日本共産党北区議員 山崎たい子
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         最終更新日2012.9.13
◆平成24年第2定例会における山崎たい子区議の個人質問と区の答弁

 2012年9月12日, 北区議会第3定例会本会議で日本共産党の山崎たい子議員が行った個人質問の全文及び区の答弁を紹介します。
  1. 「子どもの貧困」に対する認識と、その取り組みの姿勢を問う

    【区の答弁】

  2. ひとり親家庭支援の充実を
    (1) 北区の母子世帯の実態について
    (2)北区の家賃助成や就労支援の充実を求める

    【区の答弁】

  3. 子ども家庭支援センターの体制強化を
    (1)専門職や正規職員増員など、人的体制の拡充を
    (2) 児童相談所の区移管を視野に専門職の育成強化を都に求めよ
    (3) 養育支援訪問事業や新生児訪問事業における継続的な要支援世帯への生活・育児支援ヘルパー事業の拡充を

    【区の答弁】

  4. 児童養護施設への支援について
    (1)個々の支援を充実できる施設整備やマンパワーの充実を国、都に求めよ
    (2)給付型奨学金の創設を国、都に求めよ

    【区の答弁】

  5. NPO法人等と連携し、学習、生活サポート事業の実施を

    【区の答弁】

  6. パーソナルサポート事業の検討を

    【区の答弁】

私は、貧困をなくし、子どもと若者の自立を支援する区政を求めて、大きく6点、質問致します。

【1】「子どもの貧困」に対する認識と、その取り組みの姿勢を問う

 北区では「子育てするなら北区が一番」をかかげ、全国に先駆け高校生までの子ども医療費の無料化、認可保育園増設を中心とした待機児解消、子ども関連機関が連携し、子育てを地域のネットワークで支援する体制を構築しています。
 こうした実践を心強く感じると共に、現場で日夜、奮闘されている職員の皆様にも、心より敬意と感謝を申し上げます。
 しかしながら、子どもや若者をとりまく社会環境は、ますます深刻さを増し、財界、大企業本位の構造改革路線の下、労働環境の悪化や社会保障の改悪により「貧困と格差の拡大」が、依然として大きな社会問題です。
 その指標のひとつ「相対的貧困率」を見ますと、厚生労働省の発表で2010年には16.0%と過去最高になりました。
 この調査で貧困とされたのは、年間所得にすると112万円未満で生活している人達で、国民の6~7人に1人は貧困状態にあることを示しています。
 子どもの相対的貧困率も15%を超え、全国では323万人、子どもの7人に1人は貧困であり、中でもひとり親家庭の貧困率は50%を超え、OECDの中で、ついにワースト1位となってしまいました。
 こうした貧困の状況は子どもにとって、十分な養育や教育、社会的経験が得られない、学力や社会性の低下など、子どもの成長や自立に不利が生じることにつながりかねません。
「子どもの貧困」解決は、今や全国的な緊急課題です。
 そこで私は、3年前から「子どもの貧困・社会排除問題研究プロジェクト」をたちあげ、全庁あげて取り組んでいる荒川区にお話しを伺ってまいりました。
 その特徴は、ケーススタディを中心に子どもの貧困の様相をうきぼりにし、庁内各部署の知見を吸い上げる形で、行政全般を見直そうとする視点が導入され、総合的な施策展開につながっていることです。
 北区においても、子どもに関わる各部署が先進的に積み上げ、拡充してきた取り組みを、今一度「子どもの貧困」対策という角度から総合的に検証し、施策の推進をはかるよう求めます。(1)北区の「子どもの貧困」に対する認識と、その取り組みの姿勢をはじめにお伺い致します。お答えください。
【区の答弁】
1.貧困をなくし、子ども・若者の自立を支援する区政を求めて について、順次お答えいたします。 はじめに、子どもの貧困に対する認識とその取り組み姿勢についてです。 現下の経済情勢において、子ども・若者を取り巻く社会環境は、依然厳しいものがあり、特に、ひとり親家庭の多くが、困難な状況にあると認識しているところです。 次世代育成支援行動計画でお示ししているとおり、今後とも、ひとり親家庭など、困難な状況にある子育て家庭への適切な支援に努めてまいります。                

【2】ひとり親家庭支援の充実を
 
 二つめの質問は(2)ひとり親家庭支援についてです。

 先に述べたとおり、日本のひとり親家庭、とりわけ母子世帯に子どもの貧困が鋭く現れている事が指摘されています。
 それは、母子世帯の就労率が8割を超えて、世界でもトップレベルなのに、非正規雇用が5割をこえ、働いても貧困率が改善しない事や母子家庭に対する社会保障給付が極めて少ないことにより、所得再分配機能が働かず、貧困が改善されないためと言われ、その解決が急がれます。
 私自身の相談の中でも、母親の就労がパートやアルバイト等の非正規雇用の場合、生活保護基準ぎりぎりの生活を送っている世帯も少なくありません。
 先にご紹介した荒川区では、平成21年度のデータで、年間総所得300万円以下の世帯割合は、18歳未満の子どものいる世帯で34%に対し、母子世帯の場合は78%にものぼり、年々、増加傾向にあると報告されています。
 更に生活保護を受給している母子世帯数の変化では、平成14年末の60世帯から、平成22年1月で183世帯と8年間で約3倍になっています。
 そこで、お伺い致します。①北区における母子世帯の実態について、所得状況や生活保護受給状況など、経年変化とあわせてお示し下さい。
 ひとり親家庭支援の②つ目は、住宅や就労支援についてです。
 北区で平成21年度に実施した「次世代育成支援行動計画策定のアンケート調査」によると、ひとり親になった時に困った事として「生活費が不足した」52%、「子どもの養育費」44%と経済的な苦労が大きい事が示されています。
 また住宅で困っている点では「家が狭い」40%、「家賃やローンの負担」が27%、「公営住宅に落選し、入居できない」との声もあります。これらの結果から、生活費にしめる住居費の負担が軽減される事は、生活の安定に大きく寄与することがみてとれます。
 今年度、横浜市では低所得者の子育て支援として、住宅の紹介や月4万円を上限に家賃補助を実施するモデル事業を開始するとしています。北区でも参考にすべきと考えます。  更に、就労に関するアンケート結果では、区に望む事として、資格・技能訓練中の生活費の支援や訓練受講の経済的援助、就職・求職相談等の充実がいずれも30%を超えています。
 そこで質問です。②公営住宅に応募してもなかなか当選しない期間など、ひとり親家庭への家賃助成の実施や、区民住宅・区営住宅への優先入居の検討、 また、ひとり親家庭への区としての就労支援の充実を求めます。お答えください。
【区の答弁】
2-(1)
 次に、ひとり親家庭支援の充実について のうち、母子世帯の実態に関するご質問についてお答えします。
 国勢調査によると、母子世帯の数は、平成17年では1,760世帯だったものが、平成22年では1,416世帯で、約350世帯、2割近く減少しています。
 しかし、母子世帯の実態の一端を示す指標となる児童扶養手当受給者数は、いずれも3月末現在で、 平成17年は、1,997人、平成22年は同数の1,997人、平成24年は2,028人とほぼ同水準で推移しています。
 また、生活保護受給状況については、いずれも3月末現在で、平成17年は190世帯、平成22年は、239世帯、平成24年は、268世帯となっており、生活保護を受給する母子世帯の数は増えている状況です。
2-(2)ーア
 次に、住宅の家賃助成等についてお答えします。
 都営住宅につきましては、現在、ひとり親世帯や高齢者世帯に対しまして一般の抽選による募集とは別に、住宅困窮度に応じたポイント方式による募集を行っており、一定の配慮がされております。
 ひとり親家庭への家賃助成や区営住宅等における優先入居につきましては、今後の研究課題とさせていただきます。
2-(2)-イ
 次に、母子世帯に対する就労支援についてのご質問に、お答えします。
 就労支援については、児童扶養手当を受給している母子家庭の母親を対象に、世帯の自立の促進を図るため、適職に就くための能力開発や資格取得を支援する母子家庭自立支援給付金事業を実施しています。
 また、福祉事務所の就労支援専門員が、それぞれの方に合わせた自立支援プログラムを策定するとともに、ハローワーク王子と連携し、母子家庭の母親の就労を支援しています。
 今後とも、こうした取り組みを進めるとともに、国に対して、「母子家庭の母親に対する雇用機会の充実、雇用形態と賃金水準の改善など、就労支援の充実を図ること。」「母子家庭自立支援給付事業について、十分な財政措置を講じること。」など、全国市長会などを通じて求めてまいります。
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【3】 子ども家庭支援センターの体制強化について

 三つ目の質問は(3)子ども家庭支援センターの体制強化についてです。
 北区では先駆型子ども家庭支援センターとして、虐待の対応も行っています。 子どもの虐待の背景には、家庭の経済的な困難や社会的孤立、更に様々な生活課題をあわせもつ時に、養育の破たんが虐待へと転化すると指摘されています。従って、子ども家庭支援センターの対応は、子どもの貧困解決の大きな役割を担っているといっても過言ではありません。
 私は先日、ほっと館をお訪ねし、今日的な取り組みについて、お話しを伺ってきました。  平成23年度、虐待等の新規の相談件数は89件、前年度からの継続を合わせると201件を対応しており、全体の相談、関係機関との連携や訪問9060回のうち、約半分の4427回は虐待の対応で動いているとの事でした。 更に近年は、国内にとどまらず、子どもの安否を確認しなければならないケースもあり、神経も使い、時間も労力もかかる現状だと改めて認識しました。
 その上、DVの関係で開示請求があるものや、妊娠しているが一度も医療機関にかかっていない特定妊婦への対応等、困難ケースが増えているとの事です。 いずれも、児童相談所はもちろんのこと、保健師との連携や児童館、保育園、幼稚園、学校、福祉事務所、障害福祉課等と情報の共有・連携を密にしながら、対応している様子をお聞きし、頭のさがる思いを致しました。
 そこで、2点、質問致します。①つは、子ども家庭支援センターの人的体制の拡充についてです。専門職や正規職員の増員を相談件数や困難事例の増加にみあい、来年度に向けても拡充していただくよう求めます。②つは、児童相談所の23区移管を視野に入れ、児童福祉司などの専門職の育成、研修体制の充実を東京都に要請するよう求めます。
 子ども家庭支援センターの③つ目の質問は、ホームヘルプサービスの拡充についてです。
 現状では、産前産後支援・育児支援ヘルパー派遣事業やファミリー・サポート、ひとり親家庭への家事援助サービス等が活用されておりますが、いずれも用途や時間、子どもの年齢、費用負担で一定の条件がある制度となっています。
 一方、昨年から子ども家庭支援センターでは養育支援訪問事業として、北区を3つのエリアにわけ、地区担当者を決めて継続的に訪問、指導し、120家庭、324回の対応実績となっていると伺いました。
 あわせて、北区では保健師や助産師が新生児の全世帯訪問を行っており、その約1割強の300世帯が要フォロー世帯として、継続的な訪問、相談・指導の対象となっています。
 これらの世帯はいわば、専門家の判断を通じて、継続的な支援が必要な世帯であり、そうした支援に対応できる、融通がきき、しかも費用の心配がないホームヘルプサービスがあれば、世帯の困難解決の具体的な手だてとなるのではないでしょうか?
 そこで、質問致します。③既存の家事、育児支援サービスの要件緩和、もしくは区独自サービスの実施などを行い、継続的な支援が必要な要保護世帯へのホームヘルプサービスを充実するよう求めます。お答えください。
【区の答弁】
3-(1)(2)(3)
 次に、子ども家庭支援センターの体制強化についてのご質問にお答えいたします。
 まず、子ども家庭支援センターの人的体制の拡充についてです。 児童虐待や困難ケースの増加への対応、特定妊婦の支援に関する専門性の向上や、地域全体で児童虐待を防止するための連携強化など、増大する課題を解決するために、子ども家庭支援センターの充実が必要と考えています。
 そのため、児童虐待対策担当課の設置、児童虐待対策コーディネーター、スーパーバイザーの配慮など体制の強化を図ってまいりました。
 今後も、児童相談所の移管を見据えて、充実・強化を図ってまいります。 次に、専門職の育成強化を都に求めることについてです。 現在、東京都は、児童相談業務に携わる者等に対し、児童福祉司の任用資格を取得するための指定講習会を実施しており、北区においても子ども家庭支援センターの職員に受講させております。
 また、北児童相談所においても、実習や研修などを開講しており、可能な限り参加させているところです。 今後とも、職員のさらなる専門性の向上が必要と考えておりますので、専門職の育成強化について機会を捉えて求めてまいります。
 次に、要支援世帯への生活・育児支援ヘルパー事業の拡充についてです。
 養育支援が必要な家庭には、職員の訪問によるきめ細かい指導・助言を行い、必要に応じて産前産後支援ヘルパー、ファミリーサポート事業、ショートステイなどの事業につなげています。
 また、育児不安の解消や仲間づくりのために、親と子の遊び場ひろばへの誘導、地域の子育て支援の情報提供や臨床心理士等による専門相談を行っています。 今後とも各家庭のニーズに応じた支援を行い、育児に対する不安解消や児童虐待の予防を図ってまいります。
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【4】 児童養護施設への支援について

 四つ目の質問は、(4)児童養護施設への支援についてです。
 児童養護施設は、児童相談所との連携の下、事情があって保護者と生活できない、幼児から高校生までの子どもの養育や社会的自立を支援しています。
 区内にも、昭和23年に東京都知事から認可を受けた養護施設があります。現在は児童定員140名、7年前からは北区の子どもショートスティ・トワイライトスティ事業も受託する等、歴史と実績を持つ施設です。
 私は先日、同施設をお訪ねし、施設内の見学やお話しを伺ってまいりました。
 施設は古いながらも、子ども達と職員の方々との、確かな生活の営みが伝わってきて、とてもあたたかい気持ちになりました。 お話しの中で、最近は発達につまずきのある子どもの入所も増えており、医療機関や学校との連携も必須で、子どもと接するケアワーカーの役割も、一人ひとりの子どもの個別的な対応や社会的な対応が重要であり、その役割を担うにふさわしい人材育成や職員体制の充実が必要なこと。また施設的にも、中学生以上は個室スペースがありますが、それ以下の年の子ども達は生活や勉強の空間を共有する形となっているため、ハード面の整備・改善も切実な課題となっているとの事でした。
 あわせて高校を卒業すると、子ども達は施設を出て、自分で働き、自立して生活を送ります。最近は、大学や専門学校に進学する子どももいて、小さい子ども達の励ましになっているそうですが、悩みは進学資金との事でした。
 そこで質問致します。こうした状況をふまえ、国や東京都に対し、児童養護施設の施設整備やマンパワーの充実、給付型奨学金の創設を要請するよう、区長のあたたかい答弁を求めます。

【区の答弁】
4-(1)(2)
 児童養護施設は、保護者がいない児童や虐待をされている児童、その他環境上養育が必要な児童を養育する施設であり、都道府県知事が入所措置を行い、その費用は、国と都道府県が負担することとされています。
 施設整備や職員体制の充実については、国、都道府県の責任において適切に対応すべきものと考えます。
 なお、東京都は国に対し、職員配置や施設基準等の抜本的改善、児童の退所後を含めた支援の充実、強化などを求めています。
 また、北区内の施設は改築を計画していると伺っており、これまでも東京都等から得た情報を提供するなどしているところです。
 また、給付型奨学金の創設を含めた今後の奨学金制度のあり方については、国、東京都において、施策の成果を見極めつつ、適切に判断すべきものと考えます。
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【5】NPO法人等と連携し、学習、生活サポート事業を実施すること

五つ目の質問は (5)NPO法人等と連携し、学習、生活サポート事業を実施することについてです。
 私は今年に入り、子ども・若者自立支援に対し、行政とNPO法人等が連携して取り組んでいる実践をいくつか勉強してきましたが、本日は2カ所の取り組みをご紹介させて頂きます。
 ひとつは、京都のNPO法人山科醍醐子どものひろばでの取り組みです。
 家庭の事情で夜を一人で過ごさなければならない、小・中学生の生活と学習をサポートする「トワイライトスティ」事業を行っています。
 場所は、商店街の空き店舗を活用したもので、室内は8人程度が座れるテーブルを真ん中に、部屋の奥にはソファやごろごろできる若干のスペースがあり、とてもアットホームな雰囲気でした。
 児童福祉司の専門家と共に、社会福祉や教育・保育を学んでいる大学生のお兄さん・お姉さんが、夕方から子どもと一緒に遊んだり、宿題や勉強をしたり、商店街が協力して用意してくれたご飯を食べたり、銭湯にいったりと、マンツーマンで過ごします。
 そんなかかわりの中で、子どもも本音を話したり、人とのコミュニケーションがとれるようになったり、サポーターの学生も子どもの変化を喜び、共に成長している様子を伺うことができました。
 法人の理事長さんはスクールソーシャルワーカーとして、学校で子どもの貧困問題を抱えるケースにかかわる中で、現状では学校も福祉制度も支援を入れられない、その間に位置するグレーゾーンの家庭に対する支援の必要性を痛感していたそうです。
 行政だけでなく、市民や地域の力を生かして、子どもへの必要な支援を行えるしくみや地域をつくりたいと、行政からの一定の補助金と市民の賛同や寄付を呼びかけながら、自ら理事長をしているNPO法人で取り組みをスタートさせたと語ってくれました。
 2つ目の取り組みは、今年度から神奈川県相模原市の福祉事務所が、NPO法人と連携して実施している、生活保護世帯の子ども・若者を対象とする自立サポート支援事業です。  学ぶ環境が十分に用意されていない子ども・若者や、ひきこもり・ニート、高校中退者の若者の「貧困の連鎖」を防止するために、商店街の空き店舗を活用する等、居場所や拠点を確保して実施しています。
 具体的にはアウトリーチを含む相談事業。中学3年生を中心に高校進学のための勉強会の開催、高校生の学習会や高校中退者の学びなおし、商店街でのボランティアや就労体験など、社会性や他者との関係を育む支援も行っています。
 事業を受託している法人の責任者の方は「これらの支援には、退職教員や大学生ボランティアにも協力してもらい、就労支援センターとも連携をとりながらすすめている。親が困難を抱え、子どもへの支援が十分にできない時、他の大人との関係性を重視して、誰かとつながって何とか生きていけるんだとわかってもらう。本人のモチベーションを高め、自立を促す大切な取り組みと思う」と語ってくださいました。
 北区では、平成19年の早い段階から、生活保護受給世帯の中学3年生への塾費用の助成をスタートさせ、現在もケースワーカーの方々が、子ども達への進路支援に力をつくして頂いております。
 その取り組みにいっそうの期待を寄せると共に、子ども・若者の学習・生活支援にかかわり、様々な団体やNPO法人が区内においても、力強く活動されています。こうしたNPO法人等とも連携し、地域の中で支援が必要な子どもの学習・生活サポート事業を実施するよう求めます。お答えください。

【区の答弁】

 次に、NPO法人等と連携した、学習・生活サポート事業についてです。
 北区では、「貧困の連鎖」を防ぐため、生活保護世帯を対象として、高校進学プログラムを実施しています。
 このプログラムは、ケースワーカーが、保護者や生徒と直接お話しをし、高校進学、就職、将来展望など、自立に向けた意識、意欲の向上を図りながらすすめています。
 また、地域のボランティアや講師が中心となり学習やレクレーションなどを行う「地域寺子屋事業」など、地域と連携した事業を、実施しているところです。
 ご紹介いただいた、NPO等と連携した事業は、他都市の事例等ともあわせ、今後の研究課題とさせていただきます。
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【6】パーソナルサポート事業の検討について

 最後の質問は(6)パーソナルサポート事業の検討についてです。
 本事業は今年度から、内閣府と厚生労働省が全国19の地域でモデル実施している事業です。
 その背景は、3年前の年越し派遣村によって可視化された求職中の貧困・困窮者に対し、都内でもワンストップサービスディの実施や年末・年始の総合相談が行なわれましたが、その後の課題として、相談者に対し「個別的に」「継続的に」そして行政の縦割り支援を克服した「横断的な」対応ができるセーフティネットの構築をめざそうというものです。
 内閣府によれば、そのイメージは「専門知識を持った友人によるワンストップサービス」の実現です。
 モデル実施地域のひとつである大阪府豊中市では、市と社会福祉協議会、商工会議所、障害者雇用就労センターなどが連携・協力した「豊中市パーソナルサポート協議会」をつくり、専門家集団として対応する体制をつくっています。
 また横浜市では、市内の様々な分野のNPO法人が専門家と協力して一般財団法人をつくり、市から事業を委託して「生活・しごと・わかもの相談室」を開設し対応しています。
 その横浜市での取り組み実績では、相談者の約7割が20歳から39歳までの若年者であり、相談者がかかえる問題は失業・労働問題を筆頭に、うつや発達障害・依存症やメンタル、DVや虐待などの問題も多く、就労と福祉が一体となった複合的なアプローチが必要であると感じました。
 そこで質問です。 北区でも就労支援と福祉部門が連携し、貧困・困窮者への就労・生活支援、パーソナルサポート事業のあり方を検討されるよう求め、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

【区の答弁】

 次に、パーソナルサポート事業のあり方検討についての、ご質問にお答えいたします。
 生活困窮者等への支援については、それぞれの方の状況に応じたきめ細かな対応が重要であると認識しております。
 生活支援では、窓口の職員が、「何が原因で生活などにお困りなのか」を聞きだし、適切な窓口をご案内しています。
 また、就労支援が必要な方には、ハローワーク王子の窓口をご案内し、職業紹介に結び付けています。 ご紹介いただいた事例等も参考にしながら、今後とも、関係機関との連携を強化し就労・生活支援に努めてまいります。
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