◆2018年度北区議会第2定例会
健康福祉委員会での質疑(要旨)
山崎たい子区議
2017年6月25日
●生活保護費横領事件に係わる再発防止委員会の設置について
本会議代表質問では、北区行政に対する信頼を根柢から覆す事件、社会的に困難な立場におかれた区民の憲法25条にもとづく生活権や人権保障に直接かかわる行政機関として、徹底調査と再発防止、区民の納得がいく対応を厳しく求めた。 5月22日(金)当事者職員の懲戒免職と、区長をはじめとした特別職の減給条例が示された。他に例をみない処分と。真相未だ明らかではないが、現時点での区長判断を重く受けとめ、会派としても条例の態度を検討する。その上で何点か質問。
質問1、部長より、「警察の捜査中にて、まだ詳細をせつめいすることできない」とのことだったが、被害総額4300万円、衝撃だったが、区の内部の調査もすすみ、更に膨らんでいると思われるがどうか?
課長、現時点で、詳細、報告できないが、膨らんでいる。
質問2、警察との関係、当事者職員の進展があった時は、区としてどのような対応になるか? 課長、6月15日に、区としては警察に告訴上提出した。職員の逮捕があれば、プレス発表して、詳細説明していく。
質問3、区民の意見、私どもも受けている。「どうしてわからなかったのか?」「なぜ、そんな事ができたのか」「死亡診断書などの扱いは?」「複数のチェック体制は」「行政自ら、生活保護への不信をつくってどうするのか」「区長、やめないのか」など、疑問やお叱りの声多数。行政をチェックする議会の一員としても、責任を感じている。北区に寄せられた区民意見、主なものを報告してください。
課長、事件の詳細を公表すべき。全容解明が遅い。職員の処分は?氏名公表すべき。
賠償請求、被害額の回収は。管理監督処分、再発防止図るべきなど。
質問4、区民の意見、本当にもっともだ。この声に応える、区民が納得できる対応を。真相をつまびらかにし、そこから教訓をくみとり、再発防止策をしっかりたてるべき。検討委員会の設置、構成についての考え方、議員の傍聴は可能か問う。
課長、部長級が委員長、生活保護事務の流れ、詳細を内部職員で検討し、第3者のアドバイスを頂く。傍聴については非公開としたい。
質問5、東京都特別検査とあるが、その内容は? 課長、都からも、これまでの詳細、資料の提出を求められている。指導を受け、再発防止、課題の解消に努めていく。
●介護予防・日常生活支援総合事業について
6月21日、毎日新聞1面、3面 全国調査の結果が示された。 新方式の低報酬訪問・通所介護 利用率1割 軽度者対象 参入乏しく 主要140自治体で「利用率は、約1割にとどまっている」と報道。 従来に比べ、報酬は8割に至らず、事業者は1~3割しか参集していない。 大手は撤退、中小も受け入れを制限と。
国が要支援1・2に対して、「自助・共助」の助け合いに期待し主導した事業。 北区で言えば、「いきいき生活援助サービス」北区独自の講習を受けた「生活援助員」が行うもの、受講者は増えているが、実際に事業所に就職する人は、そのうちの2~3割で、受け皿にはなっていない。
質問1、現在までに、就職している人の人数と、サービスを受けている利用者の数、また全体の利用率は? 課長 講習終了者166人、就職50人程度 シルバー人材センターに70人程度利用者は、200名 1割程度
事業者の声、生活援助員の雇用、ハローワークから最低賃金を上回るようにとの課題もあるが、報酬低く、低賃金で雇いにくいとの声ある。
現状では、約9割の大半は、従来の専門ヘルパーによる現行相当サービスで対応されている。北区で決めた報酬が低く、運営が困難との声あり。要支援の登録業者から撤退、廃業する事業所がいくつも出ているのが実態。 具体的には、北区はヘルパーの訪問に対する報酬、月額制ではなく、1回ごとの単価制にした。それだけなら、単価性でも月の報酬と同じ回数、訪問すれば、報酬が減ることはないが、北区の場合、更に国基準より、全体の報酬を引き下げたため、国基準で実施している他区と比較すると、同じサービスを提供しても、報酬は低いと聞いている。
質問2、改めて、北区の独自基準の内容について、早急に専門ヘルパーの行う訪問サービスは、国基準相当の単価にすべきと考えるがどうか?
課長 必要な人には、加算をつけて国基準になるように考えたが、身体介護加算が期待するより少なかった。適正単価になるように見直しをはかっていきたい。
たたむ事業所と、開設する事業所同じ数。単価設定の考え方を基準にしながら、インセンティブの考え方ですすめる。
通所型サービスについて、毎日新聞に、北区の事業所が紹介されていたが、「通所介護の報酬が低く、収入が3割減った」と。 介護事業所からすれば、北区の要支援者のサービスを受けると、経営が成り立たない、総合事業を受けることができなくなるという状況ではないか。しいては、北区の要支援者へのサービスの根幹が保障されないということ。
生活援助員など、担い手を増やして行くのは、地域住民の助け合いという補完的な意味合いでは良いかもしれないが、本来の公的介護・生活支援が、低報酬により、事業者撤退となるのは、大きな問題。危機感を持つべきだ。重ねて報酬改善を求める。 国は更に、要介護1・2まで、総合事業に移行させようとしているが、専門家からも、「現状ではほぼ無理。抜本的な見直しが必要」との声でている。国に、見直しを重ねて求めるよう要望する。
●障がい者グループホームの運営について
今年度から報酬改定が行われ、障がい区分の重さや職員配置により、報酬が見直しされた。 障がい区分が4以上で、職員配置が厚い場合は、加算され改善になるが、一方、区分3以下の場合は、従来より単価が下がっている。 その結果、比較的障がい区分が軽い、精神や知的の方を受け入れているGHでは非常に厳しい運営になるのではないか。区内の精神障がい者GHも1カ所、一時的に閉所せざるをえなくなったと聞いている。
質問1、区内のGHにおける報酬改定の影響について、どうとらえているかお聞きします。
課長、都の加算、重度に厚くなるように単価設定された。区分が低い方が多い、精神などのGHは、厳しくなるのではと聞いている。都の改定は10月から実施となり、減額になると想定されている事業所もある。試算するよう促し、東京都の情報を収集していきたい。
GHは、障がい区分にかかわらず、家族だけでかかえることなく、当事者の地域生活を支える重要な社会資源、その運営が成り立たないような改定は改善されるべき。区内事業所の実態把握に努め、国・東京都などに改善を求めて欲しい。
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重度障害児や医療的ケア児への対応について
昨年度、第1期障害児福祉計画が策定され、重度心身障害児や医療的ケア児の支援についても位置づけられた。 私は昨日、スマイリーサンという重度心身障がい児親子の会の集まりに伺った。 北とぴあの1室に、10組以上の親子が集まり、子どもの昼ご飯を共にする。車いすにのった子ども達に、親が少しづつペースト状にした食事を口元へ運ぶ。子ども達は口を開ける、咀嚼する、飲み込むというひとつひとつの動作が大変。経口でのカロリー摂取が足りないので、経管栄養のお子様もいた。理学療法士や看護師、歯科衛生士など専門家の方々も参加し、子ども達の様子を見て、親の悩みを聞き、アドバイスするという、大変、貴重な交流会だった。こうした子ども達の発達支援、保育、教育などの受け入れが、北区でも課題になる。
質問、横浜市では実施要綱を作成。世田谷区でも、体制整備の課題と方向性をまとめているが、北区でも具体的な検討が求められる。区は今後、どのようなスケジュールで取り組みを進めるのか?
課長、重度障がい・医療的ケア児の需要が高まっており、北療育センターの定員を上まわっている。NSや保育士などの専門職の確保も大変。課題があるが、事業所の誘致を働きかけるなど工夫し、H32年度に、センターを設置する。保育・療育など確保していきたい。
積極的な取り組みを求める。重度の子ども達、移動にも苦労ある。お子様が座るバギーは、ベビーカーと違い、折りたたみができないが、電車の中で指摘されたりする。周囲の理解や助けも借りていきたいと、親達が自ら、マークを作成した。 「私は障がいがあります。困ったときは手をかしてください。」と、バギーのイラスト、とてもおしゃれな絵が描かれているマークをつけて、工夫している。
ひとつひとつ、保護者、関係者と共に、声を聞きながら、施策をすすめてほしい。 |