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3.まとめ
  豊島五丁目団地居住者、豊島東保育園関係者のうち、血液中の鉛及び砒素濃度を測定した137人の結果は以下のとおりである。
3-1測定結果について
(1)鉛
・本調査の対象者の血液中鉛濃度の範囲は0.4~4.5μg/dL、平均値は1.3μg/dLであり、 未就学児(3~6歳)の範囲は0.6~2.3μg/dL、平均値は1.4μg/dLであった。
・これは、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)が示している目標値(成人;25μg/dL、6歳未満の小児;10μg/dL)を上回るものではなく、また、既存調査の濃度レベルの範囲内であった。

(2)砒素
・本調査の対象者の血液中枇素濃度の範囲は0.1~2.3μg/dL、平均値は0.5μg/dLであり、既存調査の濃度レベルの範囲内であった。

3-2 汚染土壌等との関連について
(1)居住地との関連
・調査時点の現住所が豊島五丁目団地内の対象者と団地外の対象者の間に、血液中鉛及び砒素濃度の差は認められなかった。
(2)豊島東保育園への通園歴との関連
・鉛については、園庭の表層土壌から土壌汚染対策法に基づく土壌含有量基準を超える値が検出された豊島東保育園への通園の有無による血液中鉛濃度の差は認められなかった。
(3)土壌の摂取頻度等との関連
・鉛については、豊島東保育園の園庭や団地内の表層土壌から土壌汚染対策法に基づく土壌含有量基準を超える値が検出されたが、団地内の土壌の摂取頻度が比較的高いと考えられる未就学児(3~6歳)及び児童生徒(7~15歳)について、土遊びの経験、土壌の摂取頻度と血液中鉛濃度の関係は認められなかった。
・砒素については、としま若葉小学校並びに豊島北中学校脇の表層土壌で土壌汚染対策法に基づく土壌含有量基準を超えていたため、調査を行ったが、団地内の土壌の摂取頻度が比較的高いと考えられる未就学児(3~6歳)及び児童生徒(7~15歳)について、土遊びの経験、土壌の摂取頻度と血液中砒素濃度の関係は認められなかった。

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