2024年第3回定例会個人質問―山崎たい子
2024年9月10日 | 山崎たい子
私は大きく4点、1、多様性やジェンダーに配慮した避難所運営、2、気候危機、水害対策におけるグリーンインフラ推進、3、精神障がい者の生活介護の実施、4、SNS・ネット利用のトラブルから子どもを守ることについて、区長・教育長に質問します。
1、多様性やジェンダーに配慮した避難所運営を
はじめに、多様性やジェンダーに配慮した避難所運営についてです。
災害という特殊な状況によって、災害以前から存在する構造的な差別や不平等がより深刻化すること。その根底にある男尊女卑や家父長的な考え方が増強し、より弱い立場の方が人権侵害を受けることが震災後の調査でも明らかになっています。
わが会派では今年2月の本会議質問でも、避難所運営ではジェンダーの視点、国際的なスフィア基準もふまえ、女性や当事者を加えた相談体制、女性や子ども、介護の必要な人へ配慮したスペースやプライバシーの確保、トイレの設置、防災備蓄の見直し、仕切り版やエアテントの追加、ホテル等みなし避難所の確保を求めました。
その後3月に改定された「北区地域防災計画」では、避難所の運営において、女性や子ども、障害のある方、外国人、性的マイノリティの方など多様性への配慮が明記されました。
具体的には、避難所生活で車イスのまま使用できるマンホールトイレの導入、ハラル対応食の備蓄等、必要な物資の整備に努めるほか、自主防災組織などと連携し、避難所におけるプライバシーの確保、女性や子ども等に対する性暴力やDVを防止するために、トイレや更衣室、入浴施設等、安心して使える場所への設置など配慮すること。
更に、避難所の管理運営に携わる「女性リーダー」の育成や、女性の参画を推進し、女性専用の物干し場、授乳室の設置、生理用品や女性用下着の配布、妊産婦世帯用のスペースの設置など、女性や子育て家庭のニーズに配慮した避難所の運営に努めることとしています。
今定例会の補正予算案でも、備蓄物資として、授乳や着替えスペース確保のためのパーテーションや組み立て式の洋式トイレなどが増額となったことは前進です。
6月に開会された北区議会防災対策特別委員会では、「北区地域防災計画」の改定をふまえ、今年度から2ヵ年をかけて、北区避難所運営マニュアルも改定を行う。今年度は庁内の作業部会で素案を作成し、令和7年度、素案を検討、年度末には策定するとのスケジュールが示されました。
ご承知のとおり避難所の運営は、地域住民が主体となって行うとされており、改定のポイントである多様性やジェンダーへの配慮が行えるよう、区民の理解と実効性を高めていく取り組みが欠かせないと考えます。そこで避難所運営マニュアル改定を機に、北区がリーダーシップをとり、以下5点を進めて頂くよう求めます。
(1)避難所運営マニュアル改定について
1つは、避難所運営マニュアルの内容についてです。
素案づくりのための庁内検討について、北区地域防災計画における避難所運営に関係する所管の中には、多様性社会推進課を含む総務部が明記されていませんが、多様性に配慮する点から、庁内検討会への参加を確保するよう求めます。
また、避難所運営マニュアルでは、声をあげづらい女性や子ども、高齢者が声をあげられる体制づくり、運営に関わる仕組みを取り入れると共に、素案について、自治会、男女共同参画や性的マイノリティ、障がい者団体などへ意見照会を行い、当事者の声をいかしてほしいと考えますがいかがでしょうか。
今回、改定する避難所運営マニュアルについては、区長、副区長、教育長以下、全部長で構成する防災対策調整会議で審議・決定してまいります。
なお、調整会議の下には検討会や作業部会を設置し、総務部所管課も入ったこの会議体で、北区地域防災計画や内閣府のガイドラインを踏まえたマニュアルの検討を行うこととしています。
次に、避難所運営マニュアルの内容についてです。
現行の避難所運営マニュアルでは、避難所運営において高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児等への配慮を行うことに加え、避難所管理運営委員会の設置にあたっての留意点として、本部役員として必ず女性が参画することや、副委員長はできるだけ複数名選出し、男性・女性両方が入るようにすること、庶務班には女性を設置し、女性からの相談も受けやすいように工夫すること、声を出せない避難者の潜在的な意見や要望を聞く機会を設けるため意見箱を設置することなどを記載しています。
避難所運営マニュアルの改定にあたっては、これまでの男女共同参画や配慮が必要な方への対応に多様性への配慮も加え、お困りの方が声をあげられる運営体制や仕組みづくりについて検討していくとともに、当事者の声を生かせるよう、自主防災組織のほか、各種関係団体などにも意見照会を行ってまいります。
(2)地区防災計画策定との関連について
2つに、地区防災計画策定との関連について、多様性やジェンダーに配慮した避難所運営について、町会・自治会、マンション管理組合をはじめ、現在、作成中の地区防災計画のワークショップでも、話題とするなど周知するよう求めます。
避難所における多様性への配慮については、本年3月に改定した北区地域防災計画において、新たに記載を加えるなど、様々な取り組みを進めておりますが、現在改定を進めている避難所運営マニュアルにおいても、引き続き検討を重ねてまいります。
なお、本マニュアル改定後には、各種訓練や防災セミナーのほか、地区防災計画の策定や修正の機会において、地域の皆さまへ周知していくこととしています。
(3)女性リーダー育成の具体化や避難所運営訓練の実施を
3つめは、女性リーダー育成の具体化や避難所訓練について、NPOボランティアプラザが実施している災害ボランティア養成講座や社会福祉協議会など民間団体とも連携し、女性リーダーの育成に取り組むと共に、今後、避難所運営訓練も実施するよう求めます。
区では、これまでも、男女双方の視点に配慮した防災をテーマとした男女共同参画防災講座を開催してきており、これを活用した取組みのほか、東京都が実施している女性防災人材育成の取組みなどを、自主防災組織をはじめ、地域の皆さまに周知するなど、女性リーダーの育成を働きかけてまいります。
なお、避難所運営訓練につきましては、改定後の避難所運営マニュアルを踏まえ、実施していく考えです。
(4)区民への啓発について
4つめは、区民への啓発についてです。
女性被災者やDV、性的マイノリティの方など、災害時の相談対応についてはどのような体制になっているかお聞かせ下さい。また、多様性社会推進課が実施している「男女共同参画防災講座」、障がい者や子育て支援団体、区民の防災セミナーなど機会をとらえ啓発するよう求めます。
まず、女性被災者・DV被害者・性的マイノリティの方などへの災害時の相談対応に関する体制についてです。
災害時は、平時と比べ身体的にも精神的にも大きな負荷がかかることが想定されるため、できるだけ早期に女性被災者等に寄り添った相談を行うことにより、心身の負荷を軽減する必要があります。
そこで、区では、各避難所において多様性等に関する悩みの相談窓口の設置・運営を支援することとしています。その相談にあたっては、「災害時における女性被災者等の相談窓口設置に伴う業務等に関する協定書」を締結している3事業者に、相談員の派遣を依頼することを見込んでいます。
なお、具体的な方法等については、今回、改定する避難所運営マニュアルにおいて、検討してまいります。
次に、機会をとらえた啓発についてです。
避難所における多様性やジェンダーへの配慮につきましては、避難所運営マニュアルを改定後、様々な機会を捉えて周知を行い、区民の皆様への理解促進に努めてまいります。
(5)子ども達への防災教育について
5つめは、子ども達への防災教育について、多様性やジェンダーの視点をふまえた人権教育を充実するよう求めます。
以上5点、区長の前向きな答弁を求めます。
避難所という特殊な環境の中では、様々な方々と共に生活をする上で、自分の大切さと共に相手のことも大切に思う人権感覚が必要であり、この人権感覚は、現在学校で実施している人権教育を通して培われると考えています。
北区では、道徳科や特別活動等の授業をはじめ、全ての教育活動の場を通じて、健常者をふくめ、女性、子ども、障害者、高齢者、外国人等が相互に尊重し合うことの大切さを教えています。
避難所運営のみならず、災害時における対応はもとより、日常生活においても、子どもたちが、自分たちの意見を表明したり、多様性やジェンダーに配慮できる人材となるよう、引き続き、全校の教育活動の中で自分や相手を大切にする人権教育に努めてまいります。
2、気候危機、水害対策におけるグリーンインフラの推進を
大きく2つめの質問は、気候危機・水害対策におけるグリーンインフラの推進です。
この夏も連日、熱中症警戒アラートが続き、北区でも落雷や、ゲリラ豪雨による水害被害にみまわれ、気候危機の恐ろしさを実感することとなりました。
国土交通省の気候変動シナリオでも、21世紀末、気温が2℃上昇時には、洪水発生頻度は約2倍になり、何も対策せず4度上昇すれば、洪水発生頻度は、4倍となって対処が難しくなると言明しています。気候危機、水害への対策は、まさに今に生きる私たち人類の重大かつ喫緊の課題であることは論をまちません。
その洪水被害対策のために、現在、国際的に取り組まれている潮流は、「グリーンインフラ」です。グリーンインフラとは、都市化によって失われた自然の防災機能の回復、自然環境が有する多様な機能を活用して治水をすすめ、持続可能で魅力ある国土や地域づくりを進める取り組みです。
例えば、森林は降雨の10~20%を地面に浸透させ、土砂の流れを減らし、洪水を防ぎ、水質を浄化することから、ロンドンやニューヨークでは、道路の考え方を車両優先から人間中心に切り替え、緑を増やし、都市の緑化を促進しています。
こうした取り組みで、ニューヨークでは2030年までに、水を通さない舗装面積の10%にあたる地表面の流出削減を目標としています。
私は今年3月の予算特別委員会でも、フランスのパリ市が、市内面積の半分を緑化する計画に取り組んでいることを紹介しましたが、改めて都市における緑化の推進が、気候危機・水害対策の大きな柱となると痛感しています。
ひるがえって、北区における緑の状況はどうなっているのか。今年6月に、5年ぶりの「緑の実態調査」の結果が公表されましたが、緑被率は18.26%と、前回調査時の18.43%より減る結果となってしまいました。地域別では、王子東地区は13.7%、滝野川東地区では8%と、総じて京浜東北線より東側、住宅密集地域の緑被率の低さが、改善されておりません。
更に最近では、老木の倒壊を防ぐ点などから、昔ながらの木々や緑が伐採されている現状もあるのではないでしょうか。そこで以下、3点うかがいます。
(1)まちづくりの柱に位置づけを
1つめは、グリーンインフラをまちづくりに積極的に位置づけることです。
今ある緑を減らすことなく保全するとともに、現在、すすめられている赤羽、東十条、王子駅周辺のまちづくりにおいても、先に述べたグリーンインフラの視点を位置づけ、緑被率の低い地域の抜本的な改善、区内緑化の推進を求めます。
北区緑の基本計画2020 においては、北区での暮らしをより豊かにしていくためにグリーンインフラとしての緑の多面的価値を区民が享受できることが大切であるとしています。
赤羽、東十条、王子の駅周辺のまちづくりにおいては、特に緑が不足していることから、例えば赤羽一丁目第一地区の市街地再開発事業でも敷地内の大幅な緑化が計画されており、公共施設整備や民間開発等の様々な機会を捉えて積極的な緑の創出を推進しています。
また、樹木の保全についても引き続き取り組んでまいります。
(2)補助88号線沿道の緑化について
2つめは、補助88号線沿道の緑化について、豊島2丁目から豊島5丁目団地にかけては、拡幅工事及び電線の地中化がすすめられていますが、地域の方から「樹木を植えて欲しい」との声を頂いています。検討して頂くよう求めます。
東京都は、都市計画道路補助第88号線の延長約780mについて、現況幅員約11mを計画幅員20mに拡幅する事業を実施しています。
このうち、豊島二丁目から四丁目までの延長約480m区間については、工事が概ね完了しており、車道の拡幅や自転車レーンの設置などによる整備効果が発現しています。
お尋ねの沿道の緑化については、残りの区間の工事と合わせて、植栽帯を全区間で整備する予定であると聞いています。
(3)道路や土地、公園の透水性を高めるために
3つめは、道路や土地、公園の透水性を高めることです。
コンクリートの上に降った雨は、直接下水に流れていきますが、一方、グリーンインフラでは、砂利や草木が生えたところから、雨が地面にしみこむため、下水に流れる水を減らすことができます。
イギリスでは、持続可能な排水という考え方で、雨水をできるだけ下水に入れないために、「雨庭」という水をためるところをつくってゆっくり流すなど、雨水と汚水の分離をはかり、流出抑制を進めています。この「雨庭」は、日本国内においても、学校や個人宅でも取り入れられ始めています。
そこで、1、例えば飛鳥山公園の広いコンクリート部分を、一定面積、雨庭を造成する。コンクリート部分を、透過性のある材質にするなど検討してはどうか。
2、道路においても通常のアスファルトでは、雨水はそのまま側溝から下水へ流れ、大きな雨が降った場合はあふれてしまうが、透水性舗装では降った雨はいったん土の中に入り、内水氾濫を抑制する効果があります。特に、集中豪雨では効果が大きいといわれています。道路においても透水性舗装の推進を求めます。
3、水を地中にしみこませる「浸透ます」や「浸透トレンチ」の推進です。
通常、屋根に降った雨は、といやトレンチを通ってますに集められ、下水道に出ていきますが、大雨で一気に流れ込むと氾濫しやすくなります。浸透ます・浸透トレンチの場合は、そこに穴があいていて、雨の一部を地中にしみこませることにより、下水道に出る量を減らし内水氾濫を抑制する効果があります。浸透ますや浸透トレンチの設置について、いっそうの広報、推進を求めます。以上、グリーンインフラの推進について、ご答弁ください。
東京都は、昨年、気候変動に対応するため、「東京都豪雨対策基本方針」に改定し、河川や下水道整備、流域対策で浸水被害の防止、グリーンインフラなどによる水害に強いまちづくりに取組んでおります。
北区では、ご提案の飛鳥山公園の多目的広場で、既に浸透トレンチを敷設しており、園内も多くの樹木等の植栽があることから、現時点で雨庭や透過性の材質への改修は考えておりません。また、道路の透水性舗装については、既に歩道で実施しておりますが、車道は舗装の耐久性などの課題があることから、今後の技術開発の動向を注視するなど情報を収集してまいります。
浸透ますや浸透トレンチなどの設置の広報については、引き続き、パンフレットの配布や区ホームページ、北区公式SNSを通じた周知を行い、総合的な治水対策に取り組んでまいります。
3、精神障がい者の生活介護事業の実施を
大きく3つめの質問は、精神障がい者の方を対象とする生活介護事業の実施です。
生活介護は、障害者総合自立支援事業にもとづく障害福祉サービスで、創作や生産活動、入浴・食事などの介護、調理・洗濯・掃除などの家事、相談や助言による生活面での改善、更には身体機能の維持向上を目的とし、通所により様々なサービスを提供する事業です。
現在北区で生活介護事業を実施しているのは、知的障がいに対応して7か所、肢体不自由に対応し4か所ありますが、精神障がいの方への生活介護は行われていないのが実情です。これは主に北区では、精神障がいがある方への福祉サービスが、訓練等給付といわれる、一定期間、必要な訓練を行う自立訓練や、就労支援事業を中心に行われているためと考えられます。
しかしながら昨今は、長期入院から退院して地域での生活をめざす移行支援や、8050問題と言われる親御さんや当事者の高齢化による体力や機能の低下、更には40代以上のひきこもり、不登校やいじめ、虐待によるPTSDなど、ケアの継続性が求められ、当事者へのかかわりとして、2年以内と期限のある自立訓練や就労支援だけでは、本人への支援をカバーできない状況が生まれています。
北区障害者センターで、13年間、自立訓練を実施してきた法人の方のお話でも、当事者や保護者の高齢化、精神面の不安定さなどの課題から、2年の自立訓練を卒業したあと、次のステップにつながることが難しい方が増えている。
生活介護事業が必要だと判断できる方が、10年間でみても60人を超えるのではとのお話しでした。
中には、自立訓練を卒業したものの自力では作業所に通うことができず、家に引きこもってしまった方、精神のバランスを崩し措置入院になった方もでているとのこと。
当事者からも、「自分のような重い障害のある人は、期限で切られたらどうしたらよいのか」との声も聞かれているそうです。
このような背景の下、他区においては、世田谷区、江戸川区、豊島区などで就労や自立訓練とあわせた多機能型により、精神障がい者への生活介護事業が実施されています。そこでうかがいます。
北区でも、障害当事者が孤立せず、時間をかけて働く場や自分らしい生活を見出すことができる、期限なく利用できる生活介護事業の実施が必要と考えますが、北区はどのように実情を把握、認識されているかお聞かせください。
区では、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進など、精神障害者に対する支援を行っています。
就労移行支援や自立訓練は、障害者総合支援法に基づき、利用期間は基本2年、状況により1年延長が可能となっております。昨今、障害当事者の重度化、多様化、介助者の高齢化など、当事者を取り巻く環境は大きく変化しており、精神障害者に対する生活介護事業については、支援の一つとなり得ると捉えていますが、現状の地域活動支援センターやデイケアへつなげるなど、一定の対応はできていると認識しています。
区としては、引き続き、区内事業者や当事者から課題等を伺うほか、他自治体における取り組み状況等、調査・研究してまいります。
4、SNS・ネット利用のトラブルから子ども・若者を守る
最後の質問は、SNS・ネット利用のトラブルから子ども・若者を守ることです。
現代の子ども・若者にとってSNS・ネットはコミュニケーションの必須アイテムであり、北区の教育現場でもGIGAスクールにより、子ども1人1台端末が貸与され、ネットに接続できる環境が整っています。
情報収集の量やスピードが増し、コミュニケーションの幅が拡がり、ネットやゲームで会話しながら人と親しくなる、友人をつくることもできるようになりました。
一方で、当事者が思いもよらない問題や被害、時に犯罪にまきこまれることも起きています。オープンチャットのLINEで知り合い、親しくなる中で、子どもが大人とつながり、その相手を信用して会いに行き、性被害や自画撮り被害に会う。また、匿名での誹謗中傷による自殺、ネットいじめも増加傾向と指摘されています。
更に、日本では、2022年4月から成人年齢が18歳となり、SNSなどの18歳19歳の消費者トラブルも増えています。加害者は、年齢、性別、職業を偽っていることが多く、全体の10%がグルーミング被害の経験があると言われています。そこでうかがいます。
SNS・ネットトラブルから子ども・若者を守るために、リテラシーを学ぶことは欠かせません。北区でのリテラシー教育の現状をお聞かせください。
また、今後、北区で始まる弁護士とつながる子ども相談をはじめ、子ども・若者が悩みを抱えた際、1人で抱えず、気軽に相談できるよう窓口を積極的に周知するよう求めます。
北区では、子どもたちの情報リテラシーの向上のため、情報教育の全体計画や指導計画を作成し、計画的にプログラミング教育や情報モラル教育を実施することで、児童・生徒の情報活用能力の育成に努めています。
また、道徳授業地区公開講座等において、SNSやネット被害への対応として、専門家を招聘し、保護者とともに学ぶ授業等も行っています。
さらに、児童・生徒が主体的にICTを活用し、一人一人の力を伸ばすための能力が確実に身に付くよう、発達段階に応じて習得すべきスキル等を具体的に定めた「ICT活用コアスキルリスト」の作成にも着手したところです。
今後も、全教育活動を通して、児童生徒の情報リテラシーの向上や情報モラルの育成に努めてまいります。
また、本日から設置される子どもの権利相談窓口をはじめとする各種相談窓口についても、区長部局と連携しながら、引き続き、周知に努めてまいります。
2つめは、デジタル性暴力に対する法的規制についてです。
世界では、ここ数年で法律が可決し、法的な規制が次々、整備されてきています。2021年、オーストラリアでは、オンライン安全法により、子どもに有害なコンテンツを特定、軽減、管理する義務をオンラインプラットフォームに課すことになりました。
2022年、EUでは、デジタルコンテンツの透明性、暴力性を、外部機関が監査して、削除要求ができることになりました。
2023年、イギリスではメディアプラットフォームが犯罪をチェックして、行政や警察に報告することに。今年に入ってはアメリカでも、法整備を審議中です。
ひるがえって日本では、青少年インターネット環境整備法がありますが、事業者による年齢確認でのフィルタリング義務化にとどまっています。
そこでうかがいます。
欧米諸国同様、日本でも、デジタル性暴力から子ども・若者を守る法整備を進めるよう国に求めてください。
以上で、私の質問を終ります。ご清聴ありがとうございました。
国は、青少年インターネット環境整備法の施行とともに、基本的な取組についての計画を策定し、学校・家庭・事業者や民間団体、そして行政など社会全体で取り組む方針のもと、各種環境整備を進めています。
そして、これら環境整備等について検討を行うための検討会では、関連する施策を推進している諸外国の現状や取組等について調査研究を実施する、としています。
また、令和5年12月に閣議決定された「こども大綱」においても、こどもが安全に安心してインターネットを利用できる環境整備に取り組むことを位置付けており、その重要性は認識しているところです。
区としましては、引き続き、国の動向を注視してまいります。