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原子力災害、放射線被害から子どもたち・区民を守るために
大きく四つ目の質問は、原子力災害の対応についてです。
北区で今年度行われた「災害対策あり方検討会」の中でも、検討委員から「区民の大きな関心事になっている原発事故の対応についても検討すべきだ」との意見が出されており、先日まとめられた提言では今後の課題とされております。
私もこうした意見はとても重要と考え、今年度パブリックコメントを行い「放射性物質事故対策指針」を策定した松本市にお話しを伺ってまいりました。
松本市が対策指針を策定した背景には、原発立地の自治体ではないが、市から 300 ㌔圏内に3カ所の原発があり、放射能が松本市に及ぶ最悪の事態を想定したためとの事です。
具体的には「災害時の広報、情報伝達」や「避難措置の明確化」「安定ヨウ素剤の備蓄及び予防服用」「原子力災害対策本部の設置等の実施体制」が決められておりました。
本指針は来年度、改定が予定されている市の地域防災計画に「原子力災害編」として位置づける方向です。
私は市民の命を守るため、原発事故の対応について、市としての考えを持ち、スピード感をもって、独自に取り組んでいる姿勢が素晴らしいと感じました
我が北区も、福島原発や浜岡原発から300㌔圏内にあり、現在進行形の危機管理として、考えていかなければならない課題ではないかと考えます。そこでお尋ねします。
(1)放射性物質事故対策指針を策定し、北区地域防災計画に原子力災害編として位置づけるよう区長の答弁を求めます。
(2)保育園、学校給食の放射線測定は北区独自の取り組みで充実を
次に、保育園や学校などの給食の放射線測定について伺います。
2月3日の防災対策特別委員会では、東京都と連携して給食測定の実施を行うとの方針が示されました。この間二度にわたり、合計1万にものぼる署名を集めて、区議会に陳情された区民の願いが実を結び、私も本当に嬉しいです。
しかしながら、具体的内容については「東京都が検討中」との報告にとどまり、北区は現在も給食測定については未実施の状況です。お隣の足立、板橋、豊島区等ではすでに、事業者に測定を委託する等して、年度内の給食測定を実施し、HP等でも公表しています。東京都まちではなく、区として給食の安心を提供するため、ただちに放射線測定にふみだすよう求めます。
更に都の測定機器は5台を都内全体で活用するというものであり、決して十分な体制とはいえません。福島原発からの放射能もれによる海洋汚染が広がっており、食物連鎖による濃縮も心配されます。食品の危機管理は今後30年以上の長期スパンでとらえなければならない課題であり、北区独自の取り組みで食品の危機管理体制を充実するよう、重ねて求めます。お答え下さい。
3つめに(3)区民に対し、放射線に関する基礎知識の普及、放射性物質を除去する食品調理の工夫や、免疫機能を高める生活習慣等、広報に努めるよう求めます。
(4)医師会と連携し、低線量被曝の健康管理や健康相談の取り組みを
4点目に、放射線の影響による健康被害の対応について伺います。
25 年前に「レベル7」のチェルノブイリ原発事故が発生したベラルーシの汚染地域では、現在までに様々な疾患が表面化しています。IAEA(国際原子力機関)はチェルノブイリ事故による健康障害として、小児の甲状腺がんを認めていますが、その他にも「風邪をひきやすい」「疲れやすい」「体調が悪い」等、血液検査で免疫機能の低下を疑う所見や貧血の子ども達の増加がみられ、周産期医療でも、ここ 10 年余りで早産や未熟児の増加が認められています。長い時を経ても、事故の影響は消え去っていないのです。
放射線セシウムの半減期は 30 年。体内に取り込むことで様々な健康障害の影響を招く可能性は否定できません。
北区でも昨年、放射線の影響を心配する健康相談会が民間組織で行われ、約80人もの参加者がありました。自主的に検査を行った大人や子どもから、尿中セシウムや爪からストロンチゥムが検出されています。
今後、数十年という長期的視野で低線量被曝の影響を念頭に置き、子どもの健康被害を抑える、予防的な取り組みを進める事が必要と考えます。そこでお尋ね致します。
医師会と連携し、乳児健診、保育園・学校健診等もいかした健康管理、健康相談の取り組みを求めます。区長のあたたかい答弁を求めます。
(5)建築資材の放射線測定義務づけを国に求めること。
放射線対策に関する5点目は、建築資材の放射線測定についてです。
放射線に汚染された石をつかった建築資材により、あらたに建築されたマンションや学校で高濃度の放射線量が測定され、区民からも、不安の声があがっています。
国に対し、建築資材の放射線測定義務づけなど、安全性の確保を要請するよう求めます。お答え下さい。
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