日本共産党北区議員 山崎たい子
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         最終更新日2013.10.07
◆平成24年度(2012年度)決算認定に対する反対討論

私は日本共産党北区議員団を代表し、2012年度(平成24年度)北区一般会計決算、並びに国民健康保険事業会計・後期高齢者医療会計・介護保険会計の各決算の認定に、反対の立場から討論を行います。
平成24年度は東日本大震災後1年目の予算編成の下、大震災を教訓にした北区地域防災計画の改訂による防災対策の充実、わが党が求め続けてきた木造民間住宅耐震化促進事業の拡充、認可保育園を中心とした待機児解消策、及び全高齢者実態把握調査にもとづく見守りコーディネーターや安心サポート医の配置、特別養護老人ホームでの多床室の設置等が実現されました。
これらは切実な住民要望を反映したものであり評価致します。

しかしながら、以下に述べる4点の理由で一般会計決算の認定に反対します。

その第1の理由は、消費税増税と社会保障改悪、年金削減等、区民に負担を強いる安倍内閣の暴走を容認する姿勢です。
長引くデフレ不況の最大の原因は、一部の大企業に270兆円もの内部留保が溜め込まれている一方で、国民・区民の所得が減り続けていることです。
従って、景気回復の一番の決め手は、国民・区民の賃金・所得を増やす経済改革であり、GDPの6割を占める家計消費を引き上げることです。
にもかかわらず安倍首相は、先日10月1日、来年4月からの8%への消費税増税の実施と、景気の腰折れを防ぐことを理由に、大企業向けへの5兆円規模の「景気対策」を行うと表明し、所得税の復興増税は25年続けるのに対して、法人税の復興増税は前倒し廃止も検討するとしました。
首相は記者会見で日本経済は「回復の兆しを見せている」としましたが、同日に発表された政府の経済指標は、完全失業者の増加。完全失業率の悪化。
労働者の月給も15ヵ月連続で前年を下回り、8月の家計調査も軒並み悪化し、国民の生活実態は回復からかけはなれた状況にあることを示しています。
消費税を販売価格に転嫁できない区内の中小企業や商店街からは「今度消費税が上がったら、店をたたむしかない」との悲鳴が寄せられ、予算懇談を行った福祉団体等からも「4月からの運営をどうすればよいのか。北区にも相談したい」との声が寄せられています。
このように国民・区民に増税、大企業に減税という政策を強行すれば、暮らしも経済も悪化し、税収も落ち込むことは明らかであり、日本共産党は引き続き、来年4月からの消費税増税の中止で一致する、すべての皆様と力をあわせてまいります。
更に社会保障制度については、2.5%の年金の削減により、北区の年金受給者は、28億円余の影響を受けます。70~74歳の医療費窓口負担は、1割から2割への引き上げ、介護保険の要支援認定者のサービスについては、給付からはずす等の「プログラム法案」が、秋の臨時国会で可決されようとしています。
消費税を増税した上に、社会保障制度まで全面改悪となれば、区民の暮らしはますます窮地に追い込まれ、貧困が拡がるのは明らかです。
我が会派は、北区がこうした安倍内閣の暴走にキッパリと反対の意思を表明する事を求め続けてきましたが、区長は「適切な判断がされるものと理解している」「国の動向を注視する」との答弁に終始しました。区民に負担を強いる消費税増税と社会保障の改悪を容認する姿勢は認められません。

第2の理由は、「財政危機」をあおりながら、経営改革新5か年プラン、公共施設の削減をおしすすめる姿勢です。
平成24年度当初予算では、「財調基金が底をつく」「財政運営は厳しい」といって、「財政危機」を強調し、税や保険料の強制徴収、いっそうの外部化を推進する経営改革新5ヵ年プランの実施、更に北区公共施設再配置方針の策定が進められました。
わが会派は、出納閉鎖時における繰越金の2分の1を財政調整基金へ繰り入れる等により、当初予算の見積もりよりも、経年的に、常に基金が積み増しとなっており「ゼロ」にはならないのではないかと指摘してきました。
決算では会派の指摘したとおり、学校の売却益も含めて、過去最高の財調基金を積み上げる結果となりました。
北区の発信したメッセージは、区民要望の抑制や区民サービス切り捨ての「行革」路線につながるやり方であり、真摯に見直すべきです。
この姿勢は、公共施設再配置方針についても踏襲されています。
再配置方針は今後20年で、公共施設の総量を15%削減するとしていますが、その最大の根拠とされているのが「財政が厳しい」という理由です。
しかし、「今ある全ての区民施設を更新すると、今後20年で、年間36億円の財源が不足となる」との試算は、公共施設白書が分析した40年間のスパンでみると、不足額が年間26億円となります。前提そのものが変わってくるのではないでしょうか?
また、再配置方針では、学校改築にともなう複合化・多機能化や児童館、ふれあい館等の施設の廃止・縮小計画が提案されています。老朽化や更新需要をふまえ、公共施設のあり方を必要に応じ見直してゆくことは当然ですが、少子高齢化や防災におけるコミュニティ機能の充実を考えれば、今後、「施設の削減ありき」ではなく、いっそう地域に密着した区民施設の充実が求められると考えます。
公共施設再配置方針の具体化にあたっては、北区基本計画や中期計画の見直しごとに、その時々の財政状況を的確に判断しながら、ふさわしい計画を示すこととし、
施設の利用者や地域住民からの意見を聞き、徹底した住民参加、住民合意を貫くことを求めます。この姿勢はまちづくりや再開発をすすめる上でも同様です。

第3の理由は、指定管理者における法令遵守と職員待遇の問題です。
平成24年度は、保育士の大量退職等の問題がおこった、区立のある指定管理保育園において、受託法人から2期目の更新辞退がありました。
こうした中で、子どもへの保育を守る懸命の努力が、新たな受託法人と北区、保護者の協力ですすめられ、保護者の方々からは「保育園が落ち着いてきた」との声や、新しい法人で継続雇用となった保育士の方々からは「給与やボーナスの改善に驚いた」との声をうかがっており、保育士の処遇改善が、保育の安定や質の向上にとって、重要であることを改めて認識しました。
今議会では、別のある指定管理保育園が、労働基準監督署の立ち入り調査を受け、職員の労働時間の管理や割増賃金未払い等の是正勧告を受けていたことが発覚しました。決算質疑を通じて、労基署から是正勧告を受けた法人の理事長、園長から、北区に対し、謝罪と再発防止が示されたこと、更に保育士処遇の改善がはかられ、保育そのものには影響はないとの区の判断が示されましたが、あらためて指定管理園におけるコンプライアンスと、区の対応が問われることとなりました。
指定管理法人が区立保育園を運営する責任を果たし、適切な保育士処遇を行って、安定した保育が実践されるよう、北区として引き続き、しっかりと指導されることを重ねて求めるものです。

第4の理由は、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険の3つの保険料の大幅値上げです。
国民健康保険料の場合、3年前から所得だけで保険料の計算を行うようになったため、扶養家族が多い、家族に障がい者がいる等は配慮されなくなり、収入が少ない世帯ほど負担が増すようになりました。
例えば年収250万円という生活保護基準に満たない家庭にも、年間18万円を超える高すぎる保険料が課せられ、低所得者に過酷な負担を強いています。
さらに後期高齢者医療は来年4月、2年ごとの値上げの年です。
広域連合の検討案では、約1万8千円、19%もの値上げ、一般財源を投入した場合でも約1万円、11%と、値上げ幅、値上げ率ともに、これまでで最大になります。
介護保険料についても大幅な値上げとなりました。
国保、後期高齢医療・介護保険は、いずれも国・都に向けて力強い財政支援を求めて下さい。合わせて、この間の「必要な対策は取られている」とする区の姿勢をあらためて、減免制度等の積極的な活用と拡充を強く求めます。
以上4点の理由から、平成24年度北区一般会計決算の認定に反対します。

次に、決算審議を通じて明らかとなった、以下3点の改善を改めて要望いたします。

一つは、住民税、国保料、保育料等の滞納対策における強制徴収の明らかな行き過ぎの是正です。
法律で保障されている最低生活費や年金、児童手当まで差し押さえて普通預金通帳を0(ゼロ)とするやり方は、あまりに人権をおびやかしています。少なくとも最低生活費以下の収入、児童手当、就学援助費等の差し押さえは行わないよう求めます。

二つは、非常勤職員の5年雇い止めの改善です。
今年度、介護保険認定調査員と中央公園図書館の2つの職種を委託することによって、正規職員化に道を開きました。更にこうした工夫をしていただくことを含め、保育園、児童館等、非常勤職員の5年雇い止めの中止と処遇の改善を求めます。

三つは、公共施設再配置方針等と学校教育のかかわりについてです。
教育現場は今、子どもの貧困、いじめ、学力向上、教職員の多忙化など、多くの課題や困難をかかえています。今、求められているのは、一人ひとりの子ども達にしっかり向き合うことのできる教育環境の充実であり、学校改築における他施設との複合化や放課後子どもプラン等は、子ども最優先で取り組むことを求めます。 
なお、国民健康保険事業、介護保険、後期高齢者医療の3特別会計については、先にのべたように保険料が値上げとなったことから認定に反対、中小企業従業員退職金等共済事業会計には賛成を表明し、討論を終わります。
ご静聴ありがとうございました。

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