1.汚染の分布の特徴 |
(1) |
深部に高濃度の汚染物質が存在
当該地域における表層の汚染は、概ね環境基準の10倍以内であるのに対し、深さ2~3mには、顔境基準の100倍を超える高濃度の汚染が存在する。 |
(2) |
不規則な汚染分布
汚染の有無や汚染濃度の分布には、水平方向、垂直方向とも明確な規則性がみられず、汚染された土壌が土地の改変等により攪乱され、汚染が分散したことが推測される。
これまで当該地で行われた、①工場建屋・設備等の増改築工事、②工場の除却工事、③住宅団地の建設工事、④団地(学校等を含む)内の植栽・道路・建築等の工事などによる土壌の攪乱行為が汚染土壌を拡散させた可能性が高い。
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2.対策方法の考え方 |
(1) |
掘削除去
・汚染が除去され、土地利用の自由度が増す。
・深部に存在する高濃度の汚染土壌を、常時人が生活する場で掘り起こすことによる危険を遮断する暴露管理が必要である。
・対策事業の実施には、多額のコストと長い期間がかかる。 |
(2) |
盛土封じ込め(その後の管理を含む)
・汚染が地中に残置されるため、土地利用には制限がある。
・地中の汚染土壌の掘り起こしによる人への暴露が生じないよう、日常の管理が必要である。
・比較的低コスト、短期間で対策事業が実施できる。
技術的には、両方法ともに人への暴露リスクの管理が適切に行われれば、住民の安全確保が図られる。対策方法は、将来の土地利用を踏まえ、所有者、管理者の意向に基づき選択する必要がある。 |
3.対策が必要な地域の範囲 |
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北区が範囲確定調査を実施した豊島東保育園、東豊島公園、豊島東小学校跡地については、概ね汚染の範囲が判明している。(一部の汚染濃度値は、再分析のため今後変更される可能性がある。)
また、都市再生機構が実施した深度調査から、団地内の広い範囲に汚染が見出されている。
これらの調査結果から、団地内の汚染分布が非常に不規則であり、団地内全域にわたる水平・垂直方向の汚染範囲の確定は、著しく困難と考えられる。
このため、汚染拡散の原因となった地歴等を参考に、汚染の可能性が高い地域の範囲を推定する必要がある。
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4.対策地域の指定の考え方 |
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上記の地域について、各地域の将来土地利用と対策方法を視野に入れ、対策地域の指定範囲を決定する。
なお、汚染の除去対策が終了した(または実施中)の地域は除く。 |