2018年第2回定例会個人質問ー山崎たい子
2018年6月20日 | 山崎たい子
私は、ひとり一人を大切にする、人権を守る北区をめざして、大きく3点質問します。
1、性の多様性を認め、誰もが差別されず自分らしく暮らせる北区を
1点目は、性の多様性を認め、誰もが差別されず自分らしく暮らせる北区についてです。
5月5、6日、東京レインボープライド2018が、代々木公園で開催されました。このイベントは、性の多様性を認め、全ての人が自分らしく、誇りをもって生きられる社会をめざすイベントです。2日間で14万人が参加。パレードには7000人が参加し、過去最高の盛りあがりとなりました。
今年のテーマは、「全ての愛に、平等を」 それは、人種・性別・国籍・思想・信条・宗教などの違いを超えて、共に生きることです。
私自身も、LGBT自治体議員連盟の一員として、渋谷・原宿を歩いてアピールに参加しました。多様性の象徴、レインボー色で街は鮮やか、沿道には鈴なりの人々が、国際色豊かに、大人も子どもも世代を超え、「ハッピイプライド」と声をかけあい、次々とハイタッチ。その心かよう空間、時間を共有し、これは、個人の自由なあり方を認める人間の祭典だと、大変、感動しました。
これまで性別は、男と女の2種類しかない。異性を愛することが当たり前と考えられてきましたが、多様な性の有り様がある。「身体の性」、どんな性が好きか「性的指向」、自分をどのような性だと認識しているか「性自認」、言葉づかいやファッションなどをどう表現したいか「性別表現」は、人によって違いがあります。
こうした「性的指向」「性自認」英語でSexual Orientation, Gender Identityの頭文字SOGIをとって、ソジとかソギと呼んでいますが、SOGIは、すべての人の属性であり、国際社会においては「人権」と位置づけられています。
こうした下で日本の現状は、国際的な人権条約を批准してはいるが、その実行性については、今年1月、世界13ヵ国から、「日本は地方自治体や民間企業における、差別撤廃の取り組みを進める必要がある」と勧告されており、北区の取り組みを加速することが求められています。
(1)人権を保障する全庁あげての取り組みを求める
北区では、昨年度、男女共同参画推進計画の中間見直しを行い、人権のとりくみの中で、性的指向・性自認についての文言が明示されました。大変、心強く感じています。すでに、職員を対象とした講座や研修も行われていると認識しておりますが、当事者への支援、区民に対する具体的な取り組みが今後、ますます期待されます。
そこで北区でも、性の多様性を認め、人権を保障する全庁あげての取り組みをすすめるために、以下、7点について区の取り組みを求めます。
1、性的指向・性自認(SOGI)について、全職員むけの研修の充実、区民の理解をすすめる講演会の開催や北区ニュースの特集、ホームページなど公報の充実、ポスターの掲示やパンフレットの作成、配布を行うこと。
2、当事者などの相談窓口について、現在「スペースゆう」での「こころと生き方相談」や、広報課の「人権相談」などでの対応を、性的マイノリティの相談ができる窓口として、よりわかりやすく周知し、体制を拡充すること。
3、今年度制定される「北区自殺対策計画」に、ハイリスクとされる性的マイノリティの対応をもりこむこと。
4、ワークショップや検討会などを開催し、区民と共に理解を深め、第6次男女共同 参画推進計画の改定や、多様性を尊重する条例の制定、支援宣言を行うこと。
5、同性カップルを公的に認める「パートナーシップ認証制度」を、北区でも検討・導入をはかること。
6、区営住宅における同性パートナーの入居を保障すること。
7、男性か女性かと性別を記すことで、当事者にとって、社会参加の抑制につながる不要な性別記述の削除をすすめること。例えば、職員採用試験申込書、健康保険証などです。
以上、全庁的な取り組みとして、区長の前向きな答弁を求めます。
【区の答弁】
まず、性的思考・性自認についての研修や広報についてお答えします。
いわゆるLGBT等当事者の方々は、地域社会にLGBT等の正しい知識が浸透していないことや、無理解、偏見などから、様々な生きづらさを抱えているといわれています。
区ではこれまでも、LGBT等の理解を深めるための啓発を行ってまいりましたが、多様性を尊重した地域社会の実現には、着実な意識啓発が必要であると考えますので、引き続き、啓発講座や職員研修を実施するとともに、後方の充実にも努めてまいります。
相談窓口については、区が行う、心と生き方・DV相談役民相談、並びに東京都やNPO法人が行う専門相談窓口への案内等について、わかりやすい周知に努めてまいります。
次に、今年度策定予定の「北区自殺対策計画」における性的マイノリティへの対応についてお声します。
自殺は、その原因として生きづらさを感じる様々な要因が複合的に重なっているといわれております。
自殺対策の基本的考え方として、「生きることの阻害要因」を減らし、「生きることの促進要因」を増やすことを通じて、社会全体の自殺リスクを低下させることが必要です。
性の多様性も含め、様々な状況にある方が、生きづらさを感じないような社会の実現をめざし、計画策定に取り組んでまいります。
次に、第6次アゼリアプランの策定や、多様性を尊重する条例や宣言、パートナーシップ認証制度についてお答えします。
まず、第6次アゼリアプランの策定にあたっては、基本的な考え方を北区男女共同参画審議会に諮問し、その提言を尊重しつつ、北区議会をはじめ、区民の皆様からのご意見をいただきながら、策定する予定です。
ご提案のワークショップや検討会などによる、区民の理解を醸成する手法については、各種計画の策定手法を参考に検討してまいります。
なお、多様性を尊重する条例の制定や宣言、並びにパートナーシップ認証制度の検討、導入については、先行する自治体の状況を参考にしながら、今後の検討課題とさせていただきます。
次に、区営住宅における同性パートナーの入居保障についてお答えします。
区といたしましては、先行する他自治体のパートナーシップ認証制度および区営住宅への入居保障の状況を参考としながら、今後の検討課題とさせていただきます。
次に、社会参加を抑制する不要な性別記述の削除を、とのご質問についてです。
北区では、行政の広報・出版物等において、性別の固定観念にとらわれない人権を尊重した表現に努めることとし、各種申請書等における性別記載欄の廃止を平成16年度に完了していますが、今後とも、不要な性別表記欄を設けることのないよう努めてまいります。
(2)学校教育における取り組みの推進を求める
次に、学校教育の取り組みについてうかがいます。
2015年の電通ダイバーシティ・ラボの調査では、LGBTを含む性的マイノリティに該当する人は、13人に1人の割合、左利きの人や、AB型の人と同じくらいいると言われています。
一方で、2016年に宝塚大学の日高教授が実施した、LGBT当事者の国内最大規模、有効回答数1万5千人の調査では、当事者の経験で「いじめ」にあった割合は、58.2%、不登校は21.1%、ゲイ、バイセクシャル男性で、自殺を考えた経験のある人は66%、実際に自殺未遂の経験は14%にも及ぶという、当事者の苦悩、いのちにかかわる重大な結果が示されました。
学校現場の中で、自分の学校のクラスに少なくとも1~2人はいるであろう児童、生徒に対する、先生や子ども同士の理解と配慮が必要です。
子どもたちに性の多様性を知らせ、授業の際にもポジティブな情報を送り、性的マイノリティをからかう発言や差別する対応をしない。多様性を尊重する環境も整備していくことが求められます。
北区教育委員会では、多様性について、人権課題のひとつに位置づけ、昨年末、全教職員を対象に行った「いじめ問題の研修会」の中でもとりあげ、また先月には、「多様性と人権」をテーマに、研修会を実施されたと伺っています。そこで伺います。
1、これまでの研修を通じた教職員の感想や学び、また、今後、性の多様性の理解を深める授業などに、どう取り組んでいくか、また、児童・生徒への個別の対応など、環境整備を含めた課題についても、お聞かせください。
2、保護者を対象とした講習会を実施するよう求めます。ご答弁下さい。
【区の答弁】
これまでに実施した性の多様性の理解にかかわる研修会では、性の多様性について教職員一人ひとりが人権意識を持ち、正しく理解した上で、悩みや不安を抱える児童・制度のよき理解者となることが重要であるとの感想や学びがありました。
生の多様性の理解を深める授業につきましては、研修会での学びを生かし、各学校や児童・生徒の状況を踏まえて、人権教育において引き続き取り組んでまいります。
児童・生徒への個別の対応につきましては、常に当事者の気持ちを尊重し、個別の事情に配慮しつつ、誰もがよりよい学校生活が送れるように、相談体制をはじめ、学校全体で取り組む環境整備を進めるなど、きめ細かに対応してまいります。
また、保護者を対象とした講習会の実施につきましては、まずは、PTA連合会にご提案の趣旨を説明したいと考えます。
2、北区でも、「#me too」「#with you」 性暴力・被害をなくすために
大きく2点目の質問は、セクシャル・ハラスメント、DVなど、性暴力・被害をなくすことについてです。
ご承知のとおり、セクシャル・ハラスメントは、性的嫌がらせ、性的な言動で、その人の尊厳を傷つける性暴力であり、重大な人権侵害です。職場だけでなく、学校や医療、スポーツ界など、あらゆる場面でおこります。立場上の力関係を背景に、被害者が声をあげにくい実態がある中で、性暴力被害を許さないという意志を示す動きが、「#MeToo(私も)」と、今、世界中に拡がっています。
しかし日本では、勇気を出してセクハラを告発した女性がバッシングを受けたり、多くの女性が泣き寝入りせざるをえない状況が、今もなお続いています。こうした背景には、社会に深く根をおろす男性中心の考え方、性差別的な構造、価値観があるのではないでしょうか。
日本政府は、国連女性差別撤廃委員会など国連人権機関から、性差別やセクハラ、性暴力をなくすための法整備や教育を行うようくり返し勧告されていますが、日本の法体系では、未だにセクハラの定義や禁止規定も処罰規定もないのが現状です。
更に、被害者の救済制度も極めて不十分となっています。行政による救済では、労働局への相談、調停となりますが、互いの譲り合いが前提で、被害者にとって受け入れがたいのが実情です。セクハラを受けて裁判までできる人は極わずかであり、行政の救済が適切なものとなる法整備は、喫緊の課題です。そこで、質問します。
(1)セクハラ禁止規定、被害者救済などをもりこんだ法整備を国に求めよ
セクシャル・ハラスメントの禁止規定を明記し、被害者の相談・保護、救済・支援、加害者の罰則などをもりこんだ法整備を行うよう国に求めてください。
【区の答弁】
いうまでもなく、セクシャルハラスメントは人権侵害であり、その対象となった人が能力を十分に発揮することを阻害し、精神的な苦痛を与えるばかりでなく、雇用者にとっては企業の生産性等を低下させることにもつながります。
法整備に関わる要望については、現在、全国市長会を通じて、平成30年度国の施策及び予算に関する提言の中で、人権擁護の推進等に関する事項を提言しておりますので、国の検討状況を注視してまいります。
(2)人と人とのより良い関係、デートDV予防の取り組みについて
セクハラ・DV根絶の2つめの質問は、人と人とのより良い関係、デートDVなどの予防についてです。
日本において、セクハラやDVを起こす要因・背景には、力と支配の価値観、暴力の容認、ジェンダーバイアスとよばれる「男だから女だから」との決めつけや押しつけ、アダルトビデオなど、ゆがんだ性情報があふれている環境に加え、性教育が遅れている現状などが指摘されています。
また、DVは大人だけの問題ではなく、若い人の間でも起きており、2012年の内閣府調査では、10代から20代の時に、交際相手から身体的暴行、心理的攻撃、性的強要のいずれかを、「されたことがあった」という女性は13.7%、7人に1人の割合となっています。
交際相手にするDVであることから、「デートDV」と言われており、その予防・対策のためには、子どもの時からの学びがとても大切です。男も女も、人はみな対等・平等。相手を尊重する関係、お互いの違いを認め合い、自分の考えをおしつけない。性的自己決定権を大切にする、人と人のより良い関係についての学びです。
デートDV講座を実施しているファシリテーターの方は「小学校高学年や中学生は、とても素直に学んでくれる。早いうちから、取り組んでほしい」と語っています。
北区でも、区内の高校や区立中学校2校で、講座を実施したと伺っていますが、その取り組みを、推進・拡充して頂くよう、以下、質問します。
1、デートDV講座のこれまでの実施状況と生徒や教職員の感想や評価について、お聞かせください。
2、今後、講座の積極的な開催、全生徒への啓発パンフレットの配布や、北区ホームページでの広報、電話やLINEなど相談窓口の案内、設置等、拡充を求めます。
【区の答弁】
区では、デートDVは人権侵害であり、早期からの気づきが重要であると考えています。
その方策の一つとして、区内高校や中学校を対象とした、出前DV講座を実施しているところです。
平成27年度は高校1校、中学校1校、28年度、29年度は、ともに高校1校、中学校2校で実施しました。
生徒からは、「好きだからこそお互いを尊重しあうという気持ちが大切」などの感想や、教職員からは、「どんな関係にあっても、暴力は絶対にしてはいけないととらえた生徒が多かった」などの報告があり、区としても講座実施による啓発の効果はあるものと評価しています。
今後も区内各学校に対し、デートDV被害防止に向けた児童生徒への啓発の必要性について、積極的な働きかけを行ってまいります。
また、啓発パンフレットやホームページでの情報発信については、他自治体の取り組みを研究してまいります。
相談窓口については、区が行う、心と生き方・DV相談や区民相談、ならびにと京都やNPO法人が行う専門相談窓口への案内等について、わかりやすい羞恥に努めてまいります。
(3)JKビジネスなどの被害防止について
続いて、JKビジネスなどの被害防止について伺います。
JKビジネスとは、女子高生等の少年の性を売り物とする形態の営業であり、児童買春やストーカー被害に遭う危険があるとして、東京都では昨年、そのような店で、青少年を働かせることを禁止する条例を制定し、また、JKビジネスの危険を知らせるパンフレットも作成しています。
北区でも、先般の「第5次アゼリアプラン」中間の見直しで、「JKビジネス問題等に関する意識啓発」が、事業追加されました。そこでお伺い致します。
1、この間の北区の取り組みをお聞かせ下さい。
2、若年層や区民に対する啓発の際、JKビジネスの実態や危険について知らせると共に、子どもを性の対象にしてはならない。それは性暴力であり、性虐待だとの啓発、買う側の責任を明確に示して頂くよう求めます。
次に、相談・支援について伺います。
JKビジネスなどにかかわる少女達の中には、家族から虐待を受けていたり、ネグレクトや親の自死、家庭の経済状況の悪化、家に居場所がないなど、困難を抱えている状況がみうけられます。そうした居場所やつながりがなくて困っている子ども達に対し、性的搾取をする側のアプローチが勝っているという実態を、何としても打ち破っていかなければなりません。子ども達のS.O.Sに、本気で応える支援がどうしても必要です。そこでお伺い致します。
3 、LINEなど、いつでも相談できる体制、衣食住や関係性など、福祉や教育の支援、子どもシェルターの運営や機能強化など、北区としても民間の団体と協力・連携して、取り組んで頂くよう求めます。
【区の答弁】
国では、昨年3月、関係府省対策会議において、緊急対策が講じられ、広育・啓発の強化など、今後の対策が取りまとめられました。
北区においても、若年層の女性を狙った性的な暴力の問題は、大変深刻な問題であるとの認識の下、昨年度実施した第5次アゼリアプラン中間見直しの中で、JKビジネス問題等に関する意識啓発を、事業として位置づけました。
また、昨年度は区内大学の学園祭における啓発パンフレットの配布や、中央図書館での特集コーナーを設置するなどして、被害防止に向けた意識啓発に取り組みました。
今後は、若年層に向けた被害防止の啓発に加え、大人たちへの加害防止に向けた啓発にも努め、若年層の性の商品化を許さない気運の醸成を図ってまいります。
あわせて、SNS等を活用した相談の仕組み等、民間支援団体の支援状況を把握するとともに、その内容を区ホームページに掲載するなど、情報発信に努めてまいります。
3、政治分野における男女共同参画の推進について
大きく、3つ目の質問は、政治分野におけるジェンダー平等についてです。
5月16日、国政・地方の選挙で、男女の候補者数を「できる限り均等」とすることをめざす、いわゆる「候補者男女均等法」が、参議院本会議で、全会一致で可決・成立しました。あまりに少ない女性の議員を増やすよう促す日本で初めての法律です。
女性が初めて参政権を行使したのは1946年。今から72年前。その年の女性衆院議員は39人誕生し、8.6%でした。その後、女性議員はどれだけ増えてきたでしょうか? 現在は47人、10.1%で、72年もの間、たった1.5%しか増えていません。
改めて、その少なさを痛感致します。国際比較では、193ヵ国中159位。男女平等にはほど遠い、大きな隔たりがあります。
北区議会では今期、40人の定数で10人が当選し、在籍数では38人中9人、23.6%です。内閣府が、女性議員が増えることの意義について、政治に多様な民意を反映させる観点から極めて重要と報告しているとおり、法律制定後に行われる来年の地方選、参院選においても、政党、会派の取り組みが期待されます。
党区議団としても、各政党と競い合いながら、目標としては「半分」を、早期に実現する決意です。
更にこの法律は、政党・団体の他、地方自治体に対しても、啓発活動や環境整備を求めています。
私はつい先日、練馬区の男女共同参画センターのフェスティバルに参加した際、会場のパネル展示に感銘致しました。それは、「女性が本当に輝く社会に」とのテーマで、保育所整備や雇用の改善の他、女性の政治参画について、早速、可決した法律の紹介や女性議員を増やす意義などを、イラストやグラフも使って大きく展示。職員の方にお聞きしたところ、区民の皆さんが学習し、話し合いながらつくったパネルとのことです。
また、港区では今年度、男女平等参画センター助成事業として「女性政治リーダー養成講座」を実施しています。そこで質問します。
(1)政治分野における男女共同参画推進についての理解、啓発など、区民と共にすすめるよう求める
北区でも、政治分野における男女共同参画推進についての理解、啓発、研修など、区民と共にすすめるよう求めます。
【区の答弁】
本年5月、地方議員などの選挙に置いて、男女の候補者数をできる限り均等となることなどを基本原則とする「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が、公布・施行されました。
この法律の施行により、今後、政治分野における女性の参画が促され、多様な区民の声が、より一層、区政に反映されることが期待されます。
また、地方自治体の役割として、政治分野における男女共同参画の推進について、区民の関心と理解を深めるための必要な啓発活動に努めることが定められています。
区といたしましては、他自治体の取り組みを参考にしながら、意識啓発に向けた取り組みについて検討を進めてまいります。
(2)環境整備について、区長の見解を問う
次に、環境整備についてお聞きします。
昨年度、内閣府が実施した全国の女性議員、約4000名を対象にしたアンケート調査では、女性議員が増えない3つの課題が示されました。
第1に、政治は男性のものという固定的性別役割分担意識があるとの回答が6割にのぼる。
第2に、議員活動と家庭生活の両立環境が整備されていない。とりわけ、40歳代以下で、未就学児を抱える女性議員では、議員活動と育児の両立が課題との回答が8割近くある。
第3に、選挙資金など経済的な負担が大きいことです。
私自身も、任期中に出産、子育てを経験し、区民や議会内外の皆さんのあたたかい理解と協力の中で、何とか勤めを果たそうと、もがきながら歩んできました。
今後、若い世代の議員を増やしていくためにも、北区議会の環境整備として、不妊治療中や妊娠期・産後期の母体保護、授乳や保育についての課題、労働基準法に準じる産前6週・産後8週の休業及び、男性を含めた育児、介護休暇の議会規則の改正、保育園など申請時の証明書整備、代理投票制度の検討、全議員を対象にしたジェンダー研修の実施など、検討、改善が必要と考えています。
また、こうした課題は、特別職の区長などについても、同様ではないでしょうか。
そこで、政治分野における男女共同参画のための環境整備について、区長の見解をお尋ね致します。
【区の答弁】
平成30年3月に、内閣府がアンケート調査に基づき取りまとめた「政治分野における男女共同参画の推進に向けた地方議会議員に関する調査研究報告書」では、ご指摘の、地方議員で女性議員が増えない3つの課題が示されております。
今後、議会と相談しながら、必要な改善策について検討してまいります。
(3)民意を正確に反映する選挙制度改革を国に求めよ
最後の質問は、選挙制度についてです。
内閣府の男女共同参画会議の報告では、「選挙制度において、小選挙区より中選挙区制、比例代表制の方が、多様な民意が反映されやすい。女性議員の割合が高くなる。」と指摘しています。女性議員を増やす実効性ある改革として、
小選挙区制の廃止など、民意を正確に反映する選挙制度への改革をすすめるよう国に求めるべきと考えます。
区長の積極的な答弁を求め、質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。
【区の答弁】
国政選挙における小選挙区制、比例代表制などの選挙制度には、様々な評価があるところでございます。
選挙制度の見直しについては、国会の所管委員会等において、様々な議論が行われているところですので、その動向を注視してまいりたいと考えています。