2022年第2回定例会代表質問―福島宏紀
2022年6月9日 | 福島宏紀
私は、日本共産党北区議員団を代表して花川区長および清正教育長に大きく4点質問致します。
1、憲法9条を活かす平和外交でいのちを守る北区を
大きな1つ目の質問は、憲法9条を活かす平和外交についてです。
3月3日、北区議会は、ロシアによるウクライナ侵略に厳しく抗議する決議を全会一致で採択しました。国連憲章と国際人道法を真っ向から踏みにじる侵略行為は、いかなる理由があろうと断じて許すわけにはいきません。
同時に今、世界と日本が、戦争か平和かという進路の選択に直面しています。岸田政権は、専守防衛の原則を投げ捨て、先制攻撃にも踏み込みかねない反撃能力、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有に前のめりになっています。
さらに、来日したバイデン米大統領には「相当な額」の軍事費増額を公約し、自民党が掲げるGDP比2%まで引き上げれば、総額11兆円、世界第3位の軍事大国となり、国民のくらしを押しつぶすことは明白です。
一方、日本維新の会などが提唱するアメリカとの「核共有」は、唯一の戦争被爆国のわが国に「核を持て」と迫る看過できない主張です。
「軍事対軍事」、「核対核」の対応では悪循環に陥るだけです。憲法9条を活かした平和外交で、戦争を起こさせない平和と友好の地域づくりに徹することこそ、日本が進むべき道ではないでしょうか。
(1)戦争の心配のない平和な区政実現のために、憲法と非核三原則を遵守し、核兵器禁止条約を批准するよう国に強くはたらきかけること
そこで、質問の第1は、北区平和都市宣言を掲げる北区が、戦争の心配のない平和な区政を実現するために、以下3点、強く国に求めてください。
(1)憲法9条を堅持し、現行憲法を遵守すること。
(2)「核共有」を断固拒否し、非核三原則を堅持すること。
(3)日本が速やかに核兵器禁止条約を批准し、核廃絶に向けた世界の運動の先頭に立つこと。
以上、花川区長の決意ある答弁を求めます。
北区は、平和都市宣言において、日本国憲法に掲げられた恒久平和の理念に基づき、わが国が非核三原則を堅持することを求めています。
昨年11月には、核兵器禁止条約を批准するよう、北区が加盟する平和首長会議国内加盟都市会議から内閣総理大臣あてに要請文を提出しています。
また、今年3月には、唯一の被爆国である日本が、核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバーとして参加するよう強く要望する旨の意見書を、北区議会から内閣総理大臣あてに提出しています。
こうしたことから、区では引き続き、平和首長会議などを通じて国へ意見を表明していくとともに、憲法改正を含め、国会における議論を注視してまいります。
(2)くらし、仕事、住宅、教育等、ウクライナの方への支援に万全を期すこと
質問の第2は、ロシアによる侵略を逃れ、ウクライナから北区へ避難してきた方への支援に万全を期すことについて伺います。
報道によれば、国外に避難を強いられているウクライナの人々は5月現在、約600万人に及び、日本でも受け入れが始まっています。着の身着のまま国外に逃れ、見ず知らずの地で生活しなければならない状況の中で、仕事、住居、医療、子どもの教育など生活全般にわたる人道支援が必要になります。
そこで質問いたします。
(1)北区に避難してきたウクライナの方が何人おいでになるか、お答えください。
(2)国や東京都との連携を含め、北区での支援の現状をお示しください。
(3)加えて、NPO法人など関連団体との連携や、今後必要となる支援についてお聞かせください。
まず、ウクライナから避難され、北区に住民登録をしている方は、6月8日現在で5名です。
次に、区の支援の現状についてです。
区では、ウクライナからの避難民の方々が北区で安心して日常生活を送れるよう、関係課で構成する庁内連絡会を立ち上げ、具体的な支援策について、これまで検討を進めてまいりました。
区の具体的な支援の取り組みとしましては、区の支援策を避難民や支援者の方々へ速やか、かつ、的確に周知するため、北区公式ホームページについてウクライナ語にも対応した多言語化を図るとともに、日常生活において、相手と意思疎通が行えるよう、自動通訳機を貸し出しています。
また、ウクライナ避難民への生活費の支援について、民間支援団体より支給される支援金は、申請から支給まで1ヵ月程度を要することから、区では、転入時に支給可能な一次支援金制度を独自に構築したところです。
避難民の方々が必要とする支援は、こうした生活費支援のほか、医療、保育や教育環境の確保、就業、地域活動への参加など、多様であると考えております。
こうしたことから、区では、転入届の機会をとらえ、避難民の方々が必要とする支援について区職員が窓口で聴き取りを行い、避難民の方々に寄り添ったきめ細やかな対応に努めることとしています。
区といたしましては、引き続き、庁内連絡会において、課題の整理や、適切な支援策について検討を進めていくとともに、国や東京都などの関係機関と緊密に連携を図り、必要に応じて、NPO法人とも連携しながら、ウクライナ避難民の方々を重層的に支援していけるよう、努めてまいります。
2、物価高騰からくらしをまもり、すべての区民を対象とする給付金等、支援施策の拡充を求める
大きな2つ目の質問は、物価高騰からくらしをまもるための施策の拡充についてです。
物価が急騰する中で、賃金上がらず、年金下がると、区民から怒りと悲鳴は高まるばかりです。新型コロナやウクライナ侵略の影響に加え、値上げラッシュの根本には、「異次元の金融緩和」で異常円安を誘導してきたアベノミクス、政府の大失政があります。この大失政の片棒を担いできた日銀総裁が6日の記者会見で「家計の値上げ許容度も高まっている」と発言、その後、撤回したものの、国民の怒りは収まりません。
岸田政権は、総額2兆7000億円にのぼる補正予算を可決させましたが、物価高騰に苦しむ国民や中小企業への具体的支援はないに等しいものです。
国に対し、経済対策の抜本的見直しを要請するとともに、コロナ禍の下でも大幅な増収となっている区財政を最大限活用し、くらしを支援する施策の拡充に踏み出すよう求めるものです。
以下、順次質問致します。
(1)消費税の緊急減税、インボイス中止、最低賃金 1500 円への引き上げ、男女賃金格差解消を国に求めること
第1の質問は、物価高騰から生活を守るため、次の4点を国に求めてください。
(1)すでに世界80ヵ国が実施している消費税減税です。緊急に税率5%への引き下げを求めてください。
(2)免税の中小業者に消費税の納税か取引からの排除かを迫るインボイス制度は、今からでも中止にすること。
(3)働く人の賃金の底上げです。中小企業への大規模な財政支援とセットで、最低賃金を時給1500円に引き上げること。
(4)生涯収入で1億円以上もの差が生まれている男女の賃金格差を解消すること。
区長の答弁を求めます。
はじめに、消費税の緊急減税についてです。
消費税は、持続可能な社会保障制度を構築するため、税率引き上げによる増収分については、社会保障財源に活用するとされ、北区では、子育て施策を中心に最大限の活用を図っています。
さらに、軽減税率の導入が図られるなど、低所得者対策についても一定の配慮がなされています。
次に、インボイス制度については、軽減税率の導入以降、正確な適用税率や消費税額等を伝える手段として必要なものであり、免税事業者への配慮としては、制度への円滑な移行のため、一定の経過措置が設けられていること、さらに、課税事業者への転換として、国の補助制度が創設されているほか、小規模事業者が不当な取り扱いを受けないよう、関係法令の整備も進んでおります。
こうしたことから、消費税の緊急減税やインボイス制度の中止を国に求めることは考えておりません。
次に、最低賃金については、国は、経済財政運営と改革の基本方針の中で、できる限り早期に、全国加重平均が1000円以上になることを目指し、引き上げに取り組むとしています。
また、賃上げに取り組んだ企業に対して、補助金の拡充を検討するとしていることなどから、区としては、今後の国における対応等を注視してまいります。
次に、男女の賃金格差の解消についてです。
昨年度の統計調査の結果を踏まえ、国は、一定の従業者数を有する企業に対して、男女の賃金差の公表を義務付ける方針としています。
さらに、経済財政運営と改革の基本方針の中で、その内容が反映されていることなどから、区としては、今後の国の対応等を注視してまいります。
(2)財政調整基金、地方創生臨時交付金等は、くらし優先に思い切った活用を図ること。および今後の交付金等の動向について
物価高騰からくらしを守る質問の第2は、財政調整基金、地方創生臨時交付金等は、くらし優先に思い切った活用を図ること。および今後の交付金等の動向について伺います。
当初予算は史上最高の予算規模となりました。税収の増加、各種交付金等で、コロナ対策や景気の影響はありつつもくらしを支える力は確保しています。財政調整基金も昨年暮れの予算編成時点の残高106億円が、本年2月の最終補正時点には173億円になりました。日本共産党議員団と新社会党は、これを財源に、くらしと営業を応援する組み替え予算を提案しました。
また地方創生臨時交付金は、3年度分の残額4億円に加え、4年度は6億円で合計10億円になっています。
(1)地方創生臨時交付金は、今回の補正をふまえてなお約7億円の残額となっています。今後の使い道について区はどうお考えですか。
(2)今後、追加で交付される地方創生臨時交付金、その他の交付金の見通しをお示しください。
(3)基金残高が178億円に積みあがった財調基金についても、くらしを支援する施策に大胆に活用すべきではないでしょうか。
区の見解をお聞かせください。
まず、現段階において、令和4年度に北区に示されている地方創生臨時交付金の限度額は、地方単独事業分、そして今回国の補正予算により創設された、コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分などをあわせて約10億円となっています。
このほか、今後想定される交付額としては、行政検査として実施するPCR検査や、住居確保給付金などの、地方負担額を基礎に交付される国庫補助事業分の交付が見込まれますが、現段階において、具体的な額は不明であります。
また、区ではこれまでも、地方創生臨時交付金や財政調整基金を含めた、一般財源を積極的かつ効果的に活用し、区民生活や経済活動の支援のほか、3つの優先課題を中心としたさまざまな取り組みを着実に推進してきました。
今後もコロナ禍における物価高騰に伴う区民生活への影響の把握に努め、必要な支援策については様々な財源を活用し、迅速に対応してまいります。
なお、その一方で、財政調整基金については、特別区内の他団体と比べても、残高は決して十分ではありません。
税制改革等の影響や社会保障費の増大、公共施設の更新需要や計画事業の推進の他、新たな行政課題への対応など、中長期的な課題にも留意しつつ、財政調整基金の適切な運用を図ってまいります。
(3)今年度も実施される非課税世帯臨時特別給付金の対象者を広げること
3点目は、今年度も実施される非課税世帯臨時特別給付金の対象者を広げることについてです。
一昨年、国民全員に一人10万円の定額給付金が給付されました。コロナ禍で準備が整わないまま全小・中学校が休校となり子どもが登校出来なくなる。クラスター、パンデミックなどの聞き慣れない言葉にも不安になる等のさまざまな混乱がありました。こうした時、この給付金が国民全員に、北区では360億円が区民全員に給付されました。また、飲食店等への給付金は「居酒屋の灯を消すな」と、心を一つにこの困難を乗り切ろうという一体感を生み出しました。各種給付金等は可能な限り該当者全員を対象とすべきと思います。やむを得ず所得制限を設ける場合はみんなが納得・合意するものにしなくてはなりません。
先日、「私は非課税所得基準135万円をわずか6800円超過したため5000円の均等割がかかり、非課税給付金に該当しなかった」、「私、所得割は非課税なんです」との相談をいただきました。良く伺いますと、皮肉にも昨年度は2万円程度のコロナ手当があり、従来は住民税非課税でしたが、この手当で均等割のみ課税になり10万円の対象外になった方でした。
ご案内のように生活保護は国が決めた最低生活費のため非課税です。私はこの方の相談にのりながら、「生活保護基準」と、この給付金の家計急変で支給対象となる「非課税相当基準」とを比較してみました。
生保の単身者基準は所得換算で約52万円、一方、世帯急変の非課税相当は45万円です。
二人世帯では、生保117万円、非課税相当は101万円。
四人世帯では、生保239万円、非課税相当は206万円。非課税基準そのものが低すぎて不公平そのものであることは明らかです。
そこで、以下3点質問します。
(1)非課税世帯臨時給付金については、せめて住民税所得割が非課税で住民税の均等割5000円のみ課税されている世帯へも北区が独自に対象を拡大すること。
(2)家計急変の現在までの実績をお示しください。
(3)事業の案内チラシには、「新型コロナウイルス感染症の影響ではない収入減少により給付を申請した場合、不正受給(詐欺罪)に問われる場合があります」との文言がありますが、明らかに申請抑制につながりかねないものであり撤回すべきです。今年度新たに非課税となった方や家計急変の方に支給されることになったこの機をとらえ、是正すべきではないでしょうか。
以上、区長の決断を求めます。
区では、これまでに一人10万円の特別定額給付金や非課税世帯への給付金など、生活・暮らしの支援をお届けするため、国の基準に基づき、給付を進めてまいりました。
今後開始となる令和4年度から新たに非課税となった世帯への給付金については、今般の原油価格や物価高騰の影響から、真に生活に困っている方々への支援措置として、国のおいて決定しています。
このことから、現時点においては、国から示されている基準に基づき、迅速かつ確実に事業を実施することが重要と考えています。
次に、これまでの家計急変の申請についてです。申請件数は、5月末現在で313件、給付件数は215件となります。
次に、事業案内のチラシの文言についてです。
このチラシは、国から示された内容に準じて作成したものとなりますが、ご指摘の文言については、不正受給を防止する観点から記載しているもので、申請抑制の意図はありません。
引き続き、コールセンターや窓口において、誤解を招くことが内容、事業の主旨など、わかりやすい案内に努めてまいります。
(4)子育て世帯生活支援特別給付金について
4点目は、子育て世帯生活支援特別給付金にかかわって質問します。
この制度については大半がプッシュ型で申請不要です。しかし、今問題点を指摘した家計急変だけでなく、高校生相当の児童のみを扶養する方等は申請が必須となります。受給可能な世帯があまねく給付金を受け取れるよう最大限の手立てを講じることを求めます。
区では、北区ニュースやホームページによる周知に加え、18歳以下の児童を養育する区内全世帯へ個別に案内文を郵送するほか、子育て世帯の保護者の方が利用する施設等へのポスターの掲出等さまざまな手立てを講じ、受給可能なすべての世帯が給付金の申請を行っていただけるよう努めてまいります。
(5)国民健康保険料の負担を軽減する各種減免制度を拡充すること
5点目は、国民健康保険料の負担を軽減するために各種減免制度を活用することについてです。
未就学児の均等割の半額減免がようやく実現したものの今年度も保険料は値上げとなりました。
(1)今年度の国保料の値上げで生活保護相当の世帯でどのような保険料負担となるか、まずお示しください。
(2)東京都において、子どもの医療費助成を高校生まで拡大する方向性が具体化されています。今年度、未就学児の保険料均等割が軽減されましたが、対象を18歳まで引き上げるよう国、東京都にはたらきかけるとともに、北区独自の実施も検討することを求めます。
はじめに、国民健康保険料の水準が、生活保護相当の世帯で、どの程度の保険料になるかについてです。
例えば、高齢者2人世帯では、月額の生活保護費は18万9433円で、同程度の年金収入があると仮定した場合、年額で227万3196円となり、年金収入に対する年間の保険料額は、17万1917円となります。
次に、保険料均等割軽減を18歳までに拡大することについてです。
未就学児に係る均等割額の負担軽減は、国民健康保険法の改正により、令和4年度から導入することになりました。
区としましては、国民健康保険の制度設計は、国の責任において適切に行われるべきと捉えており、保険料の負担軽減策の拡充については、引き続き、特別区長会を通じて、国に要望していきます。
また、区独自で均等割軽減を18歳まで拡大することについては、統一保険料方式で共通基準を設けているため、実施は難しいと考えています。
次に、境界層減免についてお聞きします。
最初に、私が受けた相談のケースをご紹介します。
入院等で医療費の負担が高額な方には窓口負担限度額認定書が交付されます。相談者の収入が少し増えたので、この認定書の収入ランクが一つ上がりました。そのため医療費負担が倍増し、医療費の支払い、さらにくらしそのものが成り立たなくなりました。その方の生活保護申請に同行しました。相談の結果、国民健康保険の自己負担限度額制度の適用について、介護保険制度にある生活保護とのボーダー層の境界層減免と同様の取り扱いを国民健康保険で適用されました。この結果、ランクが元に戻り、長期入院で毎月9万円の医療費が5万円以下になり大変喜ばれました。
そこで質問します。
(3)まず、いわゆる国保の境界層減免の概略をお示しください。また、その実績を、国民健康保険と後期高齢者医療保険についてお答えください。
(4)次に、対象となる方にもれなく適用できるよう国保年金課と福祉事務所の綿密な連携を図り、制度の周知に積極的に取り組んでください。
熱意ある答弁を求めます。
この減免制度は、低所得の方が医療費の負担に困窮した場合に、一定の手続きを経て、高額療養費の自己負担限度額を下げることで、生活保護の受給が回避できる制度です。
この制度を活用するには、まず、生活保護を申請する必要があり、福祉事務所において世帯の保護基準や収入などを調査し、支出より収入が上回れば、申請を却下します。
その後、国保年金課において、申請者が持参した「却下通知」に記載された内容を確認し、より低い額の自己負担限度額を認定しています。
また、後期高齢者医療制度と合わせた実績は、令和元年度4件、2年度3件、3年度2件となっています。
次に、国保年金課と福祉事務所の綿密な連携を図り、制度の周知に積極的に取り組むことについてです。
制度の周知については、それぞれの相談窓口で、高額療養費の自己負担限度額減免制度のパンフレットを使用し、手続きの進め方を分かりやすく説明することなどにより、対象となる方に適用できるよう、より一層、対応に努めてまいります。
(6)インボイス制度で影響を受ける北区シルバー人材センターへの支援について
6点目は、インボイス制度導入で影響を受ける北区シルバー人材センターへの支援についての質問です。
シルバー人材センターで働く会員は、シルバー人材センターから業務を委託される個人事業主です。仮に会員がインボイスを発行する課税業者になると、支払われた配分金の中から10%の消費税を払うことになるため、全国のシルバー人材センターもそうした方針は事実上持てず、発注価格の引き上げをお願いするか、消費税分をセンターが負担するか苦悩しています。財務省の試算では、インボイス制度の導入で2480億円の増収を見込んでいます。免税業者を納税業者にすることを強いる制度ですので、先ほどの質問では導入中止のはたらきかけを求めました。
そこで北区としての対応について2点お伺いします。
(1)インボイス制度の導入によって、北区ではどのような影響が生じるかお聞きします。
(2)北区シルバー人材センターやその会員に消費税の支払い義務を生じさせないよう、区の支援策を求めます。
お答えください。
まず、北区への影響についてです。
来年10月からインボイス制度が実施されます。
これに伴い、国や地方公共団体、公益法人であっても国内において資産の譲渡等を行う限りにおいては、民間事業者と同様に、消費税の納税義務者となります。
このため、北区において事業者等に対し、資産の譲渡や役務の提供等を行う際に、取引の相手方が仕入れ税額控除を行うためにインボイスの交付が必要となることから、来年3月末までに、税務署に対してインボイスの発行事業者としての登録申請を行う予定です。
このため税務署と連携して、区が実施する施設の貸し出しや物品の販売などのうち、制度に該当する取引を洗い出すとともに、インボイスの発行に必要となる所要の準備を行ってまいります。
次に、シルバー人材センターに対する区の支援策についてです。
国からは、シルバー人材センターが会員に対して適正な価格での配分金を支払いつつ、安定的な事業運営を継続できるよう、インボイス制度の施行を踏まえて必要な予算額を確保し、適正な価格での発注を行うよう配慮を求める通知が出ています。
一方、シルバー人材センター会員への配分金にかかるインボイス制度の要件については、その取扱いの見直し等を含め、東京都するばー人材センター連合をはじめ、他の都道府県議会等からも意見書が提出されています。
区としても、こうした状況を踏まえるとともに、東京都や23区とも連携をとりながら、適切に対応してまいります。
3、学校や高齢者等における新型コロナ対策の拡充について
大きく3つ目は、学校や高齢者等における新型コロナ対策の拡充について質問します。
(1)幼稚園、保育園、小・中学校などの感染状況と対策等について
1点目は、幼稚園、保育園、小・中学校などの感染状況と対策等について伺います。
この間感染の状況については逐次詳細な報告をいただいておりますが、大人の感染に比べると減少がみられないようです。
給食時等の飛沫防止の感染症対策を講じていただきました。今後のさらなる感染防止に向けたご努力を切望しますが、ご答弁ください。
区立小・中学校、区立幼稚園・こども園における感染者数は、1日50人程度の感染者が出ていた今年2月をピークに減少に転じ、3月は30人程度、4月は20人程度、5月は10人程度という状況になっており、保育園の感染者数も同様に減少傾向にあります。
しかし、依然として陽性判定を受ける園児・児童・生徒や教職員等が一定程度発生しており、いまだ予断を許さない状況にあると認識しています。
子どもたちの健やかな育ちと学びを保障するため、各施設の実情に応じた対策を推進するとともに、国や東京都の方針を踏まえながら、保健所とも連携し、引き続き、基本的な感染防止対策を徹底してまいります。
(2)教育相談の特徴、学校給食拡充や学校行事の取り組み、学級運営上の困難に対応する教職員支援について
2点目は、教育相談の特徴、学校給食拡充や学校行事の取り組み、学級運営上の困難に対応する教職員支援についてです。
コロナ禍が長期にわたり、私たち自身もご案内の事情から学校現場に足を運ぶ機会がほとんど無くなりました。お届けいただく学校の「お便り」を読ませていただきながら、日々感染防止に気を配り、子どもさんの様々な様子の変化にも注意深く寄り添いながら、幼稚園、保育園、小・中学校に関わっていただいている保護者の方々、すべての教職員の方々等の日常に心から感謝と敬意を申し上げます。
質問に入ります。コロナ禍が足かけ3年目に入りました。コロナ禍で産まれた子どもさん。大半の時間がコロナ禍という子どもさんも増えています。
それぞれの現場での教育相談、いじめ、不登校等の対応はますます力のいるものになっていることを想像します。中には学級を運営していく上での困難もあるとも側聞しています。先日その渦中においでになると思われる方からは「自分たち親もできるだけ協力しなくてはと、思っていても仕事もあり、なかなか学校に顔を出せない。先生が足りないとの報道も聞いた。ともかく先生達を増やしてあげないと大変」等と教職員の方々をおもんぱかるお話でした。
そこで質問です。
(1)コロナ禍の下での困難に対応するため教職員を増員するなど必要な支援を行う必要があると考えますが、教育長の見解を伺います。
(2)今年度の入学式、卒業式、修学旅行、運動会など学校行事の取り組みについては感染防止に努め、工夫も凝らして通常の取り組みをめざすべきではないでしょうか。お答えください。
(3)また、給食材料の物価急騰等に対して予算措置がなされたことは本当に良かったと思います。そこで親の願いに応えて、給食費を無償とするよう国に強く求めるとともに、区においても更なる拡充を図ること。あわせて、教職員の負担軽減に向け、重ねて学校給食の公会計化の真剣な検討を求めます。お答えください。
はじめに、困難に対応する教職員の増員と必要な支援についてです。
コロナ禍の状況において、学校では感染症対策を講じながら、校長のリーダーシップのもと、学校の教職員が一丸となって、様々な教育課題の解決に向けた取り組みを進めています。
これまでも、北区では、児童・生徒の学力保障や学級経営の支援のほか、いじめ、暴力行為の対応や不登校支援などに対応するため、様々な会計年度職員等を各学校に配置するとともに、指導主事や教育指導員が学校を訪問し、学校の運営状況の把握や指導の手立て、学習環境の整備などの助言・指導を行い、教職員の支援に取り組んでいます。
なお、教職員の定数見直しや負担軽減については、これまでも全国市長会を通じて国に要望しており、今後とも他自治体と連携して必要な対応を行ってまいります。
次に、学校行事の取り組みについてお答えします
北区教育委員会では、本年4月、「北区立学校等における『新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン』を改訂し、感染症対策を徹底しながら、学校等の円滑な運営と児童・生徒などの学びの保障を継続するという方針を示しています。
このガイドラインにおいて、入学式、卒業式、修学旅行、運動会などの学校行事等については、基本的な感染予防対策の徹底や感染状況を踏まえた実施方法の検討を行ったうえで実施することとしており、予定した内容を着実に実施していけ雨量、引き続き校園長会とも協議しながら取り組みを進めてまいります。
次に、学校給食費に関するご質問についてです。
区では、令和2年10月から多子世帯への学校給食費補助制度を開始し、第二子半額は、第三子以降は全額を補助しています。
引き続き、本制度による多子世帯の保護者負担軽減を推進するとともに、本定例会に提出させていただいた補正予算案による給食用食材費の一部公費負担を着実に実施することで、コロナ化が長期化する中での物価高騰にも対応し、学校給食の質も確保と保護者の負担軽減を図ってまいります。
また、給食費を含めた学校徴収金の公会計化については、職員体制の整備、業務システムの導入、債権管理に係る区長部局との調整など様々な課題があり、本年度は新設した学び未来課が中心となり、他自治体の先行事例の調査・研究などの課題の整理等に取り組み始めたところであり、その結果を踏まえて、具体的な対応を検討してまいります。
なお、学校給食費にかかる保護者の負担軽減や公会計化にかかる十分な財政措置については、これまでも全国市長会を通じて国に要望していますが、今後とも他自治体と連携して対応してまいります。
(3)高齢者・障がい者施設での週一回の定期的なPCR検査の堅持を
3点目、高齢者・障がい者施設での週一回の定期的なPCR検査の堅持です。
無症状者が感染を広げる新型コロナを抑え込むためには、徹底した検査で陽性者を見つけ出すことが欠かせません。北区では、重症化の恐れがある高齢者・障がい者施設の職員に対し、週1回の定期的なPCR検査を実施してきました。このことが、施設内でのクラスター発生を防ぎ、働く人たちや利用者にとって安心の保障となっています。
今後も、少なくとも今年度いっぱいは定期検査を継続して行うよう求めますが、区の見解をお示しください。
区では現在、国の基本的対処方針に則り、重症化リスクの高い高齢者などが入所する施設へウイルスを「持ち込ませない」対策のために、高齢者入所施設等の従事者に対し、一斉・定期的なPCR検査を実施しており、今回の補正予算でも必要な経費を計上しております。
今後も、国の示す方針等を踏まえ、東京都が行う「介護サービス事業初頭におけるPCR検査」や抗原定性検査事業なども活用しながら、より効果的、効率的に対策を実施してまいります。
(4)幼稚園、保育園、学校の職員へのPCR検査の拡充について
4点目、幼稚園、保育園、小中学校など、子ども関連施設に従事する教員職員への定期PCR検査についてです。
代表質問等でも繰り返し求めてきましたが、重ねて実施を要請致します。お答えください。
公私立保育園や私立幼稚園等で働く職員の検査につきましては、施設において感染者が発生した際は、濃厚接触者のほか、感染者と接触のあった職員も対象にするなど、区が委託している検査機関により、必要に応じたPCR検査を引き続き実施しています。
東京都においては、幼稚園、保育園、学校などの職員を対象に、感染者を早期に発見し、感染拡大や集団感染を防止するための抗原定性検査キットを用いた集中的検査を実施しており、希望する施設は申し込むことで、週1回から3回程度の検査を受けられることとなっています。
また、公立の小・中学校及び幼稚園の園児、児童、生徒及び教職員を対象とした「教育活動継続のためのPCR検査」も実施しており、宿泊や身体接触・飛沫による感染リスクが高いと考えられる活動などを実施する際に、希望する施設が申し込むことができ、これまでも複数の学校で活用しています。
そのため、教職員を対象とした定期的なPCR検査を独自に実施することは考えていませんが、検査を希望する学校等に対しては、引き続き、これらの検査の活用について周知してまいります。
4、住宅施策について
大きく4つ目は、住宅施策についてです。
コロナ禍の長期化で、住まいをめぐる窮状も深刻化しています。5月中旬、国会内で「国民の住まいを守る全国連絡会」集会が開かれました。主催者のお一人、日本住宅会議坂庭常任理事はコロナ禍で一定の役割を果たしている住居確保給付金を基礎に家賃補助制度の実現が課題と強調しました。また、3月末開催した内閣府の全世帯型社会保障構築会議では、「住宅手当といった家賃補助的な施策も含めて、普遍的な社会保障政策として検討する必要がある」等の議論がなされたことを紹介しました。
そこで住宅施策拡充を求め、以下3点質問します。
(1)北区住居確保給付金の拡充について
まず、北区における北区住居確保給付金の拡充についてですが、内閣府の議論にもあるような社会保障としての家賃補助、家賃手当に向けての具体的な検討を国に積極的にはたらきかけてください。
住居確保給付金の支給については、コロナ禍において適宜、支給要件などの緩和が行われ、生活に困窮する方々に一定の効果があったと捉えています。
現在、区においては、住居確保給付金の申請件数、支給件数は減少傾向ですが、今後も状況に応じ、国において適切な対応がされると認識しています。
内閣府の全世代型社会保障構築会議では、高齢化が進む中で、住まい確保について制度的な対応も含めた検討の必要性に触れていることは承知しており、今後、国の動向を注視してまいります。
(2)都営住宅の空き家対策の拡充を
2番目は、都営住宅の空き家対策の拡充についてです。
区内では都営住宅の建て替えが進捗し、改築された新築住宅が空き家のまま、中には年単位で長期に放置されています。一方、既存の区内都営住宅の空き家率も20%近くに。これは都全体の率の倍近くです。「何回申し込んでもあたらないのに何故募集が少ないのか」、「空き家じゃ家賃も入らず税金の無駄遣いだ」、「空き家が多く、自治会が成り立たない」など住民の声もあります。従来から、空き家は建替えを計画的に進めるためのストックと説明されていますが、長期に空き家となっている実態があります。
そこで質問です。
(1)北区内の都営住宅空き家戸数は、2021年3月末現在で管理戸数約1万3000戸のうち2359戸となっていますが、直近の空き家戸数についてお知らせください。
(2)区内で建て替えにともない改築された新築都営住宅の、直近の空き家戸数等、現状をお示しください。
(3)従来の空き家募集に加え、新築空き家を新規に募集するよう東京都に強くはたらきかけてください。
はじめに、区内の都営住宅の直近の空き家戸数についてです。
東京都が公表している直近の数は、作戦3月31日現在のものですが、区内の都営住宅の管理戸数1万3518戸のうち、2518戸が空き住戸となっています。
なお、空き住戸には建て替え事業の移転先として確保している住戸等が含まれています。
次に、新築都営住宅の空き家戸数等、現状についてです。
東京都によれば、直近では、王子三丁目アパート、豊島七丁目アパート、王子本町二丁目アパートなどが建て替えにより新築されました。
直近3団地の新築後の管理戸数は、合計313戸であり、現在王子三丁目の一部で入居しているほかは、今後の建て替え事業の移転先として、すべて使用する予定であると聞いています。
次に、従来の空き家募集に加え、ストック住宅である新築空き家を新規募集案件とするよう東京都に働きかけることについてです。
建て替え事業を計画的かつ円滑に進めるためには、移転される世帯の方々の世帯規模や家賃負担などのニーズに合わせた多様なストックを一定数確保しておくことが重要であると認識しています。
また、この間、区は安心して住み続けられる環境の確保のため、団地建替え事業による移転の際は、従前のコミュニティ含意で移転が叶うよう東京都に求めてきたところです。
区としましては、引き続き、計画的かつ円滑な建て替え事業の推進に影響のない範囲で、都営住宅の新規募集が実施されるよう東京都に求めてまいります。
(3)住宅確保要配慮者への支援拡充について
3番目は、住宅確保要配慮者への支援拡充についてです。
これまでも懸案のこの課題について質問を重ねてきました。関連する諸団体の方々等のご尽力で「居住支援協議会」が発足、努力が続いています。具体的な進捗を求め、以下3点質問いたします。
(1)3月に発出された国の通知により、都営・区営・住宅供給公社等の公的住宅に加えてUR住宅の空き家住宅も家賃助成ができる専用住宅への登録が可能となりました。8戸の北区民優先のUR高齢者優遇賃貸住宅が整備されていますが、住宅確保要配慮者への専用住宅はありません。区内UR住宅を活用して専用住宅を確保することを求めます。
(2)現在の民間の登録事業者へも改修費補助等で区内の登録住宅を増やすこと。
(3)その際に区民、関係諸団体からも要望の強い、住宅確保要配慮者への低廉な住宅を供給するため、家賃補助のある専用住宅の実施に向け事業計画を策定すべきではないでしょうか。
以上、積極的な答弁を求めて私の質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。
はじめに、区内UR住宅に専用住宅を確保することを求めるとのご質問について、お答えします。
本年3月に、国から出された通知では、地域における住宅セーフティネットのすそ野を広げる観点から、UR都市機構が管理するUR賃貸住宅を住宅確保用配慮者専用住宅として活用することを可能とする、としています。
区内には大規模なUR都市機構の団地が複数ありますが、家賃設定や空き住戸数等の課題もあることから、直ちに専用住宅としての活用が難しい団地も多くあると認識しています。
今後、区としましては、この度の国からの通知の趣旨も踏まえながら、UR都市機構と専用住宅活用の可能性について、協議してまいります。
次に、区内登録住宅を増やすための改修費補助等についてです。
国は令和4年6月現在で75棟、690戸の登録住宅があります。
引き続き、居住支援団体等の関連団体と連携しながら、まずは、住宅セーフティネット制度のさらなる周知を図りながら、区内の登録受託の充実に努めてまいります。
次に、専用住宅の実施に向けた事業計画の策定についてお答えします。
「北区住宅マスタープラン2020」では、「民間住宅を活用した居住支援について検討し、住宅セーフティネットの充実による居住の安定を図る」としているところです。
区としましては、国や東京都、居住支援団体等の関連団体とも協議を行い、他区の取り組み状況等も参考にしながら、専用住宅の活用について検討を進めてまいります。