◆決算委員会 福祉・衛生費の質疑
山崎たい子区議
2017年9月25日
1、保育園待機児解消について、子育て世代、乳幼児人口の増加、保育園入所需要をふまえた、北区の保育園整備計画の見通しについて
子ども・子育て新制度の下、保育園需要などの量の見込みと施設の提供体制について北区でも事業計画を策定しています。安倍政権は2017年度末までに、待機児童解消をめざすとしていたが、実際は難しく、2020年度末までに先送りを表明。政府や自治体の保育需要の予測が甘く、対策が不十分だったことが明らかになり、事業計画の見直しが要請されています。
北区は昨年、待機児緊急対策を打ち出し取り組んできているが、総括質疑でとりあげたとおり、北区の人口増、とりわけ20~30代の人口や乳幼児人口が増加している。今後もマンション建設や大規模団地の住戸増などにより、子育て世帯人口は、しばらく増加が予想されます。H27年、H28年1月の0歳児は、2700人を超えており、今後早晩、3000人にのってくるのではないか。
更に、保育所入所の歳児別割合では、首都圏では、1~2歳児が、2006年では3割弱だったものが、2016年では、5割弱%へと増加しています。北区の動向はどうなのか?仮に、年間の乳幼児数が3000人いれば、半数の1500人の定員を確保しなければならない。そこで、
①子育て世代、乳幼児人口の増加、保育園入所需要をふまえ、北区の保育園整備計画の見直し、見通しをお伺い致します。
【答弁】
0歳児の人口、ここ4年間で、2500人から2900人へと10.4%の伸び、保育所入所割合は、1~2歳児が4~5割と53%の伸び、1歳児では57%となっている。そうした状況を見据えた整備をすすめている。 |
課長の答弁で、1歳児が57%、入所率が約6割になっている。改めて驚いた。仮に3000人の子どもがいれば、1800人分の定員、整備が必要ということ。
H29年度予算で、
H30年4月にむけ619名の整備に加え、300名の追加整備が打ち出されたが、進捗状況と見通しはどうか?
【答弁】
滝野川西地区で不足が見込まれ、募集を行っているところだが、土地の確保などで苦労している。現在、小規模保育所が整備予定の他、滝野川ではないが、田端地域で認可保育所整備の目処がたっている。
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待機児解消の事業計画見直しについて、1、認可保育所整備を基本に。
2、量の見込みは、実績値にもとづく需要把握にとどまらず、マンション建設、母の就業率の上昇、潜在的な保育需要をふまえること。3、育児休業取得中の兄弟関係の継続、障害児受け入れ枠拡大などの整備 4、認定子ども園については、制度の理解が不十分、住民の評価、意見を聞きながら、慎重に検討するよう求める。
2、保育施設に質の確保、監査・監督責任はどのように実施されているのか?
待機児解消で、認可保育園だけでなく、都の認証保育所、子ども・子育て支援新制度では、区が条例で定めた地域型保育事業、小規模保育所が運営できることになった。保育士資格については、A型は全員が保育士資格であるが、B・C型などは無資格者も可能。
北区の小規模保育書所の整備状況、資料請求ではH28年度3カ所、H29年度8月31日現在で12カ所、A型8カ所、B型4カ所に増加しています。
保育の安全、質の確保のため、北区としての指導体制はどのように行われておりますでしょうか?
【答弁】
地域型保育所については、区が運営費補助を行っており、区が指導検査の実施、今年度体制を確保して、立ち入り調査、指導を行っている。 現在、規定を整備中です。
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また、認可外保育施設いわゆるベビーホテルや、企業主導型保育事業(認可外保育施設に位置づけられる)も増加している様子が、地元の豊島町でも、区長のご自宅周辺でも見受けられます。これらは、東京都の管轄と認識しておりますが、北区内の保育施設ですので、都と連携して、設置状況の把握して頂きたいのですが、行政指導などどのように実施しているのか?都と連携し、区内の認可外保育所及び企業型保育所の把握・行政指導に努めるべきだがどうか。
【答弁】
東京都が監督・調査だが、その際、区の職員も同行して指導している。
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H29年3月に、独立行政法人日本スポーツ振興センター法が改正され、一定にの基準を満たす認可外保育施設、企業型保育があらたに、災害共済給付の対象になった。保育事故など安全確保の点からも、北区でも加入促進を求めるがどうか。
【答弁】
地域型、認可外など、損害賠償保険に入ってもらうようにしている。
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3、保育士の処遇改善について
待機児童対策が進むことにより、改めて深刻な保育士不足がクローズアップされています。その背景には、保育士の労働条件が低い実態があると、国も東京都もようやく、保育士の処遇改善にのりだすようになった。今時補正予算でも約4億円が計上されたところです。
しかし、今後もますます保育需要は高まり、保育士確保が更に重要となってきている中、規制緩和により、保育士の専門性と処遇を犠牲にしながら、待機児対策がすすめられてきたことを見直す必要がある。
公私格差是正が崩される一方、保育時間や開所時間の延伸、個別対応が求められるアレルギー児童の増加、保育の現場はいっそう多忙化し、必要な人員を確保するため、増えた保育士の3分の2は、非正規雇用、給与が低く抑えられ、基本給も半分は、20万円以下。最低賃金が上がる中、逆に保育士賃金は最低賃金にどんどん近づいてきたのが実態です。
国の処遇改善についても、国基準での補助金支給。しかし、保育の現場では、国基準の1.5~1.8倍の人を配置しているのが実態のため、したがって、処遇改善も、園の運営上、一人一人への支給は薄まってしまう。
保育士不足、処遇改善のためには、公的支出を抜本的に増やし、本質的には、保育士配置基準の拡充見直しをすすめること。正規・非正規の処遇を適切なものに改善する必要がある。
私立保育園園長会など、保育士配置基準の見直しは、保育関係者の長年の切実な要求だ。
また、非常勤職員の賃金引き上げ、北区の非常勤保育士、月20万850円、10年来変わっていない。また、私立保育園長会からは、北区の保育所給付費扶助要綱では、保育士、一般職員共に、1日7840円、時給980円、都の最低賃金932円、コンビニでも、今どき1000円だ。時給単価の改善が求められている。改善を求めるがどうか?
【答弁】
北区の非常勤保育士の給与、20万850円で10年間すえおきであるが、23区の中では7番目と一定水準を確保している。今後については、予算の中で検討していく。また、私立保育園園長会の要望は、1つ1つ、精査して対応していきたい。
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