2020年第4回定例会個人質問―山崎たい子
2020年11月25日 | 山崎たい子
私は大きく4点、区長、教育長に質問します。
1、火災罹災者の生活再建について
1つ目は、火災罹災者の生活再建についてです。
10月15日の夜、豊島町のアパートで火災がありました。付近は、豊島中央通り商店街や住宅地で、深夜過ぎに鎮火した時には心底ホッとしました。懸命な消火活動にあたって頂いた消防署、消防団の皆様に、心より感謝申し上げます。
後の新聞報道では、コロナで絶望したアパート住民による自殺未遂の放火との記事。いたたまれない思いです。この火災でアパートを焼け出された住民の何人かは、豊島4丁目町会事務所へ数日間、身を寄せることになりました。町会長をはじめ婦人部の皆様のご協力にも、感謝申し上げます。
私も翌朝、被災した方々のお見舞いに伺いました。20代から30代の若い世代の方々ばかり、自分の身に起きた突然の出来事に憔悴の様子、今後どうしたら良いのか、何とか考えなければと困惑の状況でした。
その時お一人から声がかかりました。「ひとついいですか。職員の方が紙をおいていきましたが、どこに行けばいいのか正直わからないです」と。その紙は、A3二枚の書面です。「罹災による住宅困窮者への援護策」との題名で、生活福祉課相談係の電話番号や、罹災者向け都営住宅の供給公社センターの連絡先と入居要件、その他、区役所の各種相談窓口が書かれていました。
確かに、罹災した直後の方にとっては、書面の行政用語や内容を理解し、要領よく事をすすめることは、とても難しいことだと感じます。また、様子を聞くと、着の身着のまま、携帯電話も財布も何も持ち出せず、お金もない。自分で連絡をとり、役所へ移動することすら難しい方もいらっしゃいました。町会事務所から、次に移る住まいのあてもない方もおり、私はその場で生活福祉課へ連絡をとらせて頂きました。
その後、福祉事務所、防災課、東京都など関係部署に丁寧に相談にのって頂く中で、罹災者の方から寄せられた声、私自身が感じた生活再建にむけた支援について、以下、3点質問します。
(1)緊急のすまいと生活資金について
ひとつめは、緊急のすまいと生活資金を用意することです。
現状で、緊急一時保護施設は、様々な事情からクローズな対応となり、誰もが受け入れられるという状況ではありません。都営住宅についても、近傍同種家賃3ヵ月分を全額前払いが条件、1ヵ月5万円程度としても、約15万円を用意しなければならず、低所得の方には非常にハードルが高いものです。
一方、住まいを失った生活困窮者に対して、東京チャレンジネットにより、3ヵ月間無料でアパートやビジネスホテルを活用することができます。そこで、こうした制度を北区としても取り入れ、次の住まいをみつけるまで、緊急に身をよせることが可能な無料の個室を提供するよう求めます。また、何をおいてもお金が必要です。交通費や衣服、生活必需品などを準備するための一定の現金をわたせる。条件によっては給付とする等、何らかの緊急生活資金を検討するよう求めます。
区民の方が火災等の災害に遭われた際には、原則として、自助・共助により当面の生活を送って頂くこととなります。
したがって、火災で罹災され住居を失った方については、親戚・知人宅を頼っていただくか、ご自身で宿泊場所を確保頂くようご案内しておりますが、難しい場合には、町会・自治会館や防災センターを活用し対応しております。
しかし、今回の火災では、罹災者が多く、また、町会会館から次に移る住まいの目途が立たない方もいらっしゃったことから、受け入れ先となった地元町会には大きな負担が生じてしまったと認識しております。
つきましては、今後、今回のようなケースにおいては、罹災者が一時的に生活できる場所を区が提供することについて、他自治体の事例を参考に検討を進めてまいります。
住居の対応につきましては、福祉事務所や社会福祉協議会等において相談をお受けし、個々の状況に応じて緊急一時宿所等を案内しております。
また、区の小災害罹災者見舞金については、今後、支給までの期間が短縮できるよう努めてまいります。
(2)パーソナル支援の実施を
2つめに、罹災証明書の発行、緊急のすまいや生活支援の相談を、罹災者によりそい対応するパーソナル支援の実施を求めます。
(3)わかりやすいパンフレットの作成を
3つめに、生活再建にむけた相談、手続き、制度紹介について、わかりやすく伝えるパンフレットをつくること。
以上、今なお生活再建の途上にある火災罹災者を励ます区長の答弁を求めます。
次に、罹災者に対する支援の案内等についてです。
区では、これまで火災発生時に個々の罹災者の方々に対し、議員にご紹介いただきました書面をもって各種相談窓口等の説明を行ってまいりました。
しかし、今回の火災では、現場で直接区職員とお話しできなかった罹災者もいらしたこと等から、十分にご理解を頂くことが難しかったものと理解しております。
つきましては、今回の事案を踏まえ、より分かりやすい形でご案内できるよう、今後、パンフレットの作成を含め、案内書類の見直しに取り組むこととします。
また、生活困窮に関する相談については、東京都等が実施している支援策なども含め罹災者個々の経済状況等と照らし合わせて丁寧に案内を行っているところです。
あわせて、公的な支援の対象とならない罹災者の方に対しても有益なアドバイスができるよう、庁内で連携しながら対応するなど、引き続き個々の罹災者に寄りそった形での対応を心がけてまいります。
2、リプロダクティブヘルツ&ライツ(性と生殖に関わる健康と権利)の保障を
2つ目の質問は、リプロダクティブヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の保障です。
(1)コロナ禍での母子保健事業について
1点目に、妊娠・出産にかかわる母子保健事業について伺います。
私は先日、二人目の子どもを出産したばかりの女性とお話しました。「妊娠中ずっとコロナ感染を心配し、職場からも在宅ワークを要請され、自宅にこもりがち。北区や病院での両親学級も中止になり、自分は一度経験があったので何とかなるかなと思ったが、初産なら不安だったのではないか」と話されました。
また、「病院での出産は、陣痛時もマスクをしたまま。家族の面会も立ち合いもできず残念だったけれど、無事に子どもが生まれた時は、夫や上の子どもに、赤ちゃんと自分の元気な姿を動画配信。喜んでいる家族の顔もモニター画面で見た時は、喜びで涙があふれた」と語ってくれました。そこでお伺いいたします。
コロナ禍の下、北区の母子手帳交付や、はぴママたまご面接の相談実績をお聞かせください。また中止になっている両親学級などについて、感染予防に配慮し、少人数での実施、オンライン・動画の活用など工夫して再開してほしいがいかがでしょうか。
区における今年10月末現在の主な事業の実績および実施状況ですが、母子手帳交付数は1742件、はぴママたまご面接は1803件となっています。
中止している両親学級および産前産後セルフケア講座につきましては、代替の対応として動画を配信し、自宅などでも受講できるようにしています。
はぴママ学級につきましては、定員をこれまでの半分として、実施回数を2倍とし、8月から再開しております。
今後も事業の実施にあたっては、新型コロナウイルスの感染防止対策を講じつつ、工夫しながら、区民の皆さまが安心して参加できる環境を確保してまいります。
(2)産後うつ予防、産後ケア事業の拡充を
2点目に、産後うつや産後ケアについてうかがいます。
先に紹介した女性は、産後もうすぐ1ヵ月。夫が協力してくれて本当に助かっているが、1週間位前は、とにかくぽろぽろ涙が出たり、イライラして上の子に強い口調になったり、夜になるのが怖かったとも話され、私自身も同様の経験を思い出しとても共感しました。そこで、産後うつの早期発見も含め、新生児訪問や乳幼児健診、ハイリスク妊産婦への対応が求められていますが、コロナ禍での北区の取り組みについてお聞かせください。
また、今年度から産後デイケア事業は、2つのNPO法人に委託し、利用料も軽減し拡充していますが予約が先までいっぱいとうかがっています。そこで、産後デイケア事業の受け入れ体制の拡充と、今後、高台地域での増設を進めること。あわせて、助産師などによる自宅訪問型や助産院でのデイケア事業の補助、産後4ヵ月以降の育児サロンの実施など、事業の選択肢も増やし、拡充するよう求めます。
コロナ禍では、妊産婦が様々な不安を抱き、産後うつへのリスクが高まると認識しています。
不要不急の外出や他者との接触を控える傾向が見受けられることから、区では新生児訪問事業において、電話で心身の変化や育児の悩みをお聞きし、適切な助言を行うとともに、必要に応じて、専門機関をご紹介するなどしています。
4ヵ月児の乳幼児健診については、お住まいの地域の医療機関でも受診できる体制を整え、受診しやすい環境づくりに努めています。
また、ハイリスク妊婦には、健康支援センターの保健師や助産師が、定期的に電話や訪問を行うなど、妊産婦に寄りそいながら、丁寧に対応しています。
ご提案の産後デイケア事業の拡大につきましては、近隣区の取り組みも参考にしつつ、利用者および事業者からのご意見もお聞きしながら、検討してまいります。
(3)父親の理解や育児休暇取得の推進を
3点目に、産後うつの予防については、父親の理解や支え、育休取得で共に育児を担うなどは重要です。区の積極的な取り組みを求めます。
健康支援センターで実施している様々な母子保健事業の機会をとらえ、父親に対して保健師や助産師から助言をしたり、啓発資料の配付や動画をご紹介するなど啓発に努めてまいります。
また、「みんなで育児応援プロジェクト」などの男性の育児参加への啓発講座や、情報誌等による育児休業取得の促進に向けた情報提供も含め、関係部局が連携して推進してまいります。
(4)不妊治療について
4点目に、不妊治療についてうかがいます。
日本共産党は国に対し、不妊治療に対する助成額の増額、所得制限の緩和、健康保険の適用拡大、専門相談やカウンセリング体制の強化、治療と仕事の両立支援を求めてきました。今般、菅内閣が治療費助成の拡充や、保険適用の拡大に動き出したことは、当事者からも歓迎の声があがっています。
一方、不妊・不育で悩む人をサポートするNPO法人FINEが、5140人を対象に実施したアンケートでは、不妊治療を進める際の病院選びに課題が大きいことが浮き彫りになっています。現状では、治療内容は病院によって違い、その情報がほとんど公開されていません。アンケートでも、治療があわないなど転院した経験のある人は53%、転院検討中を含めると65%にものぼります。更に、転院しなかった場合の治療費は50万円以下がもっとも多いが、転院した人の場合は6割が100万円以上の治療費となり、病院選びによっては経済的負担もより大きくなることが示されました。
当事者が安心して病院を選べるため、情報収集を十分に保障していく必要があると考えます。そこで質問します。不妊治療を行う病院による情報開示、その際のルールやガイドラインを作成するよう国に求めてください。
(5)安全な中絶について
5点目は、安全な中絶についてです。
先の第3回定例会において、会派のせいの恵子議員より、安全な避妊や、産む・産まないは自分で決められる権利擁護の立場から、性交後に妊娠の成立をふせぐアフターピル・緊急避妊薬のアクセス改善を求めました。私は、妊娠が成立した後の安全な中絶について質問します。
現在日本では年間16万件、1日に換算すると440人の割合で中絶があります。その方法は掻爬手術が主流であり、諸外国では半世紀前からやっていない方法です。世界では、薬の服薬による中絶が当たり前、WHOも中絶薬は、「最も費用対効果が高く、安全で効果的」と認めています。
更に日本では、中絶を原則「罪」とする刑法堕胎罪が未だに残っています。掻爬手術とあわせて、女性に対し、中絶に対する罪悪感やディスエンパワーメントの影響を及ぼすものです。国連女性差別撤廃委員会は、2009年、2016年の2度にわたり、政府に対し削除するよう勧告しています。そこで質問します。
国に対し、世界標準の安全な中絶方法の普及を求めること。また、中絶を犯罪とする刑法堕胎罪の廃止、その関連である母体保護法の見直しを求めてください。
不妊治療のご相談につきましては、「女性のための健康相談窓口」を開設しており、産婦人科医が不妊治療の内容を含めた相談を受け付け、女性が自分に合った不妊治療を選択できるよう支援しています。
ご提案の不妊治療や中絶方法に関する課題、関連法の見直しにつきましては、様々なご意見や議論がありますので、今後の国の動向を注視してまいります。
3、子どもに必要な遊びの保障を
3つめの質問は、子どもに必要な遊びの保障です。
先日、障害者センター隣の中央公園を通りかかった時、「北区で子どもの遊び場をつくる会」のプレーパークが開催中でした。とてもいい雰囲気で思わず足をとめました。
大きな木々に見守られ、ロープのブランコに揺られている子。裸足のまま泥んこでおままごとに夢中な子。紙芝居のおじさんの周りには、たくさんの子ども達。聞き入っている息づかいが伝わってきます。コロナ禍で子ども達同士の遊ぶ場や時間がなくなっているのではと心配していましたが、何だかホッとする光景でした。
子どもは、遊ぶこと、休息すること、スポーツや芸術的活動を通し、友達同士の親密なかかわりの中で、自分の要求を満たしていく。そして、大人とのかかわりで要求をぶつけ、応えてもらうプロセスで成長していくといいます。
子どもが遊びを失うということは人間としての発達の機会が失われること。子どもが子どもでなくなること。それはもっとも深刻な子どもの人権侵害です。今、子ども達に必要なことは、リスクを負いながら、どう遊びを確保していくか。まさに、子どもにとって不可欠な遊びの回復に力を注ぐ時だと考え、以下3点、質問します。
(1)自由な遊び場の確保について
1点目は、自由な外遊びの場を確保することです。
先に紹介した北区プレーパークは、子どもの主体性を最大限尊重した遊びを、プレーリーダーが見守り、区内3ヵ所の公園で年間70数回開催。コロナ禍でも休校措置解除後の6月には活動を再開し、屋外で感染リスクが低いというメリットもあり、親子の遊びの場、また不安や気持ちの受け皿としても機能しました。今後もますます重要な事業と受けとめています。そこで、北区プレーパーク事業について、引き続き、区の協力と支援の充実を求めます。
また昨年は、子どもの遊びを創造する民間団体TOKYO PLAYなどが協力し、豊島中央通り商店街や梶原商店街で、「みちあそび」が開催されました。商店街の道路を開放した遊び場空間の出現です。
色チョークで道路に自由に絵を描く、段ボールでトンネル遊び、ベーゴマ、水でっぽう、ゴム飛び、ちょっとした出店など、子ども達はいつもより羽目を外すことのできる空間に大喜びでした。こうした「みちあそび」を、北区としても支援するよう求めます。
更に、昨年板橋区では、小学生が公園でボール遊びができるようにしてほしいと区や議会に陳情して、その声が通ったというニュースが話題となりました。
コロナ禍の今こそ、子ども達の遊びに関する要望、声を聞く機会を設け、遊び場にいかす区の取り組みを求めます。
プレーパーク事業は、子どもたちが外遊びから多くを学び、自主性を育てる機会を提供するとともに、その活動を通じて、子どもと大人、大人同士の交流が生まれ、地域コミュニティの醸成にも寄与することから、ボランティア団体と共同で実施している事業です。
前年度は、区内3ヵ所で63回、延べ3600人以上の参加者を集めましたが、今年度は、コロナ禍の影響で、前年の3分の1程度の実施にとどまっています。
また、「みちあそび」については、まち全体を遊びの場として展開する取り組みとして、商店街との連携が、地域コミュニティの活性化や、地域の見守りにも有効な活動であるととらえています。
屋外活動は、感染リスクが比較的低いというメリットもありますが、誰もが出入りする公の空間でもあり、健康確認が難しいといった課題もあるため、他の行事と同様に、感染予防対策には万全を期する必要があると考えています。
まずは、このコロナ禍において、プレーパーク事業の継続に努めるとともに、さらなる充実や、新たな活動については、今後の検討課題の一つとして、関係団体の皆さまとも意見交換を行ってまいります。
次に、子どもたちの遊びに関する要望、声を聞く機会を設けることについてお答えします。
公園や児童遊園においては、これまでも、意見交換会やワークショップなどを実施し、区民の皆さまからのご意見を頂き、子どもや高齢者等の様々な利用に応える計画・設計を行い、整備をしてまいりました。
また、現在作成中の「北区公園総合整備構想(案)」においても、公園等の整備における住民参加のあり方として、多様化するニーズや公園ごとの課題に柔軟に対応するため、様々な事業段階において、適切にご意見を伺うことが重要としています。
本構想案につきましては、本定例会の所管委員会でご報告いたします。
(2)基本計画事業について
2点目は、北区基本計画に掲げられた事業についてです。
赤羽台に建設される児童相談所や教育総合支援センター等の複合施設を整備する際、さいたま市の子ども家庭総合センターあいぱれっとのように、ミニバスケができたり、のびのび遊べるはらっぱなど、子どもの自由な遊び場を設けるよう求めます。
また、豊島5丁目の荒川緑地に予定されているスポーツグランドの整備について、進捗状況をお聞かせください。
本年7月に策定した北区児童相談所等複合施設基本構想では、児童相談所および一時保護所の整備とあわせて、子ども家庭支援センター、教育総合相談センター等を複合化し、子どもに関する総合的な相談拠点として施設を整備することとしております。
今後、施設整備にあたっては、この基本構想における施設の役割をふまえ、基本となる児童相談所等の機能確保を最優先に検討してまいりますが、その上で、出会い、交流、学びの場等の機能を持った、子育てひろば等の整備についても、より具体的な計画となる児童相談所等基本計画、基本設計等を策定していく中で、検討してまいります。
次に、豊島5丁目の荒川緑地に建設予定のスポーツグラウンド整備の進捗状況についてお答えします。
荒川緑地豊島ブロックスポーツグラウンドの整備につきましては、少年野球場一面と内側を多目的広場として使用できる陸上競技場が、令和4年度に完成する計画です。
現在、基本設計を進めており、令和3年度に実施設計、令和4年度に整備工事を行う予定となっています。
(3)わくわく☆ひろばや学童、児童館での遊びの充実を
3点目は、放課後のわくわく☆ひろばや児童館などでの遊びの充実です。
先ほど、会派の野々山研議員の質問でもとりあげたとおり、子どもの遊び、居場所を確保するためにも、これ以上、児童館の削減は行わないよう要望します。
その上で、現在、わくわく広場は、放課後子ども教室と学童クラブの一体運営となっていますが、高学年にとっても魅力ある居場所にすることや、委託業者のスタッフが年度の切り替えで大方が入れ替わるなど課題があると側聞しています。区の認識と対応についてお聞きします。また、現場の職員研修にプレイワーク研修を取り入れ、子どもの主体性を大事にするかかわり、遊びの充実を求めます。お答えください。
まず、わくわくひろばを高学年の児童にとって魅力ある居場所にすることについてです。
わくわくひろばについては、高学年の児童は習い事に行く機会が増えるなどの理由から、利用率が低学年の児童に比べて低くなっていますが、卓球などのクラブ活動や、子どもが主体となってイベントを考える「子ども実行委員会」の際は、高学年の児童も多く参加しています。
令和3年度から、わくわくひろばが区内の全小学校に導入されることから、高学年の児童も参加しやすい多様な活動の充実に努めてまいります。
次に、委託事業者の職員の入れ替わりについてです。
委託事業者では、事業者の事情により、職員の配置換えなどが行われています。
職員が大きく入れ替わることは、児童との関わりや、事業の運営に影響が出る懸念があり、これまでも、事業者に対しては、一定程度の職員は継続して配置するよう求めてまいりました。
今後も、引き続き、わくわくひろばが、放課後の安全・安心に過ごせる居場所となるよう、職員配置について協議してまいります。
次に、職員研修へのプレイワーク研修の取り入れについてです。
わくわくひろばや児童館など、子どもに携わる職員の研修では、プレイワークの視点も含めた研修を今年度から取り入れておりますが、今後も引き続き、子どもの自主性が発揮できる環境や子どもとの関係性を築ける職員の育成に向けて研修の充実に取り組んでまいります。
4、脱炭素、CO2排出ゼロの北区を
質問の最後は、脱炭素、CO2排出ゼロの北区についてです。
(1)脱炭素・CO2排出ゼロへむけて
菅首相が所信表明演説で、「2050年実質ゼロ」を表明しました。一方で原発を推進すると言われた点は、見直すべきと考えます。
私は昨年の本会議質問、また先月の決算委員会でも、パリ協定にもとづき、北区が2050年までにCO2排出ゼロ、脱炭素社会へ踏み出すよう求めました。ご答弁では、「来年度以降の北区環境計画見直しの中で検討する」とのお答えでした。
そこで、葛飾区が「ゼロミッション」を宣言し、23区全体にも協同をよびかけていますが、その後の北区の対応についてお伺いいたします。
初めに、北区の対応についてです。
所管委員会でもご報告させて頂きましたように、国におけるパリ協定やSDGsの採択、また、東京都が策定した「ゼロエミッション東京戦略」など、地球環境をめぐる社会情勢が大きく変化してきていることから、区においても「北区環境基本計画2015」の改定に着手をし、「脱炭素」の考え方へとシフトした目標設定や取り組み方針を示していくこととしました。
今月開催しました「北区環境審議会」において、すでに計画改定について諮問を行ったところですが、今後、分野ごとに審議会のもとに部会を設置し、令和3年度から令和4年度の2ヵ年にわたって「脱炭素」に向けた環境施策の検討を進めて行く予定です。
なお、ご紹介いただきました葛飾区からの呼びかけですが、「セロカーボンシティ特別区に向けた取り組み」として、令和3年度から特別区長会調査研究機構の研究テーマとすることが決定をしています。
環境基本計画の改定と時を同じくしていることもあることから、区としてもこの研究活動への参加を通じて、特別区という大きな枠組みの中での脱炭素に向けた取り組みについても研究、検討を行い、区の施策にも十分生かしてまいりたいと考えています。
(2)区民・事業者などへの再エネ普及の補助拡充を
また、CO2排出の具体的な取り組みについて、庁舎や学校、区有施設の電力調達を再エネ100%へ転換する。また、区民や事業者、大規模住宅への再エネ、省エネ機器導入補助を拡充するよう求めました。これについても区は、「計画改定の中で様々な手法を検討する」と答弁されました。私は、計画改定を待たずとも現状の実績で、すぐにでも充実できる内容があると考えます。
それは、区民の再エネ機器導入補助について、太陽光、蓄電池、LEDをセットで導入する世帯が増えていることに対し、葛飾区のように加算補助を行うことです。防災の取り組みとあわせインセンティブにもなります。北区でも早期に検討を求めます。
新エネ・省エネ機器等導入助成事業については、事業開始以降、助成項目の追加や限度額の引き上げなど充実を図ってまいりました。
また、東京都においても、今年度から新たに蓄電池設置への補助事業を開始したと聞いています。
今後の助成事業の促進については、国の動向をはじめ、東京都や他区の取り組み事例もふまえながら、脱炭素に向けて、いっそうの効率的・効果的な事業メニューを環境基本計画の改定とあわせ、あらためて検討を行ってまいります。
(3)友好都市との連携で、カーボンニュートラルの取り組みを
3点目は、カーボンニュートラルについてです。
カーボンニュートラルとは、ライフサイクル全体で見た時、CO2の排出量と吸収量がプラス、マイナスでゼロの状態になることです。大きく分けて2つの文脈で使われています。
1つはエネルギー分野において、植物由来のバイオマス燃料など、燃焼する時にCO2を排出するが、植物の成長過程で光合成によりCO2を吸収するので、CO2排出量はプラスマイナスゼロということ。もう1つは、社会や企業における生産活動において、やむをえず出てしまうCO2排出分を排出権の購入や植樹などによって相殺し、実質的にゼロの状態にすることです。
東京などの都市部では、ヒートアイランド抑制の点からも、里山や緑の保全に力を入れること、また地方都市との連携で取り組む可能性が指摘されています。
そこで、北区でも群馬県中之条町や甘楽町など友好都市との連携で、再エネの電力調達やカーボンニュートラルを進めるよう求めて、私の質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。
区として、脱炭素を実現していく上では、友好都市との連携は欠かせないものと認識をしています。
「第二次北区地球温暖化対策地域推進計画」においても、友好都市などを念頭に、「他自治体との連携」を計画化しているところですが、当該計画についても今般の環境基本計画とあわせて改定を行っていく予定です。
ご提案のありました再エネの電力調達やカーボンニュートラルの推進などについても、計画改定の中で実現可能性や有効性を含め、検討を行ってまいります。