(1) |
住民の不安解消に答えられる説明能力を有している。 対策の実施に当たっては、1万人以上の周辺住民の安全確保と不安の解消が最重要課題である。
対策方法の安全性、適確性及び実施に当たってのリスク管理について住民に責任をもって説明できるのは、ダイオキシン類対策特別措置法(以下、ダイ特法という。)に基づき対策計画を策定する東京都である。 |
(2) |
大田区でのダイオキシン類土壌汚染除去等実施の実績を有している。
ダイ特法の指定第1号である大田区の区道及び民有地の事例では、区道も含め東京都が実施した。対策と住民の安全確保のためには、高度な専門的知識と組織力を必要とすることから、東京都が実施したことは妥当である。
北区の汚染地域ははるかに大規模で、多数の住民が生活しており、過去の実績を持つ東京都が実施すべきである。 |
(3) |
科学的な因果関係解明能力を有している
ダイ特法では、科学的に因果関係が明確にできれば、公害防止事業費事業者負担法に基づき事業実施者が対策計画の実施経費を原因者に対して求償できることとされている。原因者を解明し求償に全力を尽くすことは、行政としての責務である。
東京都はダイオキシン類に関する研究実績をもつ東京都環境科学研究所を有している。指定第1号である大田区の事例において係争中の当事者として一審で勝訴するなど原因を科学的に証明する能力を有する東京都が実施者となることが最適である。 |
(4) |
府県事務の実施主体である
地域指定しなかった地域を含めて汚染地域の規模は面積で14ヘクタール以上、居住者数では1万人以上のかつてない大規模なものであり、且つ対応には高度な技術・知識、組織力を必要とするものである。
地方自治法第2粂第5項にいう「その規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められる」事務であり、住民の安全を確保し不安の解消を図るには、府県事務を担っている東京都が対策を実施することが当然の責務である。 |
(5) |
ダイ特法は、公共事業型のしくみであり、土地所有者を事業実施者として予定しているものではない。 |