追加議案の「東京都北区長等の給料の特例に関する条例」は、区職員による生活保護費の横領事件に関し、区長、副区長及び教育長の給料を減額するものです。その内容は、区長減給50%3カ月、副区長2名減給30%3カ月、教育庁減給10%1カ月です。
事件を起こした職員Aは懲戒免職、元職員Bは懲戒免職相当とし退職済みのため、今後、退職手当の返納を求めます。また、管理監督者では、不正支出に関わった時期に両職員の業務を直接管理監督していた部長級4人・課長級3人は減給10%1カ月、係長級(当時の役職)3人は戒告としました。
この事件は、平成30年3月上旬に発覚しました。生活保護を担当する生活福祉課の46歳の職員は担当する生活保護受給者12人が死亡・転出しているにもかかわらず、「死亡・転出廃止」の事務処理を行わず、現時点で12件、約6、500万円を区から不正に支出させ、7月4日、詐欺の容疑で王子警察署に逮捕されました。また、60代の元職員は約1300万円を横領していました。長期間にわたって不正が行われていたことから実際の横領金額は更に増えると思われます。
このため、区は行政への信頼だけでなく、生活保護制度自体への信頼をも揺るがしかねない問題となってしまったため、再発防止検討委員会を設置しました。検討委員会の構成は 、関係する区の部課長9名と学識経験者2名の外部委員で、下部組織として検討委員会を構成する課の係長級職員によるワーキンググループを設け、9月開催の第3回定例会までに事件の原因究明と再発防止策を示すとしています。
日本共産党北区議員団はこの事件について、本会議代表質問や議案説明の全員協議会で区長の監督責任を厳しく追及するとともに、生活保護費が今年10月から高齢者は生活費が月9万円から7万円へと2万円も減額される一方、生活保護を取り扱う区職員が長期にわたって不正を働いていたことを見逃していた制度上の問題点と二度とこのような事件を起こさない再発防止策を徹底的に時間をかけて講じるよう強く求めました。 |