2019年第4回定例会代表質問―のの山けん
2019年11月26日 | のの山けん
私は、日本共産党北区議員団を代表して、区長、教育長に大きく5点質問いたします。
1、荒川氾濫を想定した大規模水害への備えを
はじめに、荒川氾濫を想定した大規模水害への備えについてです。
この10月は、台風と豪雨に見舞われた月となりました。とりわけ、東京を直撃した台風19号は北区でも猛威を振るい、増水した荒川はカスリーン台風、狩野川台風に次いで戦後3番目に高い水位を記録、荒川氾濫の恐怖を肌で感じる一夜となりました。
不眠不休で災害対策にあたった区当局や職員のみなさんの労苦に、心からの感謝と敬意を表するとともに、いつ起きてもおかしくない大規模水害への対策をともに考える立場から質問いたします。
(1)台風19号への対応と今後に生かすべき教訓について
まず、今回の台風19号への対応と、今後に生かすべき教訓についてお尋ねします。
1つは、危険度の判断と避難行動の発令についてです。
区では、今回の台風による荒川氾濫、石神井川など中小河川の氾濫、土砂災害の危険を、それぞれどう判断していたのか、またその判断に基づく避難行動の発令は適切におこなえたと考えているか、お聞かせ下さい。
とりわけ、荒川氾濫の危険については、荒川流域の72時間総雨量が632mmという想定がありますが、今回の台風に照らして、氾濫が起きる起きないの判断をどう見極めるべきか、合理的な基準があればお示し下さい。
河川氾濫や土砂災害への警戒については、水防本部を立ち上げ、国土交通省関東地方整備局や気象庁予報部、および東京都建設局などが発表する予想降雨量、河川水位情報、東京湾潮位情報などを総合的に勘案し、災害が発生する恐れがあるかを判断しています。
台風19号における避難勧告の発令については、北区地域防災計画・風水害対策編で定めた設定水位に基づき、石神井川と土砂災害に関する勧告は、適切に行うことができたと考えています。
また、荒川が氾濫するかどうかの判断につきましては、さいたま市の治水橋と岩淵水門・上の水位観測所の水位危険度や、熊谷など上流部の降雨状況や水位危険度が大きな判断材料になりますが、事前の予測として、台風が関東地方に接近する際の最大風速や風速15メートル以上の風が吹く強風域の半径および予想降雨量も重要な判断材料だととらえています。
なお、台風が近づいたときに、荒川が氾濫するかどうかの合理的な基準については、気象庁や荒川下流河川事務所からの助言、他自治体の事例等を参考にさらに研究を深めてまいります。
2つは、災害情報の発信と共有についてです。
台風の後、多くの人から「防災無線は聞こえなかった」、「北区のホームページはアクセスが集中して見られなかった」、「パソコンもスマホも持っていないので、状況がわからなかった」などの声を聞きました。
普段は聞こえる防災無線も、暴風雨の中では音が届かないことがわかりました。防災無線だけに依存することのない情報発信・共有のしくみづくりについて、区の考えをお示し下さい。
ホームページには、アクセスが集中してもダウンしない災害時用特設ページを設置し、テレビの地上デジタルdボタンで地域の災害情報が取得できることも、積極的に周知すべきではないでしょうか。
防災行政無線は、災害発生の恐れがある場合の災害情報や避難情報はもとより、災害が発生した以降の、避難所の開設状況や罹災証明書の発行案内などについても、区内全域へ情報発信ができる有効な手段ですが、ご指摘のように、風水害時には聞き取りにくいという課題があります。
このため、補完手段である自動電話応答サービスや、代替手段としての防災気象情報メールにより防災行政無線を補っています。
今後も、まずは北区ニュースなどを活用し、平常時から防災・減災情報の提供に努め、その上で北区ホームページを災害時臨時サイトに切り替えることを検討してまいります。
あわせて、テレビのdボタンを含む、多様な媒体を活用した情報収集方法についても、周知に努めてまいります。
3つは、自主避難施設の開設と運営についてです。
今回の台風は、自主避難施設が本格的に活用された初めてのケースでした。当初の12ヵ所に8ヵ所を追加し、計20ヵ所の開設となりましたが、場所によっては多数の避難者がつめかけ、対応に追われた施設もあったと聞いています。また、自主避難施設を災害時の避難所と混同していた方も多かったようです。
そこで、あらためて自主避難施設と避難所の違いについて、区民への周知徹底を図る必要があると考えますが、いかがですか。
自主避難施設では、原則として備蓄を使わないことになっていますが、今回のように避難者が多い施設では、備蓄の柔軟な対応ができるよう改善すべきではないでしょうか。
また、開設・運営を担う参集職員の配置について、課題などあればお示し下さい。
ご指摘のように、自主避難施設と災害により被災者の一時的な生活の拠点となる避難所との違いについては、十分にお伝えできていませんでしたので、例えば、北区ニュース特集号のような機会をつくり、丁寧にご説明してまいりたいと存じます。
備蓄物資については、実際に災害が発生した以降、被災者へ提供するものですので、自主的な避難の場合には、原則、ご自宅から持参して頂くよう、あらためて区民の皆さまへご理解・ご協力をお願いしたいと考えています。
なお、参集職員の配置については、交通機関の計画運休が想定された場合、区内在住職員に頼らざるを得ないことと、職員の健康管理を考えた交代要員の確保が課題になると認識しています。
4つは、防災学習・防災教育の必要性についてです。
区が正確な情報を適切に発信したとしても、情報を受け取る区民の側が、その情報の意味を理解できなければ、命を守る行動にはつながりません。今回の台風で、あらためて防災学習・防災教育の必要性が浮き彫りになったと考えます。
そこで、あらゆる機会を通じての防災学習、防災教育に努めるとともに、町会・自治会や小グループなどで気軽に学習ができるよう区として教材を作成し、普及してはどうでしょうか。
また、各種の避難所開設訓練は、災害時への対応を体で学ぶことのできる貴重な機会です。すべての避難所、福祉避難所で早期の訓練実施を促していただきたい。
今回の台風19号を振り返りますと、気象や避難に関する情報の収集方法や、収集した情報の活用方法、さらには災害が発生した場合の被害想定などについて、区民の皆さまと十分な情報共有を図ることができなかったと、とらえています。
このため、先の第3回定例会の補正予算で議決を頂きました「マイ・タイムライン作成リーダー育成事業」を活用し、北区独自の方法で、区民の皆さまへの防災学習の機会を提供してまいります。
また、避難所や福祉避難所の開設訓練については、全避難所での実施を早期に実現できるよう、自主防災組織や事業者の皆さまへ積極的に働きかけてまいります。
5つに、新庁舎の水害対応についてです。
今後、低地に建設されることになる新庁舎での荒川氾濫に対する対策を、専門家の意見も聞きながら、あらためて検討することを求めます。
区では、平成30年度から進めている新庁舎建設基本計画の策定にあたり、専門家会議を設置しています。
会議の構成員には都市防災の専門家も委嘱しており、より専門的な立場からのご意見を伺いながら、大規模水害を見すえた新庁舎建設に向けて検討を進めてまいります。
(2)実態に見合った避難行動計画の策定を
第2に、実態に見合った避難行動計画の策定について伺います。
実際に荒川が氾濫すれば、北区では半分の面積が水没し20万人にのぼる避難者が、さらに、東京都東部の江東5区では、最大約250万人の避難者が想定され、広域連携避難の対策も必要です。
北区では現在、「大規模水害を想定した避難行動の基本方針策定に係る検討会」が設置され、計画策定にむけた議論が進んでいることを前提に、お尋ねします。
1つは、検討会は非公開と聞いていますが、台風19号を体験した区民の生の声や意見を議論に取り入れて、より現実に即した計画にする必要があります。区民意見の反映について、区の考えをお聞かせ下さい。
2つは、避難所については、知恵をしぼって絶対数を増やすこと、国際的なスフィア基準の遵守、女性などへのプライバシーの配慮、通常の避難所にも段ボールベッドや間仕切りを一定数確保することなど、安心して過ごせる環境について具体化を図ることです。
3つは、とりあえず命を守るための垂直避難について、区の考えをお示し下さい。
現在検討している大規模水害を想定した避難行動の基本方針は、学識経験者、国・東京都および北区の職員のほか、地域委員として、浸水エリア内および高台の町会・自治会の代表、保育園長、PTA連合会の会長、高齢者あんしんセンターおよび消防団の方など、様々な方からご意見を頂き取りまとめます。
また、策定した基本方針は、区民の皆様を対象にご説明する機会を設けるとともに、具体的に避難行動計画を策定する際にも、区民のみなさまのご意見を把握し、現実に即した計画となるよう努めてまいります。
避難所の環境整備については、区としても重要課題であると認識しており、これまでも順次、改善に努めてまいりました。
ご要望がありました段ボールベッドにつきましては、本年3月に、段ボールを製造・加工している区内事業者と協定を締結し、発災後、早い段階から避難所等へ配備できるようにしました。
また、避難所の増設、避難者一人あたりの面積の拡大につきましては、物理的に難しい点がありますが、他の自治体の知恵や工夫を参考に、さらなる研究・検討を行ってまいります。
次に、命を守るための垂直避難についてです。
荒川が氾濫した場合の被害想定は、洪水ハザードマップでご案内していますが、氾濫した水の深さは、最大で10メートルに達するほか、水の勢いから家屋の倒壊が想定される家屋倒壊等氾濫想定区域が広く分布しています。
さらに、北区内の広い範囲で、水の深さが50センチメートルまで下がるには、最低でも2週間に及ぶと予想されています。
このようなことから、区民の皆さまには、ご自身・ご家族の命を守るには、原則、高台へ避難して頂くようお願いしています。
ただし、何かしらのご事情で、避難するいとまがない場合には、最寄の高い建物へ垂直避難し、命を守っていただきたいと考えています。
(3)河川の整備・改修費の抜本的増額を国に求めること
第3に、河川の整備・改修費の抜本的増額を国に求めることについてです。
今回の台風19号は、全国各地で堤防の決壊、河川の氾濫を引き起こしました。これまで国は、大洪水などに対応する河川整備計画において、ダム建設に重点的な予算配分をおこなってきましたが、今回の災害を通じて、堤防強化などの予算を増やす必要性が明らかになりました。
そこで、国に対し、堤防を強化するための河川整備・改修費の抜本的増額と、荒川をはじめ区内の堤防の総点検、整備の強化を求めて下さい。
また、越水の危険が懸念される京浜東北線荒川橋梁堤防について、JRがおこなっている盛土工事の進捗状況をお示し下さい。そして、一刻も早く越水の危険がなくなるよう、JRに対策を急ぐよう求めていただきたいと考えますが、いかがですか。お答え下さい。
台風19号を受け、荒川下流部における安全で豊かな潤いある地域の実現のため、荒川沿線の足立・墨田・江東・北・板橋・葛飾・江戸川の7区で、財務大臣と国土交通大臣あてに荒川中流部の調節池群の整備推進、荒川下流部における治水対策として橋梁対策、高規格堤防整備、高潮対策などの推進、さらには安全を持続的に確保するための維持管理に必要な予算の確保を要望したところです。
また、JR東北本線荒川橋梁周辺のかさ上げ工事は、令和3年3月ごろの完成を目指して、鋭意施行中であると聞いております。
区といたしましても、国土交通省やJR東日本に対し、早期の完成を求めてまいります。
2、基本計画・経営改革プランの改定にあたって
大きな2つ目の質問は、年度内に予定されている基本計画・経営改革プランの改定についてです。
(1)職員・教員の働き方の改善を
第1に、職員・教員の働き方の改善についてお聞きします。
初めに、定数管理計画についてです。
北区では、第二次行革大綱を決めた1995年から2014年までの20年間に、定数管理計画で1000名を超える職員を削減し、その分を非常勤・臨時職員や外部委託に置き換えてきました。2015年からの5年間も、71人を削減する計画でしたが、実際には待機児解消などによる需要で、計画からみれば160人も職員を増やすこととなりました。
来年度から、会計年度任用制度の導入となり、期末手当や給与上乗せ分で4億円の経費がかかりますが、逆にいえばこれまで職員を非正規扱いにすることで、これだけの人件費を抑えてきたことに他なりません。
経費削減を目的とした、これ以上の職員削減は現実的ではありません。災害に対応するための職員の増員も喫緊の課題です。
そこで、新たな定数管理計画は、職員削減ではなく増員に切り替えることを求めます。
職員定数管理計画は、北区基本計画に掲げた重点的な施策を推進できる人員体制を整備するとともに、北区経営改革プランで示された将来世代に負担を残さない行財政運営の実現を着実に推進することを目的としています。
具体的な職員定数については、今後の業務量の増減を基に、仕事の進め方の見直しや業務委託などによる対応も含め、検討してまいります。
将来にわたって健全で安定的な行財政運営を行っていくためには、総人件費の抑制や職員数の適正化は、欠かせないものと考えています。
次に、委託事業者や指定管理者で働く職員の賃金・報酬引き上げについてです。
予算要望に関する懇談の中で、区から障がい者就労支援事業の委託を受けている民間事業所から、委託費増額の切実な要望が出されました。常勤、非常勤あわせて5人、6人で運営しながら、委託費はそれぞれ1800万円ずつと、他自治体の同事業との比較でも、きわめて低い水準にあります。
また、指定管理者についても、賃金水準は低く抑えられた指定管理料の範囲内で、事業者の裁量に任されているのが実態です。たとえば保育園では、私立の保育士の平均給与は公立の半分くらいだという調査もあり、歴然とした公私格差があります。
23区でも広がり始めた公契約条例の創設を、北区でも真剣に検討する時期が来ているのではないでしょうか。
そこで、低すぎる委託料については増額を検討するとともに、委託事業者や指定管理者で働く職員の給与の底上げを図ることを求めます。
委託料については、例年の予算編成において、法改正や社会状況の変化等の要因を勘案し、必要な委託料を計上しています。
引き続き、委託業務の内容を確認し、適正な委託料を計上してまいります。
また、民間委託や指定管理者制度導入施設などの外部委託業務に従事する職員の給与などの労働条件については、雇用者と労働者の関係において取り決められているものと考えております。
今後とも、外部委託業務に従事する労働者の待遇改善については、事業者に対して労働関係法令に基づき、適切に行うよう周知・徹底に努めてまいります。
次に、学校における働き方改革についてです。
北区でも、教員の異常な長時間労働を是正するとりくみがスタートしています。厚労省が昨年10月におこなった教職員アンケートで、過重労働防止に必要な取り組みとして最も切望されているのは、「教員の増員」(78.5%)です。働き方改革の成否は、教員の増員によるマンパワーの確保次第といっても過言ではありません。
ところが政府は、教員を抜本的に増やすことに背を向けるばかりか、教育現場に、「1年単位の変形労働時間制」を導入しようとしています。繁忙期に1日8時間を超えて働き、夏休みなどに休みをとるなどして、週40時間に収めるとするものですが、現場の実態を無視した制度であり、教員にさらに過酷な労働を強いることになります。
そこで、国に対し、教員の抜本的な定員増と「1年単位の変形労働時間制」導入の中止を強く求めていただきたい。
以上、お答え下さい。
北区では、本年3月に策定した「北区立学校における働き方改革推進プラン」の具体的な取り組みの中で、「教員人事制度の改善に向けた国及び東京都への働き掛け」を掲げています。
教員の人事および勤労条件等に関することについては、その主要な部分は法令等により定められており、基本的には国および東京都が責任を持って対応すべきものと考えます。
これまでも、特別区長会、全国市長会、特別区教育長会、全国都市教育長協議会等を通じて、教員の人事および勤務条件等の改善について要請してきており、今後も国および東京都に働きかけてまいります。
なお、変形労働時間制の導入については、現在、国会において関連法案の審議がなされておりますので、その動向を注視するとともに、教員の働き方改革推進の取り組み全体の中で、その対応について検討してまいります。
(2)人口増加に見合う施設の拡充を
第2に、今後の人口増加に見合う施設の拡充についてです。
1つは、保育園、学童クラブ、学校施設についてです。
この間、区のさまざまな努力はあるもの、保育園や学童クラブの待機児童は増え続けています。先の定例会では、学童クラブに入れない子どもの対応改善を求める切実な陳情も出されました。
また、学校施設については、最新の北区人口推計で、小学生がピークを迎えるのが11年後の2030年、中学生のピークは16年後の2035年となっており、教室の増設も視野に入れて対策が講じられていると承知しています。
引き続き、必要な保育園、学童クラブの定員を確保し、待機児解消に全力をあげるとともに、児童・生徒数の動向を注視し、教室不足を招くことのないよう学校の整備・拡充を基本計画に位置づけること。
その上で、学童クラブについては、定員40名を超えるクラブの解消と、今後のニーズ増加に対応する抜本的対策を検討することを求めるものです。
喫緊の課題である保育園・学童クラブの待機児童の解消については、区全体の年少人口や利用者ニーズとともに地域や学校ごとの動向も見すえ、引き続き、取り組みを進めてまいります。
次に、学校施設についてです。
学校施設については、施設を取り巻く社会環境の変化とともに、児童・生徒の増減に過不足なく対応できる可変性の高い施設整備を実施していくため、本年6月に「北区立小・中学校整備方針」を改定しました。
また、現在策定中の「北区立小・中学校長寿命化計画」では、長寿命化の視点に立った新たな改築計画のない既存校における施設整備についても、一定の考え方を整理し、これらを新たな基本計画に反映してまいります。
なお、人口増加に応じた学校施設の整備については、引き続き関係部課で構成する会議体において、東京都教育人口等推計や住民基本台帳データなどを分析した上で、普通教室の確保と安全で安心な放課後の居場所づくりの双方が両立できるよう、諸室の共用や増築・改修など、各学校の実情に応じた対応策を講じてまいります。
年少人口の増加などにより、学童クラブの利用者の増加が見込まれる中、待機児童解消に向けては学校内の諸室や周辺の遊休施設等を活用することを含め、様々な手法を工夫しながら対策を進めています。
学童クラブについては、施設の状況に応じて、定員を設定しており、40名を超える学童クラブもあります。
定員の多い学童クラブでは、必要に応じて職員の体制を充実させるとともに、学校の校庭や体育館などの利用について調整し、遊びと生活の場を広げるなど、児童が安心して過ごせる生活の場となるようさまざまな取り組みを行っております。
これまでの学童クラブにおける実績もふまえながら、今後も、児童の育成支援の充実に向けて、運営方法などについて工夫してまいります。
2つに、児童館再編計画の見直しについてです。
区は、25館の児童館を子ども・ティーンズセンターに移行するとともに、15~17センターまで削減する計画を推し進め、現在すでに、14児童館と6センターの20施設まで減らしています。児童館が廃止された施設ではどこでも、利用者から「なくさないでほしい」という悲痛な訴えが寄せられています。
子ども人口は現在、計画を策定した時の想定を超えて増え続けており、乳幼児親子の居場所も拡充こそ必要です。
そこで、児童館のあり方についてあらためて検証し、年少人口が増えていく間は、いま以上の施設を削減しないよう方針を見直すべきと考えますが、いかがですか。
これまで、「今後の児童館のあり方に関する基本方針」および「子どもセンター及びティーンズセンター配置方針」に基づき、児童館を、乳幼児親子が一日安心して過ごせる居場所として「子どもセンター」へと、また、中高生世代の居場所機能を一層充実させるために、「ティーンズセンター」へと、順次移行してまいりました。
あわせて、「放課後子ども総合プラン」を計画的に推進し、小学生の居場所が確保されるなどの周辺環境が整った児童館から順次、移行および統合を進め、小学生の安全・安心な居場所・活動場所の充実を図ってまいりました。
引き続き、基本方針等をふまえ、子どもセンター・ティーンズセンターへの移行および施設の配置を進めてまいります。
なお、施設の配置にあたっては、「子どもセンター・ティーンズセンター配置方針」における、年少人口の動向などの、配置にあたって留意すべき点などをふまえ進めてまいります。
3つに、公共施設再配置方針の施設削減目標の見直しについてです。
計画策定から20年間で15%の施設を削減するとした再配置方針について、わが会派は、区民サービスの切り捨てにつながると批判してきました。昨年度の区民事務所7分室の全廃は、まさにその指摘通りとなりました。また、待機児解消のための保育所増設や、学校改築による規模の増大など、施設は減るどころか、面積が増えているのが実態です。
さらに区は、学校や区民施設の長寿命化方針を打ち出しており、20年間で15%削減という数字を導き出した計算式そのものの再検討が必要です。
そこで、人口増や長寿命化方針によって前提条件が崩れている公共施設再配置方針については、実態に即した目標に見直すよう求めますが、いかがですか。お答え下さい。
人口動向の変化や学校施設を含めた公共施設の長寿命化など、様々な環境の変化を踏まえ、公共施設総合管理計画等の見直しについて、今後、検討してまいります。
見直しを検討する際には、削減目標を含めて課題の整理や検証を行ない、あらためて、中長期的な視点で、総合的・計画的に公共施設のマネジメントを推進してまいります。
(3)外部化方針の見直しと職員のスキルアップについて
第3に、外部化方針の見直しと、職員のスキルアップについてです。
区はこれまで、「サービスを向上させながら経費を削減する」として、指定管理者制度の導入をはじめとする「外部化」方針を推し進めてきました。その結果、民間事業者の賃金水準が引き下げられ、官製ワーキングプアを生むこととなりました。
民間に依存することで、逆にコストがかかっているのが、住基台帳など内部システムの管理・運営費です。マイナンバーの導入や消費税増税への対応など、システムの改修のたびに、巨額の経費がかかります。先だって企画総務委員会で管外視察をした愛知県豊田市では、内部システムをすべて自前で開発・管理しているため、システム改修費は一切かからないとのことでした。こうした努力は、職員のスキルアップを促し、職務を継承していく上でも重要だと考えます。
そこで、経営改革プランの改定にあたり、これまでの外部委託のあり方について再検討するとともに、区民への各種通知の発送や窓口業務など、職員のスキルアップで対応できるものについては、民間への委託を見直すことを求めます。
加えて、新たな経営改革プランで導入が検討されているAIについては、保育所の入所判定や介護認定など、人の将来を左右する分野には導入しないよう求めるものです。
限られた資源の中で、質・量ともに増大する行政需要に的確に対応するためには、官民の役割分担の見直しを行い、民間委託や指定管理者制度をはじめとした外部化の推進が不可欠であると考えております。
引き続き、民間活力の活用が期待できる分野につきましては、外部化を進めてまいります。
次に、保育所の入所定や看護認定などへのAIの導入についてです。
AIの導入については、区民サービスの向上を図るとともに、業務の効率化、業務の生産性の向上を図り、職員の働き方改革にもつながるものと考えております。
保育所の入所判定や介護認定などへのAIの活用につきましては、他自治体の先行事例などを参考に、導入を検討してまいります。
3、区民の命と暮らしを支える区政に
大きな3つ目の質問は、区民の命と暮らしを支える区政にするための提案です。
わが会派が、毎年の予算組み替え提案で提起してきたように、過去最高の約180億円に積み上がった財政調整基金の一部を活用すれば、区民の命と暮らしを支える、さらなる施策が実現できると考えます。
(1)消費税5%減税を国に求めよ
第1は、消費税5%減税を国に求めることについてです。
安倍自公政権は、5年前の8%増税に続き、この10月、国民多数の反対を押し切って、消費税10%増税を強行しました。一方、区は、消費税を「社会保障財源を調達する手段としてふさわしい税金」とのべ、暮らしと営業に計り知れない影響を与える消費税増税を容認してきました。しかし、増収分は大企業・富裕層減税の穴埋めに消えるだけで、社会保障の充実にはつながっていません。社会保障の財源は、負担能力のある大企業や富裕層にこそ求めるべきではありませんか。
また、複数税率の導入にともない、4年後にはインボイス制度が実施されます。今は売り上げが低く、免税されている中小業者が、自ら申告して課税業者になるか、事業を縮小・廃業するかの選択に直面することになります。
そこで、区長に、次のことを国にしっかりと求めていただきたい。
1つは、区民の暮らしと地域経済を守るために、消費税率を2回の引き上げ前の5%へ減税すること。
2つは、中小業者を取り引きからしめ出すインボイス制度の実施を中止することです。
お答え下さい。
国においては、「財政健全化」と「社会保障制度の持続性」を同時に達成するため、消費税率の引き上げが行われてきたものと認識しています。
また、消費税率引き上げによる増収分は、全て社会保障財源に充てることになっており、今回の10%への引き上げにあたっては、幼児教育・保育の無償化など、子育て世代のためにも充当され、「全世代型社会保障」への転換が図られています。
北区における消費税率引き上げによる増収分も、全額社会保障の財源として活用し、子育て施策のほか、高齢者や障がい者施策の充実など、様々な社会保障施策に積極的に活用してまいります。
こうした状況をふまえ、消費税率5%への引き下げを国に求めることは考えておりません。
次に、インボイス制度の実施の中止を国に求めることについてです。
国においては、インボイス制度は、複数税率制度の下で、適正な課税を行うために必要なものであるとしています。
一方で、インボイス制度の導入により、中小企業の事務負担が増えることや、免税事業者が取り引きから排除されることなどの懸念の声に対応するため、課税事業者への転換の要否を見極めながら対応を決めてもらえるよう、インボイス制度の導入までに4年間の準備期間を設けるとともに、そこからさらに6年間、免税事業者からの仕入れについて一定の仕入れ税額控除を認めることとしています。
こうした国の状況をふまえれば、インボイス制度の導入は、個々の事業者への影響が極力緩和されるものと認識しており、中止を求めていくことは考えておりませんが、区といたしましては、税務署や関係団体が実施する説明会の周知、広報に取り組んでまいりたいと考えています。
(2)高すぎる健康保険料の負担軽減を
第2に、高すぎる健康保険料の負担軽減についてです。
まず、国民健康保険料です。
国は、国保制度の都道府県化とともに、自治体による法定外繰り入れの解消を求めていますが、保険料を抑制してきた法定外繰り入れをなくせば、とめどもない保険料引き上げにつながります。
そこで、法定外繰り入れは、引き続き保険料抑制のために継続することを求めます。
加えて、交付金の額によって繰り入れの解消などを競わせる「保険者努力支援制度」は、自治体の自主性を損なうものであり、撤廃を国に求めていただきたい。
国民健康保険は、被保険者の年齢構成が高く、医療費水準が高い一方、所得水準が低いといった構造的な問題を抱えており、保険料の抑制や医療費をまかなうために、一般会計からの繰り入れを行っています。
しかし、一般会計からの繰り入れは、給付と負担の関係が不明確になるほか、加入者以外の区民にも負担を求めることになります。
そのため、保険料の抑制などを目的とした法定外繰り入れの削減・解消については、今後、めざすべき方向であると考えています。
次に、法定外繰り入れの解消などを競わせる「保険者努力支援制度」の撤廃を国に求めることについて、お答えいたします。
保険者努力支援制度は、保険者における医療費適正化や保険事業等に対する取り組みを評価し、基準を達成した保険者に対して補助金を交付する制度です。
来年度からは、適正かつ健全な事業運営の成果指標において、マイナス評価が導入されますが、予防や健康づくりについては配点割合を高め、成果指標の拡大も図られています。
これは、保険者努力支援制度のメリハリを強めることで、保険者機能の強化を図り、保険者独自の取り組みを、さらに促進するためのものと理解しています。
わが会派は、多子世帯への負担軽減策として、区として子どもの均等割減免を実施するよう繰り返し求めてきました。区は、「画一的な基準で一律に減免を行うことは適当でない」との厚生労働省見解があり難しいとしていますが、すべての子どもの均等割を無料とする岩手県宮古市など、独自減免を実施する自治体は全国に広がっています。その根拠となっているのは、「条例又は規約の定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免」することができるとする国民健康保険法第77条です。
そこで、北区でも国保法第77条の援用で、子どもの均等割の独自減免に踏み出すことを求めます。
国民健康保険法第77条では、特別の理由があるものに対し、保険料を減免することができると定めていますが、厚生労働省は、保険料の減免について、個々の世帯の事情等をふまえて判断するものであり、所得金額や子どもの人数などといった画一的な基準で減免することは適当ではない、との見解を示しています。
また、特別区では、統一保険料方式によって運用することを申し合わせているため、区独自の判断で減免することは考えておりません。
なお、子育て世帯の経済的負担を軽減するために、子どもにかかる均等割の軽減措置を、特別区長会を通じて、国へ求めています。
次に、後期高齢者医療保険料についてです。
この10月から、年金収入80万円以下の低所得者に対する特例措置が廃止となり、保険料が3倍に引き上げられました。さらに来年度は、一人あたりの平均額を、現在の9万円台から10万円以上に引き上げる算定案が、広域連合議会に示されています。これ以上の保険料引き上げは、もはや限界です。
あらゆる手立てを講じ、来年度の後期高齢者医療保険料の引き下げを図るよう、東京都広域連合に求めるべきと考えますが、いかがですか。お答え下さい。
現在、東京都後期高齢者医療広域連合では、2年に一度の改定に向けて、令和2年度および3年度の保険料率の検討が進められています。
高齢化の進展により、75歳以上の後期高齢者が増加する中、今後も医療費の伸びが見込まれており、加入者の保険料負担は増加せざるを得ない状況です。
しかし、政令通りに試算した場合には、保険料の急騰は避けられず、加入者の理解を得ることは難しいと考えており、区としましては、今回の改定においても、これまでと同様に、東京都広域連合による独自の特別対策を継続し、保険料の抑制を図ることを要望しています。
今後も、東京都広域連合での検討状況を注視しながら、特別区長会を通じて、保険料の抑制を要望してまいります。
(3)熱中症対策としてエアコン設置への助成を
第3に、熱中症対策としてのエアコン設置助成についてです。
昨年に続き、今年の夏も日本列島は酷暑に見舞われました。わが会派は2年連続で花川区長に熱中症対策の強化を申し入れましたが、中でもエアコン設置については命に関わる問題として重視してきました。
荒川区では昨年度から、65歳以上だけの世帯、障がい者・子育て世帯などでエアコンのない家庭に対し、所得制限なしで購入費を助成する緊急対策を実施、熱中症による死亡者をゼロに抑えています。
そこで、お聞きします。
北区内で、昨年と今年、熱中症で亡くなった方が何人いたのか、あらためてお聞きします。その上で、来年の夏に向けて、北区でもエアコン設置への助成を早期に開始するよう求めますが、いかがですか。
死亡原因に、熱中症の疑いがある方は、昨年は11人、今年は8月までで10人です。
区では毎年、高齢者あんしんセンターを中心に熱中症対策に取り組んでいます。
チラシやクールスカーフなどの配布をはじめ、ふれあい交流サロンや認知症カフェなどで熱中症についての啓発活動を強化しています。
特に高齢者は、エアコンが設置されているのに適切に使われていないケースも多いことから、戸別訪問により注意喚起やエアコンの調整などを行い、高齢者あんしんセンターによる熱中症対策の実施件数は約4500件になりました。
今年の熱中症対策について検証し、来年の夏に向けて関係機関との連携を強化するなど、引き続き熱中症対策の充実に努めてまいります。
(4)居住支援協議会を基盤に、要配慮者への住宅確保の促進を
第4に、居住支援協議会を基盤にした要配慮者への住宅確保の促進についてです。
今年3月に、北区でも居住支援協議会の活動が開始されました。先月には、「居住支援セミナー」も開催され、民間空き家を活用した登録住宅や、東京都が指定する居住支援法人の活動などについて詳しい紹介がありました。高齢であっても、障がいを持っていても、安心して住宅を借りられる仕組みの構築は急務です。
一方で、収入が少ないために家賃を支払うことができない「住宅貧困」の広がりに対しては、民間まかせではなく、自治体の手厚い支援や公営住宅の充実が欠かせません。若者、ひとり親家庭など、経済的にハンディを負う区民が、区内に住み続けられる住宅政策を、居住支援協議会を基盤として、さらに充実させていく必要があります。
そこで、お聞きします。
1つは、福祉部門とも連携し、登録住宅や居住支援法人の活用で、要配慮者への住宅確保を促進することです。
2つは、区が窓口となって高齢者などが入居可能な賃貸物件を紹介する、住宅あっせん事業の再構築を図ることです。
3つは、低所得者、若者、ひとり親家庭などの定住促進を図るため、住宅マスタープランの改定にあわせ、ニーズに応じた家賃補助制度を創設することです。
4つに、東京都に対し、都営住宅の新規建設と空き室の積極的な公募を求めることです。
以上、お答え下さい。
ご案内のように、北区居住支援協議会は、本年3月に設立し、会員の活動内容や区の支援策等についての情報共有、居住支援セミナーにおける、居住支援法人の活動事例の紹介など、住宅確保要配慮者に対する、課題の共有を進めてまいりました。
今後の展開にあたっては、引き続き、福祉部門との連携を図りながら、セーフティネット住宅の登録促進や居住支援法人の活用により要配慮者の住宅確保が進むよう、協議会において議論を深めてまいります。
次に、ご提案の住宅あっせん事業の再構築についてです。
現在区では、高齢者等が民間賃貸住宅に円滑に入居できるよう、不動産関係団体等と居住支援に関する連携協定の締結を視野に入れた協議を進めており、住宅の紹介を含め、相談体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
また、住宅確保要配慮者のニーズに応じた家賃補助制度の創設については、今後の居住支援協議会における検討の中で、民間賃貸住宅への円滑な入居の促進に有効な施策を議論してまいりたいと考えております。
次に、都営住宅の新規建設と空き室の積極的な公募を求めることについてです。
東京都では、新規の建設は行わず、引き続き、建て替えを着実に実施するとともに、既存ストックを有効に活用し、住宅セーフティネットの中核としての役割を果たすとしております。
また、高齢化などにより、住宅の返還戸数が増加し、「空き住戸」も増加していることから、空き住戸の募集方法の改善や住み替え等の相談に着手していると聞いておりますので、区といたしましては、今後の東京都の取り組みを注視してまいりたいと考えております。
4、赤羽駅周辺のまちづくりについて
大きな4つ目の質問は、赤羽駅周辺のまちづくりについてです。
現在、進行中の赤羽一丁目市街地再開発は、第一地区、第二地区と計画が進めば、周辺の景観や住環境、「せんべろ」と親しまれている飲食街、赤羽小学校の教育環境などに大きな影響が及びます。先の第3回定例会に続き、住民合意を大前提としたまちづくりの推進を求め、質問します。
(1)赤羽駅東口地区まちづくり全体協議会の活動について
第1は、赤羽駅東口地区まちづくり全体協議会の活動についてです。
協議会幹事会では、この間、まちづくりの議論を広げる一環として、各方面との意見交換をグループインタビューという形でとりくんできたと聞いています。
そこで、グループインタビューはどのように持たれ、何を議題にしてきたのか、またその中でどんな意見が交わされたのかについて、お答え下さい。
次に、まちづくり懇談会の開催を求めることについてです。
まちづくり全体協議会の会則には、まちづくりに関する事項について、広く住民等に情報を提供し、意見を求め、要望をまとめるなどの機会が必要と判断した時に、「まちづくり懇談会を開催することができる」との規定があります。直近では、2015年7月に、ゾーニング構想についての意見を聞くため、懇談会が開かれています。
いよいよ再開発が動き出しているこの機に、まちづくり懇談会を開催するよう、協議会に働きかけるべきと考えますが、いかがですか。
グループインタビューは、まちづくりの議論を深めるため、協議会を構成する自治会、商店街、学校PTAのすべての団体を対象に、10月中旬より実施しています。
これまでに3自治会、2商店街、小・中学校PTAへの取り組みを終えています。
インタビューでは、冒頭でこれまでの協議会活動や、最近の再開発事業の動きをご紹介した上で、まちの気になることや問題点をはじめ、再開発事業への要望や意見、赤羽小学校をはじめとする駅周辺の公共公益施設への評価など、今後のまちづくり全般についてお聞きし、活発なご意見を頂いています。
インタビューで得られた意見等の内容は、その団体の構成や所在地等によって、関心事や見解が異なるなど、特徴的な傾向も見えてきているところです。
区としましては、未実施の団体へのインタビューを今後も継続し、協議会への結果の報告を経たのちに、まちづくりニュースの発行等により、今回の取り組みの内容を広く周知できるよう、協議会に提案していきます。
また、「まちづくり懇談会」の開催については、協議会の中でもまちづくりの進展にあわせ、幅広く地域の声を聞く機会を設けることや、協議会活動の情報発信の充実を求めるなどの意見が出始めています。
区としましては、再開発事業の計画検討の進捗を見計らいながら、適切な時期に開催できるよう協議会に働きかけていきます。
(2)区として再開発事業への合意形成の努力を尽くすこと
第2に、区として再開発事業への合意形成に力を尽くすことです。
再開発のような大きなまちづくり事業は、都市計画決定され、いったん進み始めれば、街の姿を元に戻すことはできなくなります。それだけに、事業化前の合意形成の努力が不可欠です。
そこで、お聞きします。
1つに、第一地区、第二地区の進捗状況について、最新の情報をお示し下さい。また、第三地区の準備組合立ち上げの動きもあると耳にしていますが、区は情報を持ちでしょうか。
2つに、区として情報の提供と関係住民への周知、住民合意の形成に向けた協議の場づくりを進めることを求めます。
3つに、住民合意形成に向けた、まちづくり推進課と産業振興課、教育委員会など関係部局の連携について、現状をお示し下さい。
「第一地区」については、新年度早々の都市計画決定をめざし、区は東京都と計画内容の協議調整をおこないながら、地区内権利者への予告等を開始しています。
合わせて、今後の円滑な事業実施に向け、準備組合には、未同意者を中心とした合意形成のための一層の取り組みを求めています。
「第二地区」については、合意形成は進んできたものの、法定要件である3分の2以上の権利者の合意には、未だ達していない状況のため、引き続き合意形成への取り組みを求めています。
また、OK横丁を中心とした第二地区の西側にあたる街区では、法定要件の3分の2以上の権利者による準備組合加入届の提出を持って、このほど「第三地区準備組合」を設立したとの報告を、準備組合を支援する事務局のコンサルタントから受けたところです。
区としましては、先行する2地区と比較すると、権利者による計画検討の期間が短く、事業への理解度等が未知数なことや事業協力者、設計業者も決定していないなど、具体的な事業プランがないことから、まずは十分な時間をかけた具体的な計画の検討と、その上での権利者の合意形成を求めたところです。
赤羽のまちづくりにおける住民参画の基盤は、赤羽駅東口地区まちづくり全体協議会がふさわしいと考えており、区としましては今後も、協議会の自主性を尊重しつつ、住民の幅広い参画を基調とした活動により、合意形成が図れるよう支援していきます。
次に、まちづくり推進課と産業振興課、教育委員会など関係部局との連携の現状についてです。
区では、今回の市街地再開発事業の動きを契機に、まちづくりの推進と計画地に隣接する赤羽小学校の教育環境の充実等の方策を検討するため、庁内関係部局によるプロジェクトチームを設置し、情報共有をはじめ、必要な検討を行うための体制を整備し、連携を図っているところです。
5、ジェンダー平等社会の実現をめざして
最後の質問は、ジェンダー平等社会の実現についてです。
ジェンダーギャップ指数が世界144ヵ国中、110位と遅れている日本でも、性被害の体験を共感・激励をもって交流し合うフラワーデモが全国に広がるなど、新しい動きが生まれ始めています。
ジェンダー平等社会を実現することは、国連の持続可能な開発目標、SDGsでも17項目中5番目にあげられており、北区でもいっそうの努力が求められています。
(1)選択的夫婦別姓の実現を国に求めること
そこで、第1に、選択的夫婦別姓の実現についてお尋ねします。
日本では長らく、結婚したら夫婦どちらかの姓を名乗ることが当たり前とされてきました。しかし、多くの場合、姓を変えることを強いられてきたのは女性です。日本も批准している女性差別撤廃条約は、同姓を強いることによる女性差別の撤廃を謳っていますが、夫婦別姓が法律で認められていない国は、世界の中ですでに日本だけになっています。
仕事などで旧姓を通称使用していても、免許証などの公的書類には戸籍名を使わなくてはなりません。入籍をしない事実婚では、配偶者控除を受けられないなど、経済的な不利益が生じます。
この間、法改正により、住民票・マイナンバーカードへの旧姓併記や、旧姓での印鑑登録は可能となりましたが、問題の根本解決のためには、選択的夫婦別姓を可能とする民法改正をおこなうしかありません。
そこで、提案いたします。
1つは、区が発行する国民健康保険証に、旧姓での氏名表記や旧姓の併記を可能とすることです。
2つは、選択的夫婦別姓を可能とする民法改正を国に求めることです。
区長の考えをお聞かせ下さい。
国民健康保険証の氏名表記につきましては、保険証が様々な場面で、本人確認書類として利用されていることをふまえ、戸籍上の氏名を確認できるようにすることが適当であるとされています。
そのため、旧氏のみを表記することは適切とは考えておりませんが、住民票やマイナンバーカードの旧氏併記が可能となったことなどをふまえ、保険証への旧氏併記について、今後、検討していく必要があると考えています。
次に、選択的夫婦別姓を可能とする民法改正を国に求めることについてです。
国が本年6月に決定した「女性活躍のための重点方針2019」において、女性活躍の視点に立った制度等の整備として、選択的夫婦別姓の導入に関し、国会における議論の動向を注視しながら、引き続き検討を行う、と示しています。
区といたしましては、国等における検討の状況を注視してまいります。
(2)学校におけるジェンダー平等の推進について
第2に、学校におけるジェンダー平等の推進についてです。
「性はグラデーション」といわれるように、性差・性別は、「男女」に二分されるものではありません。LGBT/SOGIの権利保障の視点からも、教育の現場でいまなお残されている男女別名簿や制服の使用は解消されることが望ましいと考えます。
そこで、北区の小中学校における、男女混合名簿の使用状況をお示し下さい。また今後の混合名簿の促進について、教育委員会の考えをお聞かせ下さい。
服装については、男女別の制服によらずスカートやスラックスなどが自由に選択できるよう、改善を求めるものです。
以上で私の質問を終わります。ご静聴、ありがとうございました。
男女混合名簿については、本区では、小学校全校で活用しておりますが、中学校については、保健体育課など男女別に授業を行うことが多い教科の特性をふまえ、男女別の名簿を活用しています。
教育委員会としましては、人権教育研修等において、男女混合名簿の活用について引き続き推奨し、適正な男女平等教育を進めるように努めてまいります。
また、学校の標準服の選択については、児童・生徒一人ひとりの人権を尊重しつつ、心身の発達等をふまえ、適切に対応していきます。