都と首都高に怒り
7月のゲリラ豪雨で東京都北区の石神井川がはんらんした問題で30日、最も被害が大きかった北区堀船地区で東京都や北区、河川護岸を管理する首都高速道路による住民説明会が開かれました。350人以上が参加し対策を怠った都と首都高への怒りが噴出しました。
5年前も被害
はんらん地点は川の上部に首都高中央環状線を建設中で、首都高が道路工事と一体で石神井川の付け替え工事をしていました。住居や店舗などの浸水被害は北区内計550棟のうち堀船地区で451棟にのぼります。
「首都高の工事が原因ではないのか」。質疑応答の冒頭、地域住民でつくる「7・5堀船地区水害対策協議会」の薄井哲夫会長(堀船連合町会長)が問いました。5年前の豪雨では首都高の手抜き工事で上流の仮設護岸が倒れ、同地区約400棟が浸水しています。
堀船3丁目の自営業男性は「なぜ護岸を低いままで放置したのか」と怒りをぶつけました。都は1987年の都市計画ではんらん地点の護岸を高さ5・8㍍と決めながら、20㌢低い5・6㍍で放置していたことが日本共産党北区議団の調査で明らかになっています。
回答で都は護岸が低かったことを認め、高さ6㍍まで40㌢かさ上げすると約束。水害の責任について「首都高は(都が豪雨対策の基準とする)1時間50㍉の雨への対策はできていた。今回は想定以上の豪雨だった」と弁明しました。
〝これは人災だ〃
会場から「護岸より約70㌢上まであふれた。40㌢のかさ上げでは足りない」(倉庫が浸水し被害を受けた日本たばこ産業関係者)、「お金をかけて部屋を直してもまた同じ雨が降ったらどうするのか。ちゃんと対策してほしい」(マンション
住民の女性)などの要望が出されました。
対策協議会の薄井会長は「説明は住民にとって得るものが少なかった。5年前の水害の際、住民が対策を要望したのに行政は何もせず被害を繰り返したのだから人災だ。解決まで繰り返し説明を求めたい」と話しました。
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