2016年第1回定例会個人質問ー本田正則
2016年2月25日 | 本田正則
1、都市計画道路の計画決定・事業化は住民合意を前提に
私は、都市計画道路、住宅施策に関して4点質問します。
(1) 生活困難を区民にもたらす計画は見直すべきだ
大きな第1の質問は、北区の都市計画道路の計画決定や事業化に対する姿勢を問うものです。
区内の都市計画道路4区間が特定整備路線とされ、昨年3月に事業認可されましたが、全て不服審査中で、補助86号線志茂区間は訴訟になりました。
また、東京都は第4次事業化計画案を示し、この3月に確定されれば、区内5路線が優先整備路線となります。改めて区長が東京都に意見を発信するよう5点質問をいたします。
1つ目は、生活困難を区民にもたらす計画は見直すべきだということで、2点質問いたします。
1点目は、生活困難をもたらす立ち退きになる方々の問題です。現在の補償制度では、しかるべき自己資金があるなどの土地・建物を確保する能力がない人は、生活再建が困難です。木造密集地域では接道が悪いなどとして、土地補償額が低くなるからです。建物についても、東京都が現在ある建物を今建てると幾らかかるかを評価し、築後3年だったら評価額の95%、30年だったら60%などと用地補償のハンドブックに書かれていますが、評価額が低いので築3年で実際の建築費の8割などという事例もあります。その上、土地の一部が道路用地だと、立ち退きに応ずるか、改築・改修かなどの判断が迫られます。
補助87号線では、都市計画図や建築指導線で示した計画線と実際に事業化する際の計画線が3メートルもずれました。当時、東京都は、都市計画図は3000分の1の縮尺の地図に1ミリで計画線を引くから、6メートル以内は誤差の範囲だと説明しました。つまり、実際に測量して確定するまでは動かせたのです。
そこで質問ですが、コミュニティ住宅や代替地の提供などの生活再建ができるよう、補償制度の不足を補うことができない事業は実施を見送り、計画を見直す必要があると考えますが、区長の見解を問います。
2点目に、立ち退き不要の近隣の方々への影響も無視できません。昨年7月に行われた田端1丁目から西日暮里4丁目の道灌山通りまでの補助92号線の説明会でも、通過交通を吸い込むことで発生する交通事故が心配だとの声、戦前の日暮里渡辺町の有名な開発でつくった静かな環境が壊されるとの声、隣近所のきずな、地域が分断されるなどの声が上がりました。
道灌山通りから先の日暮里・谷中側は、神社仏閣があるから廃止するというが、西日暮里・田端側には我々の生活があるとの怒りの声も噴出しました。並行して走る不忍通りを拡幅するなら、新たな道路は不要だとの意見も出ました。
もう1つは、高層ビル開発などの影響です。これは西ケ原・駒込の補助81号線の説明会での話ですが、道路になる土地を買いあさる三菱地所など大手不動産会社の話が出されていました。こうした不動産投機・道路による土地価格の上昇が固定資産税や地代、家賃の上昇につながります。まちの姿も変わります。
EUでは、住民生活への影響と効果を科学的な予測調査を行って、合意を得る仕組みができています。オーフス条約といいます。アメリカでも、関係者が参加して行う公聴会での計画変更は常識です。
そこで質問です。
2車線道路であっても、環境アセスメント、さらに土地価格やまちの姿など科学的な影響予測調査を行うこと。この調査を踏まえた公聴会などを道路計画策定時や事業化の過程に盛り込むよう、国や都に働きかけることを求めます。
【区の答弁】
都市計画道路の計画決定、事業化は住民合意を前提にとのご質問にお答えします。
まず、生活困難を区民にもたらす計画は見直すべきだのうち、補償制度の不足を補うことのできない事業についてです。
都市計画道路事業における補償は、物件等の調査や用地測量、土地価格の評価等を行い、建物や工作物等の移転費用、その他通常生ずる損失補償額を算定した上で行っています。補償以外の面では、税金の優遇措置や、生活再建のため移転資金貸付制度などを設けるとともに、権利者の方のご相談に対応できる体制を整えております。
区といたしましては、都市計画道路が持つ機能の必要性を踏まえ、今後とも東京都と連携を図りながら、事業を推進してまいります。
次に、科学的な影響予測調査等についてお答えします。
環境に著しい影響を及ぼすおそれのある都市計画を定める場合には、当該都市計画に係る事業の実施が環境に与える影響の調査、予測及び評価を行い、手続を行うこととされています。環境影響評価の対象となる道路事業の要件は四車線以上と規定されており、2車線道路については対象外となっております。
区といたしましては、調査及び公聴会の開催等について、国や東京都に働きかけることは考えておりません。
(2) 原簿、原図など決定内容が不明確な計画は見直しを
都市計画道路の2つ目は、戦災復興院が告示した決定内容が不明確な計画の見直しを求めるものです。
第4次事業化計画で改めて優先整備路線にしようとしている補助92号線や85号線も、戦災復興院が告示した補助線街路ですが、86号線などと同様、決定内容が不明確だという問題です。決定の内容を示す関係図書は、国も都も持っていないとしてきました。最近になって、国は裁判資料として国立公文書館の資料を持ち出してきましたが、その資料では92号線の起点・終点は滝野川区西ケ原町、田端町とされています。これでは、西ケ原のどこかから西日暮里のどこかまでとしかわからないのであります。図面もありません。その上、図面の縮尺、精度によって相当に違ってくるはずで、決まっているとは言いがたいのです。
次に、住民参加です。
1968年に制定された新都市計画法では、新憲法を踏まえて土地の使い方に制限をかける都市計画決定と、事業として用地の取得や収用ができることになる決定の2回、公示・縦覧あるいは公聴会などの仕組みを盛り込みました。この仕組みも十分なものとは言えないのに、同法施行法は旧法下で決定された計画は新法で計画したものとみなすとしました。その上、道路については、事業段階での参加手続なしに事業認可できることにしてしまいました。その結果、戦災復興の補助線街路は、道路がどこなのかも不明確な上、事業認可前の住民の参加の機会が一度もないまま、土地の買収や収用ができる状況がつくれるのです。これでは、認可前に住民がその公共性を確認することすらできません。全面的に一旦見直すべきと東京都に意見を言うことを求めます。お答えください。
【区の答弁】
次に、原簿、原図など決定内容が不明確な計画は見直しをとのご質問についてです。
ご指摘の都市計画道路の都市計画決定について東京都からは、その関係図面については現在不存在であるが、都市計画決定された区域は他に決定された都市計画区域もあわせて図示した資料に継承し、適切に管理されていると聞いております。都市計画については、当時の法律に基づき適切な手続により決定されたと認識しているとのことですので、区といたしましては東京都に見直しを求めることは考えておりません。
(3) 道路の必要性、優先性の選定基準を見直すべきだ
3つ目に、道路の必要性の検証を科学的なデータで住民参加で行うことです。
東京都は、1981年の見直しで廃止しなかった都市計画道路は、全て必要なものとして事業化を目指しました。その後、国が既存道路の再整備など、一定の抑制にかじを切ります。そこで、東京都は2004年の第3次事業化計画で、1日6000台以上の交通量があるものは、全て必要があるとしました。しかし、6000台未満でも10項目の必要性検証項目に該当するものは必要としました。補助92号線はただ一つ、まちづくりに資するという項目だけで優先整備路線にしました。しかし、住民のための区画整理とする上では、この道路計画は邪魔なもので、この検証は道路をつくるための検証でした。
第4次事業化計画案は、さらに検証項目をふやし、どれかにひっかかれば事業化できるようにするものです。
そこで質問です。
必要性を検証した科学的データを公表し、各優先整備路線の選定に住民参加の公聴会を行うよう、東京都に主張すべきだと考えます。お答えください。
【区の答弁】
次に、道路の必要性、優先性の選定基準を見直すべきとのご質問についてです。
都市計画道路につきましては、計画的、効率的に整備を行うため、おおむね10年間で優先的に整備をすべき路線を定めた事業化計画を策定し、事業を推進しています。
第4次事業化計画案では、東京都及び区市町の会議や学識経験者の意見を踏まえ、検証項目を決定し、道路の果たす役割や機能を考慮し、必要性の検証を行っており、検証内容等については東京都で一元管理しています。
第4次事業化計画の策定に当たっては、中間のまとめ及び案の公表時にパブリックコメント等を実施しておりますので、区といたしましては、東京都に公聴会の開催等を求めることは考えておりません。
(4) 合意のない道路事業は中止・見直しを改めて求めるべきだ
4つ目は、合意のない道路の事業は中止、見直しを改めて求めることについてです。
特定整備路線は延焼遮断効果が確認できないと、各路線で指摘を受けています。志茂1丁目の補助86号線は、第2次の優先整備路線から外れたのに特定整備路線とされ、当分は道路はつくらないというから3階建てを建てたら、ローンも終わらないうちに立ち退きを求められたと怒る住民もおいでです。さまざまな問題を指摘して裁判になっています。
赤羽西の補助86号線、十条の補助73号線、西ケ原の補助81号線でも多くの問題があるので、膨大な不服審査請求が出され、審査がいまだに終わらないのです。合意のない道路事業については、国に認可取り消しを、東京都に事業中止を求めるべきではないでしょうか。改めて質問するので、現時点での区長の考えをお聞かせください。
【区の答弁】
次に、合意のない道路事業は中止、見直しを改めて求めるべきとのご質問についてです。
道路など都市施設の都市計画は、都市の将来像を見据えて、長期的視点から、その必要性が位置づけられております。区といたしましては、合意の有無のみをもって事業の実施や中止を判断することは適切でないと考えておりますので、国に事業認可の取り消しを求めることや、東京都に事業の中止を求めることは考えておりません。
(5) 長期未着手路線の全面的見直しを
都市計画道路の5つ目は、長期未着手路線の全面的見直しを東京都に求めることです。
低成長時代に入り、国の方針転換を受け、多くの自治体で長期未着手路線を見直し、名古屋市、神戸市などは総延長の2割以上を廃止してきました。大阪市でも8割が50年以上経過している上、今後70年を要することから、30年で完了を目指し、450キロ中34キロを廃止しています。京都市の場合は、2002年に10路線、5.7キロ廃止した上で、2010年に改めて都市計画決定後20年を経過した路線を全て見直し、結果的に総延長535キロのうち43路線、55キロ余りを廃止しました。
一方、東京都は3次、4次を合わせても見直しは最大でも36キロ、2004年から2025年までで3207キロ中、1%程度の廃止にしかなりません。おまけに、膨大な事業費増額なしには、あと50年近くかかります。計画決定から120年もかかる可能性も残り、ここで大幅な見直しをすべきです。
そこで質問ですが、京都市のように計画決定から20年以上経過した路線は全て見直す。名古屋市のように、1、文化財に影響を及ぼす、2、公園や緑地を分断する、3、商店街の存続に影響を与える、4、木造住宅密集地内に存在する、5、一定の道路機能が確保されている、6、代替ルートの考えられる、7、道路構造等に問題のあるような路線については全て見直しを行うよう東京都に意見を出していただきたい。答弁を求めます。
【区の答弁】
次に、長期未着手路線の全面的見直しをとのご質問についてです。
東京における都市計画道路の事業化計画は、これまで過去3回、社会経済情勢の変化に応じて検証項目を設定し、適時適切に路線の必要性の検証などを行ってまいりました。
第4次事業化計画の策定に当たっては、中間まとめに対するパブリックコメントや学識経験者の意見を参考に、長期未着手都市計画道路も含め、将来都市計画道路ネットワークの検証を実施しております。
また、このネットワークの検証により、必要性が確認されなかった都市計画道路については、策定後に計画廃止を含めた検討を行うとしておりますので、区といたしましては東京都に全面的な見直しを求めることは考えておりません。
2、区内の第4次優先整備路線について
大きな第2、第4次の優先整備路線の候補に挙がった3路線に絞って質問します。
(1) 補助 92 号線について
1つ目は、中里3丁目から荒川区西日暮里4丁目までの補助92号線についてです。
1点目に、中里3丁目から山手線をまたぐ跨線橋のJRと東京都の協議状況、認可申請に向けての課題について。さらに、昨年事業認可された130メートルの中抜け部分の進捗状況と地権者の反応について、まずお答えください。
2点目は、田端駅通りと荒川区の道灌山通りを結ぶ田端1丁目から西日暮里4丁目の現道がない部分についての質問です。
荒川区議会は、見直しを求める住民陳情を全会一致、趣旨採択しました。西日暮里4丁目は、ほぼ8割の世帯で反対の意思表明がありました。東京都第6建設事務所は、11月末の3回目の説明会で、質問への回答を3月までに用意し、再度説明会を行うこと。その上で、同意が得られるまで測量も認可申請も行わないことを確約しました。田端1丁目でも促進を望む人は少ないのです。
また、荒川区の副区長は、委員会で丁寧な説明、合意形成に努めることの中で方向性が定まってくるものであり、改めて丁寧な説明と合意形成に努めることを東京都に申し上げていく旨の答弁をされました。
北区長はこの際、この部分は計画を廃止すること、第4次計画の優先整備路線から除外すること、少なくとも合意が得られるまで事業認可申請を行わないよう、東京都に働きかけるべきではありませんか。それとも合意は要らないとお考えですか、答弁を求めます。
【区の答弁】
次に、区内の第4次優先整備路線についてのご質問にお答えいたします。
まず、補助92号線についてです。
各区間の進捗状況等は、山手線をまたぐ中里3丁目から田端5丁目の区間については、事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることなどから、JRとの協議内容等については公表できないと東京都から聞いております。
また、昨年事業認可された田端5丁目から田端3丁目の区間については、現在用地測量を実施しており、地権者の対応については特段の問題はないと聞いております。
次に、田端1丁目から西日暮里4丁目の区間についてお答えします。
都市計画道路は都市の骨格的な道路ネットワークとして、円滑な交通を確保するとともに、震災時における防災性の向上に寄与するなど、都市活動や都市生活を支える重要な都市施設であると考えています。当該区間につきましては、道路が持つ機能の必要性を踏まえ、第3次事業化計画及び第4次事業化計画案において優先整備路線に位置づけられておりますので、区といたしましては、東京都に計画の廃止、優先整備路線からの除外等を働きかけることは考えておりません。
(2) 補助 243 号線について
2つ目は、補助243号線についてです。
243号線と補助86号線が途中で合流し、再び分かれて区画街路3号線となるのが、ROUTE2020トレセン通りです。86号線は、赤羽自然観察公園と赤羽スポーツの森公園の真ん中を通って243号線と合流し、区画街路との合流地点から稲付城跡下をトンネルで赤羽駅南口に至ります。一体何軒立ち退かせれば気が済むのでしょうか。243号と86号については、住民と納得いくまで話し合い、合意なしの事業化はしないよう、手だてを尽くすべきです。区長の答弁を求めます。
【区の答弁】
次に、補助243号線についてお答えします。
補助243号線は、ROUTE2020トレセン通りの一部として、トップアスリートのまち・北区を全国に発信する路線として、安全で快適な歩行空間の確保や景観に配慮した街並み整備などを進める予定としております。区といたしましては、優先整備路線を着実に進めるためには、関係権利者や道路沿道の皆様のご理解とご協力が不可欠であると考えております。
今後、事業化に当たっては、都市計画道路の役割と重要性について、地域の皆様にご理解いただけるよう、丁寧な説明を行ってまいります。
なお、補助243三号線に接続する補助86号線については、既に事業認可を取得しており、区といたしましては、東京都に事業の中止を求めることは考えておりません。
(3) 補助 85 号線について
3つ目は、補助85号線についてです。
補助85号線は、埼京線踏切前後で18メートル幅で供用されています。埼京線の立体化を進めることとなり、85号線が埼京線をまたぐための側道をつくる必要はなくなりました。北区、東京都が30メートル幅への拡幅をやめ、立ち退きを減らすべきです。ご答弁ください。
【区の答弁】
最後に区内の第4次優先整備路線のうち、補助85号線についてのご質問にお答えします。
区ではこれまで、補助85号線について、交流機能を向上させる空間の確保や延焼遮断帯機能を早期に発揮できる幅員、景観機能を向上させる歩行空間の確保などを東京都に要望してきたところです。
東京都は、本年1月末に本道路の都市計画変更素案の説明会を行い、地域の防災性の向上と快適な歩行空間、自転車の走行空間の創出、十条駅周辺の回遊性、交流機能の向上のため、JR埼京線等との交差部において、高架構造を平面構造に変更するとともに一部区域を変更し、既定計画の幅員30メートルとする変更素案を示しました。
都市計画変更及び事業は東京都が行いますが、区といたしましても、十条のまちづくりにとって必要な計画幅員と考えておりますので、東京都と連携を図りながら、都市計画変更の手続を進めてまいります。
3、耐震改修の促進と感震ブレーカー普及について
大きな第3に、耐震改修の促進と感震ブレーカー普及について質問します。
(1) 国・都に耐震改修と感震ブレーカー設置への補助制度創設を求めよ
1つ目は、国・都に耐震改修と感震ブレーカー設置への補助制度、改善創設を求めることです。
昨年3月に閣議決定された首都直下地震緊急対策推進基本計画は、あらゆる対策の大前提として、国、地方公共団体は建築物の耐震化の取り組みを強力に推進するとしています。あわせて、被害を最小限に抑えるための出火防止対策や初期消火と常備消防の体制強化も掲げ、感震ブレーカーの設置も強調しており、横浜市や足立区に続いて、台東区、目黒区などで助成を始めています。北区でも実施すべきですが、ご答弁ください。
しかし、首都機能維持のためと強調するなら、国の財政措置が不可欠です。感震ブレーカーの補助の創設を求めること、また、東京都には耐震改修助成の整備地域限定をやめて、全域対象とすることを求めてください。答弁を求めます。
【区の答弁】
耐震改修の促進と感震ブレーカーの普及に関するご質問のうち感震ブレーカーの設置補助についてお答えをさせていただきます。
特別区長会では国に対し、これまでも感震ブレーカー設置費用の補助制度創設を要望してまいりましたが、いまだ実現に至っておりません。
北区としましては、自助力向上の一環として、感震ブレーカーの普及啓発を行いながら、引き続き補助制度創設を求めるとともに、他区の取り組み状況などに注視してまいります。
(2) 耐震改修促進に向けた体制強化について
2つ目に、耐震改修促進に向けた体制強化についてです。
北区は今年度、耐震改修で高齢者向けの補助限度額を引き上げる充実を行いましたが、実績は上がりませんでした。阪神大震災で圧迫死が8割を超えたのは、建物の倒壊が救助も困難にしたからです。さらに、倒れた家屋から出火すると、燃え上がるまで発見できず、初期消火困難という問題もあります。耐震化を進めることは、ご本人だけでなく、地域の皆さんの命や財産を守るために大事だとご理解いただき、十分な助成や支援があることも高齢者ご本人にも、ご親族にも直接提案するのが一番ではないでしょうか。危機管理室と建築課の体制を強化し、共同した出前事業を進めるべきです。ご答弁ください。
【区の答弁】
耐震改修の東京都補助の拡充についてです。
東京都は防災都市づくり推進計画において、木造住宅密集地域のうち、震災時の大きな被害が想定される地域を整備地域に指定し、重点的に防災まちづくりの取り組みを進めることとしております。
区といたしましては、このたび示されました防災都市づくり推進計画改定案において、東京都は整備地域以外への対応についても言及していることから、今後その動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、耐震改修促進に向けた体制強化についてお答えします。
これまで区は、北区ニュースやホームページでの案内、区内施設へのパンフレットの設置、年2回の町会・自治会での回覧に加え、防災訓練や区民まつりなどにおいてもPRブースを設け、積極的に啓発活動を行ってきました。
今後も区民に身近な問題として認識していただけるよう、各町会・自治会の会合やまちづくり協議会において、直接住民の皆様に説明し、耐震改修促進に向けた取り組みを進めてまいります。
4、子ども部屋確保のできる賃貸住宅の拡充を
大きな第4、最後の質問は、子ども部屋確保のできる賃貸住宅の拡充を求めるものです。
認可保育園がふえたことをきっかけに、北区の乳幼児の転入は800人台から1100台にふえましたが、小・中・高校生年代はそれほどの変化がありません。もともと世帯向けの賃貸住宅の少なさ、あるいはそうした賃貸物件の家賃の高さは、平成9年の住宅マスタープラン基礎調査で指摘された問題です。
今、女性の就業者の6割が非正規ですから、共働きでもマンションを買うのは大変です。国交省が検討を始めた空き家の社会的住宅としての利活用や建設費補助、家賃補助などの方法で、子ども部屋確保のできる賃貸住宅を充実させるべきではないでしょうか。
将来の北区を見据えて、保育園を卒園したら転出、中学校や高校進学を機に転出などを抑え、子育て世帯がより北区を選びやすくするための方策の一つとして実施することを求めます。前向きの答弁を求めて、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
【区の答弁】
最後に、子ども部屋確保のできる賃貸住宅の拡充についてです。
区では、ファミリー世帯の定住化のため、ファミリー世帯転居費用助成や親元近居助成、三世代住宅建設助成などの施策を実施しており、今年度からは助成要件を緩和し、制度をより充実させて取り組んでおります。
区といたしましては、新たな家賃助成、または賃貸住宅の建設費助成制度を創設することは考えておりませんが、今後もファミリー世帯等の定住化の施策について研究してまいります