日本共産党北区議・福島宏典・ふくしまひろのり
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■都内8区長 不適正交際費118万円
05年度「違法」パーティー券も
(3月3日付「読売新聞」夕刊)

 東京23区のうち8区の区長が2005年度、政治資金パーティー券購入や政治家・政党主催の会合参加費などに交際費から計118万4500円(147件)を支出していたことが読売新聞の集計で分かった。地方自治体の首長交際費によるパーティー券購入などについては、「行政の政治的中立性を損なう」として違法とする高裁段階の判断もあり、区長交際費のあり方が問われそうだ。
 読売新聞が05年度の区長交際費の支出状況を23区に情報公開請求するなどし、奈良県西吉野村(現・五條市)の村長(当時)の交際費支出を巡り、大阪高裁が02年12月、「違法」との判断を示した(1)政治資金パーティー券(2)政治家の会合(3)政党の会合ーへの支出があるかどうか調べた。
 この結果、北(36件、25万7000円)、中央(31件、41万7000円)、葛飾(29件、12万7500円)、大田(22件、20万4500円)、品川(13件、8万1000円)、江東(11件、5万7500円)、板橋(4件、3万円)、台東(1件、1万円)の8区の区長が支出していた。
このうち国会議員や政党の政治資金パーティー券を購入していたのは北(6件、8万円)、大田(7件、9万5000円)、中央(2件、2万円=返還済み)など江東を除く7区長で、総額23万円だった。
 大阪高裁判決では、政治資金パーティー券購入、政党の定期大会への会費支出、政治家の「出陣祝い」などは「行政の政治的中立を害する行為」として違法と判断、村長に返還を命じた。ただ、政党や議員個人の主催する会合への支出については、一部を合法とする判決も出ており、統一的な司法判断はまだない。
 中央区の矢田美英区長は「長年の制度として交際費を出していたが、改めたい」とし、大田区の西野善雄区長も「見直すべきは見直すという視点に立って対応したい」と話している。
 首長の交際費問題に取り組む石川量堂弁護士は「首長が顔つなぎのために特定の政治家や政党側に公費を支出するのは、官官接待に構図が似ている。税金で賄われる交際費の使い方として不適切だ」としている。

■区長交際費 不適正6区HP非公開
  市民の監視に目隠し
(3月4日付「読売新聞」)


 政治資金パーティーや、政治家・政党主催の会合などへの不適正な支出が明らかになった区長交際費問題。2005年度に支出していた8区では、いずれも交際費の詳細をホームページ(HP)で公開しておらず、支出先や会合など具体的な内容がわからない状態だった。情報開示請求しても、政治家の名前が非公開となっているケースもあり、市民の監視の目は届きにくい。情報公開に対する消極的な姿勢に、公金支出に対する区の甘い認識が隠されていた。
 23区のうち、05年度に政治家や政党の会合の参加費などに区長交際費を支出していたことが判明したのは、北、中央、葛飾、大田、品川、江東、板橋、台東の8区長。このうち、北、葛飾、台東、品川、大田、板橋の6区は、区長交際費にかかわる情報をHPでは一切公表していない。一応公表している中央と江東の2区でも、「儀礼」「接遇」「弔慰」などの大まかな項目ごとの件数と合計金額が書かれているだけ。これでは、今回明らかになったような不適正な支出はわからない。
 詳細を知るには、情報公開請求で現金出納簿を入手するしかない。しかし、中央区の場合、「■■を囲む春の集い」 「■■様との懇談」など、人の名前とみられる62か所が黒く塗りつぶされていた。読売新聞が取材した結果、黒塗りのうち27件は政治家の関係する会合への参加費だった。
 政治家や政党の主催したパーティーや会合については公開していても、香典や見舞金の支出先は「個人情報保護」を理由に非開示とする区も多い。北区の場合、56件の香典や生花、結婚披露宴会費などに約73万円が支出されたが、黒く塗りつぶされているため、支出先に政治家がいても検証の方法はない。
 一方で、HPで明細まで公表している6区は、いずれも政治家や政党の会合に支出をしていなかった。全26市がHPで交際費の明細を公開している市部では、既に交際費からの政治家などの会合への支出を打ち切っている(三鷹、町田市長は05年度途中に返還)。
 「情報公開の進み具合と、交際費支出などの不適正な度合いは反比例する」と指摘するのは、首長交際費問題に取り組む石川量堂弁護士だ。「不適正なことをしていないから公開できているともいえるが、透明性を高めることで、常に税金の使い方に緊張感を感じるからでは」と話す。
 また、今回、不適切な支出が判明した区で目立つのが、交際費の高額傾向だ。区長交際費の高額トップ5のうち3区は、今回、政治家や政党の会合に交際費を支出していた大田、中央、台東。中央区の矢田美英区長の場合、05年度1年間で、交際費507万8000円のほか、弔慰金などの報償費約491万5000円も支出し、交際に要する経費は計約1000万円に上っていた。
 石川弁護士は、「全国的に交際費が減額されている傾向なのに、23区の交際費の多さは突出している。たくさん使える中で、税金を使うことに対する感覚や責任感が鈍ってしまったのではないか」と話している。

交際費 「公益上必要がある場合は、寄付または補助ができる」とする地方自治法の規定を根拠として支出される。2002年に大阪高裁が奈良県西吉野村(現・五條市)の村長(当時)の交際費を巡り、政治資金パーティー券購入や政治家・政党の会合への参加費支出などを「違法」とする判断を示したことから、こうした支出を見合わせる自治体が増えている。

 
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