◆2020年度、第3回定例会 決算委員会 総務費の質疑(要旨)
- コロナ禍で深刻さを増すDV・性暴力をなくすために、
相談・支援、啓発、広報の拡充を求める
- 重度障がい児・者の大規模水害避難行動について
- ジェンダー平等の北区を求めて、その牽引となる男女共同参画事業について伺います。
問 「スペースゆう」男女共同参画拠点のR元年度DV相談の実績について、また本会議答弁では、今年3月から7月のコロナ禍でのDV相談が伸びている。福祉事務所の女性相談も昨年同時期に比べ100件も増加したとのご答弁でしたが、
所管として事態をどうとらえているか、改めてお伺いいたします。
課長、相談の増加の要因として、4月に国連総長や内閣府大臣のコメントもあったように、外出自粛に伴い家庭内のストレスが高まりDV増えている。女性相談の100件増は、生活福祉課の女性相談で、関係機関との様々な連携、相談で福祉事務所が対応している。
紛争や災害時などの「非常時」には、仕事がなくなり収入が減る、生活不安が増大し、女性や子どもへの暴力がむきだしになると言われている。まさに北区でもコロナ禍の下、福祉事務所の女性相談、措置にかかわる点では、警察や民間シェルターなど緊急に支援が必要な切迫した状況が増えていると受け止めました。北区の取り組みがますます重要になっています。
私が先日、話をうかがった民間のDV相談員の方は、「深刻だと思ったのは、暴力を受けている本人がその自覚がないこと。自分に何が起きているのか?困りごと、不安なこととして、遠慮がちに恐る恐る話をされる」と語っていました。
私は改めて、自分自身に向けられるDVや性暴力について、自分のいのち、人権が脅かされているという気づき、自分に何が起こっているのかわかる。それは自分が悪いんじゃないと思える。その不安を話していいし、安心して相談できる場所がありますよとの広報、講座の開催や支援を強化することが必要と思います。そこで、
問 女性への暴力をなくす月間で、11月、「性暴力」についての講座を開催する予定とのことでした。どのような内容で準備されているのかお聞かせ下さい。
課長、DV防止・啓発週間の中で、11月8日、暴力をなくすために、身近にあるDVや性暴力について、スプリングの山本潤さんを講師に招き、講演会を行っていきたい。北とぴあで、感染防止により30人程度で実施。北区ニュースなどでも案内する。
スプリングは、当事者や関係者の方々が、辛い思いをする人をなくしていきたいと精力的に取り組んでいる団体。とても期待している。
私もこの間、沈黙を強いられてきた当事者の方が勇気を出して語る、またそれをしっかり受けとめる場であるフラワーデモに参加してきた。これまで私たちの社会はあまりにも、性暴力被害者の声を正面から聞いてこなかった。なかったことにしてきたことを感じ、刑法改正の見直しについて、議会でもとりあげてきました。
11月の講座は、深い学びになると思う。ディスタンスをとりながら、一人でも多くの方が参加できる規模の開催としてほしい。
問、次に、若年女性への相談や支援、コロナ禍で予期せぬ妊娠相談も増え、アフターピルなどの選択肢についてもアクセスの改善が求められています。是非、YOUレポートなどで特集を組んでいただき、情報誌を広く活用して広報に努めて頂きたいがいかがでしょうか。
課長、YOUレポート、毎回、テーマを決めトピックスで広報し、講演会の内容も周知している。10月末には、若年者の性被害について、「増える10代の性被害」の特集を組み、メンタルサポートや支援に取り組んでいる方に寄稿してもらい女の子の特集を組んでいきたい。
タイムリーな取り組み、ありがとうございます。
先日、厚労省が発表した調査で、8月、全国で自殺した方が昨年より246人増えて15.3%も増加したと。その246人のうち、186人、8割近くが女性だったそうです。
そして私が更に驚いたのが、女子中学生の自殺が4倍。女子高生の自殺が7倍に増加したことです。この結果をみて、中高生の妊娠相談が増えた、望まぬ妊娠、性暴力被害の影響があるのではないかと心配の声が出されています。
問、支援にかかわる方や専門家からは、若い世代のツールとなっているSNSを介した相談体制を拡げていくことが急務、コロナ禍で対面での対応が抑制されている中、オンライン相談も重要性が増していると言われています。民間との連携もはかりながら、取り組むよう求めますがいかがでしょうか。
課長、スペースゆうでは、面談が難しい中、中止することなく相談実施した。WEB相談について、ひとつの方法ととらえている。内閣府では、DV相談ぷらす、電話やSNSで24時間対応し、WEB面接利用も多い。北区としても検討していく。
民間シェルターの連携について、様々に困難を抱えている少女への対応、東京都のモデル事業が実施しているしくみを通して行っていく。
若年者の方が相談しやすい、メールやSNSの活用については、内閣府が民間との連携で10分の10のスキームも用意している。ぜひ、活用して取り組んでほしい。
民間シェルターのお話もあったが、スペースゆうのこれまでの講演会でも、民間団体の活動が紹介されていた。
DVを受けたことのある女性は3人に1人との調査がある。北区のアゼリアプランの調査でも5人に1人。しかし、そのうち離婚したりする人は2割に満たない。8割以上は、DVの関係性がありながらも一緒に暮らしている。別れたくても別れられない。別れようと思っていないという実情の中で、寄り添い方の支援が求められる。
婦人保護事業による措置でのシェルターや一時保護などは、完全に逃げるという形で条件が厳しく、ハードルが高い。支援のハードルをさげて、数日から1週間でも気持ちを落ち着かせ、冷静に考えることができる一時滞在所的な居場所や相談、困難をかかえる女性へのパーソナル事業を、民間などとも連携し、是非、北区でも検討してほしい。
また、スペースゆうの相談は、利用した区民の方から、土日、夜も継続して相談にのってもらい、静かに気持ちを落ち着かせ、自分をとりもどしていったとのお話をうかがいました。自分のおかれている状況をみつめ、その人自身が行動することを支えるエンパワーメントの場になっていることを知り、すばらしいなと感じました。
問、そこで、HPについてですが、相談してみようかなとHPをチェックした時に、事務的な画面が入ってくる。寄り添い方の相談体制、温かさが伝わるものに改善してほしいと考えますがどうか。
課長、HPについて、イラストなども活用して改善を検討していきたい。
最後に、中・高校生のための「デートDV」出前講座について、H30年度の実績は中学校が3校、高校が1校と聞いています。今年度、コロナ禍での実施は困難があると思うが、次年度に向けても、もっと実施校を増やして積極的に取り組んでほしい。
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大規模水害時における避難行動について、医療的ケアを含む重度の障害をもつ方々への対応についてうかがいます。
北区が示した大規模水害における避難行動方針では、荒川の氾濫を想定し、北区の低地部に住む区民、約20万人へ、高台避難を呼びかけています。
その際、重度障害のある方々は、自ら避難するのが最も困難な方であり、避難先の環境についても配慮が必要なため、北区としても最優先で避難場所の受け入れを確保し、避難方法を具体化していく必要があると考えます。
問、避難場所について、車での移動や避難先の駐車場、多目的トイレやEVなどのバリアフリー、電源の確保や個別的配慮など、福祉避難所としての対応が必要と考えますが、どのように確保してゆくのか。
また、高台地域には、区立障害者センターや東京都の障害者スポーツセンター、特別支援学校などがあり、避難先として位置づけてほしいと考えますが、現状どうなっているのでしょうか。お聞かせください。
課長、重度障害など困難を伴う方、避難所での共同生活は困難が多い、障害者施設、ご案内頂いた施設であれば、受け入れ適切にできるように調整をすすめ、ご案内できるようにしていきたい。
次に、個別の避難行動についてうかがいます。
北区では昨年、高齢・障がいの入所施設での福祉避難所開設訓練が行われました。家族会の皆さんも参加でき、イメージがわいてとても良かったと伺っています。
現在、障がいをもつ方々の避難に関する個別支援計画を策定中とうかがっていますが、世田谷区では昨年の夏、障がい当事者や家族会、防災にかかわる一般社団法人と共に、個別支援計画をつくるワークショップを開催されたそうです。
障がいに適応した災害時の備蓄品を備える。非常食や流動食、携帯トイレなどを確かめる体験会を行う。避難行動マップを作成し、実際の避難所への避難方法や支援者について確認するなど、実践的な内容で、大変、好評だったと聞いています。
問、北区でもぜひ、障がい当事者や家族の参加による実践的な個別支援計画をすすめる取り組みを行ってほしいと考えますが、いかがでしょうか。
課長、個別の計画は障害福祉課で、利用者中心に丁寧な説明を行い、移動などケア計画を立てている。困難を解消できるよう案内していく。世田谷区の例、調査して参考にしていきたい。
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