日本共産党北区議員団 山崎たい子
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区議会報告
2012年3月6日 <平成24年度予算 総務費>
  私からは、代表質問でも制定を求めた「公契約条例」に関連して質問します。 ご承知の通りこの条例は、自治体の発注する請負契約において、公共工事、公共サービスの品質確保と労働者の適正な賃金や労働条件の確保をめざすものです。
 代表質問の答弁では「関係法令や条例制定権との関係から、国の法整備が優先すべき」との内容でした。
  私は昨年末、条例を制定した多摩市にもお話しを伺いましたが、「公契約条例による入札において、契約相手の企業の労働者に、最低賃金を上回る賃金を労働者に支払うことを定めることは最賃法上、問題となるものではない」それはクリアしていると考えているとの事でした。
  また、公契約条例は自治体が締結する公契約の内容を定めたものであり、地方自治体の事務に属すること、更に労働条件の内容に公権的に介入することを意図したものではないので、地方自治法の条例制定権の範囲内であるとの指摘もあります。
  この課題は、北区議会として全会一致で、区民陳情を可決しているものでもあり、北区も、条例の本旨にそった積極的な立場にたって頂く事を重ねて要望します。

問1 代表質問の答弁では、国や他団体の動向を注視してゆくとありましたが、直近での他団体の取り組み状況をお聞かせ下さい。

◆契約管財課長  国の動向は進展ない。自治体では、平成21年に野田市、平成22年に川崎市、相模原市、平成23年には多摩市、直近では札幌市が今定例会に上程の状況です。それぞれの特徴はあるが、一定の内容は同じものと理解している。

問2、今、課長がご紹介の通り、毎年、新たな自治体が制定してきている。そして、内容もレベルアップや改善が図られていると受けとめています。一定の内容があるとの事でしたが、どのような内容かお示し下さい。

◆契約管財課長 公共工事の金額が川崎は6億円、相模原は3億円、直近の多摩市や、野田市も昨年改定され5000万円以上の工事を対象にしていることや、労働者の契約雇用を掲げているところもあります。

問3、賃金の下限額については、労務単価の関係も含めて、いかがでしょうか?

◆契約管財課長 業務委託の場合は、生活保護の基準を参考にする、また、公共工事の場合は多摩市の場合でみますと、二省協定(農水省と国交省)の公共工事労務単価の9割となっています。

問4、今、課長ご案内の多摩市の例をみながら、北区で行った場合と言うことでお聞きしますが、対象は公共工事5000万円以上、清掃や施設管理、障がい者や子育てなど福祉業務などの業務委託1000万円以上で、北区ではそれぞれ何件程度、また何割程度になるのでしょうか。

◆契約管財課長  平成22年度決算で工事5000万円以上では26件、7.6%、委託の場合は153件、20%程度です。

●全て対応するのは、業務量との関係でも難しいですが、一定の条件の中で、取りかかっていくと言う点で、まずは1割~2割、把握してゆくことができるということがわかりました。 次に、公契約の賃金の下限額に関してお聞きしますが、いち早く取り組んだ野田市では、最賃ぎりぎりの水準だった時給を100円程度引き上げることができた、市が任用する非常勤職員に公契約条例で定めた基準を下回るものが存在していたため、これも是正したとのことです。
 また、都政新報の記事に寄れば、多摩市の公契約条例では、賃金の下限額は、 1時間あたり1000円から2000円程度になると記されています。また業務委託についても、19歳単身の生活保護基準を基に算出し、895円としています。  ちなみに、現在の最賃法に基づく都の最低賃金は837円ですので、市としての条例制定の意義が担保されていると改めて感じました。

問5、そこでお尋ねしますが、北区における公共工事、業務委託に従事する労働者の賃金の実態をどうつかみ、改善に取り組んでおりますか?

◆契約管財課長 個々の賃金については、把握しておりません。しかしながら、北区では、条例がないからと言って手をこまねいているわけでない。平成20年の総務部長通知では、「~をして下さい」という形で、求めています。確かに条例ではないので強制力はありませんが、契約の際の方向性で示しています。また、最低賃金も変わった時点で、掲示したり、委託については、ダンピングを防ぐために、2000万円以上と最低制限価格をもうけ対応しています。

●課長ご案内の、平成20年12月24日の総務部長通知「「下請契約における適正化等について」ですが、項目に、労務単価については、二省協定に基づく単価などを留意し支払うこととするなど、私ども、これは契約における区の対応で、一歩前進と評価しておりますが、元請けの建設業者へのお願いというもので、先ほどの課長答弁のように、実際の労働者の賃金や労働条件が結果として、把握できるものではありません。 多摩市では、公契約条例対象委託労務台帳を作成し、毎月ごとに、労働者氏名、労働日数や労働時間、時間外や深夜、休日労働も含め、記載、労働報酬下限額、基準額などを記載させ、提出するようになっているので、本当に労働者に下限額以上の賃金が支払われているかつかむことができるわけです。

問6、また、条例以前の取り組みでも、例えば日野市では総合評価制度に基づく入札ガイドラインで労務単価は二省協定の80%以上として、加点されるようになっています。北区でもいかすことはできないでしょうか。

◆契約管財課長 そのような要望があったことについては、認識させて頂きます。

●是非、積極的に受けとめて頂くよう要望します。構造改革路線以来、官民あげて、人件費削減、賃金引き下げ競争のような状況をつくり、今や貧困と格差拡大、北区においても、国全体でも歳入増が見込めない状況となっている。こうした事態に対し、庶民増税路線で、更なるくらしや経済への打撃をすすめるのではなく、公正な労働市場の形成に資する取り組みを、公が率先して行うべきだと強く指摘し、質疑を終わります。

<参考、山崎たい子が調べた公契約条例実施自治体の内容>
21年 野田市 市長の定める最低額以上が支払われるべき 条例で制定、公共工事一億円以上 平成23年改正 5000万円以上に公共工事設計労務単価(二省協定)の8割
22年 川崎市 賃金の下限額に関する条項を含めるよう定めるとして、間接的に規制する方法をとった。設置にあたり作業報酬審議会の意見聞く
一人親方等の個人請負も含む
指定管理者との協定も規制対象とした
公共工事設計労務単価の9割
業務委託では、生活保護基準(19歳単身) 時給899円
23年 多摩市 賃金下限額は条文にもりこまず、規則で定める
公共工事設計労務単価9割 公共工事5000万円以上
一人親方 継続雇用の努力義務
24年 札幌市上程
国分寺市、昨年12月条例案が提案され、審議中。今議会で制定予定。 世田谷区「公契約のあり方検討会」が設置され、制定に向けた検討作業中

 北区では、自転車移送の請負業務にかかわり、事業者の不適切な管理運営の結果、事業者に雇われた労働者が賃金未払いや実質最低賃金以下の給与であったという事態もありましたが、こうした事態を確実に改善できる手立てをとって頂きたい。
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