2017年第1回定例会個人質問ーのの山けん
2017年2月23日 | のの山けん
私は、区長および教育長に、大きく4点質問いたします。
1、旧赤羽中学校の跡地利活用計画について
はじめに、旧赤羽中学校の跡地利活用計画について伺います。
区は、昨年開いた5回の学校施設跡地利活用検討委員会の最終報告書を受けて、旧赤羽中の跡地利活用計画案(以下、「計画案」)をまとめました。区が行ったパブリックコメントには、これまでで最多となるであろう406人から1633件の意見が寄せられ、関心の高さが示されました。計画の策定にあたっては、これらの意見に真摯に耳を傾けて頂きたいと切望し、以下5点質問いたします。
(1)道路事業と防災まちづくりについて
第1は、道路事業と防災まちづくりについてです。
計画案では、基本的方向の(1)として、「安全で災害に強いまちづくりのための有効利用」があげられています。検討委員会や地元説明会では、跡地を防災のために活用すること自体に異論は出ていません。住民のみなさんからも、避難場所としてのオープンスペースの確保や水害時の垂直避難施設の建設を望む声が出ています。
一方で、計画案には「道路事業等の防災まちづくりを推進し」との文言が入っています。当該地域において道路事業といえば、特定整備路線補助86号線を指すことは疑いがありません。現在、86号線をめぐっては、地権者などから国を相手どった事業認可取り消し裁判が提訴され、争われている最中ですが、住民側の核心的な論点の一つが、この地域に20m道路をつくっても、ふさわしい防災対策にはならないということです。したがって、今回、住民から寄せられている意見の多くは、「防災」を口実にして86号線の事業を推し進めることは認められないというものです。
そもそも検討委員会では、86号線事業が跡地利活用と切り離され、その是非については立ち入って議論されませんでした。それなのに、計画案には「道路事業の推進」がうたわれていることに、厳しい批判が寄せられています。
そこでお聞きします。
補助86号線が防災に資するかどうかは、事業を進める東京都や北区と地元住民との間で意見が分かれているところです。そうした下では、計画案から「道路事業等」の文言を削除し、「防災まちづくりを推進し」との表現にとどめるべきと考えますが、いかがですか。
【区の答弁】
学校施設跡地利活用検討委員会におきましては、ご指摘の通り、第1回の検討委員会において、道路事業そのものについては、この検討委員会で議論すべきものではないということを確認しています。
特定整備路線の整備に関する区の考え方は、首都直下地震の切迫性などを踏まえると、延焼遮断帯の形成のほか、災害時の避難路の確保や救援活動のための空間確保など、木造住宅密集地域の防災性を向上させ、区民の安全・安心を確保する上で極めて重要な取り組みであり、区としては協力していくことが必要と考えております。
また、当該跡地には、都市計画道路補助86号線の用地が一部含まれるため、計画案の中でも道路事業について言及しているものです。
跡地を活用して、防災まちづくりを進めていく方向性については、地域のみなさまに概ねご理解をいただいていると認識しており、道路事業や広場等のオープンスペースの確保などにより、防災まちづくりを推進してまいります。
従って、基本的方向の中の「安全で災害に強いまちづくりのための有効利用」から「道路事業」という文言を削除することは考えておりませんが、よりわかりやすい表現にすることを検討してまいります。
(2)東京都への道路事業代替地の提供について
第2は、東京都への道路事業代替地の提供についてです。
計画案は、事業手法の8(2)で、「東京都と十分に協議を行い、条件が整った上で、…道路事業用の代替地として…用地の売却を検討する」としています。
先にも述べたように、86号線事業には多くの地権者が反対しており、裁判では71年前の都市計画決定に法的瑕疵があったのではないかという根本問題も提示されています。今のところ国も都も、都市計画を内閣が認可したという証拠を示せておらず、計画自体の合法性が問われます。このような事業を前提とした代替地の提供は、そもそも地元住民の合意が得られるものではないと考えます。
加えて、区当局の検討委員会におけるこの課題の扱い方には、慎重さに欠ける面があったことを指摘しなければなりません。
代替地提供についての都の要請は、昨年7月6日付で北区に届いています。ところが、7月26日に開かれた第2回の検討委員会では報告されず、8月25日の第3回で区の担当者から口頭にて伝えられました。しかも、跡地の利活用と道路事業の議論は「切り離す」という区の仕切りで、深い討議がおこなわれないまま第4回目の検討委員会で代替地の提供が素案に盛り込まれることになります。
北区に宛てた都の要請文をみますと、旧赤中の「跡地利用等をご検討される際には、補助86号線など東京都の道路事業用の代替地としての活用について併せてご検討をお願いしたい」とあります。ところが、検討委員会には代替地提供の可否を判断する材料が示されず、区は、「道路事業につきましては都に協力をしていくというスタンス」と、提案当初から「協力ありき」の姿勢を取り続けました。傍聴した地域住民が意見し、要請することがなければ、最終回の検討委員会でもまともに議論されないままだったかもしれません。代替地の問題を俎上に乗せる以上は、86号線事業とはどういう計画か、地元住民との間ではどのような議論があるのかなど、検討委員会にはその可否を判断する丁寧な情報提供があってしかるべきではなかったでしょうか。
最終回の案では、「東京都と十分に協議を行い、条件が整った上で」、「地域の特性を考慮しつつ施設整備に支障の無い範囲において」、「最低限必要な用地」と幾重もの制約を課した上で代替地の売却を入れ込みました。これについて検討委員会の委員長は、「これは無条件で東京都に道路用地を提供するということではないよという含みだと思う」とのべ、「やはり地域の方々の生活をきちんと踏まえた上で、東京都と協議するんだということが、もう少し文面として出せるといいなというふうに思います」と踏み込んでコメントしています。
そこで、まずお聞きします。
代替地売却にあたって、計画案がしめす都との協議や整うべき条件とは何か。区の考えをお聞かせ下さい。その際、住民の合意と理解がないまま売却を決定することはあり得ないと考えますが、いかがですか。
その上での提案ですが、道路事業や代替地の提供については、住民説明会でも厳しい反対の意見が寄せられました。住民合意が得られない以上、現時点では計画案から道路事業に関する事業手法の2項は削除すべきだと思いますが、区長の見解をお示し下さい。
【区の答弁】
はじめに代替地提供にあたっての東京都との協議や整うべき条件とは何かについてです。
代替地については、道路事業によって影響を受ける地域住民のみなさまの生活環境の変化等を最小限にするといった点からも、近隣での確保に協力するのは区としても必要なことであると考えております。
利活用計画策定後、東京都には計画全体と、計画のコンセプトや基本的方向で示された機能を満たす施設整備に支障のない範囲での最低限必要な代替地の提供となることを説明した上で協議を進めてまいります。
今後、様々な課題が出てくると想定しており、その課題について東京都と検討を進めてまいります。
次に、住民の合意と理解がないまま売却はありえないのではないか、また、計画案から道路事業に関する事業手法の2項は削除すべきとのご提案についてです。
利活用検討委員会では、地域代表者の方のご意見、広く区民のみなさまから頂いたご意見を踏まえ、現地の視察も行い、各委員の専門的見地から多角的なご意見を頂き、丁寧な議論を重ねて頂きました。
こうした経緯を経てまとめられた最終報告書を尊重する形で作成したものが今回の利活用計画案です。
従って、計画策定後は、まとめられた基本的方向および事業手法に基づいて課題を解決しながら、事業を進めてまいります。
(3)跡地の売却方針について
第3は、跡地の売却方針についてです。
検討委員会の中では、「黙っていても北区の土地はこれからどんどん上がる…長い目で見て、有効活用を考えたほうが(いい)」、「土地をどういうふうに活用するのかというのは、区の財産というふうに考えると、区でしかできないことがあるので、…簡単に売ってしま(うと)…取り返しのつかないことになりかねない」など、跡地を売却することについて否定的な意見が多く出されました。委員長もまとめで、「売却ありきでないということが、しっかり伝わるという文章であるといいなと思います」とのべています。パブリックコメントでも同様の意見は多数出されています。
そこで、計画案の事業手法については「売却」の文言を削除し、貸付を基本方向として位置づけるのがふさわしいと考えますが、いかがですか。お答え下さい。
【区の答弁】
学校施設跡地利活用検討委員会においては、コンセプトや基本的方向に示す内容を具体化する際の事業手法に関しても議論を重ねて頂きました。
こうした議論を踏まえ、利活用計画案では事業手法の中で、「一定の条件を付したうえで、効率的な土地利用を視点とした提案方式による売却または貸付を検討する」、「売却または貸付の決定にあたっては、北区学校施設跡地利活用指針に基づき、将来的な土地利用のあり方を踏まえ十分に検討する」としております。
本格活用にあたっては、利活用計画に沿って売却または貸付について十分に検討してまいります。
(4)志茂一丁目自治会館建設用地の要望について
第4は、跡地に整備される施設についてです。
検討委員会では、志茂一丁目の地域代表から、自治会館として利用してきた旧志茂西ふれあい館が現在使用できなくなっており、旧赤中の跡地内に建設用地を提供してほしい旨要望があり、パブリックコメントでもこれを支持する声が多く出ています。
区は検討委員会の中で、同地域にはコミュニティ施設が充足しているとして住民側の提案を取り入れませんでしたが、旧志茂西ふれあい館は北清掃工場の建設にともなって地域に還元されたものであり、志茂一丁目のみなさんにとっては赤羽会館や元気ぷらざなど近隣のコミュニティ施設で代替できる施設ではありません。
自治会館建設の条件としては他の町会・自治会との公平性も考慮しつつ、旧志茂西ふれあい館に代わる自治会館建設用地提供の要望には区として応えて頂きたいと考えますが、いかがですか。区長のあたたかいご答弁を期待するものです。
【区の答弁】
自治会館建設用地のご要望につきましては、検討委員会の場やパブリックコメントの際にも頂いております。
当該跡地周辺においては、赤羽会館や元気ぷらざの集会室のほか、なでしこ小学校にもふれあい館が複合化されることから、コミュニティ施設については充足されていると認識しています。
これまでもご説明させて頂いているように、ご要望のある自治会館建設用地につきましては、公平性も考慮しつつ、他の町会・自治会に対する支援と同様の考え方で対応するのが適切であると考えています。
(5)住民の声を生かした跡地利活用計画の策定を
第5は、寄せられている住民の声にこたえた跡地利活用計画にすることについてです。
これまで述べてきたように、今回の計画案に対しては、過去に例がないほどの意見が寄せられています。これらの意見を十分に踏まえて、区としての計画を策定すべきです。住民説明会では、計画の策定を急がずもっと住民の声を聞いてほしい、説明会を2回、3回と開いてほしいという強い要望が出されています。旧赤中跡地は、まだ1年、なでしこ小学校の仮校舎としての利用が決定していますので、時間的な余裕は十分にあります。
計画の策定は3月にこだわらず、説明会を繰り返し開催してじっくり協議を重ね、住民合意の得られるものにするよう求めますが、いかがですか。地元住民のみなさんが納得できるご答弁を求めるものです。
【区の答弁】
「学校施設跡地利活用指針」にあるように、学校施設跡地は区民共通の資産であり、基本計画に位置づけた事業の実現や、資金調達手段としての利活用を図るという認識のもと、学校施設跡地利活用検討委員会を設置し、地域代表者の方からご意見を伺い、さらには広く区民の方から頂いたご意見を検討会の貴重な資料としてご紹介し、様々ご議論を頂きました。
また、パブリックコメントの実施や利活用計画案の説明会の開催、検討委員会の資料や議事録などできる限り地域住民の方のご要望に沿う形で情報提供させていただきました。今後とも適宜、的確な情報提供に努めてまいります。
また学校施設跡地は、区民共通の資産であることから、基本的には学校跡地となった後、できる限り速やかに利活用計画を策定し、活用を図ることが重要であると考えております。
2、学校司書の拡充について
大きな2つ目の質問は、学校司書の拡充についてです。
小中学校に通う子どもたちにとって、本との出会いは重要な意味を持ちます。私の体験でいえば、中学1年の担任だった国語の先生が、一人ひとりの生徒に対し学力や性格に応じた本を紹介してくれ、大いに読書を奨励してくれたものです。私には、「宮沢賢治を読んでみなさい」と勧めてくれ、片っ端から読み漁った記憶があります。
北区では、こうした本との出会いを始め、さまざまな図書館業務に携わる学校司書の配置を3年前から進めていますが、その拡充について3点質問します。
(1)学校司書の役割について
第1に、学校司書の役割についてです。
司書が配置されていない学校の多くは、司書教諭が図書館業務を担うことになっています。しかし、司書教諭は専任ではなくクラス担任などの兼務で、求められる役割が果たしきれないとの声も聞いています。一例をあげれば、放課後は司書教諭が部活の指導にあたらなければならず、図書館を閉館せざるを得ないとのことです。
そこでまず、学校司書の役割と配置の重要性について、どのようにお考えになっているかをお聞きします。
【区の答弁】
学校司書の役割は、図書の貸出や学校図書館の整備、児童・生徒への学習支援や読書活動の支援、児童会・生徒会活動の支援や公立図書館との連携支援などがあり、その内容は多岐にわたっています。
司書教諭や学校図書館の担任教員が生徒指導や部活動の指導などにより、その職務を十分に果たすことが難しい面があり、読書活動や図書館整備の推進役としての学校司書の役割は、重要であると考えます。
(2)先行して配置された学校での成果について
第2に、先行して司書が配置された学校での成果についてです。
北区では、2014年度に飛鳥中サブファミリーで、今年度にはさらに十条富士見中と桐ヶ丘中サブファミリーで学校司書が導入されました。3年目となる飛鳥中サブファミリーでは、中学1年の国語の授業で自分が一番好きなチャンプ本を紹介しあう「ビブリオバトル」や、読んだ本の中から感動したフレーズを選び紹介する「ワタシの一行」という展示などが行われ、生徒も先生も大いに刺激を受けているとのことです。
こうした事例も含め、すでに学校司書が配置された3つのサブファミリーでの成果についてお答え下さい。
【区の答弁】
先行して配置された学校では、学校司書の配置により中休みや昼休みだけでなく、放課後や長期休業日など学校図書館の開館時間や開館日が増えています。
また、おすすめの本の展示やポップの掲示など子どもたちが実際に手に取って本を読もうとする様々な環境整備の工夫が図られるとともに、学校図書館の利用率も高まっています。
加えて、学校司書が調べ学習で使用する図書資料を事前に準備したり、授業の中で子どもたちに直接助言したりするなど、学習活動を支援する件数も増加しており、様々な形で成果が出ていると認識しています。
(3)全校への配置を視野に入れ、拡充をはかること
第3に、全校への配置を視野に入れ、拡充をはかることについてです。
この分野で先進自治体となっている杉並区や荒川区では、すでに小中全校に学校司書を配置しており、学校関係者からは、「図書館に来ると子どもたちが落ち着いてくる」、「図書館が生きている」などの感想が寄せられています。
北区でも、まだ司書が配置されていない学校の教員などから、「区内全校に配置して欲しい」との要望が出されています。
そこで、区内小中学校全校への配置を視野に入れて、毎年導入するサブファミリーを計画的に増やしてゆくことが必要と考えますが、教育委員会の見解をお示し下さい。
【区の答弁】
北区ではこれまで、飛鳥中学校サブファミリーにおいて学区司書配置のモデル事業を開始し、今年度は、3つのサブファミリーにまで拡充し、段階的な配置をしてまいりました。
北区教育ビジョン2015では、学校司書による学校図書館の利活用や学校の図書を活用した学習支援の推進を位置づけています。
今後も、これまでの成果や課題を十分に検証するとともに、より効果的な配置や中央図書館との連携強化など、その拡充に努めてまいります。
3、繁忙期における区民事務所の対応について
大きな3つ目の質問は、繁忙期における区民事務所の対応についてです。
区は昨年、転出入手続きが集中する3、4月期に、王子区民事務所で最大5時間待ちなどの状況が生まれたことから、区民事務所における混雑緩和の対策にのりだしました。おりしも北区の人口が増加に転じている時期であり、今年もまもなく繁忙期を迎えることから、対策の現状についてお伺いします。
(1)新しい赤羽区民事務所の開設について
第1に、新しい赤羽区民事務所の開設についてです。
この2月、赤羽駅南口高架下に移設され、広さが約1.6倍、ワンフロアで利便性も増しましたとのことで、私もさっそく利用しました。住民票の写しは約5分で発行してもらえました。所管委員会では、新たに団体予約受付制度を導入し、王子区民事務所の混雑緩和を図りたいとの報告がありました。
そこでお尋ねします。
新しい赤羽区民事務所では、処理能力がどの程度向上するとお考えでしょうか。端末や職員の追加配置の状況も含め、お答え下さい。また、団体予約受付制度によって、王子区民事務所の混雑をどれくらい緩和できる見通しですか。
【区の答弁】
まず、新しい区民事務所に移転し、ワンフロア化したことで、職員の動線がよくなり、窓口の応援体制も執りやすくなった分、処理能力が向上するものと認識しています。
また、繁忙期対策として、分室からの端末移設や臨時職員を含めた職員応援体制を整備しますので、処理能力は、さらに向上するものと想定しています。
次に、外国人留学生の転入手続き団体予約制度導入の効果の見込みです。
平成28年3月の3区民事務所における外国人の転入・転出件数が1319件で、そのうち王子区民事務所が1053件で約80%です。
1件の手続きに約30分かかりますので、赤羽区民事務所に移行すれば、移行分に応じた王子区民事務所での待ち時間の減少に繋げることが期待できます。
可能な限り、赤羽区民事務所への手続きの移行が進めていけるよう、日本語学校に協力を依頼していきたいと考えています。
(2)王子区民事務所の繁忙期対策について
第2に、王子区民事務所における対策についてお聞きします。
先の第4回定例会で私は、王子区民事務所の繁忙期対策について所管委員会でいつくかの提案をおこないました。それらをふまえ、以下、お尋ねします。
1つは、処理能力をあげるために人員と端末を増やすことです。例えば、込み合う時期に限定して庁舎内の空スペースに特設会場を設け、臨時職員と端末を増員・増設してはどうでしょうか。
2つは、通常月1回の異動系の休日開庁日を繁忙期だけ月2回などに増やすことです。ご答弁下さい。
【区の答弁】
対策の柱としては、事務スペースの確保、部内各課からの端末の一時的な融通による増設、臨時職員を含めた柔軟な職員配置を考えています。
具体的には、第2庁舎4階に転出専用窓口を開設し、1階窓口に集中する区民を分散化する体制を整えて、混雑を緩和することを検討しています。
また、人員面では増設した端末に応じて、異動系手続きに従事する職員を集中的に配置するため、戸籍住民課内の職員の応援体制を整えてまいります。
なお、全庁を挙げたさらなる応援体制の構築については、現在、検討しています。
次に、繁忙期の日曜の異動系臨時窓口の開設については、3月は通常の第4日曜日、4月は第2日曜に繰り上げて開庁しており、繁忙期の4週間に2回開庁する体制を執っています。
(3)分室のあり方をふくめ中長期的な方針の再検討を
第3に、中長期的な方針についてです。
区民事務所の混雑は、今に始まったことではありません。遡れば16年前の出張所再編で、異動系窓口を19ヵ所から3ヵ所に減らしたことが原因とも考えられます。ところが、「経営改革プラン2015」では、コンビニ交付やマイナンバー制度の実施状況をふまえて区民事務所・分室のあり方を検討するとし、7つの分室まで再編・廃止の方向が打ち出されています。
そこで伺います。
当面は3区民事務所・7分室体制を維持するとともに、今年度の繁忙期対策の状況次第では、7つの分室でも異動系処理が行えるよう改善をはかることが必要となってくるのではないでしょうか。経営改革プランの見直しについて、区長の考えをお示し下さい。
【区の答弁】
まず、平成29年度については、現行の3区民事務所・7分室体制で臨んでまいります。
ご提案の分室での異動系手続きの実施につきましては、平成13年から移行した3区民事務所による異動系処理体制が定着していることに加え、分室で異動系の手続きを行うには、端末機、人員を大幅に増やさざるを得ず、待合スペースの確保にも懸念があることから、分室での異動手続きは考えていません。
また、区民事務所の繁忙期は、例年、3月中旬から4月中旬までの約1ヵ月間に集中しております。
さらに近年は、外国人を含めた人口増加による異動系の届出件数が増え、区民の待ち時間が大幅に延びています。
このように一時的に集中する事務量の増加に対しては、区民事務所の機能強化を柱に柔軟な体制を構築すべきものと認識しております。
一方、コンビニ収納や、この3月から開始するマイナンバーカードによる証明書のコンビニ交付サービスの実施などにより、これまで分室が担ってきた役割が縮小すると見込まれますので、分室につきましては、効果的な行政執行の観点から、繁忙期対策とは切り離し、経営改革プランに沿ってあり方を検討すべきと考えています。
4、羽田空港「機能強化」と北区への影響について
最後の質問は、羽田空港の「機能強化」と北区への影響についてです。
国土交通省は、急増する外国人旅行者の受け入れ、東京2020オリンピック・パラリンピック大会への対応等の観点から羽田空港の「機能強化」が必要とし、飛行経路の変更と増便を進めようとしています。
しかし今回の計画は、現在の東京湾上空を飛ぶルートから都心上空を飛ぶルートに変更するものであり、東京タワーより低い超低空を飛ぶ品川区をはじめ、都内各地から猛反対の声があがっています。北区でも騒音や落下物の危険が増すことは避けられません。政府は、海外から人を呼び込むことが経済発展には不可欠などと説明しますが、首都圏直下の住民の暮らしを犠牲にして成り立つ経済発展という考え方に疑問を抱かざるを得ません。日本共産党は、新ルートは撤回すべきと考えます。
昨年7月、機能強化に関する国と関係自治体との協議会が開かれ、自治体側が飛行ルートの変更を「了承した」などと報道されましたが、石井国土交通大臣は国会でのわが党議員の質問に、「飛行経路見直しについて合意や了承がなされたという事実はない」と答えています。加えて、空港法にもとづく国交省告示の「空港の設置及び管理に関する基本方針」では、環境対策や地域周辺対策の実施に当たっては、自治体との間で十分な情報交換に基づき適切な方策が合意されることが望ましい、とされています。今後、計画の了承にあたっては、協議会などの場における区長の発言が極めて重要になると考えます。
そこで伺います。
国交省の羽田空港「機能強化」計画によって、北区民の生活にどれくらいの影響が出るとお考えですか。また、計画の了承や自治体としての合意について、現時点における区長の考えをお聞かせ下さい。さらに国交省には、住民の理解をより深めるために、オープンハウス型ではなく教室型の説明会開催を求めるべきと考えますが、いかがですか。
区長の前向きなご答弁を期待し、私の質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。
【区の答弁】
まず、区民生活にどれくらいの影響が出るのかについてです。
昨年7月に行われた首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会において、環境影響等に配慮した方策が国土交通省から示されました。
この中で示されたルートでは、南風運用の好天時、15時から19時の間の3時間に最大90機の到着便が高度1200㍍前後で赤羽北付近を、また北風運用時、7時から11時半と15時から19時のあわせて7時間に最大54機の出発便が、高度約2300㍍前後で東十条駅付近を通過します。
昨年5月の説明会では、現在飛んでいる飛行機の音やモニター画面による機影の状況などを、来場したみなさまに体感していただきました。
現段階で区民生活への影響を推測することは難しいと考えておりますが、国土交通省は3年後の運用開始に向け、落下物等の安全対策や騒音等環境影響の抑制策を進めるとしています。
次に、計画の了承や自治体としての合意についての考えに関するご質問です。
昨年7月の協議会において、国および関係自治体は、羽田空港機能強化の必要性について認識を共有し、国が引き続き丁寧な情報提供と安全管理の徹底に取り組むことを前提に、関係自治体は羽田空港機能強化に必要となる施設整備の工事費、環境対策費を国が予算措置することを理解しました。
これを受けて国は、28年度補正予算措置および29年度予算要求を行っています。
今後、国と関係自治体は協力して、空港処理能力拡大の実現に取り組んでいくものと認識しております。
最後に、オープンハウス型ではなく教室型の説明会開催を求めるべきとのことについてです。
国土交通省が行っているオープンハウス型の説明会は、コミュニケーションのあり方アドバイザリー会議の提言に基づいたものです。
説明会は、形式にとらわれず丁寧に説明し、区民のみなさまに正しく理解していただくことが何より大切と考えており、引き続き、区民のみなさまへのわかりやすい説明を求めてまいります。
なお、4月25日に赤羽北区民センターで住民説明会が予定されており、現在準備を進めております。
詳細は所管委員会でご報告いたします。