日本共産党北区議員 山崎たい子
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平成17年度予算に対する日本共産党北区議員団の反対討論
山崎たい子区議 2005年3月29日


  私は日本共産党北区議員団を代表し、平成17年度北区一般会計予算、国民健康保険事業会計予算ならびに介護保険会計予算に反対の立場で討論を致します。

 今年は戦後60周年。誰もが平和で安心した暮らしを求めています。
世界中の国々でも、二度とナチスの復活を許さない。日独伊軍事同盟のファシズムを許さないとの声を上げています。その現れの一つがイラクからの撤兵が次々と進んでいることです。
ところが、小泉内閣はアメリカに追随し、憲法改悪を狙い、集団的自衛権の行使にふみだそうとしています。
更に暮らしはどうでしょうか。新聞各紙が「老いも若きも負担増」と報道しているように、今後2年間で国民に7兆円もの大増税、負担増を押しつけようとしています。 その内容は、所得税・住民税の定率減税の半減、廃止。高齢者の住民税非課税限度額の廃止、年金保険料の毎年の値上げ、障害者の支援費制度などの自己負担の強化、国立大学の授業料値上げ、新たに約2百万軒の中小零細業者と農家に消費税の納税義務を課す免税点引き下げなどです。まさに、景気と家計への影響ははかりしれません。
審議中の介護保険の見直しについても、保険給付を抑えるために介護予防の名の下で、軽度の要介護者の家事援助サービスなどを制限し、介護施設の居住費、食費の自己負担導入等、負担増を柱にしています。保険料や利用料の負担が重すぎて必要なサービスが受けられない問題や基盤整備そのものが未だ不十分な問題は何ら解消されておりません。
影響は暮らしだけではありません。三位一体改革の下、義務教育費や生活保護費等の国庫負担削減を実施し、地方自治体の財政に大きな影響を与え、国のナショナルミニマムの責任さえ、放棄しようとしています。
加えて、石原都政も、本来、東京都が負担する必要のない首都高速道路品川線や羽田空港再拡張工事費などに、都民の税金を数千億円単位で注ぎ込む一方で、医療費助成や福祉手当、特別養護老人ホームや私立保育園の運営費補助など都民生活にかかわる予算を削減し続けています。
石原都政の下で行われている「都市再生」に名を借りた大型開発事業至上主義は、すでにあのバブルに踊った鈴木元都知事時代を上回るものとなっており、その単独事業の拡大は過去最高の都債残高になるなど重大な事態を迎えています。
そして、見過ごすことのできない問題は、こうした石原都政のゆがんだ公共投資の拡大が都と23区の共同の財源である「大都市財源」そのものに影響を及ぼし、23区財政からの吸い上げにもつながっていることです。これを許しておいて「2005年改革」の真の解決はありません。

 このような国、東京都の姿勢のもとで、日本共産党北区議員団は北区に対して、緊急かつ切実な区民要望の実現を求め、263項目の予算要望書を提出いたしました。
その中で区民健診の個別健診化、子ども家庭支援事業の充実、障害者作業所やグループホームの新設、北区ホームページのバリアフリー化、区有施設の耐震調査などについては評価を致します。

 しかし、以下5点の問題を指摘し、一般会計に反対を致します。
 その第一の理由は、公正な請負契約や花川区長自身に関わる政治倫理上の問題について、区長としてのリーダーシップや責任を果たしていないことです。
昨年、荒川区ではビル管理企業の旧新光ビルシステムとの贈収賄事件で、会社の社長と区長が逮捕されました。
この旧新光ビルシステムは北区でも、北とぴあをはじめ赤羽会館、滝野川会館等、主要施設の施設管理や受付業務を十数年間に渡って請け負ってきた企業であり、その16年度の請負総額は約5億円にも及びます。
荒川区の事件を発端に我が北区は大丈夫なのかと区民から心配の声があがるのは当然のことです。
日本共産党北区議員団はこの間、15年に及ぶ北とぴあの請負契約等について、独自に調査、分析をすすめてきました。
 その問題の一つは、これまでの委託料はどんなに小さく見積もっても1億円以上高かったのではないかという点です。
これは、北区の仕様書に基づき、ビル管理を専門とする複数の会社に、北とぴあの委託料の積算を行っていただき、同様の指摘を受けました。
17年度入札では、北とぴあの業務委託が初めて三分割され、旧新光ビルシステムの前年度落札価格より1億4千万円も低く落札されましたが、まさに私どもの指摘を裏付ける結果となりました。
 2つ目の問題は官製談合の疑いについてです。
何故、高値安定でしかも同じ一企業が請け負い続けてきたのか。
北とぴあの過去15年間の入札経過は、入札に参加した業者が何度か予定価格を超過したあと、最後は他社が辞退して結局、旧新光ビルシステムが契約するという不自然な経過が目立っています。
しかも、この旧新光ビルシステムには、北とぴあの建設から開設、そしてその運営の全てに関わってきた北区の元産業振興部長が天下りをしているのです。
日本共産党北区議員団はこうした疑問から「北区は再度、この間の契約や価格が適切であったかどうかや、元部長の天下り問題について徹底調査すべき」と求めました。
それに対し区長は「手続き上の問題がないのでその必要はない」「天下りではなく職業選択の自由」と調査を拒否しました。
このようなお答えで、区民の納得は到底得られるものではありません。
この間北区は、財政が厳しいと区民生活に関わる切実な区民施策を数々、削減を続けてきたのです。その一方で施設管理費で15年に及び、毎年1億円に上る区民の税金が事実上、ムダに使われてきたかもしれない問題なのです。
痛みを受け続けてきた区民に対し、説得力のある説明責任を果たし、解決をしめさなければならない重大な局面に立って、区長は再調査を指示することもなく、リーダーシップを発揮することもできませんでした。
こうした区長の姿勢では、到底今後の区政運営を任せられません。

 更に花川区長ご自身と企業との関わりから論じます。
花川区長は旧新光ビルシステムから都議会議員時代130万円の献金を受けています。しかも、この献金を届けたのは旧新光ビルシステムに天下りした元産業振興部長でした。更に区長ご自身の私設秘書も同企業から大阪への旅行の接待を受けていました。
まさに公正な請負契約について問題が指摘されている企業からの献金について、「自分も秘書もあとからお金を返したから」といって恥じない姿勢であり、こうした企業からの献金で政治活動や選挙活動をすることに、未だに反省の色がみられません。
区長の倫理条例では政治活動に関し、政治的道義的批判を受ける寄付は受けないこと。後援団体についても同様とするとされております。区長は襟を正し、潔白を常に区民に説明できるものでなければなりません。
さらに、政治資金の問題では、区長の政治団体事務所の家賃の賃貸契約について、即答できず最終日の答弁では「自らの会社が払っていた」としたものの再度の追求には再び「答弁したとおりです」と繰り返すだけで、未だに政治資金規正法の疑惑が晴れたとはいえません。
区長ご自身でしか答えられない質問に対してでさえ、「本会議でお答えしたとおり」「課長のお答えしたとおり」とか、理事者に選んでもらった答弁メモを棒読みするだけでした。果たして、これで33万区民の暮らしをまかせられるのかーと、率直に疑問を感じました。
以上、質疑を通じて、区長自身が疑惑を解明しようとする姿勢が見られず、こうしたリーダーシップのなさ、不誠実な態度は区長の資格が問われる問題であり、
到底、容認できるものではありません。

一般会計に反対する第二の理由は、北区経営改革プランに関わる問題です。
来年度からスタートする北区基本計画と表裏一体のものとして北区経営改革プランを位置づけ、基本計画に必要な財源を指定管理者制度の導入などで賄うとして、区民福祉を守る公的責任を後退させました。
平成18年度から導入される指定管理者制度において、当面は相当数の区有施設を現状の法人や区民団体等に管理を委託するとしたものの、障害者施設や特別養護老人ホーム、区立保育園などの管理を「社会福祉法人」を基本とせず、営利を目的とした株式会社などの参入に道を開くものとなっています。
更に、条例上は、福祉の質を担保するための働く人々の雇用形態や労働条件、賃金等を保障するものとなっておらず、今後サービスの質が保たれるのか懸念がぬぐえません。
王子北保育園での保護者との「協議会」をはじめ、関係者との十分な協議の場を保障してゆくことを改めて強く求めるものです。
また、廃止・縮小される事業の一つである介護保険のホームヘルプサービス経過措置費について、今後6%減額の継続の対象は年金収入で年間80万円以下の世帯とし、これまでの対象者の半分にあたる約2000人の方が減額をうけられなくなりました。その理由として、これまでの低所得者対策として減額の対象となってきた方が、北区の場合、3割いらっしゃることをあげ、「3割もいるということは低所得者対策としていかがなものか」と発言されたことは北区の高齢者の方々の生活実態を無視したものとして認められません。
又、政府が提案している介護保険の見直し案で、軽度要介護者が従来の家事援助サービスが受けられなくなることについても、「サービスの質が転換するということだ」として、在宅生活を送る上で不可欠である家事援助サービスがなくなることに痛みすら感じていない姿勢は問題です。
更に新たな区民サービスの削減も認められません。
高齢者福祉電話事業など、削減額は1億1千3百万円余にのぼります。このような区民への痛みの転嫁は認められません。

 第三の理由は、まちづくりについてです。
新年度、建築紛争に関わり、事業者に対して住民への説明を条例化したことは評価するものですが、現状のマンション紛争の真の解決のためには建物解体時からの説明を義務化することや、まちづくり条例の制定こそ求められております。北区は未だにその具体化が図られておりません。
また、北区で最大の課題である中堅ファミリー層の定住化のために、基本である住宅について新たな施策を展開しようとしておりません。良好な住宅ストックの確保や誘導策を積極的にしかけてゆく姿勢が欠如しています。
更に高速道路王子線の騒音と振動は事後アセスを待つまでもなく、この道路が欠陥道路であることは事実上、明らかです。
開通してから2年を経過した今でも抜本的な対策がなされておらず、東京都や首都高速道路公団の責任は重大であり、地元北区として区民の怒りと痛みを真摯に受け止め、迅速に強力に働きかけるべきであります。

 第四の理由は、教育行政についてです。
今や世界の趨勢、全国の水準となった30人学級を頑なに拒んでいるのは東京都だけとなりました。全国から30人学級の教育的効果を真摯に学ぶべきです。
石原知事は過日の都議会で「徹底したつめこみ教育をしなければならない。そこで子どもの力がわかり、競争意識が生まれる」といわば選別教育を容認する発言を行いました。こうした知事の下で、逆に言えば、全国で東京の子どもだけが未だに教育条件改善の恩恵を受けられないでいるのです。 
北区でも学力パワーアップ事業として30人をこえる小学1年生と4年生に非常勤講師をつける独自の努力をしているのですから、東京都に積極的に働きかける責任があります。けれども北区は「いろいろな考え方がある」として及び腰であり、情けないとしか言いようがありません。
学校統合問題では、教育環境整備協議会の中で、統合と改築の関係について問われ、「早いもの順ではないが、話のまとまらないところを待つわけにはいかない」と実際には校舎改築を盾に統廃合の結論を急がせる姿勢は問題です。
又、統合に向けた方向が決まったとして、現に生徒が通っている学校を1年も前の4月の年度当初から、条例上その学校の廃止を決定する措置をとるやり方は、あまりに教育的配慮に欠けていると言わざるをえません。
今後、新しい学校づくりに向けて、子ども達自身や現場の教職員の声を真摯に受けとめ、反映することに全力を尽くすべきと強く指摘いたします。

 第五の理由は、財源確保に関する区の姿勢です。
都区財政調整における主要五課題の2005年改革に向けて、北区が東京都との間で積み上げてきた努力は評価できるものですが、その努力と合わせ議会や区民と共に、解決してゆく姿勢が弱いことは残念です。
又、国の三位一体改革による北区の影響額は15,16年度の2年間で7億4千3百万円となる中で、国に対し、地方自治を守る立場から強く意見を述べてゆく姿勢が必要です。国や東京都の財政圧迫が区民サービス削減等の大きな原因になり、住民に痛みを押し付けていることは明白です。区長はその責任を自覚すべきです。

 更に、補正予算のところで指摘したとおり、区はまたもや投資的経費を増やすために積み立て優先主義に陥りつつあります。
新年度は土木費に関わり、投資的経費をほとんど一般財源で充当しました。
他の福祉や教育施策とのバランスを考えても、適切な起債の活用で区民の切実な要望に答える財源を生み出してゆくことが可能であると考えます。 

 以上五点の理由により、一般会計予算に反対します。

 次に、国民健康保険会計については、二割減額の導入はあったものの、保険料と介護納付金の引き上げにより均等割で、年間3100円もの区民負担が増加すること、また、介護保険会計については、訪問介護の利用料一割負担導入に際し、区独自の低所得者対策が不十分であること等から、いずれも反対を致します。
その他、三特別会計については、賛成であることを申し上げ、討論を終わります。
ご静聴いただきましてありがとうございました。

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