- 北区議会最第4回定例会最終本会議
2つの条例に関する、日本共産党北区議員団の討論
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「区議会議員の定数削減」公明党、民主党等提出及び、
「議員の報酬削減」日本共産党提出の二つの条例に関する、
日本共産党北区議員団の討論 |
12月7日、北区議会第4定例会最終本会議において、
「区議会議員の定数を削減する条例」(あすか、公明、民主ク提出)と
「議員の報酬を5%削減する条例」(日本共産党提出)の採決が行なわれました。
議員定数については、自民、共産、新社会が反対(21名)し、
賛成(提案会派20名)少数となり否決となりました。
議員報酬削減については、共産、新社会が賛成(10名)、
その他は反対(31名)となり賛成少数で否決されました。 採決に先立ち、山崎たい子議員が日本共産党北区議員団を代表して、「議員定数削減」に反対の理由を述べる討論を行ないました。
以下、概要をご覧下さい。 |
「北区議会定数条例の一部を改正する条例」 本会議反対討論
平成 22 年 12 月 7 日 日本共産党北区議員団政務調査会長 山崎たい子 |
私は日本共産党北区議員団を代表して、ただ今上程になりました議員提出議案第 17 号 東京都北区議会議員定数条例の一部を改正する条例に反対の立場から討論を行います。
この度の条例は、現在の北区議会議員の定数 44 名から 2 名削減するというものであります。
私ども日本共産党北区議員団が、その内容に反対する第1の理由は、区民のくらしを守る上で、今まさに 44 名の議員が必要だという実感からです。
ご案内の通り、今議会では生活保護費9億円余の増額補正が示されました。これは近年にないことです。区民のくらしは、ますます厳しさを増しています。
私ども日本共産党北区議員団へも、日々、区民からの切実な生活相談が寄せられており、それは議場の各議員も同様ではないでしょうか。
私自身へも「仕事がなくなり収入が減って、どうやって家賃を払っていけばよいのか途方にくれています」「何度もハローワークに足を運んでいるが、中々仕事がみつかりません」「入院ができたものの医療費が払えない」等の相談が寄せられ、自転車で地域を走りまわる毎日です。
こうした中「議員に相談して命が助かった」「生活のめどがたちました」「議員の数が減らされては大変ですね」との区民の声も頂いています。
また先日は業者の方から、営業がたちゆかなくなったお店のママさんが自ら命をたったという辛い話を聞きました。このような方を、地域から一人でも出してはならないという思いを一層強くしています。
高齢化率が 23 区で最も高く、一人ぐらしの高齢者も増え、生活に困難をかかえる区民が増えている今日、私たち 44 名の議員がそれぞれの地域で、区民のくらしを支えるために懸命に活動する事がますます求められていると考えます。
2つ目の理由は、区民の中に「議員の数を減らすべき」という声があることに対する対応についてです。
私どもも、そうした声があることを承知しております。本来、区民の声を代弁するはずの議員を減らせと言う声があがるという事は何故なのか。それは、議員や政治に対する不満や不信があるからではないでしょうか。
06年に、日本世論調査会が全国規模で行った地方自治に関する調査の中で、議員・議会への不満の理由が大きく5点示されています。多いものの順で「議会活動が充分に伝わらない」「行政のチェック機能を果たしていない」「議員のモラルが低い」「議会内での取引を優先して審議が不透明」「議会の政策立案能力が低い」などです。
現在すすめられている「議会改革検討会」の参考資料の中でも、「ときより区民から不信的・批判的な声があがるのも、議員の活動を質・量ともに明確に伝えられていないことに起因するのではないかと考えられている」との指摘もされています。
このような議員・議会に対する不満・不信を払拭し、区民の信頼を高めてゆくためには、議員が日夜研鑽し、区民の付託に充分応える議会活動の前進と、区民の代表としての議会の審議能力、立法能力を充実させてゆく事が一義的な対応ではないでしょうか。
そして、こうした議会のあり方を積極的に示し、区民に理解して頂くことではないでしょうか。
その議会改革のとり組みのひとつとして、北区議会は全国に先駆けた「議員の政治倫理条例の制定」や各種委員会での充分な請願・陳情の審議、多様な民意を代弁する一人会派の権利の保障、政務調査費の全面公開、議員報酬の引き下げ等をすすめてきました。
今後も議会基本条例の制定をめざし、精力的な改革が期待されるところであり、今議会においても、区民のくらしの実態や社会状況にも鑑み、日本共産党北区議員団は費用弁償の廃止や議員報酬の月額5%削減について、条例提案もさせて頂いております。
定数削減に反対する3つめの理由は、議員の定数問題は地方政治における民主主義の基本問題という点からです。
いうまでもなく議会・議員の役割は、憲法の地方自治にもとづく、住民から直接選挙で選ばれた首長と住民の代表である議員で構成する議会との二元代表制の下で、区民の多様な意見をくみあげ、区政と区民をつなぐパイプ役としての役割、また区政をチェックし、執行機関に対する批判、監視役としての役割、そして政策提案・立法の役割があります。
議員定数の削減によって、こうした役割が縮小されることがあってはなりません。ましてや議員の定数問題を議会がまっぷたつに2分されるような状況の下ですすめるべきではありません。
私ども日本共産党北区議員団は、議員定数削減反対、先にありきではありません。こうした問題は、充分な議論がつくされるべき問題だと考えます。 以上大きく3点の理由により、本条例に反対いたします。議場の皆様のご賛同を心からお願い申し上げ討論を終わります。
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