日本共産党東京都委員会と23区の党各区議団は12日、23区でつくる特別区長会(多田正貝会長)に対し、来年度の23区国民健康保険料の引き上げをやめ区民が安心して医療を受けられるよう申し入れました。党区議など26人が千代田区の東京区政会館を訪ね、鎌形満征事務局長に申し入れ書を手渡しました。
23区では、国保料を統一して算定することを申し合わせており、来年度から算定方式をいままでの住民税方式から「旧ただし書き方式」にすることを特別区長会で決めています。扶養控除など各種控除を考慮しなくなるため、所得が低く多人数の世帯の保険料が引き上げられてしまいます。また2009年度の前期高齢者交付金の過払い分の清算が発生し、その分が保険料の値上げにつながる危険もあります。
申し入れ書は、①保険料率算定や保険制度のあり方を区民、区議会に情報公開し区民参加ですすめる②保険料を引き上げず、負担軽減に努める③保険料の大幅値上げや強引な保険料徴収をもたらす危険がある国保「広域化」に反対する-ことなどを求めています。
安心して受診できるように
申し入れでは阿部早苗新宿区議団長が「滞納が加入世帯の4割になる区も生まれ、必要な医療を受けられない事態が各地で起きている」と負担増をやめるように訴えました。鎌形事務局長は「要望の内容は区長会に伝えたい」と答えました。
参加者は「来年4月から大きな変更をするのに区民、議会への情報が少なすぎる。密室で決めているようなものだ」と情報開示を要求。区長会側は「特別区議会議長会に出した資料は公開してよいもの」と述べ、それ以外の資料の公開は「各区長の自主的判断」と述べました。
また、滞納世帯から保険証を取り上げず無条件で発行することや加入世帯の負担軽減、国や都に必要な財源措置を要望することを申し入れました。
大山とも子都議が同席しました。
申入書を手渡す阿部新宿区議団長(中央)、大山都議(右)=12日、東京都千代田区 |
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