2010.6.2付「しんぶん赤旗」より
質問する小池晃議員 |
障害者自立支援法「延命」につながる「自立支援法改定案」(衆院厚生労働委員会提案)が、1日の参院厚労委員会で採決され、民主、自民、公明の賛成多数で可決されました。2日の参院本会議で採決の見通し。日本共産党と社民党は反対しました。同法案は、自公案と与党案を一本化したもの。
100人を超える障害者や支援者が傍聴席を埋め、かたずをのんで見守るなかで審議が行われました。鉢呂吉雄衆院厚労委員長が趣旨説明を行った後、質問を行ったのは日本共産党の小池晃議員だけ。反対討論も小池氏だけで採決されました。
小池氏は反対理由の第一に、障害者の声を聞かず強行しようとしていること、第二に自立支援法を廃止することを明記していないことをあげました。
採決に先立つ質問で小池氏が「自立支援法廃止の方針は変わらないというならなぜ法案に明記しないのか」とただしたのに対し、民主党の園田康博衆院議員(与党案提案者)は「自公案との調整で削除した」と述べるだけ。小池氏は「説明になっていない。これでは支援法延命につながる」と批判しました。
また小池氏が「自立支援法違憲訴訟団の意見を聞いたのか」と迫ったのに対し、園田議員は「この法案については当事者を入れて議論することはなかった」とし、障害者の声を無視した法案作りを認めました。
小池氏は「私たちのことは私たち抜きで決めないでという障害者の声を踏みにじるものだ。こんな法案をわずか十数分で強行することは許されない」と厳しく批判しました。
傍聴した自立支援法違憲東京訴訟原告の我妻トシ子さん(71)は「突然の法案提出で驚いています。訴訟和解で一安心したのにまた不安になってきました。政府は私たちにわかるように説明してほしい」と話しました。 |