議員団の活動

2026年第2回定例会個人質問―のの山けん

私は、まちづくりの問題について、山田区長に質問いたします。

1、 王子駅前先行実施地区のまちづくりについて

まずはじめに、王子駅前先行実施地区のまちづくりについてお尋ねします。

3月に区が開いた2回の住民説明会に続き、5月、6月に開かれた「開発事業の概要説明会」には、両日でのべ513人の参加があり、引き続き、地域住民の関心の高さがうかがわれました。今回も参加者の意見が集中したのは、西地区、東地区に民間事業者が建設を予定している高さ190メートル、50階建てのタワーマンションについてでした。

(1)50階ツインタワー計画は王子のまちに何をもたらすか

そこでまず、3月と今回の説明会での質疑を振り返りながら、50階ツインタワー計画が王子のまちに何をもたらすかについて、区長の見解をお聞きします。

最初は、景観についてです。

説明会では、「こんなに高くなくてはいけないのか」、「飛鳥山は桜の名所であり、周辺の建物は飛鳥山より低くなるよう高さを抑えるべき」との意見が出されました。飛鳥山の高さは約25メートル、それより低くというと7、8階程度になりますが、区の回答は、さすがにそこまで下げることはできないとの見解でした。

しかし、飛鳥山を頭上から見下ろすような50階、190メートルの再開発ビルは、庶民感覚からすれば著しく景観を損なう高さです。3月の説明会では、「飛鳥山からの景観について、渋沢栄一が製紙工場を眺めた当時の雰囲気が失われるのではないか」との意見もありました。

区長にお聞きします。

説明会では、「タワマン建設を積極的に進めているわけでも、高層ビルありきでもない」と回答していますが、区として王子駅周辺にふさわしい再開発ビルの高さは何階程度だとお考えですか。

【答弁】

先行実施地区における建築物の高さについては、王子駅前まちづくり整備計画実施基準において、景観の観点から、中心拠点にふさわしい、新たな王子のランドマークとなるよう駅に向かって高くなるスカイラインを形成することとしており、土地利用に応じた周辺建物群のスカイラインとの調和やデザイン等についての総合的な検討を踏まえ、高さを含む建築計画を具体化していくものです。

次に、住環境への影響についてです。

説明会では、日照や風害、CO₂の排出による気候変動への影響などを心配する声が相次ぎました。現在、環境影響評価書の取りまとめ中とのことですが、1点、風害についてうかがいます。

先に竣工した十条駅の再開発ビル周辺では強風が吹き、「歩くのが怖い」、「近隣の屋根が飛び、窓ガラスが割れるなどの被害も出ている」との声がありました。設計事業者の説明では風洞実験の結果、4段階で強風が吹くC、D評価の地点は検出されなかったとのことですが、示されたのは結論のみでした。

そこで、今回の風洞実験の詳細な結果を区民に公表することを求めます。あわせて、十条駅前の再開発では風洞実験は行われたのか、その時の結果はどのようなものだったのか、お示し下さい。

【答弁】

風環境を含めた周辺の環境影響の詳細については、環境アセスメント制度に基づき、環境影響評価書案が公示されたのち、その日から30日間縦覧されることになっています。

十条駅西口の市街地再開発事業は、その開発規模等から、環境アセスメント制度の対象ではありませんでしたが、風環境を予測するため、風洞実験を実施しており、風環境指標に基づく結果は、AからBの範囲内だったと認識しています。

次に、2棟で2000戸に及ぶ分譲マンションの建設についてです。

説明会では、人口増で保育園や学校、医療機関が足りなくなったり、電力、水、ごみ処理などのインフラ不足、さらには王子駅の混雑に拍車がかかるのではないかとの懸念の声が出されました。また、平均1億円を超える分譲価格は周辺の地価を押し上げ、家賃高騰につながるとの指摘もありました。

住宅の供給という点では、庶民が高家賃にあえぎ、低廉な家賃を切望している中で、巨大なタワーマンションの誘致が限られた世帯にしか恩恵を与えないことは大問題です。区は、十条の例をあげて、「高くて買えないようなマンションではない」、「子育て世代など幅広い層が買っている」と答えていますが、平均1億円を超える物件を購入できるのは、ごく一部の高額所得者に限定されるのではないでしょうか。

区は、王子に新たにできる2000戸の分譲物件が、アフォーダブル=手ごろな価格帯の住宅を求める区民のニーズにどれだけ応えうるものと考えていますか。お答え下さい。

【答弁】

事業者からは、購入者としてファミリー層中心に多様な世帯層を想定しており、同程度の事例では大部分が実需層に購入されていると聞いており、王子駅前の開発事業においても同様の需要が見込まれると考えています。

次に、再開発事業への税金投入についてです。

説明会では、「王子に数十億円の税金をかけて、丸ビルのような超高層マンションを建てる必要があるのか」という率直な質問が出されました。赤羽の「第一地区」市街地再開発では、税金投入の予測が当初の57億円から75億円、さらに88億円へと跳ね上がり、昨今の建設コストの高騰でさらに膨れ上がる可能性があります。

50階ツインタワー計画についても、費用対効果の面からの検証は不可欠ですが、3月の説明会の段階で区は、「民間事業者の事業規模、予算は現時点で聴取していない」と回答しています。すみやかに住友不動産、再開発準備組合への聴取を行い、区民に対し、総事業費と税金投入額の見込みを明らかにさせるべきではありませんか。お答え下さい。

【答弁】

市街地再開発事業として整備する西街区については、法令の規定に基づき、国、自治体、施行者がそれぞれ費用負担を行うことになります。

区としては、施行者に対して、補助金等の必要な支援を行っていくものであり、総事業費や補助金の要望額については、今後、市街地再開発事業の詳細な事業計画で明らかになっていくと考えています。

最後に、超高層マンションの将来的な廃墟化についてです。

山田区長は、7つの主要政策で「100年先を見据えたまちづくり」を掲げていますが、今建てようとしている50階ツインタワーは、100年後、この王子でどのような姿になっているでしょうか。

説明会では、「都内のタワマンは商業テナントが埋まらない。再開発をしても人が集まらない」との意見が出されました。十条の商業区画は、竣工後1年半を経た今でも半分が空室となっています。昨今のタワマンが投資・投機目的で売買され、価格高騰を招いていることを指摘した上で、「住民でなく投機者に公金が流れることは避けてほしい」と転売禁止措置を求める声もありました。

超高層マンションが街のシンボルになるどころか、現在のにぎわいを失わせ、将来的に廃墟化する恐れも否定できません。

王子駅周辺は、飛鳥山をはじめとする江戸文化や豊富な歴史・観光資源に恵まれた地域です。100年後に残すべきは、こうした王子の景観や街並みではないでしょうか。50階ツインタワーが本当に王子のまちの魅力になるとお考えですか。区長の率直なお考えをお聞かせ下さい。

【答弁】

実施基準では、基本方針として、北区の中心拠点である王子に相応しい、魅力ある顔を形成するため、商業・業務・居住・宿泊・行政の複合機能を導入することとしています。

また、「飛鳥山をまちなかにつなぐ」というコンセプトを掲げ、豊かな緑や広場空間等を整備し、にぎわいや交流拠点を実現することとしています。

事業者からの提案内容は、いずれも、実施基準に沿ったものであり、王子駅周辺の魅力向上に資すると考えています。

区としては、先行実施地区での取り組みを支援するとともに、王子駅周辺エリアプラットフォームと連携しながら、今回の開発事業で整備されるオープンスペース等の効果的な活用を検討し、新たな魅力創出につなげてまいります。

(2)再開発等促進区の導入はやめ、再開発ビルの高さ引き下げを

なぜこれほどまで高く、王子の街に似つかわしくない超高層ビルを建設することになっているのか。それは、北区が再開発による公共貢献の見返りとして、民間事業者に大幅な容積率の緩和を認めるからです。すなわち、区が東京都に再開発等促進区という地区計画の導入を求めて容積率を現行の500%から1000%に緩和、民間事業者がこれを目いっぱい活用して、利益を最大化しようということになっているのです。

第1回定例会で制定された公民連携推進条例の第4条には、「区及び民間事業者等は、課題及び目標を共有し、相互の利益を見出すこと」とあります。北区にとっての利益とは、住民の福祉の増進ですが、民間事業者にとっての利益は、まさに利潤を生みだすことに他なりません。

開発事業者の利益を最優先にするがために、景観阻害、環境負荷、家賃高騰、多額の税金投入、将来的な廃墟化など、街と住民の暮らしに悪影響を及ぼすことが、果たして、まともなまちづくりと言えるのでしょうか。

再開発等促進区は、再開発事業を行うための必須条件ではありません。これを導入するかどうかは自治体が自主的に判断できることです。

そこで、質問します。

先行実施地区のまちづくりにおいては、容積率の緩和によって超高層建築を可能にする再開発等促進区の導入は見送り、民間事業者には現行の容積率の範囲で、王子の身の丈にあった計画に変更するよう求めるべきと思いますが、区長の見解をお示し下さい。

【答弁】

「再開発等促進区を定める地区計画」の制度は、まとまった区域での円滑な土地利用転換を推進するため、公共施設等の都市基盤整備と優良な建築物等の一体的整備に関する計画に基づき、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進を図るとともに、一体的、総合的な市街地の再開発等を行うことを目的としており、「北区都市計画マスタープラン2020」に掲げる「にぎわいや交流を生む『都市中心拠点』の形成」に資する制度であると考えています。

この制度を活用することで、庁舎移転を契機に、3つの街区が一体で、王子駅前の多くの課題解決を図り、公と民が連携した効果的なまちづくりを実現することができることから、関連する都市計画手続きとあわせ、着実に進めてまいりたいと考えています。

(3)住民の声を受け止め、計画に反映させよ

王子まちづくりの最後に、住民の声を受け止め、その思いを計画に反映させるために、以下2点、提案いたします。

第1に、再度の住民説明会の開催についてです。

3月と今回の説明会では、いずれも予定時間になっても質問しようと手を挙げている参加者が多数残されている状況でした。計画を区民に周知するため、再度追加の説明会を開催することを求めます。

【答弁】

今回の事業者による説明会では、2日間で500名以上の方にご出席いただき、王子のまちづくりに対する地域の皆さまの関心の高さを改めて感じました。

限られた時間での質疑に対し、区や事業者の考え方をご説明させていただき、追加アンケートでも多くのご意見やご質問をいただくことができました。

ご意見については、各事業者が事業計画を進める中で、その対応等を検討していくものであり、区としては、今後の王子共創会議等の場で情報共有し、今後の王子のまちづくりの参考とさせていただきます。

今後は都市計画法等の関係法令に基づく手続きの進捗に応じて、適宜、住民説明会を開催し、計画内容を周知するとともに、意見を聴取してまいりますので、今回と同様の説明会を再度開催することは考えておりません。

第2に、住民の声を計画に反映させるための協議会・懇談会を開催することです。

単に計画を説明し、参加者の疑問や質問に答えるだけではなく、十分な時間を確保して、自由に意見が出せ、住民同士の意見交換もできる、王子のまちづくりのための協議会や懇談会を開催し、そこで出された意見を計画に反映させるよう求めます。

【答弁】

王子駅周辺のまちづくりにつきましては、これまでも王子共創会議及び各部会のほか、王子駅周辺まちづくり協議会など、様々な会議体を通して地域や関係事業者等の意見を踏まえた検討を進めており、当面、新たな協議会等の設置は考えておりません。

2、赤羽駅東口のまちづくりについて

大きな2つ目に、ガイドライン策定検討が始まった赤羽駅東口のまちづくりについてお尋ねします。

(1)ガイドライン策定検討におけるすべての議論は公開すべき

4月28日、第1回のガイドライン策定検討会が公開で開かれました。ところが、その後は、基盤・土地利用部会、施設整備部会の2つを「非公開」で開催、赤羽小学校や赤羽会館、赤羽公園など公共公益施設の改築・整備方針は、区役所庁内での「非公開」の会議で別途検討したのち、区がたたき台を施設整備部会に提案するという流れになっています。

まず、2つの部会と庁内検討はいつ開催することになっているのか、その検討内容はどの時点で区民に明らかにされるのか、これらの会議の議事録は公開されるのかについて、お答え下さい。

親会議以外をすべて「非公開」とすることは、まちづくりの議論を進める上で重大な障害をもたらすことになると考えます。

そもそも区は、基本計画の策定検討において5つのシナリオを提示し、駅前の重点区域を個別・共同建替えで整備するのか市街地再開発を行うのかという事業手法を決定し、公共公益施設の整備方針を示すとしていました。しかし、検討会の途中から区の意向で、これらの課題は議論の対象から外され、結論は次の検討会に持ち越されることになりました。

いよいよその本格的な議論をする場がガイドライン策定検討会です。基本計画では全面公開してきた議論を今回「非公開」とし、地域住民、関係住民の目から隠すことは、知る権利を侵害し、住民の声を計画に届かなくさせることにつながります。

加えて、「非公開」で積み上げられた議論は、地域住民の関与なしに一定の方向づけがされ、次に公開される親会議の時には後戻りのできない既定方針になっている恐れがあります。

そこで、お聞きします。

なぜ2つの部会と庁内検討を「非公開」とするのか、その理由をお示し下さい。その上で、地域住民、関係住民にとってきわめて関心の高いまちづくりの議論はリアルタイムで情報共有できるよう、今からでも全面公開にすべきと考えますが、区長の見解をお示し下さい。

【答弁】

2つの部会のうち、「基盤・土地利用部会」を今月中に先行して開催する予定です。部会は、関係機関等の専門性にかかわる議論を行う場であり、検討会の正副会長と相談の上で、非公開が妥当と判断しました。

なお、会議後には、当日の論点等を区ホームページで公開してまいります。

赤羽小学校の改築方針等の庁内検討は、すでに昨年度から教育委員会等の関係部署との間で進めていますが、庁内での議論については、他の計画や方針を策定する際と同様、特に公開することは考えていません。

なお、これらの部会や庁内検討の内容は、公開の場である策定検討会に報告するとともに、適宜、住民説明会等を開催し、広く区民の皆さまの意見を聴取してまいりたいと考えています。

(2)「重点区域」は市街地再開発ではなく、修復型のまちづくりで

次に、「重点区域」の整備は市街地再開発ではなく、修復型のまちづくりで進めることについてです。

基本計画策定に至るまでの議論や住民アンケート、各種説明会の中で、「赤羽駅前再開発で街並みが大きく変わってしまうことを懸念しています。無個性な街にならないことを希望します」、「画一的な再開発ではなく街の個性を伸ばす独自のまちづくりをお願いします」など、「中央地区」の市街地再開発に反対する意見が多数寄せられています。

また、長く議論を続けてきた赤羽駅東口地区まちづくり全体協議会では、赤羽小学校、赤羽公園を現在地において改築・改修することを望む声が多数となっています。
さらに、国土交通省の要綱改定により、「中央地区」市街地再開発には国の補助金である社会資本整備総合交付金は交付されません。

これまで積み重ねてきた議論や住民の意向、補助金の裏付け、さらには建設コストの増大など市街地再開発事業をめぐるリスクも考え合わせるならば、赤羽の町並みと魅力を残す修復型まちづくりは、最良の事業手法と考えます。ガイドライン策定検討会で俎上にのせ、その実現について真摯な議論を行うよう求めます。お答え下さい。

【答弁】

赤羽駅周辺地区まちづくり基本計画で定めた「重点区域」については、防災性の向上や安全・安心の確保などの課題があり、駅前にふさわしい交通基盤・広場空間の整備などとあわせて赤羽小学校の更新も進める必要があります。

これらの課題解決を図るため、2つの部会で、複数の事業手法を議論してまいります。

(3)再開発補助金の獲得を目的とする「立地適正化計画」の検討は中止を

赤羽まちづくりの最後に、再開発補助金の獲得を目的とする立地適正化計画の検討を中止することを求めます。

区は、都市計画マスタープランの改定とあわせて立地適正化計画の策定に向けた検討を進めると表明していますが、そもそも立地適正化計画は、人口減少・高齢化や市街地拡散といった都市の課題に対応するための計画であり、都心部にはなじまないものです。しかし、国交省が社会資本整備総合交付金の対象を見直したことにより、23区の中でも再開発の補助金を得るために、わざわざこの計画の策定に動いている自治体もあるとのことです。

品川区では、品川浦周辺の市街地再開発が西地区の一部を除き、補助金の対象から外されたことを受け、区議会において、ある会派から補助金の対象となるよう立地適正化計画を検討するよう要請がありました。これに対し区長は、補助金対象とする区域指定も、区独自の補助金を出す考えもないと、きっぱり答弁したとのことです。

北区では区長が、「市街地再開発事業への支援の有無にかかわらず、計画策定に向けた検討を進めていく」とのべていますが、これまで一度も検討してこなかった立地適正化計画を、今検討しようとしている背景には、「中央地区」への補助金獲得のねらいがあることは明らかです。

そこで、お聞きします。

まず、現在の立地適正化計画の検討状況を明らかにして下さい。次に、立地適正化計画策定を検討する理由を尋ねます。再開発補助金の獲得以外に合理的理由があるのでしょうか。さらに、現時点では補助金交付の対象となっていない以上、ガイドライン策定検討では、補助金が出ないことを前提にまちづくりの議論を進めるべきだと考えますが、区長の見解をお示し下さい。

【答弁】

立地適正化計画については、来年度より都市計画マスタープランの改定にあわせて、策定に向けた検討を行う予定であり、現在、他自治体の状況についての調査等を進めているところです。

本計画は、大都市部における持続可能な都市構造の実現のために必要であると認識しており、区としては、市街地再開発事業への支援の有無にかかわらず、計画策定に向けた検討を進めてまいります。

赤羽一丁目中央地区の市街地再開発事業は、地権者の皆さまが準備組合を設立して進めているものであり、区はそのような地域住民の主体的な取組みに対して必要な支援を行っていく立場で、ガイドライン等の策定に向けた検討に、引き続きしっかり取り組んでまいります。

3、まちづくり政策の抜本的転換を

大きな3つ目に、北区のまちづくり政策の抜本的転換についてお尋ねします。

(1)「公民連携のまちづくり」の弊害について

山田区長は、公民連携のまちづくりを強力に推し進めています。わが会派も、まちづくりの取り組みの中で、節度のある民間事業者の協力や、まちの運営に区民やさまざまな団体の参画を求めることは必要なことだと考えますが、こと市街地再開発事業に関しては、十条や王子の50階ツインタワーの例でも示されている通り、まちづくり本来の方向から離れ、開発事業者の利益最優先に大きく傾斜していくことにならざるを得ません。それは同時に、景観や住環境をこわし、歴史的な街並みや商店街、公園など貴重な資源を喪失させることにつながります。

建築界のノーベル賞と呼ばれるプリツカー賞を受賞した建築家の山本理顕氏は、近年のタワマン乱立と富裕層偏重の都市開発を「富裕層の植民地」と厳しく批判、利益を最優先するデベロッパー主導の開発が、公共性や地域コミュニティを破壊していると警鐘を鳴らしています。

そこで、お聞きします。

山田区長は「稼ぐ区役所」を標ぼうしていますが、大手開発事業者の利益を最優先する市街地再開発事業の推進は、「稼がせる区役所」という実態になっているのではないでしょうか。今後、駅周辺での市街地再開発推進の方針を抜本的に見直すつもりはありませんか。お答え下さい。

【答弁】

「北区都市計画マスタープラン2020」では、王子、赤羽、十条・東十条、田端の駅周辺を「都市中心拠点」に位置づけており、これらの駅周辺では、都市機能の集積や市街地環境の向上に資する適切な高度利用を促進することとしています。

市街地再開発事業は、地元地権者と事業者が協力して地域が抱える多くの課題解決と適切な高度利用に資する効果的な事業手法であり、区はその一部を支援するものです。このため、抜本的に見直すことは考えていません。

(2)徹底した住民合意のまちづくりに

最後に、まちづくりを徹底して住民合意で進めることについてです。

区は、王子の先行実施地区について、年度内の都市計画決定をめざしていますが、ことを急ぐあまり、住民の声や意見を置き去りにすることがあってはなりません。
王子も赤羽も、まちづくりはこれからが正念場であり、住民の関心もますます高まってくる時期です。

北区が、まちづくりの主役は住民であるという確固とした立場を堅持し、計画をつくる段階から住民参画、情報公開を徹底して、住民合意の議論を積み重ねていくよう強く求めるものです。

以上で私の質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。

【答弁】

各駅周辺のまちづくりでは、これまでも、検討の進捗に応じて、勉強会や協議会等において地域の声を集めながら、合意形成を図ってまいりました。

また、まちづくりの計画策定にあたっても、地域住民の代表者に参画していただき、意見を聴取して必要な政策に反映させるとともに、会議や議事録の公開等による情報発信にも努めてまいりました。

区といたしましては、今後も、まちづくりだよりの発行や、住民説明会等の開催を適時適切に行い、正確な情報を発信して、より良いまちづくりを、地域の皆さまとともに進めてまいりたいと考えております。