◆区議会報告◆ |
2012年3月8日 |
<予算委員会 「福祉・衛生費」の質疑>子どもの貧困問題
私からは、はじめに子どもの貧困問題についてお聞きします。
昨日、北とぴあのスペースゆうで行われた北区さんかく大学、テーマ「子どもの貧困」を受講させて頂きました。
その中で、日本の子どもの相対的貧困率が2009年には15.7%に上がり、全国ではおよそ323万人、子どもの7人に1人は貧困な暮らしをしていること。 中でも、ひとり親家庭の貧困率は54.3%とても高く、OECDの中でトルコをぬき、ついに日本がトップになってしまったこと。 そして母子世帯の就労率は9割と世界でもトップレベルなのに、平均所得は236万円というワーキングプアで、働いても貧困率が改善されないこと。 更に、こうした子ども期における貧困が教育の場面でも、就職の場面でも、様々なライフチャンスの選択の幅を狭くしてしまう結果、大人になっても困難を抱えるリスクを高めることになること等をお聞きしました。
●問1 昨日の講座には、複数の理事者の皆さんも参加をされておりましたが、その感想について、お聞かせ下さい。
◆子育て支援課長 子どもの貧困は課題となっているが、一番のキーワードとなったのは、その貧困が「見えない」「見えにくい」ということが心にのこった。同じ貧困の境遇にあっても「重要な他者」がいるかどうかで、その後の結果が変わってくるということ。そうした「重要な他者」のかかわりができる人、社会をつくることが大切だと認識している。
●問2 「見えない」「見えにくい」という点では、子どもの貧困という実相が、十分理解されていないことや、家庭内のことで見えにくいなどがある。 重要な他者の存在は、とても大切だと私も感じた。そうした子どもを応援する地域づくり、人づくりが必要だ。そのために、新年度の祖父母世代の子育て応援プロジェクト等、そうした取り組みに参加してくださる区民の方は、自分も子どものために何か手伝いたいと思ってくださる方々であり、「子どもの貧困」という問題についても知っていただき、何ができるのか、共に創り出していく取り組みが求められていると思うがどうか?
◆子育て支援課長
地域での子育て支援につなげて、いろいろな場面でかかわりを持つ人をつくっていけるようにすすめたい。
●問3 更に、子どもの貧困解決のためには、医療・福祉・教育・保育・雇用・住宅など、総合的な支援が必要であり、北区における「子どもの貧困」という視点で、実態の把握や課題の整理を行う取り組みも行うべきだがどうか?
◆子育て支援課長
全庁あげて取り組みたい。子どもの貧困の解決という点では、ひとり親家庭への支援の取り組みが重要なので、連携してとり組んで行きたい。
●問4 ひとり親家庭の相談体制の充実について、
離婚の相談を受けて、離婚届けや児童扶養手当の申請など、一緒に窓口へ行くことがあるが、子育て支援課での窓口対応も最初のはたらきかけで重要だと思う。困った時にはここに相談して下さいと、手当てやひとり親医療などの手続きの説明とあわせて、電話相談、育ち愛ほっと館や児童館、NPO法人、区内の子育て支援グループ等のご案内してほしいがどうか?
◆職員の丁寧な対応に心がけていく。資料については、生活保護の案内などは必要な方に渡しているが、その他のご案内等は内容も多くて渡してはいない。どんなものができるか検討していきたい。
●大半は生活保護を受けずにいる方ではないか。まずは、相談先のご案内、行政だけでなく、民間団体も含めて、北区の子育て支援の総体でお知らせしてほしい。子どもを育てていけるのか?どうやって生きて行こうか?不安でいっぱい。そんな時にいつでも相談してと対応する事、大きな励ましになる「応援メッセージ」を発信してほしい。
●問5 保育園の入所について
小さい子どもをかかえながら、働きながら子育てする上で、親にとっても、子どもにとっても、保育園の存在は強力なサポートになる。
しかし求職中の場合、点数が低くなかなか入所できないとか、また親がメンタルな問題をかかえている等で、子どもを保護していくのが望ましいという場合でも保育園の入所が期待されるのではと思うが、この点での認識はどうか。
◆保育課長
ひとり親家庭で4点、求職中で2点の計6点。フルタイムで働く方10点からみると、やはり厳しい状況である。また、保護者に精神疾患等の困難があるなどで児童相談所からも、子どもの保育園入所を要請されるケースもある。
一方で待機児解消という取り組みもあり、低年齢児では矛盾が大きい。保育園入所の考え方など、今後の課題と認識している。 |
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