対策計画の考え方

事業実施者
北区を事業実施者として、対策計画を策定する。
(説明)
 
(1) 本対策地域は、北区が所有・管理する公共用地であり、管理の権限と責任を有する北区は事業実施者として適格である。
(2) 本対策地域は、保育園や公園という住民の日々の生活に結びついた区の施設が設置された地域であり、その地域の汚染対策を行い、住環境の向上を図るのは、住民に身近な基礎的自治体として当然の責務である。
(3) 対策事業の実施には、施設の利用制限や一時移転等を伴うことから、施設を所有・管理する北区が事業実施者となることにより円滑な実施が可能となる。

対策方法
覆土等による封じ込めを主な内容として、対策計画を策定する。
(説明)
(1) 東京都環境審議会は、今般の対策地域の措定に至る過程で、既に覆土を行っている地域について「覆土による封じ込めは、多数の住民が生活する等の条件の下では、適切にリスク管理が行われれば、大規模な掘削により汚染を除去する方法より相対的にリスクが小さくなるものと評価」しており、本対策地域についてもこの考え方は該当する。
(2) 本対策地域の現状をみると、ブルーシートによる飛散防止対策のみで約1年も放置されており、住民の不安も限界に達している。住民の安全・安心を確保するため、早急に本格的な対策を講ずる必要があり、覆土等による封じ込めは、土壌掘削による浄化に比ペて格段に短期間で完了できる。
その他
(1) 掘削除去による方法についても検討を行った結果、以下のような課題がある。
ア) 高濃度かつ多量の汚染土壌の掘削に伴うリスク
本対策地域の汚染土壌は推定約3万m3(ドラム缶釣20万本)と多量であり、ダイオキシン類濃度も高いことから、多数の住民が生活する場で長期にわたって掘削を行うことは、汚染土壌の飛散防止など高度の安全対策を講じたとしても、周辺住民へのリスクが大きくなる旨、東京都環境審議会や土壌汚染対策検討委員会の専門家からの指摘がある。
イ) 自区内での処理施設設置の困難性
高濃度かつ多量の汚染土壌を域外に搬出して浄化処理することは極めて困難であることから、自区内での処理が基本となり、汚染土壌の浄化処理施設は多数の住民が居住する地域内に設置することとなるが、そのための住民の合意形成には時間がかかることが予想され、早期の対策完了が望めない。
ウ) 処理開始までの期間が長期化
ダイオキシン類汚染土壌の現地処理の技術は必ずしも確立ざれていないことから、本件地のように重金属汚染が共存する土壌を安全かつ確実に浄化処理することが可能な技術の選定には実証実験を含む多面的な検討が必要となり、処理開始まで長期間を要し、迅速な対応が困難になる。
なお、将来、本対策地域について土地利用の変更がなされる場合には、その内容によっては汚染物質の掘削除去が必要となる場合が考えられる。また、今後、浄化処理技術の進展等により処理に伴うりスクの低減や費用の低廉化が図られることも想定される。
  このような場合において、本対策地域を所有・管理する北区から汚染の除去対策を講ずる意向が示された場合には、都はあらためて対策計画を策定することとする。

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