3年ごとの家賃値上げ中止等に関する要望書
 都市再生機構の継続家賃改定ルールによると、旧公団住宅の継続家賃は3年ごとに改訂されることになっており、来年4月に3度日の見直しが予定されています。
 近傍同種家賃を基準にした2度の見直しで大幅家賃値上げが行なわれた結果、都内の団地では、住みつづけられずにやむなく退去する居住者が多数生まれています。とりわけ、高島平団地や大島六丁目団地などでは、すでに月額家賃の値上げ幅が1万円以上になっており、「これ以上の値上げにはもう耐えられない」「デフレの時代になぜ家賃値上げなのか」など、悲鳴と怒りの声が広がっています。
  この間、家計所得が減少する一方、定率減税の縮小・廃止などの増税、年金・社会保障改悪による負担増などがあいつぎ、居住者の暮らしはかつてなくきびしいものとなっています。こうしたなかで来年の家賃値上げが行なわれるなら、居住者の暮らしにはかりしれない打撃となることは明らかです。都市再生機構の賃貸住宅管理部門の収支は、近年大幅黒字がつづいており、03年度は471億円の利益をあげています。来年の家賃値上げはきっぱり中止すべきです。
  また、ファミリー世帯の支援などによる良好なコミュニティー形成、居住者が不安を強めているアスベスト問題や一部団地でのダイオキシン土壌汚染対策なども急務です。 私たちは、「団地に住みつづけたい」「団地に入居したい」という住民の願いにこたえるため、貴機構が以下の対応をとられるよう、つよく要望するものです。 。

【要望事項】
1、 来年の家賃見直しにあたっては、昨今の社会経済情勢をふまえ、従前居住者の家賃値上げは行わない特別措置を講じること。高すぎるリニューアル家賃は引下げること。また、都内の各団地ごとの空家、募集・斡旋中、募集停止中戸数を明らかにすること。
2、 高齢者などの家賃特別措置を継続するとともに、以下の改善をはかること
(1) 毎年再申請と新規申請を受け付けるよう改善すること。
(2) 特別措置の適用年齢を六十歳からに引き下げること。  
(3) 収入算定計算にあたり老年者控除をこれまで通り適用すること。  
3, 高齢者優良賃貸住宅について以下の措置をとること。
(1) 建設戸数を大幅にふやすとともに、3階以上の住居にも積極的に拡大すること。
(2) 年金課税にともなう高齢者優良賃貸住宅の家賃値上げは行わないこと。  
(3) 収入が基準額以下の場合に必要とされる「保証人」の対象を緩和すること。
(4) 入居時の緊急時対応サービスへの加入については、自治体の制度についても積極的に周知をはかること。
4、 子育て世代入居者への家賃補助、同一・近隣団地に入居する親子世帯への家賃補助など、ファミリー世帯の入居を促進し、団地の良好な地域コミュニティー形成を促進する新たな対策を検討すること。
5、 北区・豊島5丁目団地のダイオキシン汚染について、機構の調査によっても地下深部までの深刻な汚染が明らかになったもとで、緊急に以下の対策を講じること。
(1) これまでの調査結果などについてのあらゆる情報を全面的に住民に明らかにするとともに、ただちに住民説明会を開催すること。
(2) 希望する全ての住民に、すみやかに健康診断を実施すること。  
(3) ダイオキシン類に加えて、重金属汚染調査を行い、抜本的な安全対策を講じること。
 
6、 都内各団地のアスベストの使用状況についてすみやかに全面的な調査を行うとともに、除去など必要な対策をとること。  
7、 各団地について、耐震診断・補強を促進し、住民への情報公開をすすめるとともに、家具固定などの対策を支援する制度を作ること。エレベーターやスロープ設置など、バリアフリー化を促進すること。
2005年8月22日
日本共産党参議院議員  緒方 靖夫
同東京都委員会副委員長  徳留 道信
同東京12区政策委員長  野々山 研
同江東区国政政策委員長
吉田 年男
同町田多摩国政対策責任者 室谷 友英
都市再生機構 御中

閉じる>