日本共産党北区議員 山崎たい子
トップページ プロフィール 活動日誌 区政レポート 区議会報告 生活・法律相談 リンク集 おたよりはこちらへ

 
         最終更新日2007.9.22
◆平成19年第3定例会における山崎たい子区議の代表質問
2007年9月13日, 北区議会第3定例会本会議で日本共産党の山崎たい子議員が行った代表質問の全文及び区の答弁を紹介します。
  1. 安心できる年金制度を求めて
    【1.に対する区の答弁】

  2. 消費税問題
  3. 住民税増税の区民負担を軽減することについて
    (1)住民税増税中止を国に求めること
    (2)東京都に対し、知事の公約である都民税の減税を実施するよう求めること
    (3)北区としても、区民税の減税を実施し、あわせて区民税条例の減免条項について生活困窮者へも拡大すること
    (4)介護保険の障害者控除対象証の発行について、積極的に取り組むこと
    【2.3に対する区の答弁】

  4. ひとり親家庭への経済的負担を軽減することについて
    【4.に対する区の答弁】

  5. 貧困と格差をなくす雇用、労働環境の改善について
    (1)北区でも区内のネットカフェを訪問し、きめ細かな把握を行うこと。
    (2)区としても若者への家賃補助や住居を借りる際の資金貸し付け制度を実施するよう求める
    (3)区として若者への積極的な就労支援を行うことについて
    【5.に対する区の答弁】

  6. 来年4月から実施される医療制度改革の改善を求めて
    1. 医療制度改革の一つ、75歳以上の後期高齢者医療制度について
    (1) 後期高齢者医療制度の保険料を低く抑えるとともに、低所得者の保険料減免制度をつくること
    (2) 資格証明証の発行は行わないこと
    (3) 年金からの保険料天引きをやめるよう国に求めること
    (4)70~74歳の窓口負担を1割から2割に引き上げないよう国に求めること
    【6-1に対する区の答弁】


    2. 特定健診と特定保健指導について
    (1) 区民が引き続き健診を受けられるよう区として窓口対応をはかることや無料健診を継続すること
    (2) これまでの区民健診の実績を活かし、特定健診の実施は北区医師会と連携して行い、 特定保健指導は当面、北区の保健師が行う体制も視野に入れて検討するよう
    【6-2に対する区の答弁】

  7. 障害者の権利にもとづく障害者施策の転換を求めて
    (1) 効率優先、競争原理を障害者施策にまでもちこむ考え方を改め、障害者自立支援法の応益負担を撤回するよう国に求めること
    (2) 北区としての、独自軽減策を更に拡充するよう求めます
    (3) 小規模作業所の運営支援について
    (4) 重度の知的障害者の方々の施策の充実について
    (5) 視覚障害者ガイドヘルパー派遣の改善について
    【7-(1)~(4)に対する区の答弁】
    【7-(5)に対する区の答弁】

  8. 子どもたちの豊かな成長を支える教育行政を求めて
    1. 全国学力調査の結果の公表について
    2. 国に対し、教育再生会議の方向での全国学力テストは中止するよう求めるべき
    【8-1に対する区の答弁】
    【8-2に対する区の答弁】  

  私は日本共産党 北区 議員団を代表し、大きく8点、区長並びに教育長に質問いたします。
 昨日、安倍首相が突然、政権を投げ出しました。参議院選挙の歴史的大敗という民意を無視し、政権を続投したことによる当然の結果でした。

 この背景には、「消えた年金」問題や「政治とカネ」のスキャンダル、相次ぐ閣僚の暴言にとどまらず、格差と貧困を拡げた弱肉強食の「構造改革」路線、規制緩和の名の下に、働くルールやくらしを壊し、庶民増税や社会保障を切り捨ててきた政治に、国民は「ノー」の審判を突きつけたことがあります。

 また「戦後レジームからの脱却」をかかげ、侵略戦争に無反省、「従軍慰安婦問題」を無かったことにし、核兵器保有もありとして日本の軍事大国化を進め、憲法改定を国民に押しつけようとする「靖国派」の安倍政権に、多くの国民が危惧と批判を示しました。

 日本共産党は、こうしたくらしや平和をこわす政治の問題を当初から指摘し、その改善を求めてきました。
 新しい政治を願う国民の声、選挙で示された民意をしっかりと受けとめ、この議会を通じても、その実現を求めて行く決意です。

【1】その 第1は安心できる年金制度を求めて です。

 選挙最終盤の世論調査でも争点の第1位は年金問題65.3%でした。

 日本共産党は、安心できる年金制度の確立のために、抜本策として最低保障年金制度をつくり、誰もが一定以上の年金を受け取れるようにし、その上に払った保険料に応じた上乗せをすること。緊急策としては 25 年も払なければ年金がもらえないという最低加入期間を、 10 年に短縮することを提案しています。
その財源は160兆円の年金積立基金の計画的活用や大企業に応分の負担を求めます。

 問題の「消えた年金」は、まったなしのスピードで、一人残らずの解決をはかるために、一刻も早く国民に対し、年金加入履歴の送付を行うべきです。

北区 でもこの間、区としてできる年金問題の対応として住民票や戸籍証の無料交付を行っておりますが、それに加えて社会保険事務所と連携し、年金記録の照会手続き代行サービスを実施するよう求めます。お答えください。

【区の答弁】
 はじめに、年金記録の紹介手続き代行サービスの実施についてお答えします。
 国は、加入履歴の送付について、現在準備を進めており、本年12月から順次、送付を始め、20年10月までにすべての加入者に対し、加入履歴の送付を終えることとしています。
 また、区では従来から区の窓口に来所いただいた方々の納付状況のお尋ねに際し、職員が北社会保険事務所や東京都社会保険事務局内市区町村紹介センターに電話で確認し、お伝えしているところです。
 この際、納付記録や加入履歴が必要な方に対しても同様の方法で北社会保険事務所に連絡、後日、北社会保険事務所からご本人あて、記録が送付されることとなっています。
 なお、このことにつきましては、8月20日号の北区ニュースで周知を図っております。


【2】 第2の質問 は消費税問題です

 安倍首相が「消費税をあげないなんてひと言も言っていない」と発言したことをきっかけに、住民税増税強行の上に、消費税まで上げるのかと国民の怒りが爆発しました。

世論調査でも争点の第2位となり、選挙中、政府税調会長も「もうすでに国民の消費税に対する裁判が始まっている」と指摘しましたが、その点では明確な判定が出たのも同然です。内閣と与党は消費税の増税計画をあきらめるべきです。

 私ども日本共産党 北区 議員団は先日、 北区 の商店街連合会に「消費税の引き上げは行わないよう求める」申し入れを行いました。
 その中で「中小零細企業、町中の商店などは、上からはまけてくれと言われ、お客さんには転嫁できない分、自分の身を削って税金を納めている。本当に大変だ」というご苦労を聞き、地元の商店街、中小企業を守るためにも消費税は上げるべきではないと痛感しました。
 また、消費税は区民にとっても、所得が低いほど負担が重くなる逆進性の強い最悪の不公平税制です。

 OECD( 経済協力開発機構 ) も日本に対するリポートで再三にわたり、日本の税制が、世界でも特に低所得者に厳しいことを指摘しています。

 そこで質問します。国に対し、消費税の引き上げは行わないよう区長として強く働きかけて下さい。答弁を求めます。
▲このページの一番上へ戻る

【3】 第3の質問 は住民税増税の区民負担を軽減することについてです。

 6月に実施された住民税増税により、 北区 でも短期間に 3000 件と昨年の 5 割り増しの問い合わせが区に寄せられました。サラリーマン世帯は前年のほぼ2倍近く、高齢者の中には非課税限度額廃止の経過措置もあり、4倍近くの増税という方もおり、ある90代の男性は「こんな年寄りの年金からも容赦なく税金をとってゆく日本はもう終わりだ」と寂しそうに語りました。

 政府・与党は住民税と所得税の税源移譲で増税にならないと宣伝しましたが税源移譲とは別に、定率減税が廃止されたため、確実に増税になっているのが実態です。さらに、税源移譲だけ見ても増税になる方がおります。それは、失業や賃金カット、今年から年金生活になった方など、昨年に比べ、今年の所得が大幅に減り、今年度の所得がゼロになる方々です。その住民税は昨年の高い所得で計算され、所得税は今年の低い所得で計算されるため、総務省も「最大で9万7500円増加することがある」と認めています。
 まさに、100年安心の年金のため等と言って、住民税増税を決めた政党、政府の責任は重大です。

 ちなみに、こうした収入が激減し、07年度の所得がゼロになる方は、昨年度の住民税額を税源移譲前の税率で計算した額まで減額し、還付される経過措置があります。手続きは来年になりますが、税金を払いすぎた区民がきちんと還付をうけることができるよう、 北区 として周知徹底するのは当然のことと指摘しておきます。

 更に、今年の「労働経済白書」や「経済財政白書」では、大企業は4期連続で過去最高益を更新しているが、勤労者の賃金は増えていないと指摘しています。税制改革というのであれば、空前の利益をあげている大企業、大資産家に応分の税負担を求めることこそ必要ではないでしょうか。

 国が行ったこのような不公平な税制に対し、地方自治体が区民のくらしを守るために毅然として、もの申し、行動する時と考えます。住民税軽減について以下、4点お尋ねいたします。

(1)住民税増税中止を国に求めること。

(2)東京都に対し、知事の公約である都民税の減税を実施するよう求めること。これについては、先日、石原都知事が都民税減税はやらないことにしたーと記者会見しましたが、公約違反です。知事は低所得者へも税負担を強める国の歪んだ税制に一石を投じるとして公約したものであり、その税制は変わっていないし、断念する理由はありません。また、代替案として就労支援や、生活援助を検討するとしていますが、減税をやるやらないに関わらず、実施しなければならない施策です。改めて都に対し、都民税減税の実施をせまるよう求めます。

(3)北区としても、区民税の減税を実施し、あわせて区民税条例の減免条項について生活困窮者へも拡大すること

(4)介護保険の障害者控除対象証の発行について、積極的に取り組むこと。

以上 4 点、住民税の軽減についてお答えください。


【区の答弁】
2.3
  次に、消費税及び住民税に関するご質問にお答えします。
  政府の税制調査会は、今週にも、消費税を含む、税制の抜本的改革議論を開始する、と聞いております。 区としては、今後、これらの議論や世論の動向を、注視してまいります。
  このたびの税制改正においては、住民税と所得税の合計額においては、基本的に負担が変わらないよう、制度設計がなされております。
  地方財政の充実・安定のために、必要な改正であると認識しております。
  定率減税は、著しく悪化した経済情勢の下で、特例として実施されたものです。
  東京都は、9月7日に、先に発表していた、都独自の個人都民税の軽減措置を、取りやめることを明らかにしました。
  これは、低所得者層への対策を実施する場合には、歳出による施策によるべきである、との判断によるものです。
  公平性の観点から、特定の区民を対象に、一律かつ無制限に、住民税を軽減することは、適当でないと考えます。
  住民税の減免については、地方税法に要件が示されており、区は、これに基づいて条例を定め、適切に対応しているところです。
  そのほか、生活困窮度が高く、資産も無い場合には、調査の上、徴収を猶予する措置もとっております。
  福祉事務所長が発行する障害者控除対象者認定書につきましては、今後とも、障害者控除対象者の認定基準に基づき、適正に対応してまいります。
▲このページの一番上へ戻る

【4】 第4の質問 はひとり親家庭への経済的負担を軽減することについてです。
 2002年の法改正により、来年4月から、児童扶養手当の削減が予定されておりますが、先日、小学生の子どもを育てているお母さんから「児童扶養手当を削るのは本当にやめてほしい。自分は今、派遣の仕事をしているが、給料は上がらない。正規職員で働けるところは、なかなかみつからないし、都営住宅にも当たらない。税金があがって困っているのに、その上、手当まで削られたら何をきりつめればいいのか」という声を頂き、胸がつまりました。

 「母子家庭白書」でも、その平均収入は年間233万4千円と全世帯の約4割にとどまる厳しい生活実態を示しています。私は3月の予算委員会で、日本では子どもの貧困が拡がっていること、中でもひとり親家庭では生活保護基準以下の生活をしている貧困率が38,3%と非常に高いことを紹介しました。生活してゆくために朝も昼も、子どもを寝かせた夜中も働いている方がいる。これが日本のひとり親家庭の実情です。

 こうした中、母子家庭の命綱である児童扶養手当は減額すべきではありません。そこで、お尋ねいたします。国に対し、児童扶養手当の支給水準を元にもどすこと、合わせて母子加算廃止を見直すよう求めて下さい。区長のあたたかい答弁を求めます。

【区の答弁】
4.
  次に、ひとり親家庭の経済的負担の軽減についてお答えします。
  児童扶養手当の改正の趣旨は、母子家庭の自立を総合的に支援することと存じます。
  区といたしましては、希望する職に就くための教育訓練や高等技術訓練にかかる費用の一部を給付する、母子家庭自立支援給付金事業を推進するなど、母子家庭に対す就業試練の拡充を図ってまいります。
  また、生活保護制度につきましても、同様に、国が母子加算を廃止した経緯を踏まえ、今年度から創設された、ひとり親世帯就労促進費の給付など、母子家庭の自立に向けた支援を、着実に実施してまいります。

▲このページの一番上へ戻る


【5】 第5の質問 は貧困と格差をなくす雇用、労働環境の改善についてです。

 日本共産党は懸命に働いても住居が確保できない「ネットカフェ難民」などの早急な実態調査を求めてきましたが、8月28日、厚生労働省は、初の実態調査の結果を公表しました。それによると「ネットカフェ難民」と言われる「住居喪失者」は全国で約5400人と推計され、約半数の方が日雇いなどの非正規雇用で占められ、平均手取り額は東京で10万7千円であること。また、住居を失う理由は仕事がなくなり、家賃が払えなくなること。そのために就職が困難になるという悪循環となっている深刻な実態が浮き彫りになりました。

 もはや個人の力と努力だけでは抜け出せない状況であり、国、自治体をあげて早急な対策が求められています。そこで、はじめに2点お尋ねいたします。

(1)北区でも区内のネットカフェを訪問し、きめ細かな把握を行うこと。

(2)ネットカフェ難民を生み出している登録型派遣による日雇い型雇用をなくすことや、最低賃金の大幅引き上げ、低家賃の住居保障、就労育英基金の創設などを国に求めると共に、区としても若者への家賃補助や住居を借りる際の資金貸し付け制度を実施するよう求めるものです。お答え下さい。

(3)雇用対策の3つ目の質問は、区として若者への積極的な就労支援を行うことについてです。

 先の6月議会で、会派の野々山議員の質問に対し、次のような答弁を頂きました。「ハローワーク王子や労働基準監督署、厚生労働省東京労働局、区内の各産業団体も交え、北区地域雇用問題連絡協議会を設置し、第1回目の会議を開いたこと。そこで地域の特性を生かした労働施策の展開を図ってゆくことを確認したこと。商工業や産業振興策を通じて働く場を確保し、区内企業の求人と結びつくようにしたい」というものでした。私はその取り組みに大いに期待したいと思います。

 東京ハローワーク8月号では大田区で、若者と中小企業のマッチングフェア「大田ものづくり企業展」が開催され、1500人が参加。就職を希望する若者が集まり、就業相談や職業紹介が行われた内容が掲載されていました。 北区では今後、どのような取り組みを具体化しようとお考えでしょうか。お尋ねいたします。ご答弁ください。


【区の答弁】
5-(1)
  次に、「貧困と格差をなくす雇用対策、労働環境の改善を」 についてお答えします。
  住居がなくいわゆるインターネットカフェ等に寝泊まりしながら不安定な雇用形態で就労する者、住居喪失不安定就労者の実態に関する厚生労働省の調査のうち、オールナイトの利用者を対象にした2次調査によれば、利用者を年齢別に見ると、20歳代が全体の約半数であり、利用日数別では、週3日以上利用している人が、約4割となっています。
  また、パソコン・ゲームなどの利用が52.8%となっています。住居がなく寝泊まりするためには、全体の7.8%となっています。
  新聞報道によれば、この調査を受けて国は、来年度予算の概算要求の中に住居確保や就労支援を盛り込むとしています。
  北区といたしましては、これらの調査や国の支援策をもとに、ハローワーク王子や王子労働基準監督署などと引き続き連携して就労支援に取り組んでまいります。

5-(2)
  次に、最低賃金については、国の中央最低賃金審議会の答申を受け、東京地方最低賃金審議会で、東京都の最低賃金は20円の引き上げが決定されたと伺っております。
  また、雇用・労働に関する事項については、労働政策審議会において検討を行っておりますので、今後も、雇用対策、就労対策の充実について、機会を捉えて、国や都に要望してまいります。
  区としても、国や東京都と連携しながら、既存制度も活用して、支援に努めてまいります。

5-(3)
  また、若者に対する雇用・就労支援の一つとして、ハローワーク王子、王子労働基準監督署などと、11月に「2007 若者就職サポートフェスタin王子」を企画しています。
  これは、若者の就職先意向が比較的大企業や都心企業に向くため、区内の中小ものづくり企業にもやりがいがある企業があることを知ってもらい、区内企業で正規就労に従事していただき、柔軟な発想と行動力を発揮してもらうことを目的としています。
  現時点では15社程度に出展していただき、企業PRをしていただくとともに、就職にあたってのワンポイントレッスンなどを予定しています。
  今後も、実施後の検証を踏まえながら、より良い機会づくりに努めてまいります。
▲このページの一番上へ戻る

【6】 第6の質問 は来年 4 月から実施される医療制度改革の改善を求めてです。

 国民皆保険をもたないアメリカ医療の現実を鋭く告発した、マイケルムーア監督のドキュメンタリー映画「シッコ」が話題を呼んでいます。
 「シッコ」とはアメリカの俗語で「いかれた奴」といった意味ですが、さながら「アメリカの医療制度はほとんどビョーキだ」というメッセージでしょうか。

 私もその映画を観てまいりましたが、アメリカでは保険に加入しない市民が 4700 万人も存在し、毎年1万8千人が死亡していること。また、そうならないように高い保険料を払って民間保険会社の医療保険を購入しても、保険会社が最大限の利潤をあげるために、国民はあの手この手で保険金の支払いを拒否され、必要な医療が受けられず、命を落とす人がいる。また、治療費を払えない患者さんは治療の途中でも路上に捨てられるという医療から排除された人々のショッキングな現実が映し出されていました。

 一方、映画ではカナダやイギリス、フランス、キューバの国々でほぼ自己負担なしで医療が受けられることを紹介し、アメリカ医療の異常さを浮き彫りにしていました。
 映画の中で、イギリスの政治家は、医療保障のあり方は民主主義の問題だと指摘しておりましたが、命と健康は何人も平等のものであり、全くそのとおりだと私は深く共感し、改めて、国民皆保険制度の大切さを痛感しました。

 ひるがえって我が国では、来年 4 月から後期高齢者医療制度などの医療の構造改革が実施されようとしていますが、凍結し見直すべきです。その立場から以下 6 点、質問いたします。

1.医療制度改革の一つ、75歳以上の後期高齢者医療制度についてです。
これまで、家族に扶養され保険料の負担がなかった人も含め、全ての後期高齢者が保険料の負担を求められ、しかも大多数の人は年金から「天引き」です。

 保険料は東京都後期高齢者医療広域連合で、 11 月を目途に決められることになりますが、先日8月31日の1回目の広域連合議会では、東京の平均保険料は最高で年額15万5千円、月額にすると12900円、最低でも年額9万6千円、月額にすると8000円となる試算を明らかにしました。これは厚生労働省が試算した全国平均保険料、年額7万4千4百円、月額にすると6200円に比べても1.3倍から2倍と高額であり、広域連合議会でも「こんな高い金額では納得できない。住民にも説明できない」という批判の声が相次いだと側聞しています。
 介護保険料と合わせると、月 1 万円をゆうにこえる負担となり、あまりに過酷な負担増です。    

 しかも重大なことは、その保険料を払えない高齢者には資格証明証の発行、すなわち保険証のとりあげが行われることです。
 この後期高齢者医療に便乗して、医療改革の二つ目に、 65 歳から 74 歳までの方の国民健康保険料も年金から天引きになります。

 更に3つめには 70 歳から 74 歳の方の窓口負担が、現行の 1 割から 2 割負担に引き上げられます。
 今、高齢者のくらしは老年者控除の廃止、年金課税の強化などで急激な負担増に見舞われている中、更なるくらしと健康への大打撃になることは目にみえています。高齢者の医療を受ける権利、いのちとくらしを守るため、区としての対応を求め、以下4点お尋ね致します。

(1)後期高齢者医療制度の保険料を低く抑えるとともに、低所得者の保険料 減免制度をつくること。

(2)資格証明証の発行は行わないこと。

(3)年金からの保険料天引きをやめるよう国に求めること。

(4)70~74歳の窓口負担を1割から2割に引き上げないよう国に求めること。以上4点、区長のあたたかい答弁を求めます。


【区の答弁】
6-(1)
 つぎに、医療制度改革に関するご質問にお答えいたします。
 はじめに、保険料及び保険料減免制度についてでが、後期高齢者医療制度の保険料の算定については、
東京都後期高齢者医療広域連合が本年11月の広域連合議会への提案に向けて現在、粗い(あらい)試算などを行い、検討しているところです。
 その中で、所得の少ない被保険者の方々には、国民健康保険制度と同様に均等割部分の7割、5割、2割の軽減措置の導入を予定しています。
 また、被保険者が災害等により重大な損害を受けたときや収入が著しく減少したときに保険料の全額または一部の減免を行う保険料の減免制度についても導入を検討しているところです。

6-(2)
 つぎに、資格証明書の発行についてですが、広域連合では、一定期間以上の保険料の滞納者には被保険者証に変えて資格証明書を発行し、償還払いによる給付を行うことを検討しています。
 資格証明書の交付を受けた場合、医療機関の窓口では、いったん医療費の全額を支払い、のちに広域連合から保険給付相当額の償還を受けることとなります。
 資格証明書の発行にあたっては、十分な負担能力があり、災害、事業の廃止、疾病など特別な事情がないにもかかわらず、一定期間、保険料を滞納している者に対し行われるものです。

6-(3)
 つぎに、年金からの保険料天引きについてのご質問です。
 後期高齢者医療制度の対象者には、平成20年4月より年金からの保険料の特別徴収制度が導入されますが、低額の年金受給者まで対象とすることは適当でないということから年額18万円以上の年金受給者を対象とし、さらに天引き額が過大とならないよう介護保険料とあわせた保険料額が年金額の二分の一を超える場合は、特別徴収の対象としないという取扱いをすることとなっています。
 この仕組みは、国民健康保険の65歳から74歳までの前期高齢者にも導入されますが、北区においては準備の都合から平成21年度からの実施になります。

6-(4)
 つぎに、70歳から74歳の窓口負担引き上げにかかるご質問ですが、70歳から74歳までの方々の一部負担金割合については、平成20年4月から1割から2割に改正する予定です。この改正は、医療制度改革の保険給付の内容・範囲の見直しの一環として本人負担の見直しを図るもので、急速な少子高齢化に向け老人医療費の伸びに対し、国民皆保険制度を持続可能なものとしていくためには、避けられないものと考えております。
なお、70歳から74歳までの低所得者につきましては、自己負担限度額を据え置くこととしております。


 次に特定健診と特定保健指導についてお尋ねいたします。

 ご案内のとおり、健康診断制度も根本的に変わってしまいます。これまで公費で行われていた区民健診がなくなり、加入している健康保険ごとにメタボリック症候群を中心に実施されるようになります。  

 北区も国民健康保険者として、準備をすすめている最中ですが、いくつもの心配が出されています。例えば、これまで無料で受けられていた健診が有料化されるのではないか?制度が変わったことによる区民の戸惑いからも、健診が受けられなくなる方が出るのではないか?検診後の特定保健指導はアウトソーシングも可能としているが、体制や質は十分整うのか等です。

 北区ではこの間、区民健診の内容の充実や、2年前からは個別医療機関での実施、かかりつけ医との連携など、充実が図られてきました。その財産を継承することが大切ではないでしょうか?そこで2点、お尋ねいたします。

(1)区民が引き続き健診を受けられるよう区として窓口対応をはかることや無料健診を継続すること。

(2)これまでの区民健診の実績を活かし、特定健診の実施は北区医師会と連携して行い、特定保健指導は当面、北区の保健師が行う体制も視野に入れて検討するよう求めるものです。

 以上、4月からの医療制度改革に伴って、区民の命と健康を守る立場から、区長の前向きな答弁を求めます。

【区の答弁】
6-(6)
 つぎに、特定健診・特定保健指導の実施機関についてのお尋ねです。
 特定健診の実施機関については、今まで基本健診を実施してきたノウハウや経緯、受診者の数や利便性を考慮し、北区医師会に委託して行う方向で協議中です。
 特定保健指導の総括、管理指導につきましては、区の保健師が担います。

▲このページの一番上へ戻る

【7】 第7の質問 は障害者の権利にもとづく障害者施策の転換を求めてです。

 障害者自立支援法が実施されて1年半がたちました。この間、障害者ご自身や関係者の大きな運動によって、応益負担導入による負担増に対し、国も1200億円の特別対策を講じるところまで追いこまれ、北区でも食費の自己負担軽減やサービスの上限管理などが行われていますが、根本的な解決になっていません。

 当初の原則1割負担とする考え方は変わっておらず、その障害が重ければ重いほど負担が増えることや、障害者が社会参加やノーマライゼーションの権利として受ける行政施策に何故、受益者としての負担を追わなければならないのか。自立や就労支援の名のもとに、障害者を働ける者、そうでない者と区別し、法が用意した型に障害者をはめこみ、その事業の補助金にも差をつけてゆくのは納得できない等、こうした声はますます大きくなっています。

 そこでお尋ねいたします。

(1)効率優先、競争原理を障害者施策にまでもちこむ考え方を改め、障害者自立支援法の応益負担を撤回するよう国に求めること。

(2)北区としての、独自軽減策を更に拡充するよう求めます。お答え下さい。

(3)次に3つ目として、小規模作業所の運営支援についてお尋ねいたします。

 自立支援法では、小規模作業所も5年以内に法内施設として活動するよう迫られています。しかし、先に述べた障害者区分の問題、法人化の課題、施設や職員の配置基準、事務作業など、多くのハードルが横たわっています。
 小規模作業所は、行政が満たしてこなかった障害者の社会参加としての基盤整備を親や関係者自ら作り上げてきた尊い社会資源であり、その活動が発展するよう支援することこそ行政の役割ではないでしょうか。
 小規模作業所の運営と、そこに通所している障害者の方々の居場所が守られるように、北区が万全を期して対応するよう求めます。お答え下さい。

(4)障害者施策の4つ目は、重度の知的障害者の方々の施策の充実についてです。

 私どもの会派は、3月議会でも、あすなろ福祉園の改修工事の機をとらえ、保護者の切実な要求であるショートスティ、生活訓練室の設置を実現するよう求めてきました。今議会には、親亡き後の入所施設の整備も含めて、保護者会としての陳情も出されています。

 保護者の方々から、次のようなお話をお伺いいたしました。「北区はこれまでのショートスティの実績をみて、第3福祉園に整備するショートスティで足りると考えているようですが、自分たちの子どもたちのように重度の知的障害者は、利用したくても条件が整わず、今まで安心して預けることができなかった。その実態を考えてほしい」と。また「様々なこだわりも持っている子どもたちにとって環境の変化が、不安や混乱の一番の原因になる。身近で慣れた環境に緊急保護ができる場所をつくってほしい」と。こうした要望はまったく当然のものです。保護者の方々は、行政の力もかりながら生涯をかけて、子どもさん達を守り、育ててこられました。その切実な要望に北区として全力で取り組むよう求めます。

 そこでお尋ねいたします。あすなろ福祉園の改修工事に伴い、生活訓練室を設置し、ショースティが行えるように整備をすすめること。あわせて、区内に親亡き後の入所施設の整備をすすめるよう求めるものです。区長のあたかかい答弁を求めます。


【区の答弁】
7-(1)
 次に障害者施策に関するご質問にお答えいたします。
 最初に、酒害者自立支援法の考え方についてのご質問です。
 これまでも本会議でのご質問にお答えしてまいりましたとおり、障害者自立支援法の趣旨につきましては、適切なものと考えています。

7-(2)
 次に、北区独自の利用者負担軽減策の拡充についてのご質問です。
 北区は、昨年の障害者自立支援法施行時からこれまで、様々な独自の負担軽減策を実施してきています。
 今後もサービス利用者の状況の把握に努め、さらに実施する必要があると判断した場合は、可能な対応について検討してまいります。

7-(3)
 次に、小規模作業所の運営についてのご質問です。
 小規模作業所の障害者自立支援法の法内事業への移行は、区としても重要な課題ととらえており、円滑に進めるため、それぞれの作業所の状況に応じた支援を行うなど、通所する障害者はもちろん事業者も安心して移行できるように努めてまいります。

7-(4)-ア
 次に、あすなろ福祉園の改修についてのご質問です。
 工事の設計は、利用者や保護者のご意見をできるだけ取り入れながら進めてまいりたいと考えております。
 ショートステイ事業につきましては、来年東京外国語大学跡地に開設される飛鳥山晴山苑に十床を確保してまいります。
 その後の整備につきましては、施設の利用状況を踏まえ、必要があれば検討してまいります。

7-(4)-イ
 また、入所施設につきましては、北区障害者計画の中でお示ししているとおり、社会福祉法人など民間活力の導入による整備を検討してまいります。

(5)障害者施策の最後の質問は視覚障害者ガイドヘルパー派遣の改善についてです。

 現在、北区では例えば視覚障害者がプールでウオーキングをしたいという時に、プールまでの行きと帰りの移動にはガイドヘルパーがつくが、ヘルパーさんに一緒にプールに入っていただくことができないとのことです。

 他区では、ガイドヘルパーがプールの中に入ってサポートしてくださっています。北区も「なかぬき」ではないガイドヘルパー支援を求めます。お答えください。


【区の答弁】
7-(5)
 次に、視覚障害者ガイドヘルパーについてのご質問です。
 プール内の行動への支援は、水中での緊急時の対応などはガイドヘルプの一般的な業務にはなじまず、
危険が伴う介助であるため、ガイドヘルパーによる支援とはしておりません。
▲このページの一番上へ戻る

【8】私の大きな 最後の質問 は、子どもたちの豊かな成長を支える教育行政を求めてです。

 暑かった夏休みが終わり、子どもたちの元気な声が学校に戻ってきました。どの子も学び、わかる喜びが感じられ、自分の頭で考える力が育ってくれること。社会の中で、人とつながりあって生き抜いてゆく力が育つことを願っています。

 しかし、今、日本の子どもたちは「勉強嫌い」が世界一多い。「成績が下位の層」が増え、2極分化が進んでいる。孤独感が世界一強く、うつ症状やいらいら、むかつきの感情をためていると国内外の調査でも指摘されています。
 今、求められているのは、子どもの豊かな成長をささえる教育をどう進めるのかを視点に、予算も抜本的に増額して、教育現場を支援することではないでしょうか。

 しかしながら安倍内閣は教育基本法改悪を強行、内閣設置の教育再生会議を発足させ、児童、生徒の出席停止、体罰の見直し、授業時数の10%増の具体策、教員評価を踏まえた給与体系、学校選択制と実績に応じた予算配分などを打ち出しています。こうした内容に、マスコミからも過度の競争原理の導入は教育現場に混乱をもたらす等の論調も出されています。

 こうした中、北区の近隣区では「学力テスト」で、トップの成績におどりでた小学校が学習に遅れのある子どもの答案を全体集計から除外していたことや、その他にも不正があったことが明らかとなり、教育関係者や保護者の間で大きな波紋を呼んでいます。

 同区の教育委員会では、4年前に始まった東京都の学力テストの結果を受け、区としてのテストをはじめました。その平均点で学校の順位を公表し、学校選択制の参考とすることや今年度は学力テストの成績によって、学校に配分する予算に格差をつけるという徹底した学校間競争が行われていました。

 こうした事態に対し、法政大学の佐貫浩教授は「今回の混乱とゆがみは、競争すれば学力が上がるとする競争至上主義にたった安倍首相の教育再生の弊害を象徴的に表している」と指摘しています。続けて同教授は「安倍首相は学力テストを学校選択制や子どもの数に応じて予算配分するバウチャー制度と結びつけて進めようとしている。これが実施されればこうした問題が全国で噴出するでしょう。」と警告しています。

そこで、お尋ねいたします。

1つ目は全国学力調査の結果の公表についてです。

 今年の4月に小学6年生と中学3年生を対象に全国学力テストが約40年ぶりに行われ、北区でも実施されましたが、その結果の公表が今月中と言われています。今回、文科省は国全体の状況などの発表にとどめる方針と伝えられておりますが、北区の教育委員会としては学校ごとの結果は公表しないというこれまでの方針を堅持すること。また東京都に対しても地域や学校ごとのランク付けにつながるような公表はしないよう求めてください。

2つ目として、国に対し、教育再生会議の方向での全国学力テストは中止するよう求めるべきと考えます。答弁を求めます。


【区の答弁】 答弁者:教育長
8-(1)
 私からは、全国の学力・学習状況調査結果の公表についてお答えします。
 本調査の実施要領において、調査結果の取り扱いに関する配慮事項として「都道府県教育委員会及び市町村教育委員会は、個々の学校の状況を明らかにした公表を行わないこと」となっております。
 東京都教育委員会では、この実施要領に基づき、調査結果を取り扱う予定であります。
 北区教育委員会といたしましても、この実施要領に則り、調査結果を取り扱うとともに、調査結果を活用し、今後の教育活動の充実に向けて取り組んでまいります。

8-(2)
 次に、全国の学力・学習状況調査の中止を国に求めよ という質問についてお答えします。
 本調査は、全国的な視野で、学力にかんする状況や教育条件の整備状況などを知ることができ、教員の指導方法の改善や各児童、生徒の学習の改善に生かされるものと受け止めております。
 また、施策の見直しや新たな施策を策定する際の資料となりえるものでもあるため、現段階においては本調査を活用してゆくことを念頭に置きたいと考えております。



 教育に関する3つ目の質問は教育環境の整備についてです。

 今、求められているのは約77億円もの税金を使って、全国学力テストの実施を続けることではなく、少人数学級や教員の負担の軽減などの条件整備に力を入れることです。

 北区教育委員会は少人数学級ではなく、少人数指導で学力向上をはかるとしておりますが、東京都以外の全ての道府県で何らかの形で実施されている少人数学級の方が少人数指導よりも教育効果が高いということが文部科学省の行ったアンケート結果でも明らかとなっています。

 北区としても、教員の増員をすすめ、30人学級を基本とした少人数学級の実現にむけて取り組むべきと考えます。教育長の答弁を求めて、私の質問を終わります。


【区の答弁】 答弁者:教育長
8-(3)
 次に、少人数学級に関するご質問にお答え致します。
 北区は、児童・生徒が社会性を養うための教育効果の点で、生活集団としての学級には一定の規模が必要であるとの前提に立って個に応じたきめ細かな指導を行うため、学力パワーアップ事業など少人数指導に積極的に取り組んでまいりました。
 昨年度から、学力パワーアップ事業の対象を従来の小学校1年生・4年生から新たに中学生に拡大したところであり、この取り組みは成果を上げつつあります。
 引き続き少人数指導の充実に努めてまいります。

▲このページの一番上へ戻る
 
 
 
Copyright(C) 山崎たい子事務所 2006-
本サイト内のテキスト・写真など全ての掲載物の著作権は山崎たい子事務所に属します。
リンク希望の方は、お手数ですがメールにてお知らせ下さい。
山崎たい子 携帯 090-2160-1292 /E-Mail YIU14986@nifty.com
 日本共産党北区議員団控室 TEL 03-3908-7144 / FAX 03-5993-0280 / E-Mail mail@kyoukita.ip