2015年第4回定例会代表質問―さがらとしこ
2015年11月24日 | さがらとしこ
おはようございます。質問に先立ち、越阪部和彦区民部長のご逝去に際し、心からお悔やみ申し上げます。
さて、私は、日本共産党北区議員団を代表し、戦争法廃止、介護保険、大規模団地の高齢化対策、障害者差別解消法、道路問題、大きく5つの質問を行います。
1、軍都から平和都市北区への歴史に学び、平和主義・立憲主義の立場に立った北区政をめざして
(1)戦争法(安保法制)廃止へ、区長の決意を問う
最初は、日本国憲法のもとで、軍都から平和都市北区を築いてきた歴史に学び、平和主義、立憲主義の立場に立った区政運営をめざす区長の決意をうかがいます。
安倍自公政権は9月19日、安保法制、戦争法を強行しました。元内閣法制局長官の阪田雅裕(まさひろ)さんは、「私には憲法9条をどのように読んでも、集団的自衛権の行使ができるとは思えない。自衛隊は、…海外に出て武力行使はできない」と指摘されていますが、この法律が憲法違反であることは誰の目にも明らかです。憲法違反が公然とまかり通るようなことになれば、この国は独裁国家になってしまいます。
法案が強行されたあとも、戦争法廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を求める国民の声はさらに大きく広がっています。強行から2ヵ月後の今月19日には、国会前に9000人が参加して、「平和と立憲主義守れ」、「だれの子どももころさせない」「野党は共闘」のコールが響きました。日本共産党はこの声にこたえ、野党と広範な団体・個人の団結のもとに、「戦争法廃止の国民連合政府」実現をよびかけています。
区長におたずねします。平和都市北区を築いてきた歴史に学び、平和主義、立憲主義の立場に立った区政運営をすすめる上でも、憲法違反の戦争法に反対する姿勢を明確に表明されることを求めるものです。お答え下さい。
(2)沖縄に連帯し、オスプレイ配備に反対すること
もう一つは、沖縄の新たな米軍基地建設反対のたたかいに連帯し、オスプレイの配備に反対することです。
横田基地へのオスプレイ配備は、墜落・騒音で周辺住民を脅かし、首都圏での危険きわまりない訓練を呼びこむものです。加えて、強行された安保法制のもとで、横田基地が米軍と自衛隊の「軍軍間の調整所」となり、戦争法を実行する統合司令部にされる恐れがあります。私は、21日に行われた”STOP!「戦争する国」・いのち脅かすオスプレイは横田基地に来るな大集会”に参加し、その危険な実態を目に焼きつけてきました。
欠陥機との指摘もあるオスプレイは、日本のどこにも配備することは許されません。沖縄では翁長知事を先頭に、米軍新基地建設反対、オスプレイ配備反対の島ぐるみのたたかいが行われています。
区長、沖縄と連帯し、憲法の平和主義をまもるためにも、横田基地をはめオスプレイの日本各地への配備、および自衛隊のオスプレイ導入に反対を表明されるよう求めます。お答えください。
【区の答弁】
はじめに、安保法制関連法及びオスプレイにかんするご質問にお答えします。
北区では、昭和61年3月、世界の恒久平和と永遠の繁栄を願い、平和都市であることを宣言するとともに、平成23年2月には平和市長会議にも加盟しました。真の平和と安全を実現することは、私たちの願いであり、人類共通の悲願であります。 今後も平和で自由な共同社会の実現に向け、引き続き努力してまいります。
安保法制関連法及びオスプレイの配備につきましては、国の外交や安全保障にかかわる問題であり、憲法との関係や様々な課題等も含め、今後とも国会等の場で様々な審議・検討がなされるものと認識しています。 その経過について、注視してまいりたいと存じます。 また、先般、東京都知事及び周辺市長・町長から国に対して、横田基地対策の一つとして、オスプレイについては、国の責任において迅速かつ正確な情報提供等を行うよう、要望がなされたところでありますので、その動向についても注視してまいります。
2、「介護崩壊」を招く、介護報酬の引き下げに反対し、安心できる介護保険制度を求めて
大きく2つ目は.「介護崩壊」を招く介護報酬の引き下げに反対し、安心できる介護保険制度を求めて、以下4点質問します。
(1)在宅支えるデイサービス事業者などの実態を把握すること
1点目は、介護報酬引き下げの影響をきちんと調査することについてです。
日本共産党は先の第3回定例会で、この4月から、国が介護報酬の大幅な削減をおこなったために事業所の8割が減収となっており、「経営が苦しい」という声を紹介し、「現状を把握し、意見ををしっかりと聞くべき」と質問しました。
これに対し北区は、「定期的に介護事業所連絡会を通じて、意見交換している。特段、経営が苦しくなった、倒産寸前だとの話は聞いていない」と答弁されましたが、その認識をぜひあらためていただきたいと思います。
日本共産党が6月~8月におこなった全国緊急調査では、今年4月から5月の在宅介護事業所の廃止、休止件数は前年より15.8%増え、特に大都市では33.8%もの大幅増加となっていました。
そこであらためて、区内の小規模デイサービスをお訪ねし、介護報酬引き下げの深刻な実態を聞き取りしました。たとえば、ある事業所の施設長は「うちは18人の利用者がいますが、そのうち3人の要支援の方の報酬が2割もカットされ、全体では1割の収入減に。本当に大変です。私の給料は月額8万円に下げて、職員には申し訳ないけど夏のボーナスは出せなかった」とのことでした。また、10人規模の事業所では、「要支援者の報酬2割カットは本当につらい。いつまで続けられるかと、考え込んでしまいますよ。でも、ここにいる方、特に単身の方が多いですから、つぶすわけにはいかない。なんとか切り抜けなければ」と、口元をひきしめました。
北区は保険者として、介護報酬引き下げによる区内の実態について、どのように把握されていますか。具体的な調査はおこないましたか。お答えください。
【区の答弁】
はじめに、区内の介護事業者の実態把握についてです。
区内の介護事業者とは、事業者連絡会や研修会を通じて、定期的に情報交換を行っており、その中で、実態把握に努めております。また、具体的な実態調査につきましては、介護保険事業計画策定前に実施しておりますが、今回も第7期の介護保険事業計画策定前に、悉皆(しっかい)調査を実施する予定です。
(2)介護職員の処遇改善
介護保険の2点目は、職員の処遇改善についてです。4月の報酬改定で職員の賃金引き上げのために拡充された「処遇改善加算」ですが、介護現場で働く職員の8割が、改善されたという効果を、「実感がない」と答えていることが、労働組合の調査で明らかになりました。介護報酬という大元が大幅削減されたもとでは、「加算」措置だけでは改善がすすまないということです。抜本的な処遇改善が行われなければ、人材不足解消には結びつきません。北区は今後どうとりくんで行きますか。お答えください。
【区の答弁】
次に、介護職員の処遇改善と人材不足解消についてです。
介護従事者の人材確保につきましては、これまでも福祉の仕事総合フェアや福祉資格取得支援事業を実施してまいりましたが、今年度から開始する女性再就職支援事業においても介護職就職を支援する予定です。 また、国に対しては、特別区長会を通じて、「処遇改善や教育訓練体系の一元化等により、介護従事者として働き続けられる専門性の確立を推進すること。また、キャリア形成に応じた報酬を担保することなど、人材の確保・定着のための継続的な施策を実施すること。」との要望書を提出しておりますが、今後も引き続き、必要に応じて要望を行ってまいります。
(3)介護報酬の見直し・引き上げを国に求めること
3点目、以上のことからも、介護報酬は引き下げではなく、引き上げへと改善することです。国に強く求めてください。
【区の答弁】
次に、介護報酬の引き上げを国に強く求めることについてです。
介護保険の改善につきましては、平成27年度介護報酬改定の影響について適切な検証を行い、質の高い介護サービスを継続して確保するため、必要な措置を講ずるよう、全国市長会を通じて、国に要望しています。
(4)介護予防・日常生活支援総合事業への移行にあたって
4点目は、介護予防・日常生活総合支援事業への移行についてです。
来年3月から、年度内移行の方針が示され、区は「現行サービスですすめる。報酬は国基準で行く」としていますが、介護事業者への正式説明は12月と伺いました。介護報酬引き下げの影響が大きい上に、総合事業への移行には利用者はもちろん、介護事業者からの心配や疑問がたくさん聞こえてきます。丁寧な説明とともに、サービスを低下させず、安定した事業運営が継続できるよう、充分な準備と対応を求めます。以上、介護保険についてお答えください。
【区の答弁】
次に、介護予防・日常生活支援総合事業への移行についてです。
移行当初は、現行の介護予防相当のサービスを継続してまいります。今後も、区民の皆さまや介護事業者等のご意見をうかがいながら、丁寧な説明とともに準備を進めてまいります。
3、高齢化率50%超の大規模団地における施策推進について赤羽西地域の大規模団地群を安心居住のモデル地区に
大きな3つ目の質問は、高齢化率50%を超える都営桐ヶ丘団地やUR赤羽台団地をはじめとする赤羽西地域の大規模団地群を、安心居住のモデル地区にして施策を推進することについてです。
NHK特集「下流老人」や「老後崩壊」などが話題になりましたが、介護保険や国保料、消費税増税などの負担増は、国民年金や無年金の高齢者にとっては死活に関わる問題です。 さらに、生活の基盤である住宅問題が非常に大きな比重を占めています。たとえば、月額10万円の年金の中から、6万円の家賃を支払い、食費を削り、病院に行かない、必要な介護サービスも受けないと切り詰めても、なお厳しい暮らしの現実。また夫婦2人世帯から一人暮らしになったときの精神的、経済的苦しさ。こうした中で、安心して住み続けられる住宅の確保は欠かせません。住まいは人権の立場に立てば、収入に応じて家賃が設定されている都営住宅や区営住宅、そしてUR都市機構住宅の公的住宅としての役割が大きくなっており、公営住宅増設の要求は切実です。
桐ヶ丘団地のある桐ヶ丘1丁目の高齢化率は57%、6割が65才以上で、この10年間で高齢化率は一気に12ポイントも上がりました。これほど高齢化のスピードが速く、単身世帯が急増している地域で、さらに安心して住み続けられるまちづくりをどうすすめてゆくのか。北区にとっても、大都市東京にとっても、共通する切実な課題です。
こうした中で党区議団として、千葉県柏市にある4千戸規模のUR豊四季団地の建て替え事業に注目し、視察しました。ここでは、高齢化率が40%に達するという実態をふまえ、URと柏市、東京大学、医師会はじめ医療介護連携による「長寿社会のまちづくり」がすすめられています。住宅の建て替えとともに、住民からの要望が強かった特養ホームの新設、地域医療連携センターや地域包括支援センターなどの開設、サービス付き高齢者住宅も建設されました。今後は商業施設整備の中で、住民要望にこたえた温浴施設、つまりお風呂とコミュニティ食堂を計画し、高齢者の就労も視野に入れています。
全国が注目するこのUR豊四季団地を視察して、ハード、ソフトの両面から参考になることがたくさんありました。高齢化の著しい桐ヶ丘団地と赤羽台団地のある地域を、安心居住のモデル地区としてゆくために、以下6点の提案と質問をいたします。
(1)都営桐ヶ丘団地・デイホーム事業などの施策展開について
1点目は、デイホーム桐ヶ丘の事業拡大についてです。
デイホーム桐ヶ丘は、介護保険制度が始まる前、10年間にわたって東京都のモデル事業として、地域支え合い活動の先駆けともいえる活動を展開していました。元区立保育園だった場所を拠点に、だれでも気軽に立ち寄って、お話ししたり、相談にのって頂いたり。 とりわけお昼の食事会が人気で、野菜とか豆とかの食材にこだわった食事づくりグループが日替わりで提供する昼食は、実費負担程度でメニューも豊富。この工夫されたメニューは、デイホーム桐ヶ丘10周年記念に「レシピ集」として発行され、各地域の自主的な食事会グループも大いに活用させていただきました。
さて現在は建て替えした都営住宅の1階で、「北区デイホーム条例」による介護予防事業が行われています。高齢化が著しいこの地域で、介護予防、認知症予防、地域支援事業推進拠点の一つとして、常設のデイホーム桐ヶ丘の役割は今後ますます大きくなります。
そこで、立派な厨房設備をボランティアグループのみなさんが気軽に使えるように改善することや、地域担当保健師と連携しながら、常設の施設という利点を大きく生かした事業への拡充を求めるものです。お答えください。
【区の答弁】
高齢化率50%超の大規模団地における施策推進についてのご質問にお答えします。
はじめに、デイホーム桐ヶ丘の事業拡大についてです。
デイホーム桐ヶ丘は、平成2年に開設し、平成18年からは、介護保険の二次予防事業対象者のための通いの場として位置付けてまいりました。しかしながら、介護保険法の改正により、一次予防、二次予防の区別がなくなり、この事業のあり方について、見直すことが求められております。 今後、介護予防・日常生活支援総合事業の事業展開を考える中で、デイホーム事業の内容と位置づけについて検討してまいります。
(2)空き店舗を活用した「ヴイ長屋」など、障害者雇用と高齢者支援、コミュニティ再生事業への支援
2点目は、新しいささえあい、コミュニティの場への支援についてです。
空き店舗を活用したカフェレストラン「ウイ長屋」ができて、高齢者が友だちを誘って一緒に食事したり、お茶飲みしたり、ふれあい食事会も。また障害のある人たちによる夕食のお弁当配食サービスが行われるようになり、新たなコミュニティの拠点と就労の場がつくられています。こうした事業に北区としての支援を引き続き求めるものです。
【区の答弁】
次に、新しいささえあい、コミュニティの場への支援についてです。
ご紹介の「ヴイ長屋」は、高齢化が進む桐ヶ丘地域において、町会自治会、商店街、民生・児童委員、地域のボランティア、社会福祉協議会、高齢者あんしんセンターと行政が連携・協力して生まれた高齢者が気軽に立ち寄れるレストランを運営する定員20名の就労継続支援B型の障害者施設です。商店街が、区の補助金を活用し、空き店舗を改修し、社会福祉法人に貸し付け、平成26年7月にオープンしました。 現在はレストラン事業のほか、区のふれあい会食事業の委託や桐ヶ丘デイホームでの清掃やお茶出し、一人暮らし高齢者への配食サービスで収入を得ています。区は、こうした事業に対して引き続き支援を行ってまいります。
(3)風呂のある(仮称)桐ヶ丘区民センター建設
3点目は、お風呂のある(仮称)桐ヶ丘区民センターの早期建設です。
高齢者のみなさん、また自治会の方々からも切望されている区民センターは、地域住民の交流をはかり、コミュニティ再生にとって欠かせない存在です。現在の桐ヶ丘地域振興室は階段のバリアーが高くて、危険も伴います。また、建て替え事業で各住戸には浴室がつきましたが、単身高齢者の中には「窓もないお風呂に一人ではいるのは怖い」とか、「お風呂掃除が大変だからシャワーだけでがまんしている」という声も多いのが現状です。建て替えがはじまるまでは、誘致浴場・銭湯があって地域のコミュニティの大事な場となっていました。ですから、先にご紹介したUR豊四季団地では、商業施設整備とお風呂をコミュニティ再生の核とする計画とうかがって心強く感じました。
「一刻も早く具体化してほしい」という住民の声をしっかりと受けとめて頂き、お風呂のある区民センターの早期実現を強く求めるものです。
【区の答弁】
お風呂のある(仮称)桐ヶ丘区民センターの建設に関するご質問にお答えします。
桐ヶ丘地区の区民センターは、北区基本計画2015の後期で、地域コミュニティ活動の拠点施設として、計画的に整備することとしています。今後、桐ヶ丘団地再生計画第六期事業計画の策定を踏まえ、立地場所も含め、東京都と協議してまいります。コミュニティ再生のための浴場の施設につきましては、研究してまいります。
(4)シルバーピアなどの増設を都に求めること
4点目は、東京都にシルバーピアの増設をもとめていただくことです。
北園小跡地での区立シルバーピアの建設に期待がよせられていますが、今後ますます必要となる公的住宅です。サービス付き高齢者住宅整備も言われますが、UR豊四季団地では、せっかくできたけれども、家賃を含む利用料金が高額になることから、今後は家賃補助などの対策を考えているとお聞きしました。区内の調査でも、利用料負担が大きいことが課題です。
すでに桐ヶ丘団地にはシルバーピアの実績がありますが、高齢化の需要をふまえ、建て替え事業の中でのシルバーピア増設を求めてください。建て替えによる移転の際、シルバーピアへの希望もあります。増設をぜひ求めてください。
【区の答弁】
シルバーピアなどの増設を東京都に求めることについてです。
都営シルバーピアについては、区内に4か所、115戸が整備されています。東京都住宅マスタープランでは、都営住宅の建て替え等に合わせ、地元区市等と連携し、シルバーピアなどの高齢者向け住宅の整備を促進するとしております。区といたしましては、今後、東京都が策定予定の桐ヶ丘団地再生計画第六期事業計画における研究課題とさせていただきます。
(5)多世代型都営住宅へ、都に政策転換を求めること
5点目は、多世代型都営住宅、ソーシャルミックスの住宅としてゆくことです。
高齢化率が10年間で12ポイントも上昇する理由の1つは、名義人が亡くなられると、原則60才以下の同居人には住宅の継続使用を認めないという、使用承継基準の「厳格化」です。もう一つは、収入基準の引き下げです。現在、月額15万8千円です。これでは子育て世代の多くが、収入基準オーバーで申し込みもできません。ファミリー世帯向け、10年間の期限付き住宅の募集も行われていますが、募集戸数が少ないことと教育費にお金がかかる頃には10年の期限がきて、定住できないしくみです。
そこで、建て替え未計画地にファミリー向け住宅建設を盛り込むことなどを含め、高齢化の要因をとりのぞき、多世代がともに暮らせる公的住宅にしてゆくことを都に求めて下さい。
【区の答弁】
次に、多世代型都営住宅へ、都に政策転換を求めることについてのご質問にお答えします。
東京都は、都営住宅の建替えに際し、従前居住者の世帯構成に応じた規模の住宅を供給しております。また、子育て世帯に対しましては、既に若年ファミリーや多子世帯向けに期限付き入居を実施しているほか、優遇抽選やポイント方式により、入居機会の拡大を図っているとのことです。 区といたしましては、引き続き、こうしたソーシャルミックスの視点に立った取り組みを進めるよう東京都に要望してまいります。
(6)UR赤羽台団地における施策の推進を求めて
6点目は、UR赤羽台団地の諸課題について以下、4つの質問をします。
その1つは、安心して住み続けられるよう、家賃を引き下げることです。建て替えの中で、居住者にとっての最大の課題は家賃です。今後、新たな募集が行われて若い方が入居される際にも高額な家賃が大きな問題となります。安心居住のために、家賃の引き下げを求めます。
2つには、緊急通報システムの改善です。建て替え後の居室には、緊急通報システムが設置されていますが、玄関ドアの上部にランプが付くことになっているものの、救急対応が必要であっても、外部との緊急連絡ができません。改善を求めます。
3つ、崖線のバリアを取り除く、EVの設置です。いったん、工事開始にあたってのボーリング調査が行われた時期もありましたが、その後、全く動きが見られません。一刻も早く設置を求めるものです。
4つ、都市公園とする議案が今議会に示された、(仮称)「赤羽台のもり公園」についてです。ワークショップなどで住民意見や要望をぜひ生かしていただくことと、防災公園として集会施設や防災倉庫、深井戸の整備などを求めるものです。
以上、URとともに安心居住のモデル地域にふさわしい取り組みを求めます。
【区の答弁】
次に、UR赤羽台団地における施策の推進を求めることについてのご質問にお答えします。
UR赤羽台団地の家賃につきましては、独立行政法人都市再生機構法に基づき、近傍同種の住宅の家賃を基準として設定されております。
また、緊急通報システムの対応につきましては、居住者の意向を確認するようUR都市機構に伝えてまいります。
崖線(がいせん)へのエレベーター設置につきましては、現在、赤羽台トンネル脇への整備を計画しており、土質調査を踏まえ、構造検討などに入っていると、UR都市機構から聞いています。
(仮称)赤羽台のもり公園の整備につきましては、来年度、基本計画を予定しており、ワークショップを開催する中で、地域住民の要望等を十分に検討し、各種防災機能を持つ公園として整備してまいりたいと考えております。
4、来年度施行される「障害者差別解消法」の理解をすすめ、居住確保や基幹相談支援などの施策推進を求めて
大きな4つめの質問は、来年4月に施行される「障害者差別解消法」の理解をすすることと、居住確保などの障害者施策についてです。
先日、北区主催の「みんなで考えよう 障害者差別解消法」の講演とシンポジウムが北とぴあで開かれ、私も参加しましたが、講演の中でくり返し語られた、障害者差別解消法のキーワードは「合理的配慮」です。私はお話しを伺って、「障害者が人として平等に生きられる社会への第一歩」として、お互いを理解し合い、差別をなくすためには、対話を重ねてゆくプロセスが大切と実感しました。また、差別的な制度や法律の是正も必要です。
(1)「障害者差別解消法」の理解をすすめるために
そこでまずはじめに、共生できる社会実現にむけて、先日の取り組みを生かしながら、「北区ニュース」での特集を企画するなど、「障害者差別解消」へ今後の積極的な取り組みを求めます。お答えください。
【区の答弁】
障害者施策にかんするご質問にお答えします。
はじめに、障害者差別を無くす取り組みについてです。
障害を理由とする差別の解消を推進し、分け隔てのない共生社会の実現を目的とした障害者差別解消法が来年4月に施工されます。不当な差別的取り扱いを禁止し、合理的配慮を提供する取り組みを推進するためには、区民一人ひとりの障害者理解が不可欠であり、差別解消法の目的や法の趣旨を広く区民に周知する必要があります。 これまで、ホームページによる周知のほか、窓口でのチラシの配布を実施してきましたが、今後は、自立支援協議会等を通じて寄せられた障害者差別や合理的配慮の事例をまとめ、北区ニュース等により広く区民に周知するなど障害者差別解消法の理解促進に努めてまいります。
つぎに、区内に入所施設をつくることなど、5点の質問をします。
党区議団はこの間、来年度の予算要望づくりにあたって、各障害者団体との懇談を重ねてきました。この中で「今年4月に開設された文京区立文京総合福祉センターを、ぜひ見てほしい。参考にしてほしい」と要望され、早速訪問し、お話しを伺ってきました。そのセンターは、入所施設やショートステイ、生活介護、就労継続支援などの入った「障害者支援施設」と「障害者基幹相談支援センター」がある複合施設です。
(2)グループホーム増設とともに、入所施設の区内整備を
1点目は、区立の入所施設を整備することについてうかがいます。
保護者からの陳情・請願が何度も採択され、「第4期北区障害福祉計画」では、地域生活支援型入所施設の整備・検討がもりこまれました。
文京区では、これまであった障害者施設の建て替えにあたり、永年の課題であった区立入所施設建設に踏み切ることにした」と、その決意を語られました。
複合施設の2階から3階にある支援入所施設では、ことし4月の開設にあたり、今は遠くの区外施設に入っているけれど文京区に帰ってきたいと、希望する方の状況を丁寧に把握するため、遠くは青森や秋田などに何度も足を運んで準備をされたとのことでした。そして、5月までかけて区内施設への転居がすすめられると、その後は家族のみなさんが、毎日、あるいは毎週訪ねて来るようになり、職員のみなさんも「家族との関係が深まっている。本当によかった」と話していました。
施設から地域へと言われますが、区民である障害者270名ほどの方が、北海道をはじめとする区外の施設に長い間入所されています。家族でありながら面会もなかなかできません。永年にわたる取り組みによって、障害者施策の貴重な実績が蓄積されている北区だからこそ、区内入所施設の開設が切実に求められているのではないでしょうか。財源確保の手立てなど、知恵もしぼりながら、前向きなご答弁を求めるものです。
【区の答弁】
次に、グループホームの増設と入所施設の整備についてです。
グループホームは、親亡きあとの障害者を支える生活の場であるとともに、地方の施設に入所している障害者の地域生活移行の拠点となる施設でもあります。受け皿となるグループホームの整備にあたっては、社会福祉法人やNPO法人等による誘致を中心に進めますが、重度障害者対象のグループホームについては、人件費負担も大きく経営が厳しくなるため、区有地活用型の整備も検討してまいります。
ご提案の入所施設につきましては、国及び東京都において入所施設の整備は想定されておらず、財政的な措置もされていないため困難な状況ですが、引き続き、区内での社会福祉法人等による整備誘致について検討してまいります。
(3)求められるアウトリーチと基幹相談支援事業の拡充について
2点目は、アウトリーチの必要性と総合相談窓口となる基幹型相談支援事業の拡充についてです。
文京総合福祉センターの1階に、あらゆる相談をワンストップで受け付ける、障害者基幹相談支援センターの窓口がありました。ここは2つの事業者が「共同事業体」をつくり、区からの委託を受け、社会福祉士、精神障害福祉士などの有資格者7名の常勤職員が、窓口対応にあたるとともに、電動自転車を駆使して区内全域でのアウトリーチに力を入れているとのことでした。
基幹型相談の役割の1つは、身体、知的、精神、難病など、ワンストップの総合相談窓口。2つに、区内の相談支援体制の強化。 3つに、地域への移行・定着支援。4つに、権利擁護など、関係各課との連携と調整の役割です。
窓口の開設以来、相談が急増し、9月は300件の相談がよせられたとのこと。ここでは、障害者手帳を持っているとかいないとかに関わらず、通院拒否や引きこもりなどの通報や相談があればすぐに対応する。高齢の親や家族では対応が困難だとわかれば保健師と連携して対応する。家族の介護の問題があれば地域包括支援センターと連携して対応するとのことで、基幹型相談支援の役割は大きいと実感しましたが、北区としての取り組みの現状と今後について、お答えください。
【区の答弁】
次に、アウトリーチの必要性と期間相談支援事業の拡充についてです。
障害者総合支援法の施行により、発達障害者と難病患者が支援の対象となったほか、精神障碍者も増加しています。そのため、生活状況の確認や本人の病状の見立て、受診勧奨や病院同行などアウトリーチの必要性は高まっています。 最近は、精神障碍者の対応で医療的な専門性が求められるケースもあり、都立精神保健福祉センターの医師との同行訪問も増えています。 北区では、基幹相談支援センターは未整備ですが、基幹センターが担うべき総合相談、指定計画相談事業所とのネットワークづくりや虐待防止などの権利擁護事業は王子、赤羽の各障害相談係と虐待防止センターが担っています。 病院や入所施設からの地域移行については、なかなか進まず、大きな課題となっていますが、今後、指定一般相談事業所と連携して行う住居の確保、障害福祉サービスの体験利用や地域移行支援計画の作成等を通じ、地域移行と地域定着を推進することにより相談支援事業の充実を図ってまいります。
(4)多様化する業務、指定相談支援事業の単価を引き上げること
3点目は、サービスなどの利用計画を作成する指定相談支援事業についてです。
障害者のニーズは多様化しており、先に紹介したような障害者本人だけでなく、家族全体の支援が必要な事例も増えています。日常生活の困りごとへの対応、緊急時対応など、地域での生活を包括的に支援できるような体制づくりが求められています。
報酬単価をひきあげるとともに、人的配置の確保についてお答え下さい。
【区の答弁】
次に、指定計画相談支援業務の報酬単価引き上げと人的配置の確保についてです。
相談支援専門員の人員不足からサービス等利用計画の作成が、進んでいません。区としては、指定特定相談支援事業所の相談支援専門員の人員確保を目的として、相談支援専門員が、専従職員として、サービス等利用計画の作成業務に従事できるよう、報酬額を増加することを全国市長会を通じて国に要望しています。
報酬単価引き上げにつきましては、今後も国の動向を注視し、必要に応じて国に要望してまいります。
(5)就労A型の厚労省改善指導通知を徹底すること
4点目は、精神障害の方の就労についてです。
厚生労働省は9月8日、各自治体に対し、「A型における適正な事業運営に向けた指導について」の通知をおこないました。これは、就労A型という雇用型事業において、週20時間以上働けない方を対象に、雇用を打ち切ったり、一般就労が困難だとして、「B型事業」への変更を強要するケースが増加していることから、本人の意志に反する「雇い止め」はしないように求めたものです。障害者運動の関係者の方々が、繰り返し改善を求めてきたことに応えたものです。
この厚労省通知に基づいて、適切な障害者福祉サービスが実施されるよう、周知徹底を求めるものです。お答えください。
【区の答弁】
次に、就労継続支援A型に関する厚生労働省改善指導通知の徹底についてです。
ご紹介の通知は、一部の事業者において生産活動の内容が不適切と考えられる事例、サービス提供の形態が不適切と考えられる事例や助成金の対象期間満了と同時に退所させている事例があるため、適正な事業運営に向けた指導を行うよう通知されたものです。 区では、この通知を受け、区内2か所のA型事業所に対し趣旨の徹底を図りました。 今後も就労継続支援A型事業所の適正な事業運営に資するため、このたびの通知に基づき、指導を徹底してまいります。
(6)福祉避難所としての位置づけと備品購入費補助について
5点目は、民間が運営する事業所の「福祉避難所」としての位置づけと、防災用備畜購入費補助についてです。
新たな防災計画のもと、「福祉避難所」整備については区営施設での取り組みがまじまっています。しかし、民間の事業所に対しては、未だに、「福祉避難所」についての説明も行われていないのが現状です。
すみやかに、各事業所への説明を行うとともに、要望や提案にたいしても、積極的にうけとめながら、整備をすすめていくことを求めます。
また、すでに地元自治会や町会と一緒に防災訓練を実施し、その経験の中から厨房にあった消火器の設置場所を変更するなど、より実践的な取り組みもすすめられています。こうした機会をとらえて、備品の交換や拡充に必要な財政支援を継続するよう求めます。
以上、障害者施策について質問しました。前向きなご答弁を求めます。
【区の答弁】
次に、福祉避難所としての位置づけと防災備蓄品購入費補助についてです。
民間の障害者の通所施設を「福祉避難所」として位置づける場合には、避難所の安全性を確保する観点から、施設の耐震性や面積、備蓄場所の確保など一定の条件が必要と考えています。福祉避難所候補施設として想定される事業所に対し、現在、趣旨をご説明しているところです。今後、運営方法も含め、事業所と協議を重ね、福祉避難所の整備を図ってまいります。
また、民間の障害者の通所施設に対する防災備蓄品の整備については、検討課題とさせていただきます。
5、区立赤羽自然観察公園と赤羽スポーツの森公園を分断する86道路計画はただちに撤回すること
最後の質問は、区立赤羽自然観察公園と赤羽スポーツの森公園を分断し、環境を破壊する86号特定整備路線はただちに撤回することを求めるものです。
11月15日、北区少年少女サッカー大会開会式が赤羽スポーツの森公園競技場でおこなわれました。来年の決勝大会まで、この競技場を中心に、1600人を超える少年少女たちが試合を繰り広げるとのことです。
ここになぜ、幅員20mもの都市計画道路をつくって、区民の財産である2つの公園を分断する必要があるでしょうか。まったく、道理がありません。
先日ある地権者の方から、「久しぶりに赤羽自然観察公園とスポーツの森公園をあるいてみましたが、立派になりましたねえ。軍の施設がたくさんあったあの広い場所が緑豊かな公園になっていて、びっくりしました」といわれました。そして都市公園としての「赤羽自然観察公園整備事業」についての詳細な資料をいただきました。
この資料を読みながら、アーバンエコロジーという言葉やワークショップなど、毎晩遅くまで激論をかわしながら、それこそ区民からの知恵もだしてもらいながら計画づくりに情熱を傾けた当時のことがよみがえってきました。区の担当課は、地形、湧水、植生、動植物相についての詳細な調査を行った上で、区民要望にどう応えた計画にしゆくのか、大変丁寧に取り組んでおられました。だからこそ、16年の間「自然保護区域」を設け、野鳥や緑の調査を行い、ボランティアによる管理が継続されてきたのではないでしょうか。
この貴重な都市公園である、赤羽自然観察公園の環境を保全することこそが大事です。隣接する2つの公園を分断して道路を通せば、自動車排ガス、騒音・振動による環境破壊、遊水池と野鳥の生息するエリアの自然環境破壊となり、子どもたちがのびのび遊ぶ環境が損なわれることになります。
一方、86道路計画でつながる志茂地域では、住民の皆さんの運動が新たな段階に入りました。それは10月28日、志茂地区の特定整備路線補助86号線事業認可の取り消しを求める裁判の初公判が開かれたことです。
原告となられた住民のみなさんは、同事業認可の基本となるべき「都市計画」がもともと存在していないこと、約70年もの間住民の意見をくみあげることもなく計画を押しつけることは、「日本国憲法および都市計画法に反して違法と判断されるべきもの」と指摘しています。
さらに今回、50年前の北清掃工場の建設をめぐって、志茂地域の住民と東京都との間で交わされた公害防止協定の存在にあらためて光をあてました。この道路計画は、「地域環境を悪化させないよう公害を防止」するとした東京都が自ら結んだ協定に違反することは明らかであり、事業認可は取り消すべきと、住民は主張したのです。
以上のことから東京都に対し、環境破壊の86道路計画はきっぱりと断念すべきと明確に求めるべきです。以上、お答え下さい。
ご静聴ありがとうございました。
【区の答弁】
2つの公園を分断する補助86号線道路計画の撤回についてのご質問にお答えします。
平成16年に区が用地を取得した赤羽スポーツの森公園は、補助86号線の整備を前提に造られております。補助86号線については、災害時の安全な避難路、緊急車両の通行路など、道路ネットワークとしての重要な機能があり、燃え広がらないまちを実現するために不可欠であると考えております。 東京都に対しては、引き続き周辺環境に配慮した道路整備を申し入れてまいりますが、計画の撤回を求めることは考えておりません。