携を図りながら、事業の推進に努めていくとともに、地元に対して丁寧な対応を行うよう、引き続き、東京都に求めてまいります。
(4)赤羽西地域の交通安全対策について
4点目は、赤羽西地域の交通安全対策についてです。
赤羽西1丁目の中坂から区立鶴ケ丘児童遊園を経由して三岩通りに抜ける区道は、この地域の主要な道路になっておりますが、速度規制がありません、この道路の両側は住宅が軒を連ねており、高齢者も多く住んでいます。そこでお伺いいたします。
居住者や歩行者の安全対策として、面的に速度規制をかけるゾーン30の導入や速度制限標識など区から警察署へ求めてください。
ご指摘いただいた区道の交通状況につきましては、区としても以前より把握しており、警察と歩行者の安全対策について協議してまいりました。
引き続き、対策の具体化に向け協議してまいります。
(5)安全な自転車走行などについて
5点目は、安全な自転車走行などについてです。
昨年実施をした区議団の区民アンケートにも「自転車のマナーが悪いのでもっと注意喚起をして欲しい」、「狭い歩道でスピードをだす自転車も多い」との声や実際に、歩いていて自転車にぶつけられたとの事故も区内では起こっています。警視庁のまとめでは、歩行中に自転車に衝突される事故の約4割が歩道上で被害に遭っています。自転車走行は車道が原則ですが、例外的に歩道を走行する場合も歩行者の安全に配慮することが求められます。そこで3点おうかがいいたします。
1、区内の自転車が、かかわる事故の状況や増加などの傾向とその対策についてお答えください。
2、小学生や中学生に対する交通安全教育や自転車安全日啓発活動など行っていただいておりますが、さらに充実させ、区内自転車販売店などと連携するなど、自転車やヘルメットなどを購入時に、安全走行啓発のリーフをお渡しするなど、日常的に自転車走行マナーを向上させる取り組みを広げるよう求めます。お答えください。
3、自転車のヘルメット購入助成が始まりますが、個人店舗などでは在庫がないなどの声を伺っております。ヘルメット購入助成の協力を得られる店舗数、また、どのような店なのか、量販店などは含まれるのかお答えください。
以上、区長のあたたかい答弁を求め、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
令和4年の自転車利用者の事故による死傷者数につきましては、増加傾向であり、死傷者全体の約半数で自転車がかかわっています。
区としましては、引き続き警察をはじめ.関係機関と連携しながら、交通安全教育を推進してまいります。
また、自転車交通ルールなどにかんする周知については、購入の際に保険加入や自転車利用のルールやマナーにかんするチラシの配布のほか、口頭での説明を販売店にお願いするなど、周知・普及に取り組んでまいります。
ヘルメット購入費補助販売店につきましては、区民の皆さまが購入しやすいよう、量販店も含め、より多くの店舗にご協力をお願いしてまいります。
以上、お答え申し上げました。
いただきましたご質問につきましては、その趣旨を踏まえつつ、今後の区政運営の参考とさせていただきます。ありがとうございました。