昨年4月から区議会議員としての約一年半は「あっという間」「無我夢中」というのが率直な実感です。また同時に東日本大震災後、日本の社会と政治、行政、そして議会と議員のあり方が大きく鋭く問われていることを、新人の地方議員のひとりとして日々感じて参りました。
本日、私は大きく3点、ひとつには北区の新たな高齢者対策について、二つには成年後見制度について、そして三つにはJR東十条駅南口のバリアフリー化について質問します。
1.高齢者見守りコーディネート事業および地域見守り・支えあい活動促進補助事業について
大きくひとつ目は北区の新たな高齢者対策を促進する立場からの質問です。
8月5日NHKテレビは、北区の「高齢化率」が今年4月、23区の中で初めて25%を上回ったことを報道しました。
これをきっかけに北区自らが掲げて来た「長生きするなら北区が一番」の事業が、今後さらに内外から注目されることは間違いありません。
さて、私は昨年6月議会の初質問で、ひとつに「孤独死ゼロをめざす高齢者の見守りネットワークづくり」について質問しました。
区長からは「全高齢者実態把握調査を活かして、支援が必要な高齢者を、サービスや見守りにつなげていけるよう、機能の充実を図る。そのため『長生きするなら北区が一番専門委員会』で、地域包括支援センターの機能の強化を検討する」旨の答弁いただきました。
また、二つに町会・自治会の自主的な見守り活動の育成、支援についても質問し、王子三丁目町会の「生活支援ネットの会」の活動を紹介しました。これに対しては「今後、会の活動状況を注視、研究していく」旨の答弁がありました。
そして今年度、高齢者見守りコーディネート事業として、区内13ヵ所の高齢者あんしんセンターに常勤の見守りコーディネーターが配置されました。さらに、地域見守り・支えあい活動促進補助事業を発足させ、この活動にとりくむ町会・自治会に助成金が交付されることになりました。
この新しい事業に取り組まれる町会・自治会、民生委員、高齢者あんしんセンター、区職員等、関係者のみなさんのご苦労、ご努力に心から敬意を表するものです。これらの施策について、わが会派としても大きく評価するものですが、歓迎の声の一方、戸惑いや誤解があることも伺っています。
そこで一つ目の質問はこの事業の取り組み状況についてです。
本年度スタートした、新しい事業である高齢者見守りコーディネート事業の周知について、見守りコーディネーターの活動状況について、そして地域見守り・支えあい活動促進補助事業では町会・自治会への援助、取り組みに関する先進例や課題などの進捗状況についてお答え下さい。
二つ目の質問は、町会・自治会活動に対する具体的な援助についてです。
ある町会長さんは「ほとんど毎日、町会の仕事があり忙しい」と語り、新たな事業の必要性は理解出来ても、やはり負担感を感じています。また、ある都営住宅の自治会長さんは「今後2年間の建替え事業が終了後、進んだ活動を参考にして取組みたい」とのことでした。町会・自治会活動は本来、自主的なものですが、高齢者の見守り事業を進めるためには、継続的で適切な援助が必要と考えます。
私はこれに関して以下3点を質問します。
まず1点目は町会・自治会に加入していない区民への対応についてです。
様々な理由や事情で町会・自治会に加入されていない方がいらっしゃいますが、これらの方々への対応をどのように考えているのかお答え下さい。
2点目は補助対象経費についてです。
すでに区から関係者に説明がされていると伺っています。私は対象、金額とも見守り活動に取り組もうとする町会・自治会の自発性、自主性を可能な限り尊重して対応すること、助成金の申請についても単年度ではなく複数年度を見通した中長期で柔軟な対応が大切と考えますがいかがでしょうか。
3点目は見守り事業に必要な場所・スペースについてです。
見守り活動を進めるためには、役員の打合せや高齢者が気軽に立ち寄れる適切な場所・スペースがどうしても必要になります。町会・自治会会館、集会所のないところや有っても狭いところ、また、ふれあい館が身近にないところも少なくありません。空家や空き店舗を確保し活用する支援策も視野に入れるべきと考えますがいかがでしょうか。
以上、3点、お答え下さい。
【区の答弁】
1−(1)
はじめに、高齢者見守りコーディネート事業および地域見守り・支えあい活動促進補助事業に「ついてです。
まず、新たな事業の立ち上げの現状についてお答えします。
地域のネットワークづくりや、高齢者の実態把握、ひとり暮らし高齢者等の見守りを拡充し、高齢者あんしセンターの機能強化を図るため、今年度、新たに見守りコーディネーターを配置しました。
見守りコーディネーターは、現在全高齢者実態把握調査の結果から見守りの必要性が高いと思われる高齢者について、戸別訪問による実態把握や地域のネットワーク会議等を行っています。
また、地域見守り・支えあい活動促進補助事業の実施に向け、町会・自治会や民生委員、シニアクラブ等に出向き、事業説明やヒアリングを行っています。
ヒアリングを行った町会・自治会の中には町会の地域を10数地区の班に分割し、責任者を配置して見守りを行っている町会・自治会やひとり暮らしの方と見守る方の地図を作成し、声かけを行うなど、独自の見守り活動を行っている町会・自治会もあります。
一方、見守りの担い手の高齢化や、これ以上の負担増は難しいというご意見もいただきました。
1−(2)
次に町会・自治会活動に対する具体的な援助についてお答えします。
町会・自治会に加入していない方の把握は、町会・自治会では難しく、町会・自治会による見守りは、難しい面もありますが、地域の民生委員との連携や、高齢者あんしんセンターからのアプローチにより、できる範囲での対応をお願いしていきたいと考えています。
次に、補助対象経費につきましては、町会・自治会により、見守り方法が、戸別訪問、声かけや携帯電話等による見守り、食事会、茶話会や趣味の会の開催など、地域の実情に応じた様々な見守りが想定されるため、要綱に基づき、審査会での審査も踏まえて、柔軟に対応していきたいと考えています。
また、補助申請は単年度ごとですが、2年度目、3年度目は、初年度の半額で継続補助を予定しています。
見守り事業に必要な場所・スペースについてです。
空き家や空き店舗の確保については、町会・自治会の見守り事業の状況を見ながらの、今後の検討課題と考えています。 |
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