【6】大きく6点目の質問は、石神井川の浄化、親水性の整備についてです。 日本共産党はJR王子駅南口トイレ汚水が、石神井川にたれ流しされていた問題を、真っ先に北区議会で明らかにし、その原因の究明や、住民、議会、北区などへの説明及び、再発防止策の実施をJRと都に求めてきました。
更にわが党のおこなった調査で、平成 12 年から 13 年にかけて、首都高王子線にかかわる雨水管の切り替え工事が行われた際、南口汚水の排水管が、JRによって、雨水管の撤去部分から、切り替え地点より上流側に付け替えられていた事も確認され、JRもこの事実を認めました。北区主催の 4 月 22 日の住民説明会で、JRは「接続してはいけない管だとは知らなかった。都への申請は首都高が行うこととなっていた」と言い逃れしましたが、都は「首都高からの申請、報告は受けていない。工事は無許可で行われたものである」としています。少なくとも 7 ~ 8 年前から、JRが汚水のたれ流しについて、本格的な対策をとらず、再度、違法な状態を継続させた責任は重大です。
加えて東京都は 2 年前に、汚水たれ流しを把握していたが、必要な対策を怠ってきました。
そして今回も、わが党の調査、公表がなければ、公にはうやむやにされていたのではないかーとの疑念はぬぐえません。充分な管理責任を果たしてこなかった都の責任も問われています。そこで、お尋ねいたします。
(1)東京都、 JR 、首都高に対し、責任の所在、原因の明確化と河川汚染の原因者負担、住民への補償、及び一方的に利用時間を短縮した南口改札時間の延長を要請するよう求めます。
(2)次に、この度の事態で改めて明らかになった合流式下水道の問題です。
これは汚水と雨水を同一の管で収容する方法のため、大雨が降った際、汚水管からオーバーフローした汚水混じりの雨水が、川へ直接流れる方式です。王子駅から下流の石神井川には、この雨水吐口が 4 つもありました。都はこの吐口を減らすための対策を行うとしていますが、根本的には三多摩と同様、下水道の分流式の整備を展望すべきと考えます。そこで、まずは不特定多数の人が使う施設等から、分流式の整備をすすめるよう都に求める事です。お答え下さい。
(3)次に、石神井川の浄化や親水性の整備について伺います。
川の歴史をふりかえると、昔は泳いだり、魚をとったりー自然の中で、人々のくらしと川がとけ込んでいた時代から、工場用水などの廃液で「死の川」となったり、洪水を防ぐためにコンクリート護岸やかみそり堤防などを整備したりと、川は汚いもの、危ないものとして、近づかないように人々のくらしから分断されていた時代もありました。しかし、自然や環境を守る運動や法律の改正をかさね、川は治水、利水と共に、親水性を加え、潤いある自然空間として、環境を整備してゆく方向に進んできています。
北区でも27年前、会派の中川大一区議が、川に恵まれている北区が真にふるさととよべるにふさわしい自然環境をとりもどしてゆくために、水質改善のための下水、雨水の浄化や魚の放流、定期的な水質調査や生物実態調査、更に緩傾斜堤防や河川管理道路の遊歩道整備、そこに桜並木をはじめ、緑化や潤いある空間を作ること等を提案しました。当時の小林区長は「すばらしい提案で、全面的に賛同する」と答弁し、その実現に努力し、区内の河川整備が進められてきました。
今では、新河岸川にはコイ、フナ、手長エビが生息し、鳥たちも訪れ、石神井川の王子駅上流も含めて、川や緑を楽しみながらウオーキングできる等、区民に親しまれています。
しかし今回、王子駅南口の汚水排水で問題となった石神井川下流は、高速道路の建設にあわせ、コンクリートで固められた人工の川、護岸もカミソリ堤防のままで、臭気も漂い、緑の空間もほとんど無く、親水性とは程遠い状況で取り残されたままです。先程の住民説明会でも区民から「一日も早く、川をきれいにしてほしい」「昔は泳げる川だった」との声もあがりました。
汚水排水問題で東京都は、先日12日、下水道局の副参事や局長ら管理職に対する処分を発表しましたが、川の浄化に対する区民の長年の思いに応えるために、東京都も北区と一緒になって、真剣に取り組む事が求められています。
そこで、 2 点お尋ねします。
(3)水質調査について、石神井川では3ヶ所で実施されていますが、いずれの地点でも、その代表的指標のBOD―生物化学的酸素要求量や、DO―溶存酸素量などの値は、コイやフナなどの魚がすめると言われる環境基準をなかなかクリアできていません。加えて、特に悪臭や汚濁が強い、王子駅から溝田橋までの水質調査は実施されていませんので、今後はこの区間での水質調査や分析も定期的に実施するよう求めます。そして、魚が住める川をめざし、 BOD 等の数値の改善目標を定めた基本計画を策定し、川の構造の見直しも含め、石神井川全体との関連もみすえた対策を実施するよう求めるものです。
(4)現在改訂中の北区都市計画マスタープランに、この区間の親水性の向上について、緑化空間の確保、遊歩道の整備など、自然環境をとりいれた長期的な周辺整備構想を住民参加で策定する事を求めます。
以上、東京都や関連区との協力により、石神井川の浄化と親水性の整備について、区内の河川が整備されてきた経験を発展させ、必ず潤いのある空間として再生させる区長の力強い答弁を期待し質問を終わります。
ご静聴ありがとうございました。
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