日本共産党北区議員 山崎たい子
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         最終更新日2015.10.02
2015年度北区議会第3回定例会

決算委員会 反対討論
ながいともこ区議
2015年10月2日

 私は、日本共産党北区議員団を代表して、2014年、平成26年度東京都北区一般会計ならびに国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計の各決算の認定に反対の立場から討論をおこないます。
 
  9月19日未明、安倍自・公政権は、国民世論に背いて「戦争法」の採決を強行しました。憲法無視、国会軽視そして国民の声に耳を傾けない安倍自・公政権に対し、国会前では連日、連夜「戦争法の強行採決するな」「憲法を守れ」と国民が押し寄せ抗議の声をあげ続けました。その中でも、いままで政治に無関心と思われていた若者たちが、戦争について、この国の民主主義の在り方について、自らが考え判断し、行動へと立ち上がりました。「だれの子どもころさせない」と子育中のママたち、戦争を体験された高齢者の方まで世代をこえ、政党や宗教等の違いを越えて、戦後70年間築いてきた平和や憲法を守って行こうと心をひとつにできたことは、この国を国民の手に取り戻す希望となっています。
 強行採決後も「戦争法廃止」へのとりくみはいっそうの広がりを見せています。我が党は、日本の政治に民主主義と立憲主義をとりもどす「国民連合政府」樹立(じゅりつ)に向けた新たな闘いを広く呼びかけています。
 また、先日の国連人権理事会で翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事は、名護市辺野古への米軍新基地建設の問題などが、県民への多大な人権侵害となっていると訴えました。翁長(おなが)知事は「日本政府は昨年、沖縄で行われた全ての選挙でしめされた民意を一顧(いっこ)だにせず、美しい海を埋め立てて辺野古新基地建設作業を強行しようとしている」と告発。これに対し日本政府の代表は、辺野古への新基地建設は「唯一の手段」だと異例の反論を行いました。このような民主主義や立憲主義を危うくする安倍政権は、一刻も早く終わらせなくてはなりません。
 いまこそ地方自治体は、憲法に定められた「地方自治の本旨」に基づき、住民が主人公の区政運営をすすめることが求められています。こうしたことを踏まえ26年度の事業を見てみると、医療と介護の連携、15%プレミアム商品券の発行、保育園待機児解消、若者就労支援、区営シルバーピアの建設などは住民要望に応えたものです。 

しかし、以下にのべる4点の理由から一般会計決算の認定に反対します。

第1の理由は、さきに述べた戦争法成立の前提である特定秘密保護法の制定や集団的自衛権の行使容認。消費税増税や社会保障改悪くらしや平和を脅かす安倍内閣の暴走を容認する北区の姿勢は断じて認められません。

 
平成26年度、国は「税と社会保障の一体改革」の名による消費税8%への増税と社会保障改悪を本格実施しました。例えば3年間連続で合わせて2・5%の年金削減、介護保険料や国民健康料等の値上げなど度重なる家計への負担増です。そのため区民からは「消費税が増税されたのに、年金は減らされ、税金や国保、介護保険料などが高くなり社会保障はよくなるどころか削られています。年金生活者にとっては厳しい状況になってきました」などの声があがっています。その結果食費を削ったり、病院への通院回数を減らすなど、これでは、憲法25条で保障されている、健康で文化的な生活を営む権利さえ奪われかねません。またその影響は、経済指数にも表れ、8月に発表されたGDPはマイナス成長に転落し、その内訳の約6割を占める個人消費の低迷が、マイナス成長の大きな原因となっています。景気の好循環どころか消費税増税から1年以上たっても、消費や投資が回復しません。消費税10%の先送りに象徴されたように、アベノミクスの経済失政は明らかです。消費税10%の増税は絶対にやめるべきです。
 北区は、消費税増税分全てを社会保障の財源にするとしながらも、消費税率10%後も、法人住民税の一部国税化の強化が図られ、増収はあまり見込めずとしました。結局消費税は、住民の福祉増進につながらず、また地方自治体も苦しむ一方で、大企業のみが、法人税減税などの優遇措置を受け内部留保を拡大させています。消費税を社会保障の財源として当てて行くという論は成り立ちません。消費税容認の姿勢ではなく、国に対しても社会保障の財源をきちんと確保するよう求め、区民にとって一番身近な北区政がくらしをしっかり守る立場に立つべきです。

 第2の理由は、経営改革「新5カ年プラン」と公共施設再配置方針を相乗させて、更なる区民負担増とサービス削減を推し進めたことです。

公共施設再配置方針については、その後の学校改築・改修計画等により、非現実的と思われる「施設15%削減」の見直しを求めましたが、未だ固執しています。削減目標ありきで、教育現場や区民に負担を強いるようなことがあってはなりません。特に、学校等の施設複合化にあたっては、住民参画、近隣住民や利用者へ丁寧な事前説明を行い、十分な検証が出来るよう複数案を提示し、必要な検討をおこなうことを求めます。
 10月より、区内ふれあい館やプールといった施設使用料・利用料の値上げ、保育料も17年ぶりの値上げとなりました。また、財源確保の名目のもと区民税、保険料等の強制徴収も行われました。区民には、負担増やサービス削減を押し付ける一方で、主要5基金の積立金は477億円も積み上がり過去最高となりました。積立金を活用し、区民負担軽減やサービスの拡充を図るべきです。
 今、北区経営改革プラン2015は「民間活力」の活用で、ついに事務部門の外部委託に踏切ました。加えてマイナンバー制度による情報漏洩の懸念や、さらなる負担増もサービス削減も認められません。

 第3の理由は、住民合意のないまま、強行にまちづくりをすすめようとする姿勢です。

 補助86号線、73号線、81号線等の特定整備路線では、住民の納得や理解が得られないまま、一方的に計画がおしすすめられています。
この3路線の国の事業認可に対し、2500件を超える不服審査請求が出されました。住民には、防災のためと言っておきながら、事業認可申請には「交通の円滑化」が第一の事業目的とされています。3路線とも70年も前に告示決定したものとされていますが、都市計画決定文書も、決定原図もなく、決定した事実や決定内容も立証することができず、とても納得がいくものではありません。志茂の86号線沿線住民は、この計画によって、住民の暮らしそのものである財産権、居住権、営業権が公権力によって侵害されることは憲法にも反する行為とし、国の認可取り消しを求める裁判を提訴しました。
 東京都や北区は、災害の切迫性があり、燃え広がらない街づくりと言いながらも、阪神淡路大震災の教訓で効果的であると示されている耐震改修促進や感震ブレーカーなどにも、積極的に取り組もうとせず、延焼遮断効果があまり期待されない道路だけに固執をするのは本末転倒です。東京都に対し、事業の中止を求めるべきです。
 また、十条駅西口地区再開発事業全体の費用は、建設費高騰などにより330億円から445億円に膨らみ、北区の負担額も66億円から92億円と負担増が明らかになりました。準備組合は最近になって、保留床を増やす計画変更案を決定し、同意のとりつけに入りましたが、準備組合員のなかでさえ同意ができない方もおり、いまだ、本組合設立要件の2/3以上の地権者の同意には至っていないのが現状です。また、この事業に対する権利者以外の地域住民への十分な説明や合意形成もされておらず、この開発自体不透明な事業になっています。今後の進め方によっては、さらに、北区と権利者だけ負担が増える可能性もあります。十条駅西口地区再開発事業は、いったん立ち止まり、見直しすべきです。

第4の理由は、国民健康保険、後期高齢者医療の保険料の値上げです。


 国民健康保険料はこの10年で1.4倍以上になりました。また後期高齢者医療制度の保険料も来年の改訂で10万円を越えることが必至です。このため、お子さん2人の4人世帯で生活保護基準程度の収入のご家庭でも、年33万円もの保険料がかかります。そのために、保険料を払いたくても払えない方が増え続けています。そして、保険料滞納を理由に、10月1日から有効の国民健康保険証が今でも、国保課に留め置かれ、本人の手元にない方が一万人弱もおいでになります。まさに、国民皆保険の危機です。一方、保険証交付にあたる職員の皆さんのご苦労も並大抵ではありません。しかし、保険料滞納者へのペナルティーは保険証の留め置きだけではありません。高額の医療費がかかる方には、病院の窓口で自己負担の限度額ですむようになる「限度額適用認定証」がありますが、滞納していると、これを原則発行してくれません。それは、限度額以上の医療費を払うと後で払い戻され、そのお金を滞納保険料に充当することが出来るからです。また、出産費用に充てるための一時金も葬儀費用の一部となる葬祭料も、まず先に滞納保険料の支払相談を行ってからとの対応です。この制度の本来の趣旨に立ち戻り、区民の立場に立ったあたたかい対応を求めます。また、払える保険料とするための北区独自の軽減制度等を実施に踏み切ることも求めます。


以上が四点の反対理由です。


 次に、今決算特別委員会で答弁のあった、差し押さえ禁止財産の取り扱いについて申し上げます。この間の我が党の議論をふまえた新たな方針、すなわち、児童手当など福祉的観点から定期的に支給されるものにあっては、次回の支給までは差し押さえをしない。そのほかの不定期な福祉的な給付についても一定期間差し押さえの対象とすることを控えるとの方針です。しかし、強制徴収、差し押さえは公権力の行使であることを指摘しましたように、「広島高裁の判決も含めてよりよいマニュアルにしていくことに間違いありません」との趣旨の区長答弁に従い、この「方針」をマニュアルにすることは当然です。迅速に実施することを求めます。  

 あわせて、以下五点の改善を求めます。
一、   今日の医療と介護の深刻さをあらわにしたのが、岩江クリニックの99人虐待認定事件です。これまでの区の対応を教訓化し、再発防止に向けて現時点での報告を行ってください。
二、  生活保護基準は、3年にわたり基準切り下げが行われました。本年だけでもお子さん1人を含む標準3人世帯の場合、月額5733円、年額で約7万円の削減となります。猛暑の中でエアコンに通電していない家庭も少なくありません。電気代も2009年から上昇する一方です。水光熱費の夏期加算の実現を、国にはたらきかけ、区としても意を用いてください。
三、  コミュニティバス運行の計画化、民間バス会社支援を継続し、区民の足を確保してください。
四、   北区では3日に1軒、商店が減っています。長年、地域の方たちに親しまれながらもやめざるを得なかった無念さに寄り添い、懸命にがんばる商店や商店街を、北区は全力をあげ後援、応援し、さらなる振興策の拡充、障がい者プレミアム商品券創設に努力ください。
五、  区内で働く、従業員の福利厚生の充実と中小企業の振興を図ることを目的に、昭和47年に発足した、北区中小企業従業員退職金等共済事業の意義について区は認めております。本制度の維持存続を求めます。

なお、国保健康保険事業会計および後期高齢医療会計決算は、先にのべた保険料の値上げにより反対、その他の特別会計には賛成を表明して討論といたします。                             ありがとうございました。
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