2024年第3回定例会個人質問―宇都宮ゆり
2024年9月10日 | 宇都宮ゆり
私は大きく4点、平和について、聴覚障害者支援について、中小業者・商店街支援について、東十条駅周辺まちづくりについて区長・教育長に質問します。
1、戦後80年を迎える節目に北区から平和のいっそうの発信を
大きな1つ目の質問は、戦後80年を迎える節目に北区から平和のいっそうの発信についてです。
広島、長崎に原爆が投下され79年となるこの夏、私は広島で開催された原水爆禁止世界大会に参加しました。
広島市長は平和宣言で「自国の安全保障のためには核戦力の強化が必要だという考え方をどう思われますか」「軍備拡大競争についてどう思いますか」と問いかけ、こうした状況で市民社会の安全・安心は保てない、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナ情勢の悪化、世界情勢が厳しいがただ悲観するのではなく、心ひとつに対話の社会へ踏み出すことが必要と訴えました。
私は核抑止力に依存する社会から核兵器、戦争のない社会へ、平和を守るために声を上げていく事の必要性を改めて感じています。
2021年に核兵器禁止条約が発効され、現在署名国は93、批准国は70となり、2023年12月「核兵器禁止条約」の決議では賛成が123か国、反対43か国で日本は6年連続で反対。世界の流れは核兵器のない世界にむけ踏み出しています。
そこで質問します。
「核抑止力」論から脱却し、核兵器禁止条約に署名・批准すること。そして来年開かれる締約国会議にオブザーバー参加することを国に働きかけて頂きたいのですがいかがでしょうか。
我が国が核兵器禁止条約を署名・批准し、核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバーとして参加することにつきましては、昨年10月に北区が加盟する平和首長会議国内加盟都市会議から内閣総理大臣宛てに要請文を提出したところです。
区では引き続き、平和首長会議などを通じて国へ意見を表明してまいります。
次に北区の平和事業の拡充についてです。
北区は毎年8月に平和祈念週間が取り組まれてきました。
今年は、名誉区民 北村西望氏「平和の女神像」創建50周年記念式典が行われ、報道でも取り上げられました。区長はあいさつで「平和の女神像が語りかける平和への願いは大きな意義がある。改めて平和の尊さを祈念したい」と話されました。
さらに北区では今年度から2年間をかけ「戦後80周年記念誌」の作成準備を進めていると伺っています。
私は広島の世界大会で「平均年齢が85歳を超え、私たち被爆者が直接語り継ぐ事ができるタイムリミットが迫っている」と切実にお話を伺いました。
来年、戦後80年を迎えるにあたり戦争体験者の証言を次世代、若い世代に継承していく事が求められていると思います。
以下3点質問します。
はじめに広島、長崎 平和式典へ区民を派遣することについてです。
平和と戦争について考える機会として、広島、長崎の平和祈念式典へ親子や中高生を区民代表として派遣してはいかがでしょうか。
2つめは、北区で年3回行われている平和バスツアーについてです。
学芸員さんの案内で戦跡をめぐるツアーが親子に大変好評で、定員を超える応募があると伺いました。今後体制を拡充して、より多くの区民の方が参加できるよう求めます。
3つめは、戦後80年を迎えるにあたり、戦争の記憶を次世代に語り継ぐ取り組みとして、ホームページ上に特設ページを作り、軍都から平和都市北区の歴史や戦争体験の証言の映像等を掲載するのはいかがでしょうか。
まず、広島・長崎の平和祈念式典へ親子や中高生を区民代表として派遣することについてです。
ご紹介の広島・長崎での平和祈念式典への親子や中高生の派遣につきましては、他自治体で取組も参考に研究してまいります。
次に、平和バスツアー回数の拡充についてです。ご紹介の平和バスツアーは、ツアーに同行する案内員の確保などの課題から回数を増やすことは難しいと考えておりますが、区が作成しております北区平和マップのさらなる活用につきまして検討してまいります。
次に、戦後80年の特設ページの開設や次世代へ語り継ぐ平和事業の拡充についてです。
区では、今年8月の平和祈念事業や平和の女神像創建50周年式典の様子を区ホームページで動画を公開し、平和事業の発信に努めているところです。来年度には戦後80年誌の刊行を予定しており、今後の情報発信や取組みについて検討してまいります。
2、聴覚障がい者、なかでも中途失聴・難聴者への支援拡充について
大きな2つ目の質問は、聴覚障がい者、なかでも中途失聴・難聴者への支援拡充についてです。
聴覚に障がいを持つ方の中でも、いつから障がいを持つようになったか、その時期によって様々です。
例えば「ろう者」の方は、生後、音声言語を獲得する前に失聴し、手話を中心にコミュニケーションをはかっています。
他方、「中途失聴者」の方は、生まれた時には耳が聞こえていたが、病気・ストレス・事故など様々な原因により聞こえにくくなったり、まったく聞こえなくなった方です。加えて「難聴者」の方は聞こえにくいが、聴力がわずかに残っています。
私は先日、当事者からお話を伺いました。その方は3歳の頃、原因不明で難聴となり、20代~50代まで補聴器で生活し、現在は人口内耳を装着されています。
この方のお話では、聞こえていたものが聞こえなくなったという喪失のイメージが大きく障害を持った現実を受け入れることが難しい事、聞こえづらいからといって耳元で大きな声で話せば聞こえるわけではない事、発語しながら日本語の語順に沿って表現できる日本語対応手話でコミュニケーションを図っている事等を伺い、中途失聴・難聴者はろう者とは異なる方法でコミュニケーションを取っていることを私自身、はじめて認識しました。
北区は長年の運動で令和2年4月に手話言語条例が施行され、また他区にあまり例のない手話通訳連絡所が設置されています。
そこで1つめの質問です。
北区では窓口対応や各種相談において、とくにコミュニケーションが必要な方への対応はどうされていますか。とりわけ中途失聴・難聴者の方への窓口対応や相談の現状で、配慮や工夫をされているのはどのような点でしょうか。
区では、職員の障害に対する理解促進を図るため、障害者差別解消法に関する研修の実施、職員ハンドブックの配付など、障害のある方へ適切に対応するための意識啓発を図り、窓口などにおいて、中途失聴・難聴者の方も含め、その方の障害や特性に合わせた配慮や対応がとれるようしています。
窓口では、中途失聴・難聴者の方を含め「聞こえない・聞こえづらい」という方には、意思疎通支援事業として、手話通訳者の派遣のほかイラストや文字を指差してコミュニケーションを図る「コミュニケーション支援シート」、筆談ボードなどを活用し、円滑なコミュニケーションに努めており、今後、高齢者の相談窓口で導入した軟骨伝導イヤフォンの導入を検討しています。
そのほか、窓口以外の講演会や講習会では、要約筆記者の派遣なども実施しています。
東京都は、7月から「透明ディスプレイ」を都庁総合案内はじめ、スポーツ施設や障害者施設等に設置しました。このディスプレイは音声が多言語で表示されるため、聞こえにくい方も文字情報を得ることによって、安心して窓口で会話ができると伺いました。
音声情報を文字にして伝える方法は、話し言葉を聞き取りにくい中途失聴・難聴者にとっては有効な情報共有手段です。
そこで2つめの質問です。
聞こえを補う方法の一つとして音声が多言語で表示される透明ディスプレイを北区の総合案内窓口に設置をして頂くことを求めます。
現在、本庁舎の総合案内窓口における難聴者などの方へのご案内は、隣接する手話通訳連絡所からの手話通訳者の派遣や筆談などの方法により円滑にご案内しているところです。
3つめの質問は「中途失聴・難聴者を対象にした手話講習会」についてです。
先日私は、親子から高齢の方まで幅広い方が参加されている手話学習会を見学しました。中途失聴・難聴者の場合は話すことはできるので、発語しながら日本語の語順に沿って表現できる日本語対応手話を学習しておられます。
発語とともに、コミュニケーションをとる上で必要なのが「要約筆記」です。
「要約筆記」とは話された内容を要約してパソコンに入力し、その文字がスクリーンに映し出されるもので、講師が話していることが聞き取れなくても、スクリーンに映し出された字幕をみて参加者全員が共有することができます。
中途失聴・難聴者対象の手話講習会の学習は、一般の手話講習会でろうの先生が手話で教えるのとは異なるコミュニケーション方法であることがわかりました。
そこで質問です。
北区では手話講習会を実施されていますが、中途失聴・難聴者を対象とした講習会はありません。他区では品川区や大田区、杉並区、練馬区等で実施されていると聞いています。北区でもご検討いただけないでしょうか。
中途失聴・難聴者の方向けの講習会については、専門講師の養成や要約筆記をするための情報機器が必要になるなど、一定の課題がありますので、先行自治体の取り組み状況を調査、研究してまいります。
なお、障害者福祉センターで実施している手話講習会のうち、ボランティア養成講座では、中途失聴・難聴者の方を受入れています。受講者募集の機会を捉えて、丁寧に周知してまいります。
4つめは、中途失聴・難聴者への理解促進です。
ろう者と中途失聴・難聴者の特性を理解することは、障がいがある方をあたたかく受け入れるインクルーシブな社会をつくる上で不可欠と考えます。
北区として中途失聴・難聴者に対する理解促進と区民への情報発信をすすめるよう求めますが、いかがでしょうか。
北区では、「手話言語の確立及び障害の特性に応じた意思疎通の支援に関する条例」を制定し、手話が言語であることの理解促進のほか、全ての区民が障害の有無に関わらず相互に尊重し合いながら、共生する地域社会の実現に取り組んでいます。その一環として作成した周知用パンフレットには、中途失聴者・難聴者に関わることや、身に着けることで、聞こえが不自由な方への配慮を表す「耳マーク」の紹介なども行っています。
また、9月23日の国際手話言語デーにあわせ、手話言語条例の更なる普及や、障害者に対する理解促進を図るため、庁舎のライトアップを実施します。
今後も様々な機会を捉えた周知、啓発に取り組んでまいります。
なお、ライトアップにつきましては、所管委員会で報告させていただきます。
次に、補聴器助成制度の拡充についてです。
4月よりヒアリングフレイル予防として聞こえの支援、高齢者補聴器助成制度が始まり、当初予算を上回る200人以上の申請があるとの事で、今回補正予算対応をして頂き、区民から本当に助かっているとの声を頂いています。
北区では「中等度難聴児支援事業」により、18歳未満の障害者手帳を持たない方へ補聴器助成を行っています。しかし手帳を持たない、年齢18歳以上65歳未満の「はざま」の世代で補聴器を必要としている方に対しては補助がありません。千代田区では障害者手帳を持たない18歳以上64歳までの方へ補聴器助成を行っています。
質問します。
北区でも対象年齢を広げるとともに、住民税非課税だけではなく所得制限を緩和して、補聴器を必要とするより広い方々への助成を行うよう求めます。
区では、国の制度に基づき、聴覚障害のある方への補聴器・人工内耳等の補装具の購入、修理費用の助成をしています。
特別区では、概ね同一基準で助成が行われていると認識しており、現状においては、年齢など対象要件の拡大は考えておりません。
3、物価高騰対策など、中小業者・商店街へ支援拡充を
大きく3つ目の質問は、中小業者、商店街等への物価高騰対策についてです。
はじめに中小業者支援についてです。
飲食店の方は「昨年と比べ仕入れ値が倍以上になった」「さらに業務用エアコンや冷蔵庫の電気代の負担が重い」寄せられる声です。
東京商工リサーチの調査では、2024年上半期(1月~6月)の「ゼロゼロ融資」利用後は、327件が倒産に追い込まれ、倒産の高止まりが続いています。
産業別では最多がサービス業で、なかでも飲食店が最も多い結果となります。光熱費や食材費高騰、人件費の上昇に加え人手不足が重なり経営が悪化し破たんするケースが目立っています。中小・零細企業の2024年の倒産件数は1万件を超える見通しが示されています。
そこで質問します。
中小業者が区の融資制度を利用する際、北区では原油価格・物価高騰対策緊急資金や借換資金など対応されていると伺っていますが、利息部分にたいしていっそうの補助をし、負担軽減をはかって頂くことを求めます。
まず、中小業者への支援については、区では中小企業の円滑な事業資金の調達を図るため、契約金融機関と低利な融資制度を設定し、信用保証料及び利子補給の一部を補給する融資あっせんを行っています。昨今の物価高騰の影響が区内中小企業にも顕在化したため、区では「原油価格・物価高騰資金」を創設し、その後対象の要件緩和を行い、制度の利用促進を図っています。引き続き、様々な制度融資の利用が促進されるよう金融機関と連携するとともに、貸付条件などについて、他自治体の制度内容等を研究してまいります。
次に商店街支援について4点質問します。
はじめに区内共通商品券についてです。
10月に区内共通商品券の販売が始まります。これは消費者と区内商店街の双方の支援をする事業で、区民や商店主から歓迎の声を頂いています。発行規模を大きく拡大して頂いたことはたいへん嬉しく思いますが、すでに始まっているデジタル商品券の購入申請を行っている方からは、購入できるかどうかは抽選の結果決まることから、買う事ができるのかと心配しているとの声を頂いています。
そこでより多くの方が商品券を活用できるよう、申込状況などを見ながら、必要に応じて発行口数を増やすことを求めます。
次に、区内共通商品券については、現在、北区商店街連合会から、消費者への周知やアプリの操作方法などにかんする個別相談会や、取扱店舗の拡大に向けた取組みを進めていることを確認しています。
今後、商品券の販売状況や商店街等の反応のほか、課題なども整理し、北区商店街連合会と意見交換を行ってまいります。
2つめは、商店街街路灯の電気料金補助についてです。
商店街の街路灯は、区の防犯灯より灯具の間隔も短く、照度が高い事から夜間における安全・安心に寄与しています。
街路灯補助事業による電気料金の補助率が令和5年度に2分の1から3分の2に引き上げられましたが、町会などへの補助率と比較すると低い状況と聞いています。さらなる補助率の引き上げを求めます。また、小規模商店街では、多くの街路灯の維持費を少人数で負担しなければならないことに加え、昨今の電気料金の高騰により、街路灯の維持がたいへん厳しい状況にあると聞いています。
街路灯の基数と会員数のバランスが著しく崩れている場合は特別な支援が受けられる様、検討を頂けないでしょうか。
3つめは、LED街路灯ランプ交換についてです。
令和4年度から東京都の5分の4の補助制度が設けられ、また令和4年度から10分の1の区の上乗せ補助が制度化されました。
しかしLED街路灯ランプ交換は、電球だけの交換では済まない場合もあり、商店街負担は依然として大きなものと聞いています。今後も実情に合わせた継続支援を求めます。
商店街街路灯の補助等については、新型コロナ感染症を契機に店舗の廃業や会員数の減少が進み、街路灯維持の難しさが表面化するなど、商店街基盤の低下が懸念されています。引き続き、商店街のご意見等を確認しながら、必要な取組みを研究してまいります。なお、LEDランプ交換については、これまでも柔軟に補助制度の改善を図ってきました。引き続き、東京都と情報共有しながら、商店街の環境整備に努めてまいります。
4つめは、商店街空き店舗活用支援事業についてです。
いくつかの商店街から空き店舗が増えて困っていると聞いています。
商店街が減っている中で、今年度は予算を上回る3件の申込み申請があるとお聞きしました。商店街、消費者相互の支援となりたいへん喜ばしく思います。
商店街の空き店舗が、活用されるようにさらに大胆な予算の拡充をして頂きたいのですがいかがでしょうか。
商店街空き店舗活用事業にかんしては、店舗所有者との関係や自己負担面などから、事業化に難しさがあるものの、来街者の増加や組織の強化のほか、個店同士の連携も期待され、地域の賑わい創出につながるものと捉えています。今後、北区商店街連合会の要望を確認するとともに、他自治体の制度の把握に努めてまいります。
4、東十条駅周辺まちづくりについて
最後の質問は、東十条駅周辺まちづくりについてです。
令和5年から5回のガイドライン策定検討会が開かれ、3月には中間まとめが出されました。
この間に行われた住民参加のワークショップでは活発な議論が重ねられ、区民の方から「車等が寄り付ける広場をつくってほしい」「東十条駅南口のバリアフリー化を早く」「自転車駐輪場の整備を進めて」等の意見が出されました。
7月には第5回検討会が行われ、出された意見もふまえ、13項目の施策メニューをまとめたまちづくり整備計画案が示されました。
まちづくり整備計画案に関連して以下5点質問します。
1つめは、歩行者と自転車動線の分離についてです。
整備計画案の中で、歩行者と自転車を分離する「交通ネットワーク」方針が示されました。しかし、物理的に道路を整備するだけでは、歩行者と自転車の動線を分けることは難しいのではないでしょうか。新たな交通ルールや規制をつくり誘導する等の方法も考えているのか、区の見解をお聞きします。
また、北区内や他自治体で、歩行者と自転車動線をうまく分離している事例があれば、お示し下さい。
本年7月に開催した「第5回東十条駅周辺まちづくりガイドライン策定検討会」では、区が実施した交通量調査等の結果に基づき、駅東側の南北方向の区道において、歩行者と自転車の錯綜が課題となっていることを踏まえ、「北区自転車ネットワーク計画」に基づく自転車通行空間を整備するとともに、京浜東北線沿いを南北に貫通する新たな自転車動線を整備する考え方をお示しさせていただきました。
なお、新たな交通ルールや規制等での誘導については、現時点では考えておりませんが、地域の声も踏まえながら、必要に応じて検討してまいります。
また、歩行者と自転車の動線を分離している事例といたしましては、車道の一部を活用した自転車レーンの設置や歩道内での構造的・視覚的分離などの手法によって整備されている事例が全国的に多くあります。
2つめは、駅まち空間の形成と、新たなオープンスペースの創出についてです。
南口の駅前広場空間の検討に加え、今回の案では、はじめて北口の駅まち空間や、旧下十条運転区東側のオープンスペースの計画が示されました。これらの新しい提案が出てきた検討経過や、具体的なイメージをお示し下さい。
本年7月に開催した「第5回東十条駅周辺まちづくりガイドライン策定検討会」では、広場空間について、駅への車両アクセス性向上、にぎわい連続性確保、歩行者空間拡充、バリアフリー動線強化の視点で検討し、車両動線や歩行者動線を考えた場合、車両アクセスが可能な広場空間を駅南口付近、歩行者空間拡充等の機能は駅北口付近と中央東側でも確保していくことが望ましいと整理しています。
また、本年5月に開催した「東十条駅周辺まちづくりガイドライン 中間まとめ報告会」のワークショップにおいても、駅北口に歩行者の溜まり空間や、ゆっくりくつろげる広場の整備などを求める声が多く聞かれました。
なお、広場空間の具体的な整備イメージについては、下十条運転区跡地の利活用検討とあわせ、みどり空間の創出、安らぎのあるまちの回遊性向上、防災機能確保や歩行者空間拡充などの観点から検討したうえで、今後お示ししてまいります。
3つめは、下十条運転区跡地の利活用についてです。
計画案では、JRが所有するこの土地は、大規模土地利用転換を行い、生活拠点機能の拡充、防災対応力の強化、みどりの空間の創出など都市機能の更新を誘導するとされています。
このエリアは現在、準工業地域、容積率200%の用途地域指定となっていますが、北区として利用転換にあわせ、用途地域の指定を変更する考えをお持ちでしょうか。また、JRとして用途地域の変更や容積率の緩和といった意向を持っているかどうか、承知していますか。
検討会では、広場空間について、駅への車両アクセス性向上、にぎわい連続性確保、歩行者空間拡充、バリアフリー動線強化の視点で検討し、車両動線や歩行者動線を考えた場合、車両アクセスが可能な広場空間を駅南口付近、歩行者空間拡充等の機能は駅北口付近と中央東側でも確保していくことが望ましいと整理しています。
また、本年5月に開催した「東十条駅周辺まちづくりガイドライン中間まとめ報告会」のワークショップにおいても、駅北口に歩行者の溜まり空間や、ゆっくりくつろげる広場の整備などを求める声が多く聞かれました。
なお、広場空間の具体的な整備イメージについては、下十条運転区跡地の利活用検討とあわせ、みどり空間の創出、安らぎのあるまちの回遊性向上、防災機能確保や歩行者空間拡充などの観点から検討したうえで、今後お示ししてまいります。
当該地周辺は「都市計画マスタープラン2020」において、「都市機能集積ゾーン」に位置付けられており、商業・業務を中心とした土地利用を誘導しつつ、各地域の特性を踏まえた都市機能の更新や土地利用の高度化を促進し、利便性の高い市街地の形成を図るとしております。そのため、「ガイドライン中間まとめ」の土地利用の方針でも同様に、「都市機能集積ゾーン」に位置づけ、地域の暮らしを支える商業、生活拠点として、複合的な土地利用の誘導を図りつつ、災害に強く快適で利便性の高い市街地の形成を図るとしております。
また、JR東日本から区に要望等は出されていないため、区として意向は確認できておりませんが、容積率の緩和を含む用途地域の変更につきましては東京都の所管であるため、下十条運転区跡地の利活用検討の進捗に応じて、東京都などの関係機関と協議してまいります。
4つめは「商店街のにぎわいを高める連続性のある街並みづくり」についてです。
東十条商店街の低層部に商業施設を誘導するとしていますが、これは建替えの際、商業施設に限定する地区計画をかけるということでしょうか。
そのような規制で、実際に商店街が活性化した事例が区内や他自治体であればお示し下さい。
これまでに実施したアンケートやワークショップにおいて、まちの魅力として商店街をあげる方が多く、この魅力ある商店街の活気と賑わいの充実を図るため、東十条商店街の道路に面する宅地については、今後も低層部に商業施設を誘導するとともに、建物の高さや壁面の位置がそろった、統一感のある街並みを形成することにより、商業空間が連続した街並みづくりをしていくことが望ましいと考えております。
なお、区内では、「十条駅周辺西地区 地区計画」において、十条富士見銀座商店街通り、十条銀座西通り、十条仲通りに位置する区道に面する1階の部分に店舗、飲食店、診療所、事務所等を含まない建築物を制限し、連続したにぎわいの形成に努めている事例があります。
最後の質問は、住民参加による計画の検討です。
11月に予定されている第6回検討会をふまえて、まちづくりガイドライン案・まちづくり整備計画案が示されると聞いていますが、オープンハウス型説明会と合わせ、住民が主体的に参加でき、双方向で交流できる教室型、ワークショップ型の説明会の開催が必要と考えますがいかがでしょうか。
以上、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
ガイドラインの策定にあたっては、これまでも「アンケート調査」や、教室型、ワークショップ型の「中間報告会」や「中間まとめ報告会」を開催し、地域の意見を丁寧にお伺いしながら、検討を進めてまいりました。
第6回検討会の後は、パブリックコメントの実施を予定していることから、ガイドライン(案)への理解を深めていただいたうえで、パブリックコメントを提出していだきたいと考えており、誰もが好きな時間に自由に参加でき、一人ひとりに丁寧な対応ができるオープンハウス型説明会を、パブリックコメントの実施とあわせて開催することが望ましいと考えております。