日本共産党北区議員 山崎たい子
トップページ プロフィール 活動日誌 区政レポート 区議会報告 生活・法律相談 リンク集 おたよりはこちらへ

 

平成16年度平成16年度一般会計決算及び、国民健康保険事業会計決算に対する日本共産党北区議員団の反対討論
山崎たい子区議 2005年10月14日


私は日本共産党北区議員団を代表して、平成16年度一般会計決算及び、国民健康保険事業会計決算に反対の立場から討論いたします。
平成16年度はアメリカ、ブッシュ政権によるイラクへの侵略戦争開始から1年がたち、反戦平和の国際共同行動が世界中でとりくまれた年でした。日本の小泉政権もアメリカの同盟国として、今の憲法制定後初めて戦地へ自衛隊を派遣した忘れることのできない年でした。
これに対し、日本共産党北区議員団は花川区長に、自衛隊の速やかな撤退を国に求めるようはたらきかけましたが、区長は「自衛隊の海外派兵を適法だ」と認め、何ら批判をしておりません。
今日、泥沼化するイラク情勢の下で、イラク国民はもちろんのこと、アメリカ兵の犠牲者も相次いでいます。アメリカ本国では兵士を帰せと運動が高まって、イラクから撤退すべしの世論が6割に昇りました。
今年10月8,9日の両日、毎日新聞が行った全国世論調査でも、イラクへの自衛隊派遣について延長反対が77%に達しました。私は区長が今こそ自衛隊の撤退を国に求めるべきと指摘致します。
合わせて、日本共産党は日本を戦争する国に変えてしまう有事法制化にも反対し、特に自治体が、いわば「国家総動員」の先頭に立たされることになる国民保護法の制定に反対するよう区長に求めてきました。現在、北区は東京都が示す「国民保護法計画素案」に従う姿勢を示していることは、とても認められないものです。

 さてこの年、日本国内では、「痛みに耐えれば明日が開ける」と小泉構造改革がすすめられました。その結果、医療や年金などの社会保障の縮小や、年金控除の縮小、老年者控除の廃止、加えて高齢者の住民税非課税限度額の廃止など税負担の拡大によって、7兆円もの負担増が国民に押しつけられました。
それだけではありません。国は三位一体改革として、公立保育所運営費や介護保険事務費などの国庫補助金を削減し、税源移譲も不十分なまま、地方財政を圧迫してきました。
国だけでなく、東京都も都市再生による大企業や大手ゼネコンなどが利益をあげる大型公共事業を拡充してきました。その一方で、財政再建推進プランにより都民のくらし、福祉に関わる予算を3年連続で580億円も削減しているのです。
こうした石原都政のゆがんだ公共事業の拡大が都と23区の共同の財源である大都市事務そのものに影響を及ぼしました。決算審議の中で多くの会派がとりあげた都区財政交渉に関わる、懸案の主要5課題の問題でも、都が23区側の財政権拡充に真っ向から対決していることを、厳しく指摘するものであります。
23区の財政権確立の正念場を迎え、区は議会、住民と一体となり、あらゆる政治力を結集して、行動するときです。
こうした国や東京都のくらしや地方財政を圧迫する姿勢に対し、北区が区民の一番身近な自治体として、毅然と国や東京都に物を言い、区民の暮らしを守る施策を進めてきたかどうかが決算認定の基準になると思います。
平成16年度は花川区長になってから、はじめての本格予算となった年であり、その中で、全国ではじめて中学3年生までの入院費の無料化として、子ども医療費助成を創設したこと、また、学力パワーアップ事業として小学1年生と4年生の30人をこえるクラスには北区独自で非常勤講師を配置したこと、私立幼稚園入園祝い金などの増額、赤羽しごとコーナーの設置、浮間、外語大跡地への区立特養ホームの建設を計画する等は評価するものであります。

 しかしながら、以下6点について、北区の姿勢は問題であり、一般会計の認定に反対致します。

 その問題の第一は、旧新光ビルシステムによる贈収賄事件で発覚した、北とぴあの不透明な契約事務の問題解明における、花川区長の消極的な姿勢です。
日本共産党北区議員団は、北とぴあ開設以来15年間、平成16年度まで、ずっと請け負い続けてきた旧新光ビルシステムの契約価格は約1億円は高く契約されてきたのではないかという問題を指摘してきました。
これに対して区長は、未だに「問題はなかった」と言い続け、また、疑惑解明のために必須の要件である委託契約の際の「予定価格」等の公表にまったく応じようとしません。
これは、疑惑解明に対する隠蔽姿勢と呼ぶべきもので認められません。
日本共産党はこの問題の再調査、見直しを改めて求めるものであり、積算にあたっての請負業者への見積もり依頼の廃止、適正な発注価格の設定のために毎年の見直しの徹底、契約実施状況の検査、調査制度の確立など契約事務の改善を重ねて求めるものです。

 第二の問題は、「天下り」温存とも言うべき区長の姿勢です。
北とぴあの建設、そして開設以来、部長職にあった方が、汚職企業である旧新光ビルシステムに「天下り」し、その後北区の契約事務に営業活動として深く関与してきました。
北区では、これまでもまちづくり等に関して、ゼネコンをはじめ請負企業や道路公団などに、部課長職にあった者が次々と「天下り」してきました。
請負企業等への「天下り」は、実質的な贈収賄に当たるものであり、いま世論は、こうした「官僚の天下り」の全面禁止を求めています。旧道路公団でさえ天下りを規制する新たな指示を出しています。

 ところが花川区長は、「職員の再就職にたいしてとやかく言うことは出来ない」とか「職業選択の自由」と突っぱねました。
世論を無視し、天下りの温存を平気で打ち出す区長の姿勢はとうてい認められません。

 第三の問題は、引き続く区民福祉の削減と、平成17年10月1日から実施されることになった介護保険法の「改悪」を傍観し、区民負担軽減策などに消極的な区長の姿勢です。 
平成16年度には高齢者の電話料金助成の廃止などが行われました。この間の経済給付的な高齢者福祉の後退と連動し、区民のくらしに負担増をもたらすものとして認められません。
また、ご案内のように、この10月1日からは介護保険の改定で、介護施設等へのホテルコスト、食事代の導入により、利用料が大幅に値上げされました。これに対し他区では食事代の補助を実施するなどの軽減策を決めた区もあり、北区もできないはずはないのです。
ホテルコストだけではありません。国は介護施設に対しても運営費補助を削減し、区内のある介護施設では年間2000万円もの影響が出るところもあります。人件費の抑制による労働条件の低下やサービスの低下が心配されます。
ところが区長はそれが予想されながら、16年度、何の対応もしなかったのです。
今からでも北区として適切な支援が必要と考えます。
また、今後整備される地域包括支援センターへの充分な人的配置と環境整備を強く求めるものです。
更に、介護保険同様、応益負担制度の導入などで大きな問題となっている障害者自立支援法案についても、区議会と歩調を合わせ、国に意見をあげるよう求めておきます。

 第四の問題は、真の地方分権、自治権・財政権確立のうえで、新自由主義の「小さな政府論」に立脚した小泉版・構造改革路線に無批判に従っていることです。
具体的には北区経営改革プランを方針としてとして、北区自身の公的施策を変質させてゆこうとする姿勢です。
小泉・構造改革は、「官から民へ」をかかげていますが、その本質は「官の特権」は温存し、「民」とは言ってもそれは国民ではなく、大企業・大銀行への利益誘導となっています。
国から地方へと言ってはいますが、三位一体路線に見られるように、狙いは地方への財政縮減であり、言葉とは裏腹に地方自治縮小につながるものです。「官」の負担、すなわち政府負担は社会保障関連費をはじめ縮減し、「民」すなわち国民負担は増大の一途というのが、小泉改革の真の姿であり、それは先に述べたように、この年の当初予算の年金、医療などの後退と増税による「7兆円の負担増」であったことからも明らかです。
今や完全に破綻したPFI手法や新たな指定管理者制度導入のように、地方自治体が「公」の責任を廃し、多くの福祉施設、教育施設などに、営利を目的とする株式会社などが参入してくることで、本当に区民サービスは守られるのか。
これまで北区が改革の名で、福祉や教育の各施策を削減、縮小してきた問題と相まって、今このことが厳しく問われています。
先に述べましたように、16年度は基本計画達成のための財源を生み出すためとして経営改革プランがうちだされた年でした。これとあわせて指定管理者制度が、条例上も、福祉の質を担保するための働く人々の雇用形態や労働条件、賃金などを保障するものになっておらず、サービスの質が保たれるのか懸念がぬぐえません。
指定管理者制度導入により、住民福祉の後退があってはならないことを改めて指摘致します。
また、区民との協働が強調されていますが、区民と共にの大前提である「仮称区民参画条例」について、未だに期限を示していないことをみれば、区民との協働が色あせてきたのが、明らかではないでしょうか。
また、「まちかどトーク」で区長の生の声が聞けなくなったとか、今度の決算審査では、各会派の総括質疑の冒頭で答弁されただけで、あとは区長しかお答えできない質問に一言も発しなかったことなどは、とても残念です。

 第五の問題は、まちづくりに関してです。
北区は、基本計画で若年ファミリー層の定住化としての住環境整備をうたっていますが、その施策のほとんどは「民間任せ」で、その消極性が問われます。公的住宅制度はゼロに等しく、これでは定住化が泣きます。住宅施策をまちづくりの柱にすえることを求めます。
更に建築紛争にかかわって、事業者に対し、建物解体時からの説明を義務化することやまちづくり条例の制定を具体化することが強く求められています。
さて、今決算委員会の中心課題のひとつが9月4日の水害に関してでした。
まず、高速道路王子線については開通以来、あらたな大気汚染の広がりが心配され、騒音、振動問題が公害として住民に被害を及ぼしています。
その上、9月4日には旧首都高速道路公団が整備した仮設護岸の決壊により堀船地域に大水害が発生しました。昨年来の集中豪雨時の水害の発生と共に、区民は不安につつまれ、また、これは人災であると怒りを強めています。

思いも寄らぬ仮設護岸の決壊により、北区自身の初動体制も混乱しましたが、その後の区の対応では、区民の被害状況把握の大方を町会へ依存するなど、この間すすめてきた出張所再編などでの地域を支える公的機能の縮小、人減らしが大きく影響していることが明らかとなりました。
高速道路建設により、北区が、「万全の環境対策を求める」との一文で、こうした公害や水害の元凶ともなる高速道路建設を安易に許した責任があらためて問われます。
騒音、振動などに対する早急な抜本対策とあわせて、水害被害に対する原因と責任の究明、被害住民への充分な補償を首都高速道路株式会社に、区民の立場で毅然と対処されるよう強く求めます。
今のような「首都高の調査をまって」という北区の対応は区民の願いに反するものであり、認められないことをくり返し、指摘します。

 鉄道騒音公害も未だ深刻です。都の測定局の大気汚染数値もほとんど改善されていません。
そこに、かつての工場跡地で、ダイオキシンや重金属土壌汚染の問題が明らかとなり、住民に深刻な不安が広がっています。
北区は、公害被害の区であるとの自覚に立ち、環境破壊を絶対に許さない、区民の生命と健康を守るとの決意を固めて、諸問題に対処することを改めて求めるものです。

 第六は、教育に関する問題です。
すでに全国で実施している「少人数学級制度導入」に反対し続けている東京都教育委員会は、今や全国でも特異な存在になっています。
その東京都に対し、改善を求めることすらできない北区教育委員会は大変情けないと言わなければなりません。
文部科学省の協議会「中間報告」は、区市町村に学級編成権を認める方向を打ち出しました。北区として子ども達の教育環境改善の根本である少人数学級の実現に一歩ふみだすことを強く求めます。
また、人口減、とくに子どもたちの減少に、なんの危機感も持たず、学校ファミリー構想と言いながら、結果は「学校適正配置」が優先される策しか出さない教育委員会に対し、住民の不信が募っていることも指摘するものです。
教育に関しては、現在実施されている学校適正配置(案)について、住民や学校関係者、子どもたちの意見を充分受け止めるよう強く求めます。
以上六点の問題から、平成16年度一般会計決算認定に反対します。

 特別事業会計については、払いたくとも払えないほどに高額化する国民健康保険料の値上げに、なんの歯止めもかけないことを問題とし国民健康保険事業特別会計認定に反対します。
この10月からあらたな保険証の切り替えが行われておりますが、納付相談には親身に応じて頂き、区民に保険証がわたるよう区の暖かな対応を求めます。

 他の4つの特別会計決算認定には賛成することを表明し、討論と致します。
ご静聴いただきましてありがとうございました。

▲このページの一番上へ戻る
 
 
 
Copyright(C) 山崎たい子事務所 2006-
本サイト内のテキスト・写真など全ての掲載物の著作権は山崎たい子事務所に属します。
リンク希望の方は、お手数ですがメールにてお知らせ下さい。
山崎たい子 携帯 090-2160-1292 /E-Mail YIU14986@nifty.com
 日本共産党北区議員団控室 TEL 03-3908-7144 / FAX 03-5993-0280 / E-Mail mail@kyoukita.ip